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凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂



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凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂の評価: 4.13/5点 レビュー 39件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.13pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全39件 21~39 2/2ページ
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No.19:
(5pt)

桜木ワールド全開の作品

桜木の警察ものの長編を初めて読みました。彼女独特の文体で大変面白かった。
凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂 (小学館文庫)より
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No.18:
(5pt)

松本清張作品を彷彿とさせるテイスト

桜木紫乃の作品は殆どの舞台が釧路などの北海道で、貧しく切ない境遇ながら強く確かに生きる女性の人生を描くという内容ながら、どれもマンネリを感じさせず素晴らしい。
この警察小説とか言われるミステリー仕立ての物語も、最後までしっかり読ませる見事な構成と文章表現はさすがである。
読んでいて、思わず松本清張の諸作品を思い出させる味わいがある。
戦争末期の樺太の様子も、添付されている地図を参照しながら興味深く読んだ。当時の日本の鉄道線路も、Googlemapで見ると今は道路しかない。
樺太について、もっと詳しく勉強しなくては、とも思わせる作品でもあった。
凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂 (小学館文庫)より
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No.17:
(5pt)

ミステリーも凄い

展開が素晴らしい。海外を視野に入れたスケールの大きなシリーズ自作に期待したい。
凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂 (小学館文庫)より
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No.16:
(3pt)

お前はもう女として終わっている?

一着しかない黒のパンツスーツで出勤する。心なしか肩のあたりが窮屈になっている。流行り廃りのないデザインだったので、五年間買い換えていない。仕事に支障が出るようなことでもない。毎日の仕事着は伸縮素材のパンツとシャツ、あとは季節に合わせた数着のジャケットがあれば充分だった。着るものに気を遣ったり金を掛けるという意識はなかった。化粧もチューブのファンデーションとリップグロスで終わり。髪は肩までの長さで、普段はほとんど一本に結わえている。縛る長さがあれば毎月美容院まで行かなくても済み、スタイルを気にする必要もない。
→ p.44 - 45

本作ほど、私が作中の登場人物に誰一人として感情移入できない作品は珍しい。ただ、p.44 - 45にある主人公の女性刑事・松崎比呂の名前に負けない女性であることを色んな意味で放棄している描写と、17年前に比呂が水谷姓だった頃に湿原にのみ込まれて水谷家の家庭崩壊の原因になった弟・貢が消えた場所と同じく彼女がロクデナシの先輩刑事・片桐周平と共に捜査することになった青い眼の日本人男性・鈴木洋介の遺体が遺棄された現場になった場所が湿原であり、帯の“顔の無い女”という言葉に興味を抱いたから買ったのだ。

片桐が何故ロクデナシかと言うと、息子が青い眼だからって拒絶して良い理由にはならないが、受け入れられなかった父親を罵倒して暴力をふるった彼がどうしても許せなかった。

確かに、鈴木洋介は殺される理由は皆無だった。それなのに彼が自身のルーツを探すことでキクが不利益を被るとしても杉村純は真っ赤な他人の彼女のために自身の母親を殺人犯の母に貶めてしまったため、私には彼が常軌を逸した犯人だとしか思えない。しかも助けたくても助けられなかったという仕方の無さにより許しようがあった貢の死に際し、湿原の方に歩いて行ったという虚偽の発言で関与していることを闇に葬ろうとしたのだから。ところで、貢は冷たい水の中に閉じ込められたままなのだろうか? どんなに時間がかかろうとも水に土に還ることが出来ればいいのに。
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No.15:
(4pt)

桜木紫乃先生の作風が大好きです。

今まで氷平線、ラブレスを読んで今回こちらも読ませていただきました。
情景やどこかさみしさを感じさせるような表現は、やっぱりすごくよかったです!

ただ、ひとつ・・・
殺人事件の動機には、う~~ん?ってなっちゃいました。
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No.14:
(5pt)

面白い!

凄いスリラーで面白い!又何度も読みたいと思っています。次の作品を待ちますよ
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No.13:
(5pt)

満足しています。

迅速・丁寧な対応に感謝しております。機会がありましたら、また、利用したいと思います。
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No.12:
(5pt)

よかった!

最近話題の作者の本だが、綺麗でいい状態のほんでした。送付も速く満足です。
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No.11:
(4pt)

植物も腐ることが出来ない冷たい湿原

樺太から北海道に渡ってきた気性の激しい女性長部キク。
彼女の人生を時折たどりつつ,舞台の中心は,桜木氏得意の(というか地元の)釧路へ。
描かれる釧路湿原は,いつもにも増して暗く冷たい。
この冷たく研ぎ澄まされた湿原と,長部キクやその他諸々の女性たちのソウルが
なじむような,あるいは逆に温度差でバチバチいうような,なんとも不思議な雰囲気を醸し出しています。

一応,物語はミステリーですが,読者に犯人当てをさせる推理小説ではないですね。
当てるだけの材料が提供されていないですから。
ミステリーという形を借りて女性の人生を追っていく,という仕立てです。
女性の描き方と,釧路の気候・風土との絡ませ方は,桜木氏の他の小説同様圧巻です。
ほんとにうまい。

ミステリーという点で言えば,
犯人が分かっても,動機がいまひとつ自分には納得がいかない感じでしたが,
まあ,そこは作者にとって物語の重要部分ではないのかもしれません。
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No.10:
(4pt)

なんか切ないなあ...

読み物としては最後までずっとワクワクドキドキ読み進めたので☆5でも構わないのですが、犯人の動機がなんか腑に落ちない。でもそれが逆にリアルっぽかったりするのでなんとも言えないけど、読後に少し思いにふけってしまうお話でした。
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No.9:
(5pt)

面白かった

すごく面白く、一気に読みました。
北海道が舞台なので、北海道に住んでる人には、出てくる地名など馴染みがあって、
物語に入り込みやすいかなと思いました。
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No.8:
(2pt)

期待外れ

内容の大きな流れは面白いと思いますが、人物の心情描写や、キャラクター設定など、少し雑な印象を受けました。
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No.7:
(4pt)

大越キャスターがめちゃ面白い

桜木さんと、大越キャスターが対談する場面で、タイトルのとおり言ってたのを聞いて購入。
ずっと、湿原が常に広がり、草や土の匂いがする雰囲気でストーリーが進みます。なんとも言えない読後感です。人生ってやるせない・・。少し疲れた人が読むと、「やるしかないんだ」と思うのでは。
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No.6:
(3pt)

過酷な半生を生きた女たちのその後の凄絶な生きざまが荒涼とした情感のうちに語られる

札幌で二年間生活したわたしはなんども釧路を訪ねている。釧路湿原はタンチョウヅル、国立公園、ゴルフ場であり、明媚な風光を楽しむ行楽地であった。しかし、この作品では暗澹とした人間模様を象徴するものであり、人間の運命を飲み込む得体の知れない広がりを見せている。湿原を舞台に過酷な半生を生きた女たちのその後の凄絶な生きざまが、著者の独壇場であろう、荒涼とした情感のうちに語られる。
「十七年前、当時十歳だった弟がそこの小学校のグランドに自転車を置いたまま行方がわからなくなったんです。湿原って遠くからだと草ぼうぼうの原っぱに見えるけど、葦の下はずぶずぶの泥炭地でほとんどが水なんですって。水が冷たくて植物は上手に腐ることもできないそうです。そんな植物が枯れては泥と一緒に積み重なって、巨大な浮島みたいになってるんです。泥炭が途切れたり穴が空いたりした場所は、谷地眼って呼ばれます。弟は多分、その谷地眼に落ちたんです。」

失踪した男の子の家庭は崩壊した。姉・比呂は崩れていった家庭とは距離を置き、しかし失踪の重みを受け止めたままに、いま30歳の女刑事として孤独な日々をおくっている。そして当時この事件を担当していた刑事・片桐とペアを組み、湿原で発見された殺人事件を追う。

「湿地に足を取られて死んだ者は、土に還ることも出来ず、永遠に水の中を彷徨っている。釧路湿原で発見されたサラリーマンの他殺死体。被害者があけてしまったのは64年も前に封印されたパンドラの箱だった。」

序章の一節で1945年8月12日の樺太が語られている。ソ連参戦による住民虐殺である。母と妹を目の前で殺された娘・キク(20歳)の血で血を洗う凄まじい樺太脱出行が始まる。

キクの物語と交互になって比呂・片桐の捜査活動が進められる。二人は釧路、札幌、小樽、室蘭、留萌と地道に捜査を続ける。果たして彼らはパンドラの箱に辿りつけるのか?と。ミステリー愛好家でなくともこの推理小説のおおまかな構図は推定できる。よくある構図であり、わたしがこう述べたところで、ネタバラシにはならない。(ひねりは当然に用意されている。)そんな推定は著者も承知のうえだ。そのうえでぐいぐいとひきつける。よく出来た推理小説である。それは謎解き一辺倒のミステリーではなく、読ませどころに冷酷・非情、壮絶な人間ドラマがあるからだ。

序章からはやくも、わたしがかつて好んで読んだ懐かしい作風のミステリーだと直感した。1960年前後、社会派推理小説の金字塔といえる傑作、松本清張『ゼロの焦点』 と水上勉『飢餓海峡』である。また10年以上遅れて森村誠一の『人間の証明』があった。
これらに共通するものは終戦直後の混乱の中である事件が起こる。長い年月がたって、事件の当事者たちは接点をもたないままに、それぞれの人生を歩んできた。ある日、その延長線は交差して、あらたな事件が起こる………というパターンである。
また犯人を追う側は快刀乱麻の推理ではない、全国各地を足で探索するのである。リアリズムで当事者たちの過去を辿るのである。あの戦争とは………、と思いをはせつつ、当時のわれわれ世代は自分の経験していない、しかし、実際に起こりえたであろう哀切の人間ドラマに深く感興を覚えたのだ。
そしてローカル色がみごとにちりばめられ、また暗く哀しい詩情が通奏低音として流れていることも共通してあった。

「事件の根を手繰ってゆくと、その時々を懸命に生きて来た人の、燃えるような過去が血をしたたらせている。」
これは30歳の女刑事・比呂の述懐である。過去に屈託し虚無的で誇りを持ち合わせず、メールだけでつながったセックスフレンドを持つ女。「過去が血をしたたらせている」との生々しい表現。これは清張にも水上にも森村にもなかったキャラクターだ。今風の人物像でなかなか魅力があった。

刑事の個性や風俗には現代が感じられるとは言え、
桜木紫乃には社会派推理小説の黄金時代を再現する意図があったのではないか。
だとすればわたしにはそれは成功していると思えるのだ。
凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂 (小学館文庫)より
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No.5:
(5pt)

それは「誰」なのか。

一つの殺人事件の捜査が発端となって、幾つもの「過去」が発掘される。人物たちは「過去」から「現在」に到るまでの間において、お互いに絡まり合い、複雑な模様を描いている。終戦前後の日本、1992年の釧路、そしてその17年後の三つの時間軸を忙しく行き来しながら明らかにされていくのは、乱暴にまとめてしまえば「罪業を背負って生きる」ということだろうか。「誰が犯人なのか」という問いはやがて、「その人物は誰なのか」という問いを招く。そして最終的に完成する絵は実に美しい。美しいにも関わらず、その中心にいる人物には相変わらず「最初の過去の」名前がない。それらしき人物が暗に示唆されてはいるのだが、それも確定的ではない。しかし確定的ではないからこそ読み返し、読み返しても依然はっきりとはしないが、だからと言ってそれを不満に感じるわけでもないのは、物語自身が実に力強いからである。渇いた文体で書き進められていく物語に、最初は没入しづらいが、それもやがて気にならなくなる。
 なお、この副題のつけ方からするとシリーズが構想されているのだろうか。
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No.4:
(3pt)

まあまあ面白いが、斬新さに欠ける

「行方不明になった弟は、今も湿原の中に、土に還ることもできずにいるのだろうか?」
つらい過去を持つ比呂は、警察官となり再び釧路に戻ってきた。弟を飲み込んでしまったかも
しれない釧路湿原で、今度は成人男性の遺体が発見される。その事件は、過去に封印された
はずのできごとをしだいに暴いていくことになる・・・。

17年前、当時10歳だった弟が行方不明になった。今も心のどこかで弟を捜し求める比呂。
当時捜査をしてくれた片桐は、今は比呂とともに今回の事件の捜査を担当している。弟の友だち
だった純も、自分の店を持つほどになっている。月日は流れているのだ。だが、どんなに月日が
流れても、絶対に真実をさらせないこともある。永久に封じ込めてしまわなければならない
過去が暴かれようとしたとき、悲劇が起こる・・・。さまざまな人間のしがらみがからみ合い、
物語に深みを与えている。「こんなに悲しい生き方しかできなかったのか?」と問わずには
いられない切ない描写もあった。けれど、設定や結末には斬新さがなく、感動を与えてくれる
までには至らなかった。全体的にはまあまあの作品だと思うが・・・。
凍原Amazon書評・レビュー:凍原より
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No.3:
(4pt)

真実に向き合うこと

作者はいかにも女性らしい名前だし、諸々の紹介のイメージからしても、小池真理子の『恋』のような情念たっぷりなものか、あるいは北海道の女流作家が愛やら死やらを描くということで、もしかすると昔読んだ原田康子のような感じかと勝手に思っていた。当然といえば当然だが、どちらとも違う。「男女」とは関係なしに、もっと厳しく「人間」に切り込んでいく。人間の運命、その背負う重い真実を描く中で、傷つきながらも懸命な姿に共感して感動を呼び起こす、という感じだろうか。
 昨年末の毎日新聞、恒例「今年の三冊」で川本三郎が、注目すべき作家としてこの作家の名前を挙げていたが、なるほど能力が高い。突飛かもしれないが、純文学サイドからも評価の高いイギリスの女流ミステリー作家、P.D.ジェイムズを連想した。それに日本的な情緒の魅力が加わる。
 釧路湿原にまつわる悲劇の傷を共有するベテラン刑事と若い婦警。彼らが扱う殺人事件の背後に、戦後の樺太からの引き上げ者をめぐる物語がダブルプロットとして交錯し、やがて一つになる。
 ミステリーの仕掛けはやや強引と感じられた部分もあるが、それもよくよく練られた構図に従ったもので、展開は堅実である。
 また、このところ犯罪の衝撃とか猟奇性ばかり強調して背景のおろそかな小説も多いような気がするのだが、犯罪に至る道筋が、人間の心の問題としてしっかり描かれているのがいい。ミステリーの常として終わりに設定されている謎解き、種明かしも、一つの謎が一気に解かれるというより、幾重にも塗り込められた事実が徐々に明らかになるという重層的な構造になっている。プロット上の工夫もさることながら、それは何よりも、犯人とか犯罪の手口をパズルとして解くタイプの小説と違って、解かれるべき謎が「人間」の真実だからこそ、という気がする。
 だが、明かされるのは当然ながら暗く重い苦しみや悲しみだから、正直辛い。だからいいとも言えるわけで、あとは好みの問題だろう。重いのは間違いない。
 なお、優れた点の一つに「土地」の使い方が挙げられると思う。第一に釧路湿原のイメージが強烈で、それゆえにそのわびしさ暗さが辛かったりもするのだが、非常に効果的である。それにとどまらず、舞台である北海道、あるいは樺太の歴史と風土がうまくとりこまれていて、土地そのものが生きた物語であるような印象を受ける。


凍原Amazon書評・レビュー:凍原より
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No.2:
(5pt)

懐かしすぎる

釧路に以前住んでいた人間としては、読んでいて情景が目に浮かび、懐かしさで暖かい気持ちにさせられました。作品中に出てくる春採湖を見渡せる高台にある豪邸は、実際にありますよね?今どうなっているのかな?
凍原Amazon書評・レビュー:凍原より
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No.1:
(5pt)

オススメです!

戦時中・17年前・現代の3つの舞台が巧みに絡み合う、
とても奥行きのある作品でした。
一人一人のキャラクター分けが素晴らしく、
まるでドキュメンタリー映画のように感じられたりもしました。
全ての謎が解けた時の驚きはなかったのですが、
表面的なことだけでなく、その登場人物の生き様までが伝わってきました。
何もかもが深いです。

主人公の女刑事・比呂が、付き合っている男とじっくり話すシーン。
第2の主人公ともいえるキクが、雪の中を逃げるシーン。
この2カ所では、目頭が熱くなりました。
セリフ・情景の描写がとても美しかったです。

釧路湿原という、夏がないような場所だからこそ、
熱いものものを心に閉じ込めた人々を描くのに適していたように思います。
同じ北海道でも、道南や道央が舞台では、全く違ったストーリーになっていたでしょう。
同郷のよしみで軽く手に取った作品でしたが、
これが本当に当たりでした。
久しぶりに、
”先が知りたいけど、読み終えるがもったいない”と思う作品に出会いました。

凍原Amazon書評・レビュー:凍原より
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