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夜の国のクーパー
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夜の国のクーパーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.64pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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伊坂幸太郎のミステリ。 現代でもなく、でも現代も入り込む、何処か遠くの物語。 戦争がはじまることと、支配する、されること、そしてそこから逃げること、かわすこと。ロシアによるウクライナ侵攻に次期をひとつにして読んだことでの、心理的な情感はすこし高まる。 設定そのものは、敗退した文明から避ける生活とそれを守るための物語を畏怖の中に作り出すことを描いた、禁忌の赤と、黒い闇が印象的な映画『ヴィレッジ』にも似て、そしてまたガリバー旅行記の唐突さにも似て。 全般に既視感と浅さはあるが、語り部のネコ、トムと仲間たちのその日暮らしな自由な生き様と、射し込まれる鼠の災いのもとでの冷徹な理性と、感情的にただ揺らめき漂う人間らと、の折り合いのミステリ、 なのだと、さっぱりと割り切り読めばよい。 | ||||
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他のレビューでよく言及されているラストの展開は、そこまで自分は気になりませんでした。 (驚いたというよりも拍子抜けな感じではありましたが) また、いわゆるファンタジー的な設定(猫が喋ることしかり)は、 そういうものだ、と受け入れれば大丈夫なものです。 一番気になったのは、クーパーの兵士とその運命について、 そういった状況から生まれる街の人たちの反応が、閉鎖された状況であることを差し引いても、 どうにも物分かりが良すぎる気がしたことです。 今まで伊坂作品で自分がそのような違和感を感じたことは一度もなかったので、 これまで読んだ作品のように、続きを読みたくて仕方ない、とはならずに、 「でも伊坂さんの作品だし、最後まで頑張って読もう」みたいな気持ちで、 なんとか読み終えられました。 また、異国の雰囲気を出そうとしているからか、伊坂作品で自分も好きな台詞回しは、 今回は良さが少しスポイルされているようでした。 少なくとも、最初に読む伊坂作品としては勧められません。 | ||||
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2012年に出た単行本の文庫化。 いかにもな伊坂作品で、寓話的な世界がどこまでも広がっていく。小さな国で起こった戦争・占領がテーマとなっているのだが、緊迫感に満ち、重苦しい雰囲気のなかで物語が進んでいく。 そんな空気を和らげてくれるのが、主人公たる猫の存在だ。たぶんに擬人化されてはいるのだが、いかにも猫っぽい性格で楽しい。 そしてあまりにも意外な結末。 | ||||
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伏線はよく張られてます。後半は一気に読めましたが、前半がなかなかまどろっこしいかも。 | ||||
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あくまで個人的な感想です。 伊坂幸太郎さんの小説の最後にどんでん返しがあったり、細かいネタがふんだんに盛り込まれているようなところが好きです。 今まで刊行された作品は「あるキング」、エッセイ集以外は読んだつもりでおります。 最近文庫化されたことを知り読んでみようと思いました。読んで思ったのは個人的に「人間」が主人公となっている作品のほうが好きだということです。この小説は猫が主人公として起用されていますし、ガソリン生活は車が主人公です。この2作品はあまり自分にヒットしませんでした。「オーデュボンの祈り」のようにファンタジーであったことも想像と違いました。あと、物語の最後に何かあるであろうと、どんでん返しを期待していましたが、自分の予想していたような展開になってしまい、予想を裏切ってくれることを期待していた身としては残念でした。 | ||||
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途中まではS.キング氏の読感に 猫漫画の要素を注入 そして星新一氏てきな落ち 人物の視点と場面転換が多い分 感情移入はしにくく 無駄に長いなあと… 最後まで読みましたが 読み返す気にはなりません。 残念でした。 | ||||
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結末や内容はまずまずだったと思います。 2年半の製作期間とのことですが、『考えて練り込んだ感』はありました。 読み終えて再度、数か所複線を探して読みなおした個所もあり、内容的にはまずまずでした。 しかし2点不満があります。文面に関してです。 ★一つ目 本文から引用 「かさかさかさかさ、どうなるのかしら、こそこそ、これからどうするのかしら、ゆらゆらゆら、どうして顔に色を塗ってるのか ぶつぶつ、本当に無事なんだろうな、本当にどうなっちゃうの、ぼそぼそぼ、そねえあの動物何かしら、牛でもないし…」 この「かさかさ」や「ゆらゆら」や「ぼそぼそ」などを使った群衆心理の表現が本文中4か所出ています。 これが気持ち悪い。(個人的感想ですが。) ★2つ目 とにかく句読点「、」や「。」が多すぎる。 1つ目の上の文章でも多いと感じませんか? 本文から1例を挙げますと 「薄茶色の、牛にも似た大きさではあったが、それにしては脚が長く、首も伸びている。 顔つきも細く、長い。この街には羊と牛がいる。人間が柵で囲い、飼っているのだ。 毛や皮は衣類に使い、肉は食用にし、骨は道具に使う。 人間の生活には欠かせないが、今、目の前にいる動物は明らかに羊や牛とは違う。」 「句読点が多すぎ」と言う感覚が常に頭の片隅にあり、読み物として物語に中々のめり込めない。 作家の意図が有るのかもしれないが、文法力や教材としては子供にもオススメできません。 もう少し読者が感覚的に「スッ」と取り込める表現をしてほしいと感じました。 | ||||
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結末を読んで「星新一」としか思わなかった 登場人物の名前も大江健三郎作品からインスパイアを受けたとかいてある通りなんだかなーと思う はじめて猫を見たときにそれが一番気になるだろと突っ込みたくなる結末には残念 | ||||
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猫が一人称で話を始めるという出だしは、寡聞にして他に一作しか知りません。考えてみると、猫のキャラクターや人気の高さからすればもっとあってもいいような気がして、あるいはそれを回避するのが常道の中の挑戦かしらんと思いつつ読み始めました。 物語は城塞に囲まれた小さな国の出来事であり、その国は、クーパーと呼ばれる巨大な歩く杉を駆除するために選抜した兵を毎年派遣します。 伊坂さんの作品はたいがいそうですが、リアリティではなくストーリーの面白さや機知に富んだ会話で、読者は話に引き込まれます。あれこれが「進撃の巨人」のようだ、と思ってしまいました。 ただ、いつものように終盤になって話が解けてくると、それまでのワクワク感に比べると若干の落胆があり、星は3つになりました。 | ||||
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船に乗って,どこか知らない場所に行き着いた主人公. そこで言葉を話す猫が,奇妙な国の話を話を始めるが・・・. クーパーと呼ばれる謎めいた樹の怪物の正体と, 外国に侵略された都市国家の運命を軸にストーリーは進む. ファンタジー仕立てのストーリーであるが, 終盤にどんでん返しが用意されていて, どちらかと言えばミステリー的な手法の作品である. とぼけたキャラクターたちや,寓話や比喩が組み込まれていた 独特の世界観で,この雰囲気は伊坂氏独特のものといえる. とはいえ,今回の仕掛けは比較的単純なものであり, シンプルな仕掛けを小説のテクニックで含ませすぎな印象. もっとあっさりと見せたほうがよかったような気がする. | ||||
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「仙台の港から小舟に乗り、釣りに出かけたはずだったのに。」 気がつけば仰向けになったまま体を縛られていた。そこへ現れた猫のトム。彼は人間の言葉を しゃべる猫だった。8年間の戦争を終えたトムの住む国では、いったいこれから何が起きようと しているのか?トムは、語り始めた・・・。 戦争が終わり鉄国の兵士たちがやってきた。彼らはトムの住む国の支配者である冠人を殺害した。 国家存続の危機に直面しても人々はどうすることもできない。支配する側とされる側。力の差は 歴然だった。このまま鉄国の兵士たちの言いなりになるのか!?誰かが叫ぶ。「クーパーの兵士が いてくれたら!」けれど、本当にクーパーは存在するのだろうか? この作品はファンタジー?それとも大人の童話?作者の独特の感性が織り成す世界は、独自の 色彩を帯びている。強者と弱者の微妙な関係。それは人間だけではない。猫と鼠の世界にもあった。 それらふたつの関係は、とてもよく似ていると思う。いつだって世界は誰かの犠牲の上に成り立って いるものなのだ。「クーパーは、存続の危機にある国を救う存在となるのか?」ラストは意外な展開と なる。仙台の釣り人が結末にどういうふうに絡んでくるのかが想像できてしまったが、それでもほほえま しく読むことができた。クーパーは、トムの住む国において、今までとは違う新たな伝説になった。 読後は爽快さを感じた。作者の熱い思いが込められた、不思議でふんわりとした作品だった。 | ||||
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ネコのトム目線で眺めることが多い為、 ふんわりとした印象ですが、 危機への対応がのんびりしている日本を思って書かれたのか、 けっこう重いテーマが点在してます。 この本、仙台から来た人間抜きで全4巻位で読みたかったです。 (今回の本では非常に重要ですが…) 人間も、ネコもネズミも興しろいキャラが登場しますが、 どのキャラももう少し知りたいなーと消化不良… ひっくり返すことの出来ない、弱者と強者の関わり方、 伊坂さんらしい両側目線でおもしろかったですが、 ちょっと片付け方が好みではなかったので ☆は3とさせて頂きました。 | ||||
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私は早い段階でヴィレッジを思い浮かべました。 カラクリに気づく人は結構序盤で疑い始めるかもしれません。 そのせいか他の伊坂作品のような読後感がありませんでした。 今までの伊坂作品とは別物と考えたほういいです。 | ||||
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猫が語り手となるファンタジー小説です。 日頃からファンタジーを読まないこともあってか、世界設定がなかなか頭に入ってきませんでした。 特に真ん中辺りまで、読むのにかなり時間がかかっています。 島に着いてからいろんなことが動き出すのですが、やっぱり設定を追うのに苦労するので物語に入り込めない。 ファンタジー、しかも猫から見た説明だから仕方ないのかな。 トムくんもなかなか行動を起こしてくれないので、じれったいし、一緒に苦難を乗り越えて行く感じがないのが正直な所です。 でも、なんだろう。独特の雰囲気があるのは確か。 ふわふわと落ち着きないものなのですが、これを狙って出しているのだとしたらすごいと思います。 まさに異世界を不安定な気持ちで眺めている気にさせられたので。 | ||||
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冒頭100ページくらいまでは、評者にはなんのことかサッパリわかりませんでした。内容は無論違いますが、スタイルとしては世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)に似ています。 後半に、筆者得意の仕掛けと種明かしで畳み掛けてくるところは「さすが」と思いました。 しかし、最大のどんでん返しの伏線が評者にはわかりませんでした(もしかして、ひいていなかった?筆者に限って「まさか」と思いますが。その点だけが、やや不満です)。 | ||||
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最近の作品より昔の作品の方が好き(あるキングとSOSの猿はしんどかったなというタイプ)という読者です。 最近のPKとか同じで、ところどころに伊坂っぽい気配があるのですが、ちょっとモヤモヤが残る感じです。 コラ!!!おまえはもっと書けるコでしょ! って感じです。 音楽に例えると、後期のオアシスみたいな。 逆にわかりにくいかな。。。 | ||||
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90年代宮部みゆきが、最も人気の高い作家になった後に書かれたファンタジー小説に近い。現在の話とファンタジーの世界の話が、リンクしつつ、交わる。 ゴールデンスランバー以降は、あるキングを筆頭にして、模索しているのか、それとも、好きな物を書いているので、このようになっているかがわからないけれど、クオリティの浮き沈みが大きくなっている。 今回も、そんな感じ。前半は、物語の設定を理解し、入り込むのに時間がかかった。後半は、とんとんと読み進められる。最後の100ページくらいは、いつもの伊坂さんの筆致がさえる。 個人的には、あと2,3作は、試行錯誤が続くような気がする。 | ||||
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伊坂の長編・書き下ろしと聞いたら読まない理由はありません。 猫の目線で始まりましたが、どうも最初からガリバー旅行記的な印象を受けたので最後のオチが想定できたのは残念でした。しかも、ファンタジーとしては中途半端な印象で、どこか比喩的な設定であることが今迄の伊坂の世界観と違う違和感を覚えました。 --------ここからは、少しネタバレです----------- 小さな国の国王が国民に対してクーパーという架空の外敵を作り、安定した統治を続けていたというのが概略なのですが、要するに『統治されている国民は真実を知らされていない』、伊坂はこれを言いたかったのでしょう。 しかし、そんなことは当然のことで、歴史上からも人間という身勝手で利己的、しかも貪欲な動物を支配するためには、宗教という架空の力を作り支配者に都合良い道徳、正義、倫理という法則を決め行動を制限する。その上、支配者は自ら作り上げた法則は法律として絶対的なものとし、他の国による征服は悲惨であるという恐怖を植え付ける。奴隷や非人のような、最下層階級を作り自らが中流であるという満足感を与える。 恐らく、一般的には北朝鮮や中国、アフリカの独裁国家を想像するのだろうが、我々が知らされている情報の中で、自分たちの国が幸せで、今の支配者に傅くためのものに過ぎないことを気づかせないために必要悪として残された国なのかもしれません。 ちなみにクーパーcooperは、桶屋のことバレルを作る人・・・産油国の連中(イスラムの民)と考えるのは、考え過ぎと言えないかもしれません。 西欧諸国、いや国を超えた経済基盤という架空の金融世界を握っている一部の世界支配者階級の人たちが、我々のような一般市民にクーパー(イスラム)の恐怖を信じさせ、今の資本主義が素晴らしい倫理観に満ち溢れた人間らしい社会であると思わせているだけかもしれないと気づかせる一冊である。 | ||||
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完全に作者買いです。 伊坂さんの新作でしかも書き下ろしで長編で。 ときたら買うでしょ、というだけです。 それだけにすっごい面白い話を期待しちゃうのは 作者への信頼なんですが…… もちろん書き口は悪くないし、猫の視点、人の視点 が入り交じる構成もグッドなんですが、なんだろう、 おはなしそのもののおもしろさ、先読みを裏切られる感じ、 それをがらっと結末で彩りを変えてくれる感じ、 そういうものが感じられませんでした。 ちょっと読んでいても途中でぐいぐい来る感じが 薄くて、正直、止めちゃおうかなと思ったくらいです。 でもでも最後にくるからね、と思っていたので、 これには凡作である、という評価をせざるを得ませんでした。 次に面白い話を書いてください!! | ||||
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最初の数十ページを読んで、伊坂さんのデビュー作「オーデュボンの祈り」を思い出しました。 ごく普通の男が謎の島にたどり着くという。あの島には未来を予知する案山子がいて、 今回はしゃべる猫「トム」が登場します。 猫が住む国は鉄国という国との戦争に敗れ支配下に置かれる。 そんな国家の危機を猫と鼠の関係も交え、猫目線で描いています。 登場人物の命名についてはあとがきで大江健三郎さんの作品を手本にしていると明かしていますが、 それにしても変わった名が多い。 国王・冠人、その愚息・酸人、 弦(げん)、号豪(ごうごう)、医医雄(いいお)、枇枇(びび)→(ワンピースのネフェルタリ・ビビをイメージしてしまいました!)ら国民、 そして、トム、クロロ、ギャロ、グレ、ヒメら猫たち。 伊坂さんとしては初めての、完全に日常から離れたファンタジー作品のため、 400Pある中で最初の100Pほどはなかなか設定が頭に入りにくかったです。 全体の3分の2ほどでようやくトム君と島にたどり着いた「私」が行動に移ります。 それまで延々と背景を飲み込むので精いっぱいで、いささか疲れました。 にもかかわらず、最後の80Pほどで明かされる世界の秘密(鉄国との戦争・クーパーの兵士の真実)がすべて セリフ語り、つまり事後説明されるため、臨場感が乏しいままに読み終えることになります。 もっと登場人物たちとともに行動し、危機を迎え乗り越えるような高揚感がほしかった。 猫視点で仕方ないことですが。 「PK」でも触れられた国家感が今回は前面に打ち出されていますが、 最後の「私」に関する仕掛けが、現実と虚構をないまぜにしすぎていてちょっとすっきりしません。 「ゴールデンスランバー」くらいの塩梅がちょうどよかった気がします。 説明的過ぎたのが惜しいところですが、全体として、視点や着想はさすがです。 1からここまでの世界観を構築できるあたりはやっぱりすごい。 | ||||
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