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風の海 迷宮の岸 十二国記
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風の海 迷宮の岸 十二国記の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全54件 21~40 2/3ページ
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剣と魔法の登場する異世界ファンタジーだが、それが全く主役ではない。今巻では生まれてすぐに現実世界に流されてしまった、この世界の王を識別して補佐する役たるべき少年が10年以上の歳月を経て連れ戻されるが、この世界でも自分は不完全な存在ではないのかと悩み苦しんだ末に、王たるべき人を選ぶと言う話である。彼の心理的葛藤が主眼で描かれており、剣や魔法で派手な戦いなど一切ないのだが、スラスラ読めて実に面白い。 この異世界の設定は非常に複雑に作り込まれているが、何もわからない少年の立場で徐々に見えて来るように描かれているので、理解に難渋する事はない。簡単に説明してしまおうとすれば荒唐無稽過ぎる設定なのに、細部まで細かく作り込まれているからか、、強いリアリティーを持って立ち上がって来る。出自の由か現実世界でもうまく生きていけなかった少年が、こちらの世界でも自分は不完全な麒麟なのではないかと悩む姿が読み手にひしひしと伝わって来る。そして正しく王たるべき人を選んだ時、それまでどうしても出来なかった麒麟と言う獣形への変形も、強大な妖魔を従者として折伏する術も成就してしまう。それでも本当に正しく王を選んだのか自信が持てない彼が、自分と同様の経歴を持つ他の麒麟の介入でようやく自己の正当さに確信を持った時、読み手も彼と一緒にカタルシスを覚えるだろう。 | ||||
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陽子の王の話から、こちらは麒麟が主役の話。 月の影 影の海の上下を読み、その後シリーズを全て読もうと、数冊目を読んでる途中ですが。 麒麟の立場や大変さ、心境もよく解ってとても良い内容です。この1冊だけの泰麒の成長、良かったと思います。 最後の「王選び」で、天命を感じなかったのに、王を選んだ所で終わりましたが、その後の戴国の続きが楽しみです。その選択で良かったのか?どうなるのか?と。 この泰麒の先は「魔性の子」で解明されてくる?との情報があったので「魔性の子」は、王の陽子と出会う本の前に読もうと思ってます。 シリーズとしては「魔性の子」が0冊目にきてますが、内容としては、この泰麒の王選びと、最後に?陽子と出会うまでの間の話だと言う事なので、その順に読むつもりです。泰麒だけに関わらず、陽子や延王、六太と、色んな主人公の先が楽しみです。冊数にして長い物語・シリーズですが、この世界に入り込んで読み進められます。 十二国記シリーズ、出会えて良かった。 | ||||
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理想的な未来を予感させるけれど、シリーズを通すと最も辛い運命を背負う国の初期の物語。 「魔性の子」が「0」に加わったことで全体像がさらに見えてきましたが…。 | ||||
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今回の主役は王ではなく、麒麟。 戴国の麒麟・泰麒にスポットを当て、麒麟が生まれてから王に出会い、即位式に至るまでの話が麒麟の視点で描かれています。 胎果として十年余り蓬莱で育った泰麒には、麒麟として本来当然にできることができないでいた。人としても、麒麟としても、自分は何かが欠けていると思い悩む幼い泰麒。そこで、慶国の麒麟・景麒に指南してもらうことになったのだが。。。 泰麒を支援する麒麟たちのやりとりがとても微笑ましいです。 延王曰く、「麗しき同族愛」。まさにその通り、心温まる麒麟の物語。 十二国シリーズでは最も柔らかい内容となっており、かなり好き。 前巻では見られなかった景麒の横顔も描かれ、能面顔の下に抱える悩みや苦労・心の動きが分かり、ぐっとその存在が身近に感じられました。また、蓬山であのような女仙たちに囲まれて生まれ育ち、一体どのようにして景麒が今の状態に至ったのか、とても興味ありますね(笑 短編でもいいので、景麒の幼少時代を描いて貰いたいです。 その他、柔らかいばかりではなく、泰麒が妖魔と対決する迫力満点のシーンもあります。 張りつめた空気感が伝わってくる見事な描写に、目が離せません。 「麒麟」に興味を惹かれる人にとって、存分に楽しめる、お気に入りとなる作品ではないでしょうか。おすすめです。 ところで、胎果の泰麒は蓬莱とこちらの世界で姿が変わっていないみたいですが、どうしてなのでしょう…? 延王も変わっていないみたいですが。。。謎だ。 | ||||
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なぜ王は決まって女なんだろうか? それも少女。思春期の極めて不安定な女を王に据えると考えると寒気がする。 ネロやカリグラ以上の暗君になる事は分かりきってるではないか。 で、肝心な所は麒麟=優秀な男任せなのねと思うと失笑する。 優秀な男におんぶにだっこの"王"って・・・ | ||||
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巻頭、《十二国図》、《黄海図》を何度も見返しました。 冒頭のプロローグは、『魔性の子』と同様のものです。 舞台は、十二国の黄海は蓬山、少年の麒麟泰麒の心の葛藤と成長が丹念に描かれます。 『月の影 影の海』の冒険譚とは違い、本書はなにか箱庭的に物語が展開し、読みながら十二国の世界の様子や麒麟の生い立ち、王と麒麟の関係なども自然に頭に入るのです。 物語は終盤、戴国へ・・・。 『魔性の子』で、過去に神隠しにあったとされる高校生高里、その神隠しの時期の物語が本書ということになりますが、再度(日本)へ戻ることになるわけでその理由は、後に語られるのでしょう・・・。 読み出したら止まらない・・・、おすすめです! | ||||
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アニメをNHK衛星放送で見ましたが、小説のほうが話に深みがあり私なりの解釈を合わせてみたりして楽しめます。早く、十二国すべての巻が出版されるといいですが。 | ||||
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タイキの物語は風の海 迷宮の岸以外は悲しすぎる。 運命なのか、故あってのことなのか? ですが風の海 迷宮の岸と図南の翼は十二国記の中でも、 楽しい!作品に私は思います。 もし、これから読む人は魔性の子を飛ばして風の海 迷宮の岸から 読むのもありかもしれません。 | ||||
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十二国記を順番に読んでいますが、著者の表現力が最も冴え渡っているのがこの作品だと思います。架空の世界の物語なのでライトノベルのカテゴリーになるのでしょうが、その表現は純文学ともいえます。世界観なのか、ありあまる表現力なのか、主要な登場人物の言い回しは中国の歴史小説のようでもあり、それが魅力でもあります。 | ||||
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この作品は番外編の「魔性の子」と繋がっていて、主人公は泰麒(高里要)です。蓬山に戻った泰麒は自分が麒麟であることを知り、戸惑いながらも責任をまっとうするべく奮闘します。特にその過程における泰麒の心の動きがとてもリアルに感じました。ここまで人の内面を掘り下げた作品はおそらく初めてです。だからこそ泰麒の一つ一つの言動が大きな意味を持ち、あのラストに納得させられるのだと思います。 また、汕子の存在は泰麒にとって半身のようなものでしょう。苦しんでいるときは常に頼りにしていましたから(笑)10歳の少年らしいところですね。驍宗を王に選ぶのはかなり大きな決断であったと伝わってきました。 戴国の今後と泰麒の活躍を楽しみに待ちたいと思います。 | ||||
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シリーズすべて読みましたが、みなとても面白く読ませていただきました | ||||
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講談社の文庫版を読んでいる時からこのシリーズの大ファンで、何度も重ねて読んできました。最新話が出るのをどんなに心待ちにしていたことか。販売方式として既刊のものを順次刊行するのは通例ですが、少々不満です。出版社が変わり、挿絵が入り、購入を迷いましたが、改定等を含め、新たな話の挿入がほとんどないことを知り、やめました。挿絵はきれいで本当に迷ったんです。もう少し挿絵が多かったら購入していたでしょう。早く最新話を出してほしいです。来年の春?いえ、夏?これ以上待ちたくないです。 | ||||
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面白かった。 今回は戴の国のお話。時代としては多分「月の影影の海」より前の話のはず。 黒麒麟の誕生までのお話。 彼も陽子同様に蓬莱にて生を受けている。 一方は王でこちらは麒麟と言うことになる。 麒麟という生に戸惑い、また王を選ぶという重責に戸惑い・・ そんな幼い彼の心が良く分かる。 確かにだれもがこうやって放り出されたら自分はこのままで良いのか? 自分の選択が正しいのか?と悶々と考えてしまうに違いない。 ここまで十二国記世界のキーファクターである王と麒麟の成り立ちが共に理解できた。 国は戴、巧、雁、黄海が登場した事になる | ||||
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(上下巻のレビューです) 十二国記シリーズ第二作。第一作『月の影 影の海』で、陽子、延王、延麒の他にもう一人蓬莱(日本)育ちがいると言われた泰麒の話です。ある日突然十二国の世界に連れ戻された十歳の少年は、自分が麒麟であることを知らされます。一人前の麒麟になるための、使令の折伏、転変、王選び…、すべてうまくいくかに見えたそのとき、幼き麒麟の心に魔が差す…。麒麟とは何か、天啓とは何か、蓬莱人の私も考えさせられます。 「「それとも、ぼくはぜんぜん別の世界に来てしまったんでしょうか」 タンスを通りぬけたみたいにして。」 雪とタンス…、さりげなくナルニア オマージュ。 | ||||
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初めて『十二国記』を読まれる方は、是非 発刊順に『魔性の子』から読まれることをお薦めします。 『魔性の子』は『十二国記』の入門書みたいな物だと私は思っています。(これは、あくまで超個人的な見解ですが…) 時系列では『魔性の子』はこのお話の後のお話にあたりますが、このお話から読むと『魔性の子』の本来のワクワクドキドキ感が半減される気がするのです。 例えるなら、推理小説の犯人を確認してから読み始めるような…… 小野先生の作品は奥が深いので、確かにこのお話から読まれる方が分かりやすいのかもですが、物語を楽しみたいと思われる方は、是非 発刊順の講読をお薦めします。 | ||||
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改めて、十二国記を読んでいます。やっぱり面白い。 世界観の広さはもとより、キャラクターそれぞれが実に軽快に動くことに驚く。 物理的にではなく、作中で一個の完成された個人として。シリーズの後から読み直しても、全く違和感ないほど、キャラクターとしての完成度の高さに驚かされます。 今後のシリーズも楽しみです。 『魔性の子』は十二国記シリーズとは別物として認識したほうが良いですが、 『風の海 迷宮の岸』の後に『魔性の子』読むと、また趣の違う作品となります。 ファンタジー好きな人は、これを読んだ後に『魔性の子』。 ホラー好きのひとは、『魔性の子』を読んだ後、本作を読み、その後『魔性の子』を再読してみてください。 | ||||
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前回(「月の影〜」)は慶の国に絡んだ話でしたが、 今回の舞台は変って戴の国に絡んだお話。 主人公の麒麟が王を選ぶのに苦悩葛藤をする様を描いています。 異国よりやってきた、 何も知らない幼い主人公が、 与えられた大役に悩む姿、 それを支える周囲の人々のあたたかさ。 いい雰囲気です。 前半は持ったりと進みますが、 後半は一気に読ませてくれます。 黄海の穴で妖魔を使令とする瞬間や、 変転して王を追うシーン。 延王、延麒、景麒らで芝居を打つ場面。 クライマックスの連続です。 そして読後にはさわやかな感動が残ります。 私は好きです、この作品。 スピンオフ作品の「魔性の子」を読む前にこちらを読んでおいたほうが、 より「魔性の子」を楽しむことが出来ます。 | ||||
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たいきがかわいらしすぎて、どうなるのかを知らずに読むことをやめることができなかった。 仕事中も隙間に読み進めていた。2日で完読です。麒麟に会いたくなった。 | ||||
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三時間ほどで読めた。 今回はエピソード0でキーパーソンだった高里が主人公。 エピソード0での高里の神隠しの秘密が明らかになります。 泰麒は蓬'で生まれ育ったから自分の役目や世界についていまいちピンときていない。 子供という設定も手伝ってか、寂しく不安な心情が所々に表れています。 最後の王の選定ではこちらもどうなってしまうのかハラハラしました。 少年が美女に囲まれてチヤホヤされるなんてそれってなんてエロゲ?状態でサクサク読めます。 エピソード0を読んでいない人はこれから読んでみると面白いと思います。 オススメの一冊です。 | ||||
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一作目が、胎果であった陽子が王になるまで、今度は胎果である麒麟が麒麟に戻って王を選ぶまで、です。つまりどちらも、「十二国記」の本来はインサイダーである主人公が、新たにその世界を体験してゆくという体裁を取っています。 したがって完全な異邦人ではないため、(異邦人がこの世界に場所を得てゆく話は後の巻となります)違和感から既視感へ、納得へ、という肯定のプロセスが取られていきます。 十二国の不思議なしくみを麒麟とともに体験してゆく物語として、前半の蓬山の描写は中国の神仙物語の桃源郷を思わせる美しさ、神秘性があり、それらの原典を重ねるようにして楽しめます。そして、そこで麒麟である自分にだんだん目覚めていこうとする少年、泰麒の繊細な心の動きは、新しい世界に適応してゆこうとする少年のみずみずしさとともに、「こうあるべき麒麟」との齟齬に悩む、これも現代のティーンの成長に伴う悩みとして、ひじょうに心に響きます。 そして後半の「王選び」のドラマティックな盛り上がりはこの作者ならではかと思います。架空の創造世界であるのに、その世界ならではの法則やきまりやありかたが、ものすごくリアルに立ち上がってきて、主人公らをからめとる。人物のリアルさ、存在感だけでなく、その世界自体が生きていて存在感がある。その躍動感です。 泰麒が王を選ぶさいに、「王気」「天啓」をとらえられなくて悩むあたりは、おそらく初恋や、このひと?という恋愛の機微にも通じるものがありますし、しかも一国の王なので、偉大な人物を選ばねばならないというプレッシャーもあります。王たる器とは何か、についても、作者はいろいろと含蓄深い言葉を李斎を通じて語らせています。「尋常の覇気ではない」「人柄がよければそれでよいというものではない。優しすぎる王は国を迷わせるし、おくゆかしい王は国を乱れさせる」。幼い泰麒にはよくわからないのですが、ひたすら畏怖を感じてすくみ・・・これらの感情はおそらく「神」的なものに対する作者の解釈でもあるのでしょう。 最後のドラマティックな一波乱もふくめ、おさまりのよい一冊です。中国の神話や古代王朝への言及、また古典的な言葉遣い、さまざまな知識を含め、作者のふところの深さに支えられた作品として、よくあるRPG的なファンタジーとは一線を画する重さがあります。この重さ特に、天帝の天勅などをふくめての神話的予定調和設定と、民の実情との微妙な乖離感(麒麟の選んだ王なのに叛乱が起きる、など)も、後の巻への伏線になってゆきます。 第一巻に続いて、十二国の世界の躍動感に浸ることのできる素晴らしい物語です。 | ||||
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