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サトリ
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サトリの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全35件 21~35 2/2ページ
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〈サトリ〉を読むに前にトレヴェニアン著の〈シブミ〉を読みました。 以前から“トレヴェニアン”作品に興味があり、一度は読んでみたいと思っていたのと、大好きな“ドン・ウィンズロウ”の作品をより深く楽しむ為。 大正解でした。(笑) 〈サトリ〉を読もうとしておられる方の中で、未だ〈シブミ〉を読まれていない方がもしいらっしゃったら、先ずは〈シブミ〉を一気に読破してから今作〈サトリ〉を読まれる方がよいかと思います。 〈サトリ〉読後、〈シブミ〉の岸川将軍の存在が大きさが感じられました。 ダイヤモンド少佐とその部下の展開がなかったのが意外でした… できれば、続編で少佐と部下に対する復讐の話があると…と期待してしまいました。 でも却って、その話は作品にしない方がいいのかな… | ||||
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ニールケアリーシリーズファンとしては、久し振りにあのムードを楽しめました。いろんなスタイルで描ける人ですね。しかも、発想乏しい私に、ビジュアルが目蓋の裏に浮かんでくるような語り口は変えないで。場面転換もすごいですね。下手な作家だと、話の筋が全く見えなくなる事もあるのに。今回の主人公は、ニールが、さらに過酷な環境で大人になった感じで、好感度大です。いろんな局面に対し、頭の中で状況を分析する場面は、東洋風の味付けもあって、読み応えがあります。しかもかっこいい。2次大戦後間も無い中国、ベトナムの、四つ巴、六つ巴の泥沼の中を、仁義礼智を以ってクールに切り抜けて行く姿は、新しいヒーロー像に感じます。まさに、しぶみですね。30年前に、作者も憧れたんでしょうか?下巻が楽しみです。とは言え、東洋趣味は、も少し勉強して欲しいなあ・・・(抹茶も、煎茶も、ウーロン茶も一緒くたは無いでしょう・・・1点減点です) | ||||
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米中仏越に、それぞれの派閥、ギャングが入り乱れて、何が敵で、誰が味方かも解らない、混沌の仏領インドシナの渦中に、孤高の悟りを求め、信念と尊厳を賭けて戦いに挑む。相手がなにを求めるかを、碁盤の打ち手に準え、何手先までも読んでいく。シブイ。そんな主人公に、泥沼にはまった周囲も、何かを求めて、共感して行く。これは、主人公のキャラクタだけでも、文句なしに楽しめる、稀有の作品と感じます。ただ、下巻は、上巻に比べて、少々、エネルギー不足カナ・・・?叙述の力点が、少しずれて、冗長と、不足のバランスが、最良とは行かない感じ。主人公のクールさも、時々よれるので、1点減点します。でも、このキャラクタは、今後何度でも出会いたい!是非、続編をお願いします!!! | ||||
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友人に勧められての読書、第二弾。またまた大ヒットだった 海外の本にありがちな登場人物がつかめないこともなく 冒頭からスルスルと 翻訳の人がうまいんだろうなぁ。イメージしていた翻訳ものとは違っていた 表紙で誰かが「映像的」といってて、たしかにその通りなんだけど なんか安っぽい感じでもなく、一定の緊張感を持ったまま 下巻までつっぱっした。 読書って面白いですね。ハズレの本の絶望感はハンパじゃないけど 最近はヒットが多いです | ||||
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友人に勧められての読書、第二弾。またまた大ヒットだった 海外の本にありがちな登場人物がつかめないこともなく 冒頭からスルスルと 翻訳の人がうまいんだろうなぁ。イメージしていた翻訳ものとは違っていた 表紙で誰かが「映像的」といってて、たしかにその通りなんだけど なんか安っぽい感じでもなく、一定の緊張感を持ったまま 下巻までつっぱっした。 読書って面白いですね。ハズレの本の絶望感はハンパじゃないけど 最近はヒットが多いです | ||||
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超寡作な伝説の覆面作家トレヴェニアン。’79年発表のトレヴェニアン名義の第4長編『シブミ』は、独特の日本文化論を取り入れ、フリーランスで“孤高の暗殺者”ニコライ・ヘルを描いた“冒険スパイ小説の金字塔”と謳われる名作だった。 本書は彼(後に元テキサス大学学部長で本名ロドニイ・ウィリアム・ウィテカーと判明する)が’05年12月14日に逝去した後を継いで’11年に上梓された『シブミ』の前日譚である。書いたのは、アメリカ・ニューヨーク出身、現在サンディエゴ近郊に在住のドン・ウィンズロウ。そう、<探偵ニール・ケアリー>シリーズや、09年「このミステリーがすごい!」海外編で話題作『ミレニアム』をおさえて断トツ第1位に輝いた『犬の力』で有名なハードボイルド作家である。 トレヴェニアンの『シブミ』では詳しい叙述のない、日本の敗戦後、ヘルが米占領軍に捕らえられ巣鴨拘置所の独房に収監されてから再び現れるまでの期間の物語である。彼は1951年秋、釈放と新しい国籍・身分、そして自分を拷問したダイアモンド少佐に対する復讐を条件に、CIA局員からきわめて困難を伴い成功・生還の見込みのごく薄い、北京駐在のソ連KGBの要人暗殺工作を引き受ける。 東西冷戦、毛沢東の共産中国、朝鮮戦争、抗争を繰り返すインドシナ情勢、当時の均衡危うい世界情勢を背景に、アメリカという大国のエゴの手先となるヘル。 ストーリーは、きわめて短い章立てで、ヘルを取り巻く各国あるいは各軍・各勢力のボスの思惑と、それに加えてヘルに対する私怨も加わり、ヘルを中心に映画のカットバックのような手法で矢継ぎ早に展開する。さらに26才の青年らしい恋愛やギャンブルのシーンや、謎の暗殺者<コブラ>の存在も取り込まれ、次々に趣向の異なる見せ場が現れる。あまりのテンポの良さと錯綜する各勢力の混沌とする状況に誰(何)が“敵”で誰(何)が“味方”か見失いそうだ。 本書は、元もとのじっくりと味わい読む『シブミ』のような重みはないものの、ウィンズロウ流の息もつかせぬ映像的なスピード感溢れる冒険活劇に仕上がっている。 | ||||
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超寡作な伝説の覆面作家トレヴェニアン。’79年発表のトレヴェニアン名義の第4長編『シブミ』は、独特の日本文化論を取り入れ、フリーランスで“孤高の暗殺者”ニコライ・ヘルを描いた“冒険スパイ小説の金字塔”と謳われる名作だった。 本書は彼(後に元テキサス大学学部長で本名ロドニイ・ウィリアム・ウィテカーと判明する)が’05年12月14日に逝去した後を継いで’11年に上梓された『シブミ』の前日譚である。書いたのは、アメリカ・ニューヨーク出身、現在サンディエゴ近郊に在住のドン・ウィンズロウ。そう、<探偵ニール・ケアリー>シリーズや、09年「このミステリーがすごい!」海外編で話題作『ミレニアム』をおさえて断トツ第1位に輝いた『犬の力』で有名なハードボイルド作家である。 トレヴェニアンの『シブミ』では詳しい叙述のない、日本の敗戦後、ヘルが米占領軍に捕らえられ巣鴨拘置所の独房に収監されてから再び現れるまでの期間の物語である。彼は1951年秋、釈放と新しい国籍・身分、そして自分を拷問したダイアモンド少佐に対する復讐を条件に、CIA局員からきわめて困難を伴い成功・生還の見込みのごく薄い、北京駐在のソ連KGBの要人暗殺工作を引き受ける。 東西冷戦、毛沢東の共産中国、朝鮮戦争、抗争を繰り返すインドシナ情勢、当時の均衡危うい世界情勢を背景に、アメリカという大国のエゴの手先となるヘル。 ストーリーは、きわめて短い章立てで、ヘルを取り巻く各国あるいは各軍・各勢力のボスの思惑と、それに加えてヘルに対する私怨も加わり、ヘルを中心に映画のカットバックのような手法で矢継ぎ早に展開する。さらに26才の青年らしい恋愛やギャンブルのシーンや、謎の暗殺者<コブラ>の存在も取り込まれ、次々に趣向の異なる見せ場が現れる。あまりのテンポの良さと錯綜する各勢力の混沌とする状況に誰(何)が“敵”で誰(何)が“味方”か見失いそうだ。 本書は、元もとのじっくりと味わい読む『シブミ』のような重みはないものの、ウィンズロウ流の息もつかせぬ映像的なスピード感溢れる冒険活劇に仕上がっている。 | ||||
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ニコライはイメージとして、フレミングの「007」原作、ならびにショーン・コネリーの演じた初期「007」映画のボンド。 ポーカー勝負は「カジノ・ロワイヤル」日本の心を学ぶのは「007は二度死ぬ」 スパイなんだが、すぐに身元のばれる偽名も気にしない、任務を外れて女性絡みのトラブルに自ら身を任せ、街中での 後先考えぬ大暴れ、口撃に対する皮肉の聞いた切り替えし、おまけに絶対に死なないのは分かっているし (『シブミ』の前日譚ナ訳で...) チョット新鮮なのは、「犬の力」「フランキー・マシーン」のウインズロウらしく、ベトナムに麻薬絡みのイタリア・マフィアが登場する辺りか... 実に軽快に、(もっとも字がでかくて、スカスカなのもあるが...)2日ほどで読了。 それはそれで気分が変わっていいのだが、前述のオリジナル2作品が、最後に誰が生き残るのか、最後の数ページまで 予測の着かぬ期待に違わぬ衝撃巨編であったのと比すると、本作品は、『シブミ』と言う親本との繋ぎ、整合性を優先したのか、 戦後まもなくと言う時代設定からか、ちょっと<ぬるい>作品と感ぜられた。 (ゴールドの間抜けぶりとか、最強の暗殺者たるコブラとの対決だって...終わり方も評判よければ続編も、みたいに感じられる終わり方。) 版権料が余程莫大なのか、上下で\3360! 2日で読み終わるには本当にもったいない。繰り返しになるが字がでかくて、 スカスカなんで、イヤでも必要以上に誤植が気になるし(例 P183 今朝の→今朝も)この値段でこの程度の気の使い方か、 と作品とは別に反感をもってしまう... だが驚くなかれ、キングの新作(文芸春秋)は上下\5800!(ただし、字はびっしりだが...)はァ〜 今後はウインズロウは角川で文庫にしてください。 | ||||
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ニコライはイメージとして、フレミングの「007」原作、ならびにショーン・コネリーの演じた初期「007」映画のボンド。 ポーカー勝負は「カジノ・ロワイヤル」日本の心を学ぶのは「007は二度死ぬ」 スパイなんだが、すぐに身元のばれる偽名も気にしない、任務を外れて女性絡みのトラブルに自ら身を任せ、街中での 後先考えぬ大暴れ、口撃に対する皮肉の聞いた切り替えし、おまけに絶対に死なないのは分かっているし (『シブミ』の前日譚ナ訳で...) チョット新鮮なのは、「犬の力」「フランキー・マシーン」のウインズロウらしく、ベトナムに麻薬絡みのイタリア・マフィアが登場する辺りか... 実に軽快に、(もっとも字がでかくて、スカスカなのもあるが...)2日ほどで読了。 それはそれで気分が変わっていいのだが、前述のオリジナル2作品が、最後に誰が生き残るのか、最後の数ページまで 予測の着かぬ期待に違わぬ衝撃巨編であったのと比すると、本作品は、『シブミ』と言う親本との繋ぎ、整合性を優先したのか、 戦後まもなくと言う時代設定からか、ちょっと<ぬるい>作品と感ぜられた。 (ゴールドの間抜けぶりとか、最強の暗殺者たるコブラとの対決だって...終わり方も評判よければ続編も、みたいに感じられる終わり方。) 版権料が余程莫大なのか、上下で\3360! 2日で読み終わるには本当にもったいない。繰り返しになるが字がでかくて、 スカスカなんで、イヤでも必要以上に誤植が気になるし(例 P183 今朝の→今朝も)この値段でこの程度の気の使い方か、 と作品とは別に反感をもってしまう... だが驚くなかれ、キングの新作(文芸春秋)は上下\5800!(ただし、字はびっしりだが...)はァ〜 今後はウインズロウは角川で文庫にしてください。 | ||||
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1951年、上海で生まれ日本で育ったロシア人、ニコライ・ヘルは育ての親で、戦犯として極刑を受ける岸川将軍を殺害した罪で服役していました。巣鴨拘置所服役中にCAI局員が面会に訪れ、自由を引き換えにある人物の暗殺を依頼されます。東洋で生まれ育ち、囲碁の達人でもある主人公の考え方や行動は、在りし日の日本人の価値観を持っており、これはまさに日本人のために書かれた冒険小説なのではないかと思ってしまいます。 本作は名作と名高いトレヴェニアンシブミ〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)の前日譚を、当代きっての書き手であるウィンズロウが敬意をもって挑んでいます。登場人物の性格、言動や時系列的な整合性を完璧にとってなおかつ、冒険活劇としてハイレベルの作品に仕上がっています。作中巧みな伏線が豊富に散りばめられており、どの部分も読み飛ばすには惜しく、読者にはゆっくりディテールを楽しんで読んでいただきたいと思います。 本作の大きな魅力に、ニコライの人物像、東洋的なものの考え方が大きな位置を占めています。 生存能力がすこぶる高く、孤独な暗殺者ニコライは一方で繊細で孤独を嫌い、義と個人の尊重を基に行動をする点は、ウィンズロウが造形したストリート・キッズ (創元推理文庫)のニール・ケアリーに共通する部分が多いように思います。またもう一人伊藤計劃が虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)で創造したクラヴィス・シェパードも同じ匂いをもっています。後者に関しては西洋人が描く東洋思想と、日本人が描く西洋人の主人公に共通項が多いのは興味深い点といえましょう。東洋で育ったニコライは仏教の哲学にもなじみがあり、苦しみは執着から生まれ、執着ゆえに好ましくない行為をしてしまう。その悪い行いは業(カルマ)を作り出す。その悪い業の罠から解き放ってくれるのが〈サトリ〉であると作中にありますが、これほど東洋哲学に精通した西洋文学を私は知りません。逆に自分が日本人であることを実感させてくれる深さを感じました。 | ||||
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1951年、上海で生まれ日本で育ったロシア人、ニコライ・ヘルは育ての親で、戦犯として極刑を受ける岸川将軍を殺害した罪で服役していました。巣鴨拘置所服役中にCAI局員が面会に訪れ、自由を引き換えにある人物の暗殺を依頼されます。東洋で生まれ育ち、囲碁の達人でもある主人公の考え方や行動は、在りし日の日本人の価値観を持っており、これはまさに日本人のために書かれた冒険小説なのではないかと思ってしまいます。 本作は名作と名高いトレヴェニアンシブミ〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)の前日譚を、当代きっての書き手であるウィンズロウが敬意をもって挑んでいます。登場人物の性格、言動や時系列的な整合性を完璧にとってなおかつ、冒険活劇としてハイレベルの作品に仕上がっています。作中巧みな伏線が豊富に散りばめられており、どの部分も読み飛ばすには惜しく、読者にはゆっくりディテールを楽しんで読んでいただきたいと思います。 本作の大きな魅力に、ニコライの人物像、東洋的なものの考え方が大きな位置を占めています。 生存能力がすこぶる高く、孤独な暗殺者ニコライは一方で繊細で孤独を嫌い、義と個人の尊重を基に行動をする点は、ウィンズロウが造形したストリート・キッズ (創元推理文庫)のニール・ケアリーに共通する部分が多いように思います。またもう一人伊藤計劃が虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)で創造したクラヴィス・シェパードも同じ匂いをもっています。後者に関しては西洋人が描く東洋思想と、日本人が描く西洋人の主人公に共通項が多いのは興味深い点といえましょう。東洋で育ったニコライは仏教の哲学にもなじみがあり、苦しみは執着から生まれ、執着ゆえに好ましくない行為をしてしまう。その悪い行いは業(カルマ)を作り出す。その悪い業の罠から解き放ってくれるのが〈サトリ〉であると作中にありますが、これほど東洋哲学に精通した西洋文学を私は知りません。逆に自分が日本人であることを実感させてくれる深さを感じました。 | ||||
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ひとつめ。ドン・ウィンズロウといえば翻訳者は東江一紀氏で、訳出が遅いという印象があったが、今回は黒原敏行氏が担当。訳文は違和感なく読めたし、訳者あとがきを読んで驚いたが原書が米国で発売されてから一ヵ月後に日本語版出版が成し遂げられたというのは凄いことではないか。Bethesda SoftworksのRPG日本語版の販売スケジュールみたいな嬉しい快速さだ。「フランキー」の訳者あとがきによると未訳作品がぽこぽことあるらしいが、黒原氏にお任せできたらと願うのは暴論か。 ふたつめ。今まで全作品が文庫版でリリースされていたが、本書が分岐点となって、今後の作品は単行本サイズのものも出てくるのか。 みっつめ。ニール・ケアリーシリーズは東京創元社、それ以外の作品は角川書店から出ていたけれど、今回はたまたま「シブミ」の版権を持っていたから単発で早川書房だったのか。著者インタビューによると、もしかしたらニコライ・ヘルの新たな冒険が読めるかも知れないそうです。そうなったらまたハヤカワか。 | ||||
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ひとつめ。ドン・ウィンズロウといえば翻訳者は東江一紀氏で、訳出が遅いという印象があったが、今回は黒原敏行氏が担当。訳文は違和感なく読めたし、訳者あとがきを読んで驚いたが原書が米国で発売されてから一ヵ月後に日本語版出版が成し遂げられたというのは凄いことではないか。Bethesda SoftworksのRPG日本語版の販売スケジュールみたいな嬉しい快速さだ。「フランキー」の訳者あとがきによると未訳作品がぽこぽことあるらしいが、黒原氏にお任せできたらと願うのは暴論か。 ふたつめ。今まで全作品が文庫版でリリースされていたが、本書が分岐点となって、今後の作品は単行本サイズのものも出てくるのか。 みっつめ。ニール・ケアリーシリーズは東京創元社、それ以外の作品は角川書店から出ていたけれど、今回はたまたま「シブミ」の版権を持っていたから単発で早川書房だったのか。著者インタビューによると、もしかしたらニコライ・ヘルの新たな冒険が読めるかも知れないそうです。そうなったらまたハヤカワか。 | ||||
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1951年、シブミを会得したニコライ・ヘルは拘禁からの解放と引き換えにKGB大佐の暗殺任務を引き受ける。偽装に必要な教育を終えた後、いよいよ北京に浸透するヘル。作戦は順調に進行していると思えたが、中国秘密警察長官、KGB大佐、CIA各々の思惑から自体は急速に展開していく。 話は兎に角面白い。「犬の力」ほど壮大ではないが、各キャラクターが非常に立っているし、描写や台詞も良い。期待を裏切らない作品となっている。中国や日本への洞察の深さも驚きに値する。 しかし、許せない点は、「犬の力」がヒットしたからか、本作は字がバカでかく、上下巻にされている点。「犬の力」と同じ文字の大きさなら文庫1巻で済むはずが、上下巻で3,200円と超高額になっている。早川書房は☆1つ。 | ||||
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1951年、シブミを会得したニコライ・ヘルは拘禁からの解放と引き換えにKGB大佐の暗殺任務を引き受ける。偽装に必要な教育を終えた後、いよいよ北京に浸透するヘル。作戦は順調に進行していると思えたが、中国秘密警察長官、KGB大佐、CIA各々の思惑から自体は急速に展開していく。 話は兎に角面白い。「犬の力」ほど壮大ではないが、各キャラクターが非常に立っているし、描写や台詞も良い。期待を裏切らない作品となっている。中国や日本への洞察の深さも驚きに値する。 しかし、許せない点は、「犬の力」がヒットしたからか、本作は字がバカでかく、上下巻にされている点。「犬の力」と同じ文字の大きさなら文庫1巻で済むはずが、上下巻で3,200円と超高額になっている。早川書房は☆1つ。 | ||||
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