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(短編集)
ピーター卿の事件簿
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【この小説が収録されている参考書籍】
ピーター卿の事件簿の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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日本独自に編まれた短篇集。 「鏡の映像」「ピーター・ウィムジー卿の奇怪な失踪」「盗まれた胃袋」「完全アリバイ」「堂の指を持つ男の悲惨な話」「幽霊に憑かれた巡査」「不和の種、小さな村のメロドラマ」の7篇が収められている。 怪奇味の強い作品が多い。推理小説としての切れ味としては、やや物足りないか。 20年ぶりくらいに再読したのだが、いささか拍子抜け。 | ||||
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とても綺麗な状態で、思ったより早く届きました。有難うございました | ||||
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状態も悪くなく、梱包もきっちりされていました。 よい古書店さんです。 | ||||
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ドロシー セイヤーズの推理小説は、知的なユーモア小説のように感じます。私が知らなかったことをいろいろ学べて、雑学が増えたようにも感じます。主役より脇役が好きなのですが、長編と違って短編では、そうした楽しみは少ない気がします。むしろ、長編で知り合っていた脇役の人が、短編に出ていることで、知人に再開した楽しさがありました。ただ、創元推理文庫で、ピーター卿シリーズの長編の翻訳者と違う人が、短編を翻訳しているので、描き方が違っていて、自分の持っているイメージと少し違うピーター卿でした。 | ||||
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読みたい本です | ||||
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セイヤーズで確実に手にできる数少ない本。面白かった。 | ||||
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おなじみの浅羽さんの訳ではないので多少文章が硬いかなと思いましたが、問題にはならない程度です。「~のだぜ」「~なのだ」等の語尾がちょっと多用されたりしますがイギリス貴族や身分の偉いひとだと考えればまあ不自然ではないでしょうか。 基本的にどのエピソードも被害者や当事者が最後にはそれぞれにハッピーエンド?を迎えるので後味は良いです。「銅の指を持つ男の悲惨な話」と「ピーター・ウィムジイ卿の奇怪な失踪」はどちらもある意味では復讐譚で怖い話ですがピーター卿の優しさと面白さで中和されてます。 「盗まれた胃袋」「不和の種、小さな村のメロドラマ」…遺産をめぐる親族の争い、遺言を残したおじいさん達の意地悪?いたずら?が原因です。 「幽霊に憑かれた巡査」…巡査が目撃した殺人事件はどこに消えたのか? 飲酒を疑われた巡査の無実を証明するべくピーター卿が調査します。 | ||||
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『ナイン・テイラーズ』(1934年)や『学寮祭の夜』(1935年)などの長編代表作に比べ、ここに収められた短編はコナン・ドイル以来の英国短編ミステリの伝統を汲んだ綺談の要素が色濃く、中心になるアイデアは冒頭の「鏡の映像」など単純なものが多いが、その分、重厚な長編よりも気楽に読め、ピーター卿の華やかなでノーブル、ユーモアに富んだ魅力的なキャラクターを純粋に堪能出来る。 スペイン・バスク地方を舞台にした異様な怪奇譚「ピーター・ウィムジー卿の奇怪な失踪」やイングランドの小村に出没する幽霊馬車を描いた「不和の種、小さな村のメロドラマ」などに顕著な風景描写の妙、さらに様々な階級の登場人物を描き分ける筆力には、やはり感嘆させられる。 | ||||
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ドロシー・L・セイヤーズ著、宇野利泰訳『ピーター卿の事件簿【新版】』(創元推理文庫、2017年)はイギリス貴族ピーター卿が探偵となって事件を解決する推理小説である。第一次世界大戦後を舞台とする。本書は7編の中短編を収録する。怪奇的な話が多いものの、超自然的な現象は出て来ず、科学で説明できるものである。 最初の物語「鏡の映像」ではピーター卿は冤罪に陥りそうな人を救う弁護士的な役回りをする。駆けつけた警察官に対して人権侵害的な尋問を戒める。他の英国推理小説でも感じるが、英国では警察の取り調べに対する被疑者の人権尊重の意識が高い。アングロサクソンの流儀は新自由主義などの点で嫌悪されることもあるが、この点は見習わなければならない。 この「鏡の映像」と同じく、他の作品でもピーター卿は困っている人を助ける立場である。本書の紹介文では「古今の名探偵の中でも屈指の魅力的な人物」と説明される。魅力的な人物とすることには議論があるだろう。 シャーロック・ホームズのようなキャラクターの方が強烈な印象がある。そのホームズのような強烈な印象には、他人を小馬鹿にしたり、じらしたりして楽しむところがある。それに比べるとピーター卿は親切で誠実である。この京菜キャラクターが魅力的と評される社会であって欲しい。 「盗まれた胃袋」「完全アリバイ」「不和の種、小さな村のメロドラマ」は相続問題が背景にあり、遺言書が紛争の種になる。特に最後の「不和の種、小さな村のメロドラマ」は遺言書が不幸の原因になる。遺言書を無視して兄弟で均分相続することが最善の解決策になることは皮肉である。 | ||||
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アガサ・クリスティーとは違って、ドロシー・セイヤーズの作品の魅力は謎解きと犯人探しというよりも、その奇抜なアイディアとウィットに富んだストーリーテリングにある。この短編集では、そのどちらの魅力も存分に楽しめる。ピーター卿の長編を読んだ人にも、初めてピーター卿に出会う人にもこの短編集はお勧めである。特に、セイヤーズ独特の、多少現実離れしたアイディアとシチュエーション設定の奇抜さや斬新さは短編でこそ純粋に凝縮されているので、より味わえるものかもしれない。「鏡の映像」は、臓器が左右逆になっている男のミステリー。「ピーター・ウィムジー卿の奇怪な失踪」は、バスク地方で起きた、不気味で残酷、恋愛がらみの嫉妬による狂気の犯罪の物語。「盗まれた胃袋」は、叔父が遺産として残した自分の胃袋に秘められた謎について。「銅の指を持つ男の悲惨な物語」は、彫刻家と女優とその友人のドラマにまつわる異常で残酷な犯罪の物語。「幽霊に憑かれた巡査」は、ピーター卿とハリエットの夫婦に長男が誕生した夜の事件。巡査が見た殺人事件の現場は、幻想だったのか?「不和の種、小さな村のメロドラマ」は、田舎の町のある遺産相続問題に関係する幽霊騒動。 どれも、1度読んだらなかなか忘れがたい味を持つ短編ばかりである。話だけを追ってみたら不気味で恐ろしいとしか思えないものも中にはあるかもしれないが、ピーター・ウィムジイ卿というさわやかで機知に富んだユーモア溢れる貴族探偵が謎を解くのであるから、決して不愉快な後味を残すことはない。セイヤーズの並外れた想像力とユーモア、(ときには毒)、ウィムジイ卿の鮮やかな問題解決の手腕をたっぷり楽しめるはずである。 これを読んでセイヤーズの短編をもっと読みたい人には、短編集第2弾「顔のない男」がまだある。 | ||||
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