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涙
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涙の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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時代背景の描写が工夫されていて昭和の豆知識が増えました。 沖縄に行ってからの描写がとにかく長いのが気になりました。それでも読みました。真相が知りたい一心で。しかし、宮古島や台風の描写が長いので、真相のインパクトが弱くなってしまったような気がします。 そして主人公萄子には最後までイライラしてしまいました。特に友達と遊び歩く日々の部分がワガママお嬢様っぷり全開で受け付けませんでした。少し痛い目に遭えば良かったのに、と思うくらいです。 | ||||
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乃南アサさんの作品は割合と読む方なのですが、 数が多いと、やはり当たり外れもあります。 ☆5つが 「 風紋 」 「 晩鐘 」 「 鍵 」 「 凍える牙 」 「 ボクの町 」 で、 ☆1つが 「 あなた 」 「 水の中のふたつの月 」 「 ウツボカズラの夢 」 です。 これらは両極端ですが、本作はそのどちらでもなく、中間の☆3つです。 前半は先が気になり、引き込まれるのですが、真相そのものが弱いという印象でした。 奥田という男が姿を消していた理由が 「 これだけ ? 」 という感じで、 しかも刑事だったのに …… ちょっとアリエナイように思います。 拍子抜けであり、高評価はできません。 リアリティを感じず、残念でした。 また、エピローグで事件より何年も後の、主人公の娘の離婚話にまで言及していますが、 そこまでの必要はなく、新犯人が逮捕されたところで終わっても良かったのではないでしょうか。 個人的には、蛇足と思います。 主人公の夫が茶をすするところで終わっていますが、はっきりいって、この 「 夫 」 の存在も、 いらないのではないかという気もします。 夫の描写で終わりでは、何か焦点がぼやけてしまうように見えます。 夫ではなく、奥田で終わった方が鮮烈な印象を残すのではないかと思いますね。 同様に、上巻もプロローグは奥田とのことから始めてほしかったです。 愛する人の失踪ということでは、松本清張氏の 「 ゼロの焦点 」 を超えるものではなく、 何かもったいない作品という印象でした。 | ||||
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とても悲しい結末だったけれども婚約者が失踪した理由は 十分納得できる、無理のないものだった。 長いけど最後まで飽きずに読めた。 | ||||
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結婚を間近に控え、幸せの絶頂にあった萄子。だが、婚約者の勝は、1本の電話を 最後に消息を絶ってしまう。一方、勝の上司韮山の娘のぶ子が殺されるという事件が 起こる。現場には、勝の定期入れが落ちていた・・・。 突然起きた不幸。萄子は勝の無実を信じ、目撃情報を元に彼を探し求める。なぜ勝は 逃げ続けるのか?のぶ子を殺したのは彼だったのか?彼を信じたいと思いながらも 揺れ動く萄子の心情が、とてもよく描かれている。だが、萄子が勝にたどり着く過程が あまりにも長すぎる。もう少し簡潔にテンポよく書いたほうが、最後まで飽きずに 読めると思う。また、読み手をそこまで引っ張るのなら、もう少し盛り上がるラストが ほしかった。ありふれた2時間もののサスペンスドラマのような結末は、ちょっと期待 はずれだった。 | ||||
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高度成長期の日本の話を随所に散りばめながら 男女の関係に踏み込んでいく部分は確かに読みやすい。 でもそれだけで終わってしまった。 主人公の陶子は、川崎や熱海、新世界、外国であった沖縄にまで 出かけながらいつも「ぬるい」場所から恋人を探しているに過ぎないお嬢様。 それが最後の最後まで内面の成長に結びつかず 作者自身の人間観察が「上から目線」であることを物語っている。 サスペンスとしても何か複雑な問題があるわけでもなく テレビドラマ程度のレベルに過ぎない。 ヒトの心情とはもっと複雑でトグロを巻いているものであるが それに比べてここに書かれている庶民の心情描写は浅く 筆者の意図は幼い。 | ||||
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上下2巻と分厚くとても長かった。長く感じた理由に挙がるのは、情報が多すぎて読み飽きるためだ。分かりやすく描写しようとしているのだろうが、丁寧すぎるかもしれない。 勝の居場所が分かるのが簡単だったりと、少々都合が良いと感じた。 しかし元刑事の韮山の部分は大変よかった。心理描写や行動に合理性がありストレートに物語が流れてきた。 最後の空港での2人のシーンは一番素直だったと思う。 | ||||
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これは非常に鬱陶しい小説でしょう。 萄子の人物造型は真保の『奇跡の人』や『密告』の主人公によく似ています。はっきり言って感情移入できない人もいたんではないでしょうか?僕はこういう人物が大好きです。嫌だ嫌だとおもいながら感情移入していきました。しかし、物語の展開は偶然だらけで困ります。婚約者を失った萄子と、娘を失った韮山の関係が非常に上手く描かれていて、これが物語を支えていました。韮山は奥田にうらみを抱き追いかけます。萄子に対してもきつく当たります。彼女の性格が韮山や親族に対しマイナスに働いているので(あまりよく思われないので)、余計韮山とのコントラストが増幅されます。解説のおすぎは「最終章があってこそ」の作品と書いていますが、なきゃけっこう酷いぞと。それだけ最終章は良かったです。つーかここの為に今までがあった感じ。作品のもつ雰囲気は昔の作品に似ています『飢餓海峡』とか、なんとなく。大時代的な作品でした。 | ||||
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婚約者の失踪の理由を知りたくて、どこまでも追いつづける陶子には感情移入できませんでした。すんなり許す親、応援してくれる弟、そっとそばで見守る兄の友人。全てがなにか非現実的でした。それよりも、韮山のほうが自分の娘の行動をしっかりと直視できていて、人間味があって感情移入ができました。韮山の描きかたは、良かったと思います。 しかし、勝の失踪の原因・そして失踪後のたどり着いた生活が、婚約中のシーンに出てくる勝からは、ちょっとありえないと思ってしまいました。 陶子・勝のちょっと陳腐な行動に、読み進めるうちに疑問を感じてしまいました。 | ||||
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一気に読ませるテンポのある作品ではあった。タイトルの「涙」、この意味を考えてみる。 誰の「涙」なのか、誰のための「涙」なのか・・・・少なくとも私は萄子のためには泣けない。確かに彼女は不幸かもしれない。でも、洋子やルミだって同じ厚さの本に出来るほど不幸だった(この言い方、すこしおかしいかもしれないけど)特別に萄子だけが不幸なわけではない。萄子がお嬢様で、働いてもいないのに勝を探すためにたくさんのお金を使って日本全国を駆け回るのをみると、まだこの人はすべてを失ったわけではないと思えてしまう(単に私のお金持ちに対する嫉妬だろうか?)。 人一倍、正義感の強い刑事だった勝が逃げなければいけない真実の理由がわかったときは、胸が痛くなったけど・・・。 | ||||
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真正の傑作になり損ねた「傑作ミステリー」だ。まず、失踪した婚約者の跡を追う旬子がストーリーの展開とともに成長しない。多少は強くなるけれど、結局最後まで「お嬢さん」のままで終わるし、宮古島での嵐の夜のことも「金輪際、思い出したくない」と封印してしまう。だから、プロローグとエピローグで明かされる後日譚が、本編と交差して作品を立体的に造形しない。何よりも、作品のクライマックスをなす嵐の夜に明かされる「慟哭の真実」に、いまひとつ説得力と迫真性がない。だから、作品は深い哀しみを湛えない。東京オリンピックの年(沖縄へ行くのにパスポートが必要だった時代)を本編の舞台に選び、時代の匂いを丹念に書き込みながら、淡々と物語の核心に迫る乃南アサの筆は冴えている。それだけにこれらの小さな疵が惜しい。ただ救いは韮山とルミ子の交情だ。「あんた、娘さんの何を知っていました」。殺された娘の本当の姿を知った時、韮山の凍った心がしだいに転回し、やがて不幸な少女を養女に迎える。この本編のもう一つのストーリーは深い感銘を与える。それだけに、惜しい。 | ||||
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昭和40年頃の雰囲気が、よく出ています。 が、それだけというか。。。。ストーリー的には、よくある人捜しもので、 ラストも、かなり安易で、とってつけた感じなので、 懐かしい雰囲気を楽しめる人じゃないと、 読むのは、結構、つらそうな気がします。 | ||||
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一生を共にしようと思いあっていた恋人たちが、悲しい運命によって二度とは元に戻れなくなるという、話です。私自身はもちろんこの小説の人物達のようにヘヴィな体験はしたことがありませんが、人と決定的に別れるという経験のある人間として、胸が痛くなる思いがしました。とてもおもしろかったのですが、奥田刑事がなぜそれほど恨まれていたのかが今いちよくわからなかったので星3つとさせていただきます。(その点は重要ではないのかなあ) | ||||
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