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夜の国のクーパー
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夜の国のクーパーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.64pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全84件 1~20 1/5ページ
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伊坂氏の作品をこれまで大分読み進めてきました。初期のものから22作読み進め、これで23作目。 本作は2012年の作品。2000年の「オーデュボンの祈り」はじめ初期の疾走感に満ちた雰囲気から考えると、大分落ち着いた筆致かなと感じました。 とはいえ、洒脱さや奇想天外感は今回も健在で、十分堪能させていただきました。 ・・・ 本作、いい意味で切れ目がありません。 目次も章立てもなく、途中途中で猫のマークで節のストップがあるだけ。トム君がメインキャストですからね。 ・・・ また構成も、三つの場面を行き来します。 一つは猫のトムが語る、彼がいた国が鉄国に占領される状況。一つは猫のトムと、仙台の公務員の「僕」とが会話する場面。そしてもう一つはクーパーの兵士が遠征に行く場面。 状況がかなり異なる上、断片的な情報のみが与えられるため、欠けた部分を埋めるべく初めは読み進めました。そして、その埋まる部分が増えていくにつれ、今度は三つの場面の繋がりが分かってくると、物語の全体像が見えてきて、これまた気持ちよくて止まらなくなる。ミッシング・パーツをもっと埋めたくて、展開を知りたくて、更にページを手繰る手を止められなくなる。 この読ませるテクニックも伊坂マジックと言えましょう。 ・・・ もう一つ。 伊坂作品では、何というか、人間の良き部分に信念のある性善説的なキャラづくりが物語を方向づけている部分があると思います。 今回でいうと、猫のトム。 本能から鼠に飛びかかってしまうのですが、おのが国を占領される最中に<中心の鼠>から、今後鼠を狩ることをやめてほしい旨、団交を申し出される。 鼠たちは狩られるリスクを冒して猫のトムに賭けたわけですが、その態度はトムをして 「疑うのをやめて、信じてみるのも一つのやり方だ」(P.300) と語らしめます。 この信じることの可能性は、パッとしない仙台の公務員「僕」が、浮気した妻を今後信じてゆくかどうかという事で一つの道を示しているように思います。 難しいことではあるのでしょうが、そこを敢えて信じてみるのは、文字通り一つのやり方であり、そういう生き方もあっていいんだと思います。 また猫のトムが、本能から鼠にとびかかりたいのを少しづつ押さえていく様。これもまた理性の可能性を寓意的に示しているようにも思えました。 ああ、うまく表現できないのですが、伊坂氏はこういう「人の力」みたいなのを本当に上手にストーリーに練りこんでくるのですよ。で、私はこういうのが好きなんです。 ちなみにトムは猫ですが、まあ喋って考えることができるという時点で既に人と同等ですよね。 ・・・ ということで伊坂作品を堪能しました。 未知なるクーパーと戦う+国中を塀で巡らす、という当初の描写で、すわ進撃の巨人か、と思わせましたが、全きツイストに私の予想は見事外れ、思っても見ない結末となりました。あっぱれな結末。 戦争敗北・政治(王族)腐敗というひんやりした設定は、「魔王」や「モダンタイムス」などにみられるファシズム的ネガティブエッセンスと通底しますが、本作はそうしたひんやり風味を残しつつ、どこか明るいユーモラスさが漂うエンターテイメント小説に仕上がっていると感じました。 | ||||
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巻末に(文庫版付記)として、著者がこんなことを語っています。 《どうせ小説を読むのであれば、聞いたこともないような「とんでもないホラ話」がいい。しかも、現実社会とどこか地続きのものがいい。ずっとそう思ってきたので、この『夜の国のクーパー』が書けたことは本当に達成感があります。》p.447 「とんでもないホラ話」として、話の中にぐいぐい引っぱり込まれていく面白さがありました。読み終えた後味も良かったです。 出てくるキャラクターの中では、猫の〈トム〉君が一等良かったっすね。しゃべる猫なんてのがいたらこうであろうという、実に親しみの持てるキャラでした。 話の終盤、謎がするすると明かされるくだりで二つ、びっくりサプライズがありました。 ひとつは、ある人物の正体について。もうひとつは、ここでは異邦人である人間の〈私〉と、この異世界に関わるあることについて。 詳しくは言えないけど、後者のからくりには全くびっくり。心地よく驚かされましたね。英国の諷刺(ふうし)小説の名作のこと、思い浮かべました。 文庫本巻末の解説、松浦正人さんの「敗戦と占領をめぐる緊迫の物語」も読みごたえあります。でもこれ、《本書を読み終えたかたのみを対象に書いていくことになりますので、どうかご諒承ください。》p.454 とある文章が後半を占めてますし、本作を読み終えたあとにすでて読むのが良いかもです。まっさらな白紙の状態で本作の世界の中に飛び込んだほうが、より楽しめる気がいたします。 私が本書を読んだのは、『ミステリースクール』(講談社)てガイドブックの中、【特殊設定】担当の杉江松恋さんが取り上げていらしたから。その作品紹介の文章を読みまして、「へえっ! 面白そうじゃん」てんで、手にとってみました。 | ||||
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読み終わった後に、この本をギュッと抱きしめたくなりました 現代社会を生きるために大切なことが、そこかしこに散らばる、ユーモラスで温かく、優しく、切ないお話です ギスギスしていた心を、静かな風がソッと撫でて行くような、そんな気持ちになりました Kindleで購入しましたが、書籍として手元に置いておきたくなる作品です こんな気持ち、久しぶりです | ||||
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いくつかの視点があり、文体自体もどことなく他の伊坂作品と比較して硬い印象(著者が完成までにかなり苦労して作り上げている印象)で進む本書ですが、中盤あたりから本来の伊坂幸太郎らしく、ぐいぐいと面白くなってきます。 『ガソリン生活』では自家用車の視点による自家用車一人称小説というまさかの構成でしたが、本書では猫の「トム」の語り(章の冒頭に猫の絵)と、妻の不倫から家を飛び出した「私」(章の冒頭に男性の立ち姿の絵)と、クーパーの兵士である「ぼく」(章の冒頭に歩く男性の姿の絵)の3つの視点で構成されています。 猫のトムはアニメ『トムとジェリー』同様ネズミを追いかけ壁に激突、ぺしゃんこになるといったパロディーもあったりしますが、本書の構成として猫の視点を入れることで、猫だからこそ見ることができる場面の描写が可能となり、だからこそ猫の知る真実が人間には届かない、といったもどかしさを感じさせるなど、小説を面白くする要素となっています。 この猫のトムは「きっと僕が死ぬことがあっても、それは非常に残念な時ではあるがいつかやってくる場面ではあるだろう、その時にも、鼓動を止め動かなくなった僕の体を、僕の尻尾がそっと撫でてくれるのではないか」と考えたりする、なかなか文学的思考をする憎めない存在です。 特にネズミたちとのやりとりがとても良いです。 さて、本書における最大のテーマはレビュータイトルにも書いた「自分が正しいと信じ、疑うことさえ想像しなかった事象について、疑ってみるべきではないか」ということかと思います。 このテーマは本作に限らず伊坂幸太郎作品の多くの作品でも見られるものですが、本書ではこの言葉が随所に登場します。 ネットが浸透した現代社会では、間違った情報を信じ込んだがための誤った正義感に基づく個人攻撃などが問題となっています。そういった社会に対する伊坂幸太郎らしい警鐘だと受け止めました。 | ||||
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人間以外の語り手の視点を通して人間社会を描くのは、著者がよく使う手法であるが、本作ではその語り手が猫となっている。その語りが時と場所を目まぐるしく変えて展開して読者の混乱を招くが、それが全て後半に続く主人公の物語への伏線となっている。猫の目を通した人間社会の描写は現実社会の問題点を炙り出す様に示唆に富んでおり、この難解な小説で著者が意図する現代社会の課題の指摘には共感を覚えた。 | ||||
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伊坂幸太郎のミステリ。 現代でもなく、でも現代も入り込む、何処か遠くの物語。 戦争がはじまることと、支配する、されること、そしてそこから逃げること、かわすこと。ロシアによるウクライナ侵攻に次期をひとつにして読んだことでの、心理的な情感はすこし高まる。 設定そのものは、敗退した文明から避ける生活とそれを守るための物語を畏怖の中に作り出すことを描いた、禁忌の赤と、黒い闇が印象的な映画『ヴィレッジ』にも似て、そしてまたガリバー旅行記の唐突さにも似て。 全般に既視感と浅さはあるが、語り部のネコ、トムと仲間たちのその日暮らしな自由な生き様と、射し込まれる鼠の災いのもとでの冷徹な理性と、感情的にただ揺らめき漂う人間らと、の折り合いのミステリ、 なのだと、さっぱりと割り切り読めばよい。 | ||||
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よくわからなかった SOSの猿、火星に住むつもりかいと、合わせてお薦め作品ではない | ||||
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読んだのは2022年。 「戦争」に関わるニュースが多く飛び交う中、偶然この戦争を題材にした本を読んだ。 「小さな国」へ、ある日「敵国」が攻めてくる。 突然の出来事に、混乱する国民たち。 そして、そんな人間たちの様子を、傍から見ている猫たちの存在。 この物語は、人間と猫の視点が並行して進んでいく。 伊坂作品に共通する、 ユニークな会話劇や納得の行く回収などはもちろんあり、 満足の行く内容だったのだけれども、 この作品で特に印象に残ったのは、戦争という事柄を軸にした 「小国:敵国」と「鼠:猫」の対比構造だった。 物語中盤、猫と鼠が会話するシーンがある。 今まで「本能的に」鼠を追いかけ回していた猫たちだったが、 ある日突然鼠たちの声が聞こえ「もう襲わないでほしい」と交渉を持ちかけられる。 急な交渉に猫たちは、 「言葉が通じるなんて思ってもいなかった」 「でも、本能だし防ぎようがないよね」 「襲っても何も問題なくない?」 「襲うのをやめても私たちにメリットないし、今のままで良いんじゃない」 など、好き勝手言う猫たち。 これがそのまま、「弱小国を襲う人間たちの声」に見えてならなかった。 おそらく人間が戦争で敵国に攻め入るとき、 言葉が通じない(言語が異なる)こともあるだろし、 相手の話に耳を傾けたりしないし、相手の感情に想いを馳せたりしない。 ユーモアのある言葉選びや朗らかなクライマックスに隠れているが、 伊坂幸太郎の恐ろしさは、そういう残酷な真実を、しっかり忍ばせているところだ。 恐ろしいなあ。 | ||||
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主な語り手が愛くるしい猫であったり、人間と猫が話せてしまったりと、ファンタジーの要素はあるけれど、テーマは戦争で極めてシリアスでシビアな物語と思います。 帯にはミステリー度が高い、とありますが、所謂犯人探しやどんでん返しのようなミステリーとは違います。しかし、ラストは世界が反転するという意味ではミステリーの醍醐味が味わえるかもしれません。 | ||||
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他のレビューでよく言及されているラストの展開は、そこまで自分は気になりませんでした。 (驚いたというよりも拍子抜けな感じではありましたが) また、いわゆるファンタジー的な設定(猫が喋ることしかり)は、 そういうものだ、と受け入れれば大丈夫なものです。 一番気になったのは、クーパーの兵士とその運命について、 そういった状況から生まれる街の人たちの反応が、閉鎖された状況であることを差し引いても、 どうにも物分かりが良すぎる気がしたことです。 今まで伊坂作品で自分がそのような違和感を感じたことは一度もなかったので、 これまで読んだ作品のように、続きを読みたくて仕方ない、とはならずに、 「でも伊坂さんの作品だし、最後まで頑張って読もう」みたいな気持ちで、 なんとか読み終えられました。 また、異国の雰囲気を出そうとしているからか、伊坂作品で自分も好きな台詞回しは、 今回は良さが少しスポイルされているようでした。 少なくとも、最初に読む伊坂作品としては勧められません。 | ||||
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猫が語り始めると言う、ファンタジックな世界。人間世界と酷似しているが、クーパーと言う巨木を制御するため、選ばれた戦士が定期的に討伐に向かわねばならぬなど、不思議な幻想世界である。 猫に連れられて向かった幻想世界で、冴えない主人公は救世主となるのだが、少しずつ真相が明らかになる趣向で、興味深く読むことが出来た。大江健三郎氏や「進撃の巨人」との関連は、私には不明だが、あの世界的に有名な寓話の設定が使われているとわかり、なるほどと感心。現実世界での戦争についても、考えさせられるところがあった。 ただファンタジックな世界の謎を読まされる部分が長く、逆に謎解きがアッサリ終わって、狐に騙されたような読後感。面白い作品だが、構成にやや難を感じた。 | ||||
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謎が多い設定で、全体像が掴みにくい展開であった。最後の種明かし、伊坂ファンとしては少しベタだったかなと、今回は辛口コメントとしておく。他の方のレビューで、「進撃の〇〇」と酷似しているというのがあったが、全くの見当違いであることは記しておきたい。 | ||||
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戦争の物語でありながら、猫目線で語られること、そして「クーパー」というファンタジーな存在が、深刻さよりもむしろ爽快さを生んでいる。ミステリーとあって、いつものように伏線が終盤にかけて回収されていくというよりも、表に見えていたものが一気にひっくり返る感覚。タイトルやカバーデザイン、明るい作風といい、伊坂作品の中でも好きな部類である。 本書の唯一の参考文献である『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』でカントの言う「知る勇気をもて」が、全編にわたって重要なキーワードとなっているように思う。国王のこと、国のこと、クーパーの兵士のこと、鼠のこと、無批判に信じて自ら知ろうとしなければ、人生を切り拓くことはできない。加えて複眼隊長が「何が正しくて、何が誤っているのか、自分で判断しろ」と言うように、他人の意見や常識に追従せず、自分の理性で物事の真実を見極めて行動することにこそ価値がある。自ら知ろうとしなければ、変わるものも変わらない。 | ||||
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伊坂幸太郎さんの本でしたが、これは「はずれ」でしたねー。 我々の世界とは、少し違う世界が舞台ですが、 猫が話したり、占領したり、されたりとか、そういう話です。 そこに、主人公が迷い込む、という話。 主人公は、我々の世界の人間ですが、なぜか、この世界に迷い込んだようです。 ガッツリとネタバレなんですけど、 主人公が、この世界では、実は巨人でした、というオチだとか、 実は占領軍は、違う理論で動いている部隊でした、というようなオチですが、 とりあえず、この小説の世界観じたいが、おもろないというか、なんだか、入り込めないんですよね。 なんでだろうと思っていたのですが、よくわからんですねぇ。 つーか、主人公=我々の世界、で、登場人物たちはえらく小さい小人という話になるんですけど、 でもさ、そうすっと、脳が小型化しているわけで、そんな小さい脳で、どうして我々と同じ思考ができるのか、というのが、 茂木健一郎の得意な脳科学的にはどうなんでしょうか。 とりあえず、小人の間での、人間関係がメインなんですが、なんか、登場人物の名前が、すごくわかりづらいのも、入り込めない原因かもしれません。 うーん、伊坂さんの、悪いところが出た作品のような気がしました。 おもしろくなかったです。オチも、そんなにすごくないし。 | ||||
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めちゃ綺麗! | ||||
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伊坂幸太郎先生の本で、初めてギブアップしそうになった本作品 笑) いつもの、人間同士の心理描写やセリフ回しで、情景が自然と浮かんでくる伊坂先生イメージで軽~く読み進めていくと、タイトルでもあるクーパーの説明あたりで確実に挫折すると思います。冒頭はファンタジー要素が強く、また語り手の場所や人も変わるので、読み手の方でしっかり情景を整理して読まないと混乱します。 それでも根気よく読み続けられたのは、ネコのトムくんのおかげ。彼とってもいいキャラクターで愛らしいです。 ネコ同士の掛け合いやネズミ達との話し合いなど、ネコ好きな方はより楽しめる要素があると思います。 クーパーの説明までをしっかり整理できれば、後半伏せん回収の流れで最後までさくさく読み進められました。 クーパーのくだりはなかなか読むのがつらかったですが、読んだあとは爽快で、また伏線も他のものに比べて非常に分かりやすかったので、2回目読むとより楽しめました。 この本を、伊坂先生はじめての方に、わざわざ進める...には憚りますが、全く毛色が無いわけではないので、ファンなら読んで損はないと思います。 トムくん可愛かったな~! | ||||
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みなさんのレビューもそうですが、「オーデュボンの祈り」が好きな人には最高な一冊だと思います。「ゴールデンスランバー」や「グラスホッパー」など現実世界でもあり得そうな話が好きな人には向かないのかな?伊坂幸太郎さんの小説とファンタジーが大好きな私は大満足でした!! | ||||
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色々な評価がありますが、この作品は伊坂作品の中でも特に読み手のイメージ力、想像力が大事です。 たくさんの伏線があるので、勘のいい人なら途中で主人公の存在意義に気付き、複眼隊長の態度にも?が付くと思います。 正直今作は途中でオチが大体想像できましたが、トム君のおかげで中盤から後半までも飽きずに楽しめました。 最後の最後に伊坂らしいなあと思える内容でした。 | ||||
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2012年に出た単行本の文庫化。 いかにもな伊坂作品で、寓話的な世界がどこまでも広がっていく。小さな国で起こった戦争・占領がテーマとなっているのだが、緊迫感に満ち、重苦しい雰囲気のなかで物語が進んでいく。 そんな空気を和らげてくれるのが、主人公たる猫の存在だ。たぶんに擬人化されてはいるのだが、いかにも猫っぽい性格で楽しい。 そしてあまりにも意外な結末。 | ||||
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文章も読みやすく、ファンタジー作品でもあるので、すぐに読み切れました。 トム君はしぐさ、行動がかわいい。 主人公みたいなものですね。 物語は後半で一気に進むわけですが、オチがなんともお粗末。 は?という感じ 物語後半で、今までの前提が全て覆ってしまうので(実は~だった。的な。)、物語自体が崩れています。 いい意味で裏切られることはよくありますが、ちょっとがっかりです。 | ||||
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