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犬は勘定に入れません
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【この小説が収録されている参考書籍】
犬は勘定に入れませんの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全49件 21~40 2/3ページ
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オックスフォード大学は第二次大戦中に消失したコヴェントリー大聖堂の復元計画に携わっていた。過去への時間旅行技術を使って20世紀にさかのぼり、“主教の鳥株”を探しにいった大学院生ネッド。しかし、それは大戦中の大聖堂には見つからない。時間旅行に疲労困憊したネッドは19世紀ヴィクトリア朝に赴くが、予期していたようには事が進まず…。 ヒューゴー賞、ローカス賞受賞の時間旅行SF。上下合わせて1000頁近い大作です。 物語がどこへ向かっていくのかがしかとは見えないまま、ネッドのヴィクトリア朝の“清楚な”イギリス旅行に延々と付き合うことになります。当時の上流階級の人々が様々な文学作品から言葉を山のように引用し続け、それを翻訳者の大森望氏が精緻に引用元を割注で振って行くのです。これは親切といえば親切、その一方で物語が大量の訳注によってその進行を阻まれるのもまた否めません。 訳者あとがきには「やたらと割注が多くなってしまい、うるさいと思った人には申し訳ない。八割方は翻訳者の自己満足なので、適当に飛ばして読んでください」とありますが、そう言われたところで、なかなか“適当に飛ばして読”むというわけにはいきませんでした。 いずれにしろSFとはいえ、どちらかというとユーモア小説のジャンルに分類分けされるもので、ハードSFを望む読者には少々肩透かしをくらわされたような気がします。 同じ作者の『ドゥームズデイ・ブック』は、タイム・トラベル物とはいえ、ハードSFのようなので、機会があればそれと読み比べてみたいものです。 | ||||
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中古品初めて購入。上下違うお店で注文しましたが、どちらも綺麗でお店の誠意が感じられました。また中古品 注文しようとおもいます。 | ||||
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非常に高い評価、SFコメディというジャンルに惹かれて、上下巻同時に購入しました。 しかし、SFとしては、タイムトラベルについての理論説明もなく、かといって独創的な小道具の登場もなし。 コメディとしても、登場人物たちが同じような行動を繰り返すばかりで、ウンザリしこそすれ笑えることもなし。 副題になっている消えた花瓶の謎についても、興味を引っ張るような工夫がないため、謎が解けてもカタルシスなし。 恋愛は、惚れっぽい男女が、惚れた相手のことを賛美する言葉を吐くだけ。 あまりにここでの評価と私の感想との間に乖離があったので、楽しめなかった人間はこんな風に感じている、という参考にしていただければ。 ひょっとして執事や犬猫に興味があり、少女マンガ的ラブコメ好きな方なら気に入るかもしれません。 (ちなみに私は執事にも犬猫にも興味がないオッサンです。) とにかく長い話なので、購入時は上巻のみにして様子を見てはいかがでしょうか。 | ||||
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原著で読みましたが、正直、厄介でした。 話自体は面白いです。読み出したらとまらない感じです。 タイムスリップが可能になった近未来、第二次大戦中のロンドンはコヴェントリー大寺院から失われた花瓶を探して過去と現在を行き来し、タイムスリップのしすぎでふらふら(タイムラグ)になった研究員ネッド。 ヴィクトリア朝時代へ派遣され、溺れた猫を助けたことで歴史を変えてしまったヴェリティ。 この二人が歴史の歯車を元に戻すめにヴィクトリア朝時代に戻り、件の猫がきっかけで知り合った一組の上流階級カップルの恋路を邪魔する話が中心です。 したがって、SF作品なのに主に描かれるのはオースチンの「高慢と偏見」に描かれたような世界です。 「歴史は互いに干渉しあう」というテーゼに従い、作中いたるところに仕掛けがあって、それが複雑に絡み合い、意外なオチがいくつもあります。 しかしこの物語を十分に楽しむには、自分には作中で使われた数々のネタに関する知識が不十分だと痛感することしきりです。 ジェローム・K・ジェローム「ボートの三人の男」。ロンドン大空襲。ワーテルロー・・・といったあたりは何となくフォローできましたが、実際はいったいいくつの仕掛けを取りこぼしたことやら・・。 ヨーロッパ史に明るい方でなければ、この本を十分楽しむには、注釈のついた翻訳のほうがよいと思います。 | ||||
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この作品はSFミステリであり、ドタバタのラブコメであり、イギリスの古典娯楽小説がもりだくさんであり、さらに犬&猫好きにはよだれが出そうな小説である。 誰も死なないのでその点は安心して愉快な登場人物たちに突っ込もう。 オポッサムは乗合馬車にのせてもらえない…どういうことだよ! 本当に爽やかで微笑ましい小説です。 ちょっとでも表紙に惹かれた人は購入確定。 | ||||
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タイムトラベルものの最高傑作です。 タイムトラベルが確立している未来の話ですが、「物を持ち帰ることができない」という前提で話が展開します。 歴史の齟齬(そご)を修復するために奮闘する主人公。話は裏目裏目と流れます。 ブルドッグが話の節々に出てくるのですが、とても良く書けていて、笑えます。 話そのものはストレートですが、文体が独特なので、なれるのに時間がかかるかもしれません。 タイムトラベル小説が好きな人は、必ず読んでほしい一冊です。 | ||||
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ウィリスの作品は、ずっと以前に「我が愛しき娘たちよ」を読んだことがあるので、ストーリーテリングの力があることは知っていましたが、これほどとは! 普段SFを読み慣れない方には、冒頭のタイムトラベルの仕組みの部分が取っつきにくいかもしれませんが、そこをクリアできれば舞台はヴィクトリア朝。セイヤーズのウィムジー卿の世界です。 解説文にあるように、ミステリあり、タイムパラドックスあり、冒険に恋にユーモアありの歴史SF。 更に「ボートの三人男」やセイヤーズ作品全般のオマージュでもあり…これだけ盛りだくさんな内容を無理なく纏めあげる筆力に感嘆しました。 訳者の方もテンポのいい訳文で、この作品に対する思い入れをかんじますね。電車の中で本を読んでいて、吹き出したのは久しぶりです。 登場人物のキャラクター設定もバラエティーに富んでいますが、特にジーブスになぞらえるほどの執事の奮闘ぶりは特に楽しめます。物語のキィとなる猫のプリンセス・アージェマンドの愛らしさ。この刊の表紙になっているブルドッグのシリルのひょうきんさ。猫好きも犬好きも楽しめると思います。(金魚好きの方にも?) 猫とタイムトラベルと言えばハインラインの「夏への扉」を思い出します。内容は全く違いますが、最終章の大団円と読み終えたときの、じんわり暖かい気分は同じ。 かなり本を読みますが、お気に入りの本ベスト3に楽々入りました。もっとたくさんの方に読んで欲しくて、普段は書かないレビューまで書いてしまいました。力一杯おすすめです。 | ||||
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’04年、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第4位、「このミステリーがすごい!」海外編第9位。 また、ヒューゴー賞、ローカス賞をはじめ、各国のSF賞に輝いた、SFと本格ミステリーを融合させたタイムトラベル・ユーモア大作である。 2057年、オックスフォード大学の史学部大学院生の‘僕’ことネッドはコヴェントリー大聖堂再建計画のため、「主教の鳥株」という花瓶探しのため、20世紀と21世紀を行ったり来たりさせられていた。ついに過労で倒れた‘僕’は、休養という名目で1988年のヴィクトリア朝へと派遣される。しかし、‘僕’は、本人も知らぬ間に、時空連続体の存亡に関わる使命を負っていたのだった。 そこでのエキセントリックな登場人物たちや、犬、猫を含めたドタバタ喜劇的な行動が歴史に齟齬を起こしかねない状況にまで発展してゆき、何とか阻止しようと‘僕’の奮闘が始まる・・・。 本書の魅力は、恋あり、冒険あり、笑いあり、不可能状況あり、タイムパラドックスありのコメディと、コニー・ウィルスが紡ぎだす絶妙なストーリーテリングによって導かれる、SF的・ミステリー的な“辻褄合わせ”だと思う。 本書はSF仕立てでありながら、冒険小説でもあり、恋愛小説でもあり、歴史小説でもあり、また、じつによくできた本格ミステリーを彷彿とさせ、読者は知らず知らずのうちに‘僕’に感情移入して、思わず時を忘れて読みふけってしまう、抱腹絶倒のタイムトラベル・コメディである。 | ||||
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この本の全てをしゃぶりつくすにはどれだけの教養が必要なのでしょうか。 ストーリーの面白さは他の方々のご指摘通りで言うまでもありませんが、ありとあらゆる所に散りばめられた文学、歴史の知識のボリュームに圧倒されました。テニスンとかワーテルローの戦いとか、シェークスピアとかロンドン大空襲とか、ヘロドトスとかラテン語とか…もっと知っていたらもっともっと楽しめるはず。読みながらニンマリできる部分を一ヶ所でも増やしたい!つい、そんな気分にさせられました。 知的刺激で興奮したい時にぜひお薦めです。SFファン、ミステリーファンのみならず、英文学や歴史に詳しい方にもそれぞれの楽しみ方ができる内容の厚い作品だと思います。 | ||||
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皆さんがすでに書いているように、とにかく面白い。『ドゥームズデイ・ブック』のファンなら絶対に気に入ると思います。 洋書と翻訳の両方を読んだのですが、これは翻訳のほうが断然いいです。面白さが2倍に感じられる。 | ||||
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タイムトラベルのしすぎで、アタマもカラダもフッラフラ。それでも任務は果たさなきゃ!好きなあの娘も助けなきゃ! 大好きなSFのひとつである『テクニカラー・タイムマシン』からも感じられるような、ある意味での「疾走感」というか「アタフタ感」があふれてます。 とにかく、登場人物が誰一人死なないことに感動しました(これも『テクニカラー・タイムマシン』と似てます)。ブルドッグのシリルの愛らしさにもココロときめきます。 | ||||
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タイトルもさることながら、タイムトラベラーものが沢山書かれる中、独特な世界を見事に描ききっている。 主人公のネッドの頭の中の状態を読者も体験しながら また癖のある登場人物たちがレイディ・シュラプネルのわがままに振り回され ドタバタと動き回り、読者も一緒になってドタバタしながら読み進め、 最終的にはうまくまとまる感じがなんとも愉快です。 | ||||
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主人公の大学生・ネッドが最初、タイムトラベルのやり過ぎでタイムラグにかかっている場面からはじまるので、最初迷宮に迷ったように話がつかめませんが、ネットの頭のなかが正常に戻ってくると同時に、だんだんと彼の状況とストーリーが掴めてきます。 問題が蜘蛛の巣状にひろがっていき、どうやっても収拾がつかないどろうとしか思えないのに、それがひとつの物語に収まっていくさまには感動しました。読み終わったあと、作者でもないのに妙な達成感がありました。 | ||||
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ユーモアミステリSFみたいな感じか。たしかに読んでいて面白いし、話の構成もしっかりしている。 だが、ただでさえ長い翻訳物の上に、五百ページを越える。正直長すぎると思った。 | ||||
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物語のいたるところに伏線があり、読者は最後まで気が抜けない。決して読みやすい本ではないが、面白い。前作「航路」はいただけなかったが、傑作「ドゥームズデイ・ブック」のウィリスが戻ってきた、と言える。しかも「ドゥームズデイ...」とは全く対照的であり、これだけ長い小説で主要な登場人物が誰一人死なない。そういう意味で近年まれな小説といえるかもしれない。...私は推薦する Giorgio Kostantinos--The Quest. | ||||
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19世紀と近未来のイギリスを舞台にした、タイムスリップもの。 時空を超えた伏線がきちんと機能しているし、恋愛小説としても、コメディーとしても成功している。主人公2人だけでなく、脇を固めるキャラクター、動物、小道具が重要な役割を果たしながら、計画的に、個性的に物語に絡んでくる。他の方のレビューにもあるがオチもまさにSF的。 ドロシー・L・セイヤーズ『学寮祭の夜』とロバート・A・ハインライン『夏への扉』が好きな方には、特にお勧めの1冊。 | ||||
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タイムトラベル、タイムパラドックスドタバタ劇。非常に愛すべき個性豊かな面々がそれぞれの思惑で右往左往します。その中で、世界を改変しないように主人公達は努力するのですが……。 ジェーン・オースティンの世界とSFをこんなに楽しくドッキングさせるのは作者ならでは。特にブルドックのシリルと猫のプリンセス・アージュマンドの描写が可愛いので、動物好きにもお奨め。ビクトリア朝の有能な執事には憧れますねえ。 | ||||
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溺れている猫を偶然助けてしまったことから始まる物語は、冒頭ののんびりしたボートによる川下りから一転して、タイムトラベルものなので必然的に、時間と空間を飛び回りながら慌ただしく、長大な物語をものともせず、結末へと転がり込んでいきます。 愛くるしいブルドッグは残念ながら何もしゃべりません。 偶然と思っていたことのすべてが偶然ではなく、たとえ5分のずれでも歴史的必然であったことがラストで証されます。長大な物語はすべて丹念に織り込まれたタペストリーでした。何枚ものタペストリーが重ね合わされているのに、すべてが一本の糸でそれこそ時空を超えて繋がっていたのです。その構成の見事さはまさに脱帽です。そこまで作者の罠にはまっていたとは読み終えるまで気が付きませんでした。 | ||||
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この作者の世界は、一種独特である。 特徴は、「いやな登場人物の描写がすばらしく、非常にいやな感じを受けるところが迫真」というところに尽きるのではないだろうか。 これはもちろん悪口ではなく、ほめ言葉である。 なにしろ、SFの世界というのは、その性格上、どうしても脇役の登場人物の描写はおざなりになってしまって、物語の世界にのめりこむには情報不足・・・という状況に陥ることが、ままある。 しかし、本作品をはじめとするウィリスの作品では、そんな心配はハナから無用。個性的でアクのある登場人物が生き生きと頭の中で跳梁跋扈して、うなされること確実。 40歳を過ぎて、「もう徹夜なんてできねぇや」と信じていた私が、一睡もできずに朝を迎えてしまい、ついに最後まで一気に読破してしまったのだから、その威力はすごいとしか言えない。 謎解きがメインの本書であるから、ネタバレはやめときましょう。 | ||||
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コニー・ウィリスは淡々としたシリアスSFと、笑いが止まらないコメディSFを巧みに書き分ける作家だけど、この「犬・勘定」は後者の方。「見張り」や「ドゥームズディブック」と同じオックスフォード周辺から物語は始まる。例によってダンワージー先生と秘書のフィンチが出てきて、主人公の史学生ネッド君は消えたビクトリア朝の花瓶を探しにタイムトラベルに出発する。「ボートの3人男」さながらにテムズ河ギャグをカマしつつ物語は進み、甘酸っぱい二組のボーイミーツガールストーリーに、ブルドックやら猫が絡み、読者は最後まで結末の読めないタイムトラベルの世界を堪能できる。落ち込んだりした時に読むと、きっとあなたも幸せになれる一冊、お勧めです! | ||||
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