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七つの会議
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七つの会議の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全340件 321~340 17/17ページ
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| 本書は、全八話で構成された連作短編集の体裁を取っているのだが、第三話を除き、通常の連作短編集より各話が一層緊密に繋がっており、実質的には、全八章から成る一つの長編作にも見える。 本書の第一話で描かれている物語は、一見、どこにでもあるような単なるパワハラ問題に過ぎなかったのだが、これが、各話へと進んでいくにつれて、意外な広がりを持っていくのだ。本書は、題材的には、筆者の代表作の一つである「空飛ぶタイヤ」を髣髴とさせるところがあるのだが、「空飛ぶタイヤ」が実際に起こった事件をモデルとしていたことから結末が想定できたのに対し、本書は完全なフィクションであり、第一話からは想像も出来なかったからくりが次々にあらわになっていく展開には、ミステリ小説的な面白さがある。 また、各話では、各話の物語に並行して、それぞれの登場人物たちの組織における現在の立ち位置に至るまでの人間ドラマが並行して描かれているのだが、特に、悪役として描かれている登場人物は、表面的な悪役としての顔の裏に隠れた本当の顔がよく描かれており、読者にその人物評価を一変させるだけの、切なく胸に迫ってくるものがある。 「空飛ぶタイヤ」が文庫本で上下二巻に及ぶ長大なものであったのに対し、本書は、コンパクトにまとまっており、テンポよく読者をグイグイと引っ張っていってくれるので、ラストまでスラスラと一気に読めるほど非常に読み易かったのも大変ありがたかった。本書を連作短編集として見るのなら、本書は、数ある筆者の短編集の中のベスト作といっていいと思う。 ちなみに、本書はクライム・ノベルなのだが、そうしたこととは全く次元が違うにしても、組織の中で働くサラリーマンというものは、本書の中の登場人物のように、多かれ少なかれ、組織の中における自らの立ち位置などについて、何らかの悩み・問題を抱えているものではないだろうか。筆者は、最終話の中で、登場人物に「サラリーマンって、難しいね」という台詞を語らせているのだが、けだし名言であり、同じサラリーマンとして、身につまされて共感を感じる台詞だった。 | ||||
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| 大手総合家電ソニックの子会社・東京建電に巻き起こる、存続に係る 事件の全貌を7つの掌編で解きほぐし、すっきりまとめた一冊。 社員や取引先など、一見関係ないテーマで物語りは綴られ、やがて ひとつの方向に集約されてゆく。 それぞれの主人公は、バカ正直、ヒラメ、平凡なOL、猛烈営業マン など視点が違い、表の顔の裏に隠れた姿が暴かれる。 一つひとつが完成された短編となっているところが、作者のウデだろう。 主人公のひとり、八角こと「居眠りハッカク」が誰かのシリーズを連想 させて楽しい。 | ||||
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| 最初短編集かと思いましたが、それぞれの話が繋がっていて楽しかったです。ただあまりに勧善懲悪的な話でリアリティーが無いように感じました。 高い目標を設定しそれを達成するために社員全員で努力することは、正しいことだと思います。顧客も自社もお互いに満足できる一点に向かって努力すべきです。厳しすぎるノルマが不正の根本原因のようにも受け取れましたが、たとえ厳しかったとしても、そのノルマを達成できなければ利益が出ないのであれば、必要なノルマです。東京建電は単に競合他社の分析や、オフショア等を含む部品のコストダウン、製造行程の改善など企業としてすべきことが出来てなかったのと、宮野が社長の器ではなかっただけのように思われます。 第二話のねじ六の話が一番好きです。 | ||||
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| 池井戸潤は旧来の企業小説またサラリーマン小説とは異なるスタイルを追及してきた。 本作を読んでとても感心したのは、本作の舞台が「大手企業傘下の中堅メーカー」という設定でありながら、登場人物や業務のやり方は、零細企業や中小企業のそれに近いという点である。 サラリーマン社会と言われながらも、その95%は中小企業また零細企業で働く日本でありながら、かつての企業小説は大手企業を舞台とし、中小企業といえば実態とはかけ離れた牧歌的なサラリーマン小説に登場するばかりだった。 なぜリアルな中小企業は小説たりえなかったのか?その答えは単純で、そんな醜く哀れな生々しいものにお金を払う読者はいないからである。自分を眺めるために鏡を買うブスがいないのと同じことだ。 しかし、池井戸潤は、そのリアリズムを追求する一方で、オレバブとも言われるシリーズに代表される「ありえないヒーロー像」を持ち込むことで、読者にカタルシスを与える形でのリアリズム追及に成功したのである。 そして、本作が秀逸なのは、連作の主人公ひとりひとりが、実に中小企業リーマン的な姑息で醜い者達ばかりという点。それを余りに極めることで、読者に作品が己を映す鏡と思わせないところが、実にすばらしい。 格差社会が進む中で、かつての企業小説やサラリーマン小説を楽しめる層が激減するところで、その激減した層の行き付いた先のクッションとしての池井戸作品は今後とも売れ続けることだろう。 | ||||
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| 池井戸潤氏の小説は、企業で働く人物の描写や心の葛藤がリアルだ。 今回の作品にヒーローはいない。しかも最後まで結果が見えないストーリーは、下町ロケットのようなどんどんアガっていく気持ちの高揚感はない。でも、不思議とストーリーにひきこまれ、一気に読んでしまった。 普通のサラリーマンが、ちょっとした出来心で不正に手を染めてしまう。そして、それを組織で隠蔽にはしる。世の中で起きる不祥事はこんな感じなんだろうかと、ドキッとさせられるストーリーである。 八角係長の奥さん、「サラリーマンは難しいわね。バカ正直でもダメだし、かといって、いい加減でもうまくいかないでしょ」っていうセリフは、妙に印象的だった。 | ||||
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| 良かった!自分も不正を見逃すことができないタイプです。 八角さんのような感じで、自分の行く末、方向性が見えたような感じでした。 | ||||
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| 文句の付けようがない大傑作といえるだろう。 「空飛ぶタイヤ」で自ら先鞭をつけたとも言える企業コンプラ小説の金字塔といえるだけでなく、 その「空飛ぶタイヤ」すら上回る出来と言っても過言ではない。 2012年度のエンタメ小説全体でも3本の指に入る出来ではないかと思う。 とはいえ、文句とまではいかないが、読み終えて「ん?」と思った点が幾つかあるのでその点にちょっとだけ触れておきたい。 まずは冒頭に示される大きな「謎」について。 この謎が非常に魅力的であることがこの小説の大きな成功要因であると思うが、 残念ながらその謎自体の解決そのものは余りすっきりしたものとはなっていない。 もちろん途中からその辺のことはほとんどの読者にとってどうでも良くなってくる部分なのであろうが、 作者とて、もとは乱歩賞から世に出たミステリ書きであり、完全にミステリ作家としての看板を下ろしたわけでもあるまいし、 むしろミステリ要素の部分をどう捌くかで、小説全体の魅力が一段も二段も上がってくる。 (要するに八角が最初の出来事の裏で具体的にどう絡んできて、結局会社としての落とし所がどこだったのか、 がよくわからない、という点) その辺もう少し丁寧に書き込んで欲しかったのが一つ。 もう一つは「ああ、あれがモチーフだったか」みたいなのが何となく透けて見えるところ、言い換えれば「既視感」か。 で、そのモチーフとなった事例は現実にもあったわけで、それはそれで納得できるのだが、今回の作例はそれと比べて 非常にわかりやすい反面、「そこまでやる価値あるの?」という疑問が拭いきれず、要は企業としてのリスクテイクの コスト見合いがどう考えても甘すぎるように感じられる点である。 まあ、この辺は半分ないものねだりのいちゃもんに近いものであることは、自分でも十分自覚して書いているのだが、 とにかく今年度を代表する良質の作品に接することができて大変満足している。 今後も大いに期待したい。 | ||||
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| この本はスラスラと読めて、意外とまではいかないが、予定調和に近い形のクライマックスさらにはラストまで続く。さすが、池井戸潤と言うに相応しい「らしい」作風である。 一方、本作に新境地を見出すなら、中小企業で働く小人物の描き方に注目である。もちろん、彼の旧作にも中小企業やそこで働く人は登場しているが、どちらかというと正義・良心・勤勉そういったものの代弁者となっていた。しかし、本作の舞台となる会社は、大手メーカーの子会社とも思えぬ、緩くブラックな、敢えて言えば零細企業の社風・業務形態・ガバナンスとなっている。そして、登場人物も揃いも揃って、これまでの池井戸作品では悪役でしかなかったキャラが多数を占めている。 それでありながら、本作は他のレビューを見ても、読者にカタルシスを与えているようであるし、自分の勤務先や職場環境を感じさせていないようである。 これは思うに、主人公の言動が、読者には真似のできないものであるからだろう。主人公が読者のような平凡な者には決してできない掟破りや上司・親会社・組織を退治する、そして、掟破りにもかかわらず主人公が正義に見える、この現実には決して起きないところにカタルシスを見出す者が多いから、池井戸潤は人気作家であるのだろう。 | ||||
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| 池井戸さんの作品、不自然で強引な展開のものがあるのですが、七つの会議はごく普通にありうる事が描かれており、最初別々の短編集ような3部がつながって1つのドラマを作り上げて行く所が非常に面白かったです。 | ||||
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| またもや池井戸さんに、ノックダウン。 もうあっぱれとしかいうことができない快作です。 段々最後に向かって行くときは、もうページめくるのがもどかしかったです。 年末年始。 つまらないTVを見ている時間があったら、 是非これを読んでください!それくらい大プッシュです。 | ||||
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| 私は、この手の現実的な作品こそ、最も上質な小説だと感じる。 殺人や大事件など、非日常でセンセーショナルな場面設定に逃げていない。 会社における不正という、日常的に自らが遭遇しそうな設定の中で、個人の心理の葛藤が、実にリアルかつ巧みに描かれている。 登場人物ごとに、共感するキャラクターと、そうでない場合があるが、いずれも安易に善人、悪人に分かれていない。 その人の生い立ちや、性格が形成される過程の描写も丁寧で、悪事を犯してしまう人物に対しても憐憫の情をそそられたりする。 私自身も、会社の存亡と、自らの内面的な正義を通すことの是非を突き付けられた場合、どう判断するかを、常に自らに問いながら読み進んだ。 自らの「実生活」と、小説内で登場人物の心理をリアルに追体験できる「もう一つのワールド」と。 この小説を読んでいる間、2つのワクワク感が、いつも心の中に存在した感じになった。 同時代に、こんな秀逸な小説の書き手がいてくれることに、感謝したい。 | ||||
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| たまたま、本屋に並べるために積まれていた本を手にとって買ってみた。 それぞれの立場と、それぞれの基準値が明らかにされていく中で、スカッとするわけでなく、「短期的に見れば」逃げ切れば勝ちかもしれないなという考えを覆すにいたるところまではいかない現実はありつつも、まぁ、主人公?の奥さんが物わかりがよくて救いであった。 続編ということではないが、それぞれの後日談というのがあってもよかったと思う。 敗者復活を認めるのか、贖罪をどう描くのかという点で。 (贖罪しないって気もするけれど) | ||||
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| ずっと池井戸潤さんの作品は読んでいましたが、『空飛ぶタイヤ』を最高峰として、以降は低調だと思って いました(※個人の感想です♪)。 池井戸作品の魅力として、具体的な業務の詳細や現場の葛藤のリアルさがあると思います。だからこそ、 現場や業務のあれこれは違っても、それなりに経験のある社会人にとって登場人物に感情移入もし、先々 の展開に手に汗握る部分もあったのだろうと。 しかし、最近の『鉄の骨』や『下町ロケット』(それぞれ映像化もされましたね)、人気が高いシリーズの最新 作『ロスジェネの逆襲』などは、それらがいかにも弱く、定型的な業務の描写に、どこかで見たような勧善懲 悪のプロットで、中盤くらいで、誰が悪として懲らしめられるのか、見通せるような感じで、どうにも入り込めな いなと感じていました。 しかし、本作では、最近では弱いなと思っていた従来の池井戸作品の良さが戻ってきました。しかも、最後 まで一番悪い奴が誰かは闇の中だし、ヒーローとして立ち振る舞うのが誰かも定まらず(いや、本作にヒーロー はいないのかも)、これまでのように、早々に「会社」内での善玉と悪玉が色分けされるようなこともなく、久し ぶりに頁をめくる手が止まりませんでした。 読みながら、「これ、これ!」っていう感じを禁じ得ませんでした。 社会人の方には、自身の業務体験と照らして、ヒリヒリする感覚があるかとも思いますし、個々に述べられる 登場人物の背景には、世の中の広がりを示唆することで、テーマのひとつである「客を大事にしない商売は 滅びる」ということに、一層の厚みを与える効果もあると思います。 久しぶりに、(個人的に想定している)池井戸節を堪能して満足度は非常に高いです♪ 従来、池井戸潤氏のファンでありながら、最近の作品に、今一満足しきれないものを感じていたという読者 (そういう方がいらっしゃったとして)には、是非ともお手に取ることをお薦めします。 | ||||
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| 最近池井戸作品にはまって読んでます。 普通にありえるサラリーマンの世界で、感情移入もでき一気に読んでしまいました。 何故、人間は責任のなすりあい、嫉妬、あげあし取りなどするのだろうと冷静に考えさせられる作品です。 そして本編のテーマ隠蔽工作は、過去の作品にもありましたがリアルな映像が映し出されています。 私は、民間だけでなく、今の政界にもそっくり言えることであって自分が日々新聞を読むたびに感じる怒りを 作者は見事に描いていると思います。 池井戸作品は、日常のいろんな人間模様を描いていますが、その奥底には怒りや主張を読者が自由に想像できる魅力があります。 「空飛ぶタイヤ」に匹敵する秀作だと思います。 | ||||
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| 企業小説と呼ばれる作品は以前よりたくさんありますが、池井戸氏の小説がそれらとちょっと違うのは、単なるライバルとの出世競争や企業存続にかけた人々の戦いのような勝ち取るためのストーリーではなく、「何のために働くのか?」という命題に対して登場人物の誰もがそれぞれの立ち位置から自分なりの信念をぶつけ合うお互いの存在意義を問う勝ち負けのないストーリのためです。 本作品も企業のために何を犠牲にしていいのかという命題に対してそれぞれの立場や考え方によっるアプローチの違いがとてもリアリティがあり、自分だったらどうするのか?を問いかけながら読み進むこともできますので、単なる企業小説ではなくビジネス書としても楽しめます。おすすめです。 | ||||
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| 池井戸作品の魅力は、なんといっても、すべての登場人物が、「生きている」ということにあると思う。 生きていくということは、常にヒーローでいることはできない。 光と闇、そしてその中間、そのすべてがあって、「生きていく」ことだと思う。 本作の登場人物は、一見、ヒーローもしくは悪役に見える。 しかし、その本質は、「人間」なのである。 特に、本作では、企業の一部が隠蔽するある秘密に、登場人物はどう立ち向かっていくかが描かれている。 そして、それぞれの人物には過去があり、現在がある。 果たして、正さなくてはならないものとは、本当の罪とは何なのか。 企業に生きる人にはもちろん、それ以外の方にも、 何を「糧」として生きていくかを改めて考えさせられる一冊。 | ||||
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| 一気に読んでしまいました。 筆者らしいテーマであり、まさに日本の会社、サラリーマンの 在り方を生々しく描く確かな力量があると思います。 その中でも、私はそれぞれの家族、家庭の描き方が秀逸だと思いました。 (心がヒリヒリしました・・) ただ、少し構成に中途半端さも感じましたので★4としましたが 是非世の中のサラリーマンに読んでいただきたい作品です。 | ||||
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| また1冊、秀逸な作品が生まれました。 強くなく、カッコよくない市井の人々が、自分にとっての「正義」を追いかけて必死にあがく姿は、 等身大のリアリティがあるストーリーです。 「空飛ぶタイヤ」を思い出させる、読み応え有る作品でした。 衛星のような7つのストーリーを読み継いで最後のセンテンスにたどり着いた時、 ピリリとスパイスが効いていて、でも爽やかな、硬質のシンパシーを感じる読後感が広がります。 欲を言えば、もっともっとディテールを書き込んでもらっても良かったなぁというぐらい。 池井戸さんのファンも、池井戸さんの本を初めて手にとる方にもお勧めの1冊。 池井戸さんの作品を初めて読むなら、「空飛ぶタイヤ」や「鉄の骨」、「下町ロケット」よりも 作品の世界に入り込みやすいかもしれません。 | ||||
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| この本は、組織に働く方におすすめしたいです。 初めて池井戸さんの本を読んだのが、「下町ロケット」。 この本、賞もとり高評価ですが、私は、もう池井戸さんの本は読まないと思いました。 自分には、「下町ロケット」はあいませんでした。 でも「七つの会議」は違う。過去の池井戸作品をぜひ読んでみようと思います。 最初は、平坦な単調なはじまりで、やっぱりつまんないかなぁと思いながらも、次が気になり読み続け、 途中からは一気読みでした。 一人一人の話しが、一つにつながる。それが組織。 組織、その中で働き、食ってく不条理のようなものが、ぎりぎりきます。 これが池井戸作品なんだと分かりました。 今、実にシンプルな、誠実な商売、が人生をかたにわきにやられ、サラリーマンは外ではなく、内にばかり、数字にばかり目がいく結果が、 今の、日本の凋落に思えます。 これからサラリーマンになる学生に、ぜひ読んで欲しいです。 星が一つ少ないのは、これからもがんばって書いてくださいという、塗りあまりです。 | ||||
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| 池井戸氏の今年3冊目の小説ですから、読む前に「乱作ではないか」「質が落ちているのではないか」と案じましたが、まったく私の杞憂となりました。 中堅電機メーカーを舞台とした企業不祥事をめぐる物語です。8つの短編の連作なのですが通して読むと長編小説となります。この手法を池井戸氏は「シャイロックの子供たち」や「不祥事」「仇敵」で成功させていて、本作にはさらに凝った仕掛けが施されています。 若手の優秀な営業課長が部下の係長からパワハラを告発されます。大方の予想を裏切り、課長が営業部門から外され「人事部付」との厳しい処分が下ったために社内は騒然となります。やがてその処分の真相を探ろうとする者が現れて。 章ごとに異なる人物を軸として話は進んでいきます。無気力な働きぶりの万年係長、下請けの零細企業の社長、不倫で捨てられたOL、昇進志向の経理課員、叩き上げの営業課長、出世コースから外れた顧客相談窓口、親会社から送り込まれた副社長などです。いつもながら、敗れた人、弱い人、つまずいた人へ作者の優しい視線が注がれています。 厳しい競争にいかに勝つか、利益をどう出すのか、「組織の論理」に押しつぶされていいのか、自分を失わないためにどうすればいいのか、そもそも何のために働くのか。組織で働く上で避けることのできないこれらの問題に悩み、呻吟する人間を描かせたら池井戸氏を凌ぐ作家はいないでしょう。だからこそ彼の作品が多くのビジネスマンに共感されるのだと私は思います。 「客を大事にしないと商売はほろびる。高い志をもって誠実に生きよ。そうすれば必ず道は開かれる」 池井戸氏がかねてより繰り返すメッセージですが、今回も胸が熱くなりました。 | ||||
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