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凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂
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凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.13pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全39件 1~20 1/2ページ
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読みごたえありました | ||||
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”氷の轍”が面白かったので独立した前編となる本作を文庫で続いて読了、 年末年始に読むには重いかなとも思ったが、読み始めると抗いがたい魅力が強く、そのまま一気読みの速読ぎみに読んでしまった、 道警の守備範囲である北海道内を終始捜査で移動し続けるロードムービー的旅情と樺太引き上げに絡む歴史の無残さが交差する物語は、かつて愛読した西木正明(1940/5/25-2023/12/5)の北国小説群に近い情緒も満ちておりとても面白かった、 推理の解明描写がいちぶ分かりづらいと感じたが、文庫化に際し大幅に改稿されたらしく、ミステリとしての見通しのよさよりも文学としての深みを優先される推敲がなされたと推測できるので、続いて単行本も読む予定、 意図して映画の脚本的な描写になっているので、再読すると構造がよくわかる仕掛けであった、 以下蛇足、 本作は昭和20年の終戦時期の樺太や北方領土、そして満州・朝鮮方面からの引揚者たちの辛酸を知っている人ほど楽しめると思う、 西木正明の初期の問題作”悪夢の封印-療養部堕胎分所”や映画「樺太1945年夏 氷雪の門」などを知っていれば本書も歴史の片隅に追いやられた悲劇に捧げられた慟哭の書と評価してもよい、 もし被害者が青い目を隠した日本人だったとすれば先祖に何が起きたかは警察官として誰かが凡その推測を語るべきなのだが、その点を無視することで物語が進む点に物足りなさを感じる人もいるに違いない、 大東亜戦争よりも遡ったロシア革命の時代、日本の隣国であるロシアからそれなり以上の数の白系ロシア人が日本に亡命している、 ビクトル・スタルヒンも横綱大鵬の父もそうだったし、おそらくゴルゴ13デューク東郷の父も、川端康成雪国に登場するロシア女もそうだろう、 実は我が邦の混血具合は自分たちが思うよりも深いことが本作のそこかしこから湧き上がってくると思う、 | ||||
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釧路を旅しながら読み、旅も何倍も楽しめました。死体遺棄現場は、カヌー乗り場の傍だったという偶然もあり、盛り上がりました。 | ||||
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ホテルローヤルほどのインパクトはない。主人公が達観しすぎてリアリティにかける。 | ||||
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安定した面白さ。 | ||||
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数年前にSPドラマが放送され、テンポの良さ、役者がはまり役でかなり楽しんで見ました。 是非とも小説版も読んでみたいと思ってましたが、なかなか機会がなく、ちょうど暇が出来なので購入しました。 結末や、一部人物の扱いなど、ドラマ版とは違いますが、こちらは小説独自の、まるでパズルのピースがはまっていくような気持ちよさでさくさくと読めました。 ドラマ版、小説版もどちらもテーマは、孤独とはなんだうか・・人生とはなんだろうか・・ 桜木さんの作品はほとんどの作品がこのようなテーマですが、氷の轍は、主人公の真由を始めとした、ほとんどの人物が孤独を抱えて生きています。 ですが、どの人物も、その孤独に折り合いを付けて生きています。特に真由の母のどこか達観した考えは、 こう言う生き方もありなんだと、考えさせられるものでした。 被害者の男の足跡から、やがて一つの物語に繋がっていく・・その様はまさに、氷の轍です。 最後の方では、読み終わるのが惜しいと感じさせられるほど、この作品の世界へと引き込まれていました。 そして、こんなに寂しい雰囲気の作品なのに、読後感は、どこかさわやかなのも良かったです。 桜木さんの作品は、かなり読んでますが、本作は一番のお気に入りになりました。 | ||||
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桜木紫乃・唯一の警察小説シリーズ第二弾。しかも副題の通り、前回の松崎比呂からヒロインが変っている。新ヒロイン大門真由は、父の浮気相手により出産された捨子という奇妙な出生。両親とも元警察官で、父は現在脳出血直後からの入院生活を送っており、母は毎日病院のベッドサイドで一日を過ごしている。とりわけ父は現役時代に真由の職場では腕の良い有名な刑事であったらしい。 前作ヒロイン松崎比呂は彼女の唯一の同性の先輩であり、前作で比呂の相方を勤めた先輩刑事キリさんこと片桐刑事は本作でも真由の相方兼教育係のような立場で事件とその背景を成す壮大な物語に立ち会うことになる。 前作では樺太を舞台にした終戦時の日本人引揚に端を発する壮絶な女性の人生が背景になった北海道作家らしい力作であったが、本書も姉妹編というべき設定で、東北から北海道へ流れ着いてゆく人たちの血脈を背景にした骨太の作品であり、桜木らしく、娯楽小説でありながら、純文学に勝るとも劣らない筆力によって、そのストーリーテリングを支えている。 釧路の海で殺害され発見された老人の正体を追ううちに、大門真由が巻き込まれてゆくのは、青森・八戸と流れゆく女たちの歴史、彼女らの運命の変転の物語である。通常の警察捜査小説ではあり得ないようなリアルな設定に支えられ、真由とキリさんは、時間と経費に縛られた過酷な条件の中で、青森での広範囲な捜査と、印象的な出会いを果たし、殺人の裏に潜む壮大な家族の物語を紐解いてゆく。 現在と過去、釧路とそこに流れ着く前の距離、原罪と宿命。何よりも女たちの強さ、たくましさ、生命力。これらはすべて前作との共通項である。釧路はまるで漂泊の終わる土地とでも言わんばかりの風土である。 夏であるのに寒く、暗い海が深い霧に覆われる港町、釧路。ここに潜んだ人々の風土と時間とを、大河ドラマみたいな題材のように捉え、事件と捜査という形で描いてゆく。 無論、松崎比呂同様に、大門真由も出生や成長の過程で並みではない重荷を背負わされてきた女性であり、捜査官である。彼女の人生と事件とが重層的に重なることにより、この港町に展開する物語たちが響き合う。そんな厚みと深みを味わうことのできる独特の桜木節、三作目も是非あって欲しい貴重なシリーズである。 | ||||
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買っていたのを忘れていた本でした。 桜木作品を読み続けていますが星5つだと感じたのは初めてです。 いくつもの人生が過去と現在で交錯するさまは見事です。 | ||||
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以前読んだはずだけどラストが思い出せないしもう一つ理解出来てなかったと思い再読。 つらい過去の為、他人に優しい人達同士が切ない。 ある人物がそこまでの責任を感じ背負う必要があるのか?というのと犯人の動機がもう一つ薄いのが残念だけど、 以前読んだ時は何も残らなかったが、年を取ったせいか優しさ故の切なさに何度も泣けて仕方がなかった。 (誰がよんでも泣ける類いの話ではないです) 再読して良かった。 | ||||
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桜木 紫乃 さんの道警物はどの作品も大変面白いですが、この凍原 も短編ですが面白いです。 | ||||
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主人公の弟の死と殺人事件の謎解きがうまく連動していない気がする。全くストーリーに関連がない男との関係よりは、主人公と先輩刑事の恋愛にしてもらったほうがおじさんはうれしい。 | ||||
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新版であるこちらの文庫本を先に、後からハードカバーの旧版を読みました。 率直な感想を言うと、この2冊はほぼ別物と言ってもいいくらいに改編されていました エピソードも変更されている為、登場人物に対する印象も変わりました まず、さっちゃんこと老婆の正体は克子だと思っていた。 こちらの文庫本にははっきりと書かれていないので読み解くしかありません まず丸顔という特徴が一致する、出身地が樺太だと言っている、息子の名前が「克徳」 さっちゃんの愛称は「さゆり」とかからきているのかと勝手に想像。 亡くなって葬儀をあげたとあったが、子供と口裏合わせて上手く切り抜けたのかと。 つや子の事はどこかの旅館で働いていたとしか書かれていないし キクと再会させるにはもう少し説明がないと納得しづらい。 ただ、克子だったにせよ、つや子だったにせよ 十数年ぶりとはいえ再会すればキクはわかるんじゃないかと言うのが引っかかっていました。 もしや第3の容疑者が?そんなモヤモヤが残り、旧版のハードカバーも読んでみたのですが そちらははっきりと老婆の正体が明かされています そこに至るまでの経緯も詳細に。 改編されてしまった分、殺人の動機に説得力がなくなってしまったのが残念です おそらく真犯人がどうという所は二の次で、女の生き様を見せたかったのでしょうから そこは突っ込みどころではないのかもしれませんが、 それなら推理モノのような副題をつける必要はなかったのでは? スッキリするという意味では前作の方が良かったです。 樺太脱出からのキクのお話は惹きこまれますし、新版、旧版どちらも読みごたえがあります | ||||
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釧路湿原のツアーを終え、ガイドのおばさんから紹介された小説の一冊が「凍原」でした。釧路が舞台になっており旅先の地がまたリアリティを持って蘇ってきて、ご当地ものとしては面白かったのですが、小説としては、どうなのでしょう。僕は女性作家のものは敬遠しています。しかし、ガイドさんのお勧めでもあるため読んだのですが、「やっぱり」というのが正直な感想です。登場人物の男性像があまりに、平面的なのです。「いい男」つまり、女性にとって「いい男」ばかり登場するのです。「純粋」であるがゆえに過去を引きずりながら生きる男や、だらしないが「純粋」である男、セックスするにしても後を引かない都合のいい男、、広大な北海道を舞台に縦軸に樺太引揚という時間軸を使い重厚なミステリー仕立てのドラマを意図したのでしょうが、人物像に疑問符がつきました。それでも嫌みのない登場人物ばかりなので、不快な思いはなく、釧路の息吹が感じられるエンターテインメントでした。 | ||||
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心理描写に欠けます。同作家の他作品も同じ印象を受けます。何冊か読みましたが、失望しました。 | ||||
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「ホテルローヤル」が面白かったので同じ著者の評価が高い作品ということで手に取りました。過去と現在が行き来する形で話は進みます。冒頭の失踪事件で「おっ」となり掴みはOKでしたが、そのあと現在の時間軸に戻りダラダラ続く捜査描写という名の聞き込みに完全に集中力が途切れました。一人の女の軌跡を延々追っていくことになるので、その女に興味が持てなければ読み進めるのも苦痛になる作りです。私は1/3ほど我慢して読んでいましたが途中であまりの退屈さにパラ読みになりました。文章はまあまあ読みやすいので、☆1.5くらいでしょうか…。 全体的にゆっくり進み山場らしい山場もないのでリーダビリティに欠ける印象。そしてミステリー小説と思っていましたが読者に推理させる気はない構成なので人間ドラマとして楽しんだ方がいいでしょう。登場人物も魅力的とは言いがたい。「ホテルローヤル」では短編ながら血の通った人間模様を楽しめましたが本作に共感できる人物はいませんでした。名前すら覚えられないレベルです。薄い。なんか薄い。 短編が面白かったので長編はじっくり書ける分もっと面白いと思ったのですが安易だったかも。評価が高いことは事実なので事件と女に興味が持てたら面白いのでしょう、多分。 | ||||
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重く厚みのある物語。過去と現在を行ったり来たりしながら、こんな結果なった理由を刑事が突き止めていく。ちょっと納得できない様な気もするが、北海道の、その地方の雰囲気が味わえる感じが好き。シリーズ化されているのかな?ヒロインのその後の活躍が読みたい❗ | ||||
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終戦時の樺太から北海道への帰還から始まり、 今へと続く自身の起源を巡るサスペンス。 しかし、その最中彼は殺されてしまいます。 広大な北海道を舞台に繰り広げられる、 「凍原」という作品通りに涼しげでヒンヤリとする作品です。 なかなか面白かったです。 | ||||
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推理小説と北海道が好きなので購入。 予備知識がないまま読み始めたのですが、どんどんと物語に引き込まれていきました。 読み終えたら、長く旅をしていたかのような感覚になりました。 | ||||
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この作者のミステリー作品は、非常に人間の「心」の奥深くに踏み込んだものが多いのですが、この作品でも悲しい人生を歩く人々の繋がりが事件のキーになっています。 その関係性を読み解いた時、事件は解決します。 それにしても、ここで描かれている樺太からの引き上げがこれほど大変だったとは、思いもよりませんでした。 そして、その後の敗戦後の時代の混乱もまた大変なものだった様です。 この作品には、小説の背景としてそれが描かれているのですが、その断片だけで十分なほど良く書かれています。 ストーリーとしては、「青い目」を持った男性が殺されたところから始まります。 その「青い目」を生んだ不幸な女性の数奇な運命が、この事件の根源にありました。 そこには、過酷な社会情勢の中、辛い人生を生きてゆく人たちがいます。 「過去」を背負った人たちの人生は、簡単に「染め直せる」人生ではありません。 そんな人間の縮図が描かれた作品です。 | ||||
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女刑事という主人公の設定は作者のチャレンジでしょうか。 しかしストーリーや心理描写などはやはり桜木紫乃の面目躍如というところで、イッキに読ませました。 犯人の犯行動機はやや?ですが、戦争によって実に多くの人生がねじ曲げられたこと、特に女性が生き抜くということ、しかし警察というのは時としてより無惨な現実を掘り起こす存在だということ、それがいったい何の為になっているのかというような疑問をこれでもかと突き付けられます。 作者は、これをシリーズ化してさらに突き詰めていこうとしているのではないでしょうか。 | ||||
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