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マルドゥック・ヴェロシティ
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【この小説が収録されている参考書籍】
マルドゥック・ヴェロシティの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.35pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全40件 21~40 2/2ページ
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マルドゥック・スクランブルの前日譚にあたる、ボイルドとウフコックを中心とした物語です。 他のレビューにもあるように、文体はやや特徴的ですが、慣れてしまえばこれほどスピード感と臨場感がある文体はありません。 物語は前作でバロットを救ったオーナインの機関がいかに成立したのかというところから始まります。 ボイルドを初めとして、そこに参加する個性豊かな”被験者”達は見ていて飽きません。 アニメで例えるなら『攻殻機動隊stand alone complex』の公安9課の様な精鋭部隊です。 この被験者達がだんだんと陰謀に巻き込まれていく訳ですが、そこには独特の文体で描かれる戦闘シーンと、 刑事ドラマのようなミステリーやサスペンスが織り込まれていて、前作とはかなり雰囲気が違います。 マルドゥック・スクランブルの話を意識して読むと多少の裏切りがあるかもしれませんが、それを補って余りあるほどの読み応えです。 マルドゥック・スクランブルの世界観をより魅力的なものにした本作は是非読んでもらいたい作品です。 | ||||
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マルドゥック・スクランブルの映画化をきっかけに冲方丁作品に手を出してみようと思い、 書店で表紙や裏表紙のあらすじ等を比較してみて、ハードボイルドさを窺わせるヴェロシティを手に取りました。 ほんの軽い気持ちでページを開いて驚いたのが、スラッシュを多用する文体でした。 最初の頃こそ「こんなもの読めるんだろうか」とおそるおそる読んでいたものでしたが、 情景を描写する単語を直接読み込むため単語一般的な小説の文体に比べてイメージが脳裏に浮かびやすく、 小説を読んでいるのにまるで映画やアニメを見ているような感覚に陥ってからは、 それこそ「加速」するように1巻を読了してしまいました。 助詞や接続詞などの余分な情報を挟むことなく、直感的に読み手に情景描写を届ける文体であり、 スラッシュの前後で「今見ている風景」と「ビジョン」が同じ一文の中に並存する、というのは ちょうど読み手がボイルドの視界を通してマルドゥック市を見ているよう。 また、戦闘描写も秀逸でした。 初めてボイルド達による戦闘が行われた場面では、「文字を読んでいる」感覚がなく、どちらかというと 手に汗握るアクション映画を見ていたようです。 映画館の真っ暗闇の中、両脇の他人の存在を忘れてスクリーンに熱中していた、あの感覚が重なります。 戦闘でもスラッシュが使われていますが、こちらは行動の移り変わりの間にスラッシュを挿入するため、 まるで映画のフィルムのような様相を呈しています。 どちらもスラッシュが邪魔にならず、無意識のうちにそれを拾うことで、同時に流れの微妙な切れ目も 読み手の受け取る情報に滑り込ませ、読み手を心地よい言葉のリズムにのせてくれる気がしました。 スクランブルの改訂にあたり文庫本のページ(大きさや行数、字数)に合わせて文章を整えた、と 著者が自身のブログで言及されていますが、「読み手がひとかたまりの情報をどう受け取るか」について ここまでしっかりとお考えだからこそ、こうした読み手の「加速」が可能になったのでしょうか。 ただただ脱帽です。 以上は個人的な感想であり、先達の方々が仰るように、文体が受け付けるかどうかは人によりけりです。 (私はレギュラーメンバーの紹介が済んだあたりから文体が気にならなくなりました) ですが、文体で購入をためらわれるのであれば、是非、試しにお買い上げになることをお勧めします。 冲方作品初心者が数分読み始めただけでぐいぐい引き込まれてしまってすっかり冲方先生のファンになる くらい、魅力的な小説だと思います。 | ||||
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マルドゥック・スクランブルの映画化をきっかけに冲方丁作品に手を出してみようと思い、 表紙や裏表紙のあらすじ等を比較してみて、ハードボイルドさを窺わせるヴェロシティを購入しました。 ほんの軽い気持ちでページを開いて驚いたのが、スラッシュを多用する文体でした。 最初の頃こそ「こんなもの読めるんだろうか」とおそるおそる読んでいたものでしたが、 情景を描写する単語を直接読み込むため単語一般的な小説の文体に比べてイメージが脳裏に浮かびやすく、 小説を読んでいるのにまるで映画やアニメを見ているような感覚に陥ってからは、 それこそ「加速」するように1巻を読了してしまいました。 助詞や接続詞などの余分な情報を挟むことなく、直感的に読み手に情景描写を届ける文体であり、 スラッシュの前後で「今見ている風景」と「ビジョン」が同じ一文の中に並存する、というのは ちょうど読み手がボイルドの視界を通してマルドゥック市を見ているよう。 また、戦闘描写も秀逸でした。 初めてボイルド達による戦闘が行われた場面では、「文字を読んでいる」感覚がなく、どちらかというと 手に汗握るアクション映画を見ていたようです。 映画館の真っ暗闇の中、両脇の他人の存在を忘れてスクリーンに熱中していた、あの感覚が重なります。 戦闘でもスラッシュが使われていますが、こちらは行動の移り変わりの間にスラッシュを挿入するため、 まるで映画のフィルムのような様相を呈しています。 どちらもスラッシュが邪魔にならず、無意識のうちにそれを拾うことで、同時に流れの微妙な切れ目も 読み手の受け取る情報に滑り込ませ、読み手を心地よい言葉のリズムにのせてくれる気がしました。 スクランブルの改訂にあたり文庫本のページ(大きさや行数、字数)に合わせて文章を整えた、と 著者が自身のブログで言及されていますが、「読み手がひとかたまりの情報をどう受け取るか」について ここまでしっかりとお考えだからこそ、こうした読み手の「加速」が可能になったのでしょうか。 ただただ脱帽です。 以上は個人的な感想であり、先達の方々が仰るように、文体が受け付けるかどうかは人によりけりです。 (私はレギュラーメンバーの紹介が済んだあたりから文体が気にならなくなりました) ですが、文体で購入をためらわれるのであれば、是非、試しにお買い上げになることをお勧めします。 冲方作品初心者が数分読み始めただけでぐいぐい引き込まれてしまってすっかり冲方先生のファンになる くらい、魅力的な小説だと思います。 | ||||
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いや〜、前作に続けて一気に読んでしまいました! 文体に一瞬戸惑いを覚えましたが…。どちらかというとシナリオに近い感じがしましたね。ちょっと実験的な文章。 前作に負けず劣らず、でも、どちらかというと前作より面白いかも知れません。前作では敵役だったボイルドですが、この作品を読んで初めて彼の心理に多少納得がいった感があります。どちらかというと言葉の少ないボイルドはかなり誤解を抱かれ易い人物のようです。 それぞれの登場人物の心理はちょっと書き切られていない部分もあるので、もう少し冊数を増やして読んでみたかったような気がします。 私はウフコックがかなりお気に入りなので、もう少し彼の言動を見ていたい。 是非、このシリーズの続きを読んでみたいですね。作者に期待しています。 | ||||
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マルドゥック・スクランブルの前日譚の最終巻。いよいよ、主人公、ディムズデイル・ボイルドの戦いが終わりを告げる。 カトル・カールとの戦い、仲間の裏切り、そしてさらにはウフコックとの別れ。マルドゥック・スクランブルにようやくつながる。 全編、血塗られた暴力に彩られているが、そこに潜む虚無感。単なるバイオレンスアクションではない。 第三作も出るようなので、期待したい。 それと、なぜかこの本は著者のサイン入り。お気に入りの一冊になりそう。 | ||||
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『マルドゥック・スクランブル』の続編の第二巻。 いよいよ、マルドゥック・スクランブルの強敵、極悪の拷問集団?!のカトル・カールが正体を現した。 その行いの非道さは読んでいても気持ちが悪くなるぐらいだが、しかし、戦う相手は強すぎるぐらいの方が面白い。 また、ヴァンプ、ナタリア・ネイルズとボイルドの絡みも、なんだかハードボイルドミステリを思わせる。そうだよな、このシリーズは、SFの設定や過剰なまでの暴力性に彩られているけど、その根底には、チャンドラーみたいなロマンチシズムが流れているような気がする。 第二巻の最後は、ナタリアに危機が迫るところで終わるが、続きがどうなるのか気になってしょうがない。 | ||||
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『マルドゥック・スクランブル』の前日譚。ちょうど、「スクランブル」が漫画化されたので、未読だった「ヴェロシティ」を読み始めたところ。第1巻では、ウフコックやボイルド達がなぜ、「マルドゥック・スクランブル-09」の任務に就くようになったかが描かれる。 そして、マルドゥック・シティでの彼らの凄絶な戦いが始まる。 『マルドゥック・スクランブル』は傑作だったけど、この「ヴェロシティ」もそれに負けないくらいの出来。なぜ、今まで読まなかったのが不思議なくらい。 吐き気を催すぐらい血腥く、救いのない暴力とそこに潜む虚無感に引きつけられる。 まだ、第1巻は序章に過ぎないが、これからの展開の予感に心が躍る。 | ||||
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本編よりむしろこちらのほうが面白い。 戦闘シーンと記憶のフラッシュバックが混ざった内容で、戦闘シーンは本編と同じような流暢な文章、フラッシュバックのほうはわざと断片的な言葉を使う感じ。 そして、その予告編みたいな断片の間に、過去の輪郭が浮かび上がる。 ここまで来たらかえってボイルドとウフコックへの興味が減り、三博士の対峙への興味が湧いてきた。面白い世界構成だ。 | ||||
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日本SF大賞を受賞したマルドゥック・スクランブルの続編。 少女娼婦バロットと中身親父の万能ネズミ型アイテムウフコックの魅力的なコンビが活躍する前作とはまた違い、より人の醜さや都市の暗黒面が描かれてます。 「/」や体言止めを多用した独特の文体には最初面食らうけど慣れれば疾走感を生み出すこのテンポが心地よくなる。 やや「〜ように」という直喩の多用が気になるけど比喩も上手いし銃撃戦のシーンは迫力たっぷりでかっこいい。 寡黙な主人公ボイルドと相棒ウフコックの心温まる交流はもちろんユーモアに富む仲間内の会話ややりとりが痛快(「誰か外傷性ストレス障害を抱えてしまった者はいるかね?」「そりゃお前のダチの名前か?」/「「あたしが上に乗ってもいいか聞きたいね」「上下関係を巡るトラブルはパートナーシップにつきものだ」)。 魅力的な悪役にも注目。 個人的には若き野心家ギャングにして屈指のガンファイターニコラス・ネイルズがお気に入り。「棺桶に杭を打ってやるぜ」の決め台詞に痺れる。 拷問シーンなどえぐくてグロテスクな描写を含むので好き嫌いは分かれそうだけどハードボイルド六割SF色四割くらいの比率の小説が無性に読みたい人には猛烈におすすめ。新旧世代交代に火花を散らすギャングの抗争や資産家一族の暗闘などが結構な密度で書き込まれてます。 スクランブルは正直SF色が強くて最初に読んだときはぴんとこなかったんですが(バロットが蘇生する過程とかカフェのシーンとか)こっちはすんなり世界観に没頭できました。ボイルド以下09のメンバーは各々肉体的な改造を加え特殊能力をもってるんだけど、カラクリ仕掛け的なギミックを応用したアクションシーンは難しい知識がなくてもテンポが良いんでノリで読めます。 余談ですが大森望氏の「冲方丁が書く忍法帖」という発言には全然そんな発想なかったんでびっくりしました。 まあ確かにそう読めなくもないけど…。 | ||||
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前作「マルドゥック・スクランブル」を超える超大作。 読後、しばし呆然としました。 独特の文体に、最初、抵抗を感じるものの、しばらく読み進めると、逆にハマッていきます。 というのは、スラッシュ多用のこの文体は、アクションシーンにおいて特に効力を発揮します。 通常の文体に比べて情報量が圧倒的に多く、まだろっこしい場面説明に文章を費やすことなく、 スピーディーかつスリリングにアクションシーンを展開させます。 これが実に心地よい。 ある意味、映画以上に、ビジュアル的な手法であると思いました。 テーマがテーマだけに、吐き気をもよおすようなシーンもありますが、 前作以上に、登場人物たちの造形描写も鋭く、重厚感あふれる作品。 前作をお読みの方は、ぜひご一読を。 | ||||
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複雑で錯綜した全ての物語、現れた人物、成した行為 その全てが反転して飲み込まれる。 まるでウフコックが道具を吐き出し、約束された最後の姿体現するかのように 信頼と絆、裏切りと拒絶 全てが喰らい合い零となる最終巻 しかし残った物はある、スカスカになった頭にわずかな快感が残った。 | ||||
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複雑で錯綜した全ての物語、現れた人物、成した行為 その全てが反転して飲み込まれる。 まるでウフコックが道具を吐き出し、約束された最後の姿体現するかのように 信頼と絆、裏切りと拒絶 全てが喰らい合い零となる最終巻 しかし残った物はある、スカスカになった頭にわずかな快感が残った。 | ||||
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ダッシュとスラッシュを多用した文章は慣れるまで読みづらく、また、序盤で主要キャラクターがたくさん登場するので、とっかかりはあまりよくありません。最初さえ我慢すれば、残りは面白く読めると思います。 この物語の結末を知っているせいか、09メンバーが成果を挙げて法案が軌道に乗れば乗るほど、いつか待っている破滅が頭をよぎって哀愁を感じてしまいます。ダッシュやスラッシュを多用しているために生まれるスピード感が、登場人物たちの刹那的な人生を暗に表してるんじゃないかと感じました。 次が楽しみです。 | ||||
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スクランブルを価値の創成と位置付けるならば ヴェロシティは価値の失墜かもしれない。 前作に比べ、ハードボイルドな要素が多分に加味され、 ミステリ小説としてもなかなか読ませてくれる今作品。 過去に犯したボイルドの罪と罰。その浮かぶ事のない淵から救いだしたウフコック。 友情と一括りには出来ないパートナーシップがボイルドを虚無へと加速させる。 平易に言えば、仲間を助ける為に、自らが悪になるというありがちなテーマであるが、 読み終えてから再びスクランブルを読むと、ボイルドのウフコックに対する想いは、やはり悲しく、切ない。 ※文体について /(スラッシュ)等、初めは読みにくいのは確かです。 ただ、読み手の脳内に情報がバンバン打ち込まれていく感覚は気持ちいいし、 何よりボイルドの端的、客観的かつ淡白な視点が体現されていると思います。 | ||||
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まずは総評から これは極長の外伝と極短の続編を組み合わせた作品であり マルドゥックシリーズとしては"条件付き"の満点 設定は大雑把に見えて緻密、特に主役たる陽気な09メンバーに潜み込む狂気と、敵集団「カトル・カール」が見せる狂気の中に底付くロジカルな面はキャラに厚みを与えている 展開も二巻末から続く流れは正にヴェロシティの名に恥じず、そのスピード感に乗じて一気に読めた 文体はこの巻になれば特に気にならなかった、少々風変わりであるもの全編波乱あり、ロマンスもあり、決着もきちんとありでシリーズとしての完成度は高い 問題点はシリーズ故か作品として独立していない事 一段の決着は見せたものの、サイドストーリーではない本当の続編無しには消化できない程伏線を張っている という訳で続編を出すなら満点、出さないなら最後に未消化感を与えた作品という事で四つ星を、伏線を見ると前者に見えるので当面の評価は五つ星で | ||||
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前作とかなり文体が変わっています。 韻を踏んだり、ぶつ切りのセンテンスやスラッシュなどの多用などジェイムズ エルロイの影響がかなり見られるように思います。 慣れていないと一寸取っつきにくいですがはまるとぐいぐいとのめり込めると思います。エルロイファンの方は買いでしょう。 | ||||
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暗黒と失墜の完結篇、の紹介通りかなりの絶望感の詰まった内容。前半は「闇の軍属カトル・カール」との激闘が絵が描かれている。その決着がつき、徐々に事件の全貌が明らかになるにつれ、絶望が加速していく。馳星周にも似た逼塞感、ジョジョの奇妙な冒険のような、09/カトル・カールメンバーの戦い。読後感はどう感じるかは人それぞれだと思うが、小説としては読み甲斐もあったし面白かった。 | ||||
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混沌の街:マルドゥック・シティ。闇の住人となった”万能兵器”フウコックと”徘徊者”ボイルド。 次第に明らかになる彼らの敵。せまりくる異形の狂兵士”カルトカール” ウフッコクとボイルドの運命は、そして彼らを取り巻く仲間”スクランブル09(オーナイン)”は生き残れるのか・・・。 えぇっと、第2巻は、ちょっとスローペースかなぁ?というわけで星4つ。 ”スクランブル09(オーナイン)”に負けず劣らず”イッちゃってる”人たちの集まりである、敵の異能集団”カルトカール”の印象が強すぎちゃって・・・(笑)。しかし、面白いのは間違いないです。完結篇の3巻に期待します。 PS 個人的には、”盲目の覗き魔”ワイズ&”不可視の猟犬”オセロットのコンビが好き! | ||||
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ええと、本文と同じ書体でタイトル書いてみました。 マルドゥック・スクランブルの正当な続編ですが、文体がガラリと変わっています。別の雑誌連載小説と同じ文体なので冲方氏なりの軌跡はあるのだろうと思いますが、一見してとっつきにくいという印象は否めないと思います。手抜きに見えるのが最大の欠点です。 このとっつきにくい文章、読み進んでいけば気にならないし、特殊な文法で韻を踏むなどのなかなか心躍る仕掛けもあるのですが、やはり初めて見たときは読む気が削がれると思います。 正直、この文体は『欠点』としか思えません。 私はマルドゥック・スクランブルが素晴らしすぎたから、その勢いのままに読み進んで、滑走路から飛び立つようにいつのまにか没頭してしまったのですが。 ストーリーはかなりハードですが、SFの要素と異能者バトルもの(山田風太郎みたいな感じ)がミックスされていて文句無しです。 この作品を読む前に、前作であるマルドゥック・スクランブルは読んでおいた方がいいと思います。 そして、マルドゥック・スクランブルの総毛立つほどの感動に襲われた方は、誰がなんと言おうと『次回作が読みたい』という欲求が抑え切れないでしょうし、あまりおもしろくないと感じた方も(いるとは思えませんが!)それぞれの感性で決めればいいでしょう。 よって、私からはただ一言だけ最後に言わせて頂きます。 ……二巻の発売日が待ち遠しい! 早く読ませてくれぇッ!!! | ||||
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前作「マルドゥック・スクランブル」から3年、彼らの過去が明らかになる。 廃棄される存在“錆びた銃”から、眠ることをしらない人間兵器へと生まれ変わった“徘徊者”ボイルド。 「い、痛い・・・いの?」 ボイルドの流す涙をみて“万能兵器&金色のねずみ”ウフコックはつぶやいた。 恐るべき能力をもった“異形”のなかま達と共に彼らは、この街で生き残ることができるのか・・・。 いやー、こうした上質の“SF”(オォ死語か?)が連続で読めるのはうれしい限りです。 今回の焦点は、どうしてボイルドが“フォースの暗黒面”に落ちていったのか(笑)ですが、パート2 &3でどう展開していくのか、大変楽しみです。 PS:アニメ(!)に日和った内容にはなってほしくないなぁ。 | ||||
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