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涙
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涙の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全56件 21~40 2/3ページ
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乃南アサにはまって、4作品目だが、コレも、面白い。昭和を背景に、話は進んでいく。くぎりで読むのを止めささない面白さが有る。 | ||||
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涙を抑えられない作品。 東京オリンピック前後、昭和の土埃、高度経済成長時の日本の今となっていは、いささか直線的、現代の様々なひずみを加味して考慮するといささか、盲目的な民衆の熱狂、そんな時代に一撃でひきずりこむ冒頭。一気に物語に引き込まれ、一体なぜ、挙式前日の婚約者が消えたのか、その問いを解き明かそうと○○○まで行くことになる主人公から、決して眼がはなせない。本当に素晴らしい小説!!! | ||||
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「何が起きたの?」という疑問を抱えながら、作者に引きずられた、と感じました。 謎そのものも、謎を解く過程も気になり、途中で止められなくなり、どんどん読み進めました。 面白かったです。 昭和の事実を並行に並べたことも、作品の厚みを増す良い効果になったと思います。良い意味で、松本清張さんの作品を読んでいるように感じました。 ただし、結果的には、主人公の自己満足で多くの人たちを傷つけたような気もします。必ずしも主人公の考え方には共感できませんでした。その分、星マイナス1こです。 | ||||
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わくわくして一気に読めた。これって大切な要素だと思うからひとまず好評価。 ただ、巻末エッセイで「萄子という女性は、ある種のいやみな部分を持った人」とおすぎ氏も述べておられるように、特に上巻においてのヒロインは魅力に乏しい。 お嬢様でそこそこきれい(ものすごくきれいというわけではないらしい)で勝気という設定だけど、世間知らずで勝気って――世間知らずで従順というのなら人畜無害だけど――けっこうはた迷惑だったりするじゃないですか。熱海に新幹線で行って十日以上滞在したり、はては九州に行ったり沖縄に飛行機で飛んだり、親にさんざん心配かけるわ、父親が汗水たらして稼いだお金を惜しげもなく散財するわ。 そのせいか、どこまでも失踪した婚約者を追い求める行為も一途というより依怙地な感じがして、不気味に思えてきた。 だが、作者は、こんな萄子を決して健気な悲劇のヒロインとして持ち上げてはいない。もう一人の重要人物 で娘を殺された韮沢の目を通して冷たく批判することによってバランスを保っているところがよい。 それに、世間知らずな萄子だけど、自分が絶望のどん底にあるときにも、他人の人生に思いをはせられる感受性の強さと優しさも持っていて、決して不快なだけのヒロインではない。 特に下巻では、萄子のあせりや苛立ち、孤独などが丁寧に描かれ、次第に共感できるようになってきて、最終章でようやく婚約者とめぐり合い、台風の中で真実を知らされるくだりは、台風の描写のリアリティと迫力に圧倒される。 それでもなお、婚約者が何も告げずに逃げた理由についてはすっきりしないものが残ったが。 そして、韮沢。この人も気の毒だなあ。娘を殺されただけでも十分悲劇だが、それだけならまだひたすら悲しんだり犯人を憎めばいい。だが、娘にも非があり、ただの不運なかわいそうな被害者ではなかったとき、どうすればいいのだろう? でも、こういう遺族ってけっこういるのだろうなと思う。 | ||||
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さすが乃南アサです。一気に読んでしまいました。東京オリンピックのころの風俗がきちんと描写されています。 電話が呼び出しだったり、熱海がまだ賑わっていたり、大阪まで新幹線が4時間だったり。よく調べてあります。(もしかするとどこかに間違いはあるのかもしれませんが) 婚約者を見つけるまでの話にはとても惹きつけられます。 また、弟の彰文がいい味を出していてほっとできるのもよいです。 ただ最後まで期待するだけに、明かされる婚約者の勝が逃げた理由にあまり納得できなかったことだけが残念。 納得できる人は泣けると思いますが、納得できない人には涙は出ないと思います。 でも面白いし、よくできてます。 | ||||
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とても悲しい結末だったけれども婚約者が失踪した理由は 十分納得できる、無理のないものだった。 長いけど最後まで飽きずに読めた。 | ||||
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山の手のお嬢様(萄子)が、失踪した婚約者(勝)を執念で追いかけます。 2年間の追跡劇が物語の大半を占めていますが、 なかなかどうして彼に辿り着けません。 追跡が失敗する度、萄子は落胆し、やりどころのない感情をため込んでいきます。 読者はどこに行っても失敗する展開に少し疲れつつも、 劇中の萄子と同様に、いつか劇的に会うことになるんだろうという期待をため込んでいきます。 最後の地での再会では、その感情描写もさることながら、 二人の運命を象徴するような、嵐の状況描写も見事にリンクしています。 男を想う女の情念と、時間が経つことの残酷さというか仕方なさというのが、 個人的に心に残りました。 また、再会時は二人だけの空間で、物語の秘密が明かされていきますが、 萄子の心がこれでもかと揺さぶられ、読んでるこっちも相当疲れます。 基本的に萄子が中心の物語で、彼女のまっすぐな心情(お嬢故?) ばかりが目立ちますが、勝の上司の韮山の家庭の話なんかは、なかなか切ないです。 ミステリーというより、女目線の青春純愛ものとしてお勧めです。 | ||||
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結婚を間近に控え、幸せの絶頂にあった萄子。だが、婚約者の勝は、1本の電話を 最後に消息を絶ってしまう。一方、勝の上司韮山の娘のぶ子が殺されるという事件が 起こる。現場には、勝の定期入れが落ちていた・・・。 突然起きた不幸。萄子は勝の無実を信じ、目撃情報を元に彼を探し求める。なぜ勝は 逃げ続けるのか?のぶ子を殺したのは彼だったのか?彼を信じたいと思いながらも 揺れ動く萄子の心情が、とてもよく描かれている。だが、萄子が勝にたどり着く過程が あまりにも長すぎる。もう少し簡潔にテンポよく書いたほうが、最後まで飽きずに 読めると思う。また、読み手をそこまで引っ張るのなら、もう少し盛り上がるラストが ほしかった。ありふれた2時間もののサスペンスドラマのような結末は、ちょっと期待 はずれだった。 | ||||
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高度成長期の日本の話を随所に散りばめながら 男女の関係に踏み込んでいく部分は確かに読みやすい。 でもそれだけで終わってしまった。 主人公の陶子は、川崎や熱海、新世界、外国であった沖縄にまで 出かけながらいつも「ぬるい」場所から恋人を探しているに過ぎないお嬢様。 それが最後の最後まで内面の成長に結びつかず 作者自身の人間観察が「上から目線」であることを物語っている。 サスペンスとしても何か複雑な問題があるわけでもなく テレビドラマ程度のレベルに過ぎない。 ヒトの心情とはもっと複雑でトグロを巻いているものであるが それに比べてここに書かれている庶民の心情描写は浅く 筆者の意図は幼い。 | ||||
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上下2巻と分厚くとても長かった。長く感じた理由に挙がるのは、情報が多すぎて読み飽きるためだ。分かりやすく描写しようとしているのだろうが、丁寧すぎるかもしれない。 勝の居場所が分かるのが簡単だったりと、少々都合が良いと感じた。 しかし元刑事の韮山の部分は大変よかった。心理描写や行動に合理性がありストレートに物語が流れてきた。 最後の空港での2人のシーンは一番素直だったと思う。 | ||||
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率直に言えば、あまり涙しなかった。 友達にすごく「泣く」「涙する」と散々言われたのですが… 東京オリンピックの前日、婚約者が失踪しそれをどこまでもどこまでも追いかける… どうも女性のいやらしさみたいなものが節々に見え隠れし、共感できなかった。 途中でもうあきらめればいいのに。しつこいな。とさえ思いました。 ただ、最後でいろいろな誤解がとけてすっきりした感じ。 | ||||
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作者の年齢を考えると、作者自身も幼かった頃であろうに、 東京オリンピック前後の時事をよく調べてあると感心した。 後半の台風の中での再開のくだりは 大好きなソフィアローレンの映画「ひまわり」を思い出した。 忘れ得ぬ面影を探す主人公。 本人達にはもうどうすることもできない別れ。 小説を読んでこんなに泣いたのは初めてかも。 | ||||
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作者の年齢を考えると、作者自身も幼かった頃であろうに、 東京オリンピック前後の時事をよく調べてあると感心した。 後半の台風の中での再開のくだりは 大好きなソフィアローレンの映画「ひまわり」を思い出した。 忘れ得ぬ面影を探す主人公。 本人達にはもうどうすることもできない別れ。 小説を読んでこんなに泣いたのは初めてかも。 | ||||
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東京オリンピック前夜が映し出す、日本の光と影の部分が非常に興味深い。 殺人容疑をかけられ失踪した婚約者の足跡を追い求め、一人全国各地 を駆けずり回る女。その地その地で様々な顔を見せる日本の風景が とても生々しく、感慨深いものを抱かせられた。 家族に甘え、男に頼るだけだった若いお嬢さんが次第に自我と信念を 持って突き進んでゆく姿は、大きな時代の渦にのみ込まれ流されて 行ってしまうものたちの弱さと一抹の寂しさを浮き彫りにさせている。 ぜひ映画化してもらいたい。主人公・萄子役はぜひあの人で・・・! | ||||
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5才で終戦を迎え戦後の混乱期を経験しながらも、裕福な家庭で育った萄子は誇り高く汚れを知らない。そんなお嬢様が、生涯の伴侶に選んだのは無骨な刑事だった。しかし、挙式を数週間後に控えたある秋の日、世間が東京オリンピック開幕を前に沸き返るなか、花婿は謎の失踪を遂げる。 ミステリーでありながら、事件、災害、時事問題など数々の時代を彩る出来事が、サブストーリーとして見事に主人公たちと絡み合う。この1冊まるごとが昭和そのもののようである。 時代を共有した人たちには懐かしいものであるだろう。昭和の晩年しか知らない世代であるが、OLがかつてBGと呼ばれていたことなど興味深く読んだ。 途中「涙」というタイトルに違和感を感じたものの、最後の数ページで思わぬ涙がこぼれ、腑に落ちた。おそらく萄子もあらゆる種類の涙を流したに違いない。 | ||||
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嫁いだ娘が、ある日「離婚する」と戻って来た。夫が外に女を作って家を出たきり、家に戻っても来ないと言う。「逃げたままだなんて。」漸く絞り出したその一言は、はるか昔、自分自身が母親から言われた言葉と同じだった。 高度成長期の東京はオリンピック景気に浮かれていた。苦労知らずで育った萄子は、家族の反対を押し切り、刑事である奥田との結婚を決め、着々と嫁ぐ日に向けて準備を整えていたが、そんなある日、その奥田が、先輩刑事の娘を殺害した容疑をかけられたまま、姿を消してしまった。 無実ならば、なぜ逃げるのか。真実を求めて喘ぐ萄子は、奥田の足跡を辿り続ける。 映像化すれば、さぞかし面白味のあるものに仕上がるだろうと思わせるストーリー展開で、一気に読み進むことができる。途中経過の面白さからすると、結末は呆気ないようにも感じるが、作りすぎではない、と思えば、それはそれで納得の行く結末にはなっている。ぐちゃぐちゃと書いてしまったが、結論を言えば面白かった。 | ||||
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これは非常に鬱陶しい小説でしょう。 萄子の人物造型は真保の『奇跡の人』や『密告』の主人公によく似ています。はっきり言って感情移入できない人もいたんではないでしょうか?僕はこういう人物が大好きです。嫌だ嫌だとおもいながら感情移入していきました。しかし、物語の展開は偶然だらけで困ります。婚約者を失った萄子と、娘を失った韮山の関係が非常に上手く描かれていて、これが物語を支えていました。韮山は奥田にうらみを抱き追いかけます。萄子に対してもきつく当たります。彼女の性格が韮山や親族に対しマイナスに働いているので(あまりよく思われないので)、余計韮山とのコントラストが増幅されます。解説のおすぎは「最終章があってこそ」の作品と書いていますが、なきゃけっこう酷いぞと。それだけ最終章は良かったです。つーかここの為に今までがあった感じ。作品のもつ雰囲気は昔の作品に似ています『飢餓海峡』とか、なんとなく。大時代的な作品でした。 | ||||
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乃南アサでは最高傑作だと思っている。正直乃南アサは短編はいいけれども長編はハズレも多い。けどこれは面白くてあっという間に読んでしまいました。行方不明になり、殺人容疑のかかった婚約者を追い掛ける切ない話。あと少しというところで彼はいなくなるのですが、諦めず主人公萄子は探し続ける。ラスト、彼がいる土地に辿り着いたとき、もう完全にこの世界にはいって萄子になってしまいました。早く萄子に幸せがこないか、真実がわかるようにならないか、でもまだこんなにページがある…ととてもわくわくして読める作品です。 | ||||
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婚約者の失踪の理由を知りたくて、どこまでも追いつづける陶子には感情移入できませんでした。すんなり許す親、応援してくれる弟、そっとそばで見守る兄の友人。全てがなにか非現実的でした。それよりも、韮山のほうが自分の娘の行動をしっかりと直視できていて、人間味があって感情移入ができました。韮山の描きかたは、良かったと思います。 しかし、勝の失踪の原因・そして失踪後のたどり着いた生活が、婚約中のシーンに出てくる勝からは、ちょっとありえないと思ってしまいました。 陶子・勝のちょっと陳腐な行動に、読み進めるうちに疑問を感じてしまいました。 | ||||
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一気に読ませるテンポのある作品ではあった。タイトルの「涙」、この意味を考えてみる。 誰の「涙」なのか、誰のための「涙」なのか・・・・少なくとも私は萄子のためには泣けない。確かに彼女は不幸かもしれない。でも、洋子やルミだって同じ厚さの本に出来るほど不幸だった(この言い方、すこしおかしいかもしれないけど)特別に萄子だけが不幸なわけではない。萄子がお嬢様で、働いてもいないのに勝を探すためにたくさんのお金を使って日本全国を駆け回るのをみると、まだこの人はすべてを失ったわけではないと思えてしまう(単に私のお金持ちに対する嫉妬だろうか?)。 人一倍、正義感の強い刑事だった勝が逃げなければいけない真実の理由がわかったときは、胸が痛くなったけど・・・。 | ||||
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