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犬は勘定に入れません
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【この小説が収録されている参考書籍】
犬は勘定に入れませんの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全42件 1~20 1/3ページ
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続編であるにもかかわらず、前作とは正反対の雰囲気の作品。 前作『ドゥームズデイ・ブック』は陰鬱で暗い作品だった。 小さな閉鎖的な集落の閉鎖的な家からほとんど出ることもないまま 延々悩まされ、何一つわからないままただただ苦しみ続ける。 それは14世紀が舞台だからだ。当時の世界がそうだった。 対してこの『犬は』は、徹頭徹尾、お気楽な作品だ。 前半は陽気なずっこけ道中みたいな感じのロードムービーのように 話は進む。 謎はあると言えばあるのだが、それは主人公が人の話をよく聞いておらず、 テキトーだからだ。 相棒もちゃらんぽらん。 読者は、一体全体何が謎なのかもわからないまま愉快な珍道中。な前半。 | ||||
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タイム・パラドックスが生じるのを防ぐために、 プリンセス・アージュマンドを探して届けるのがボクの任務、のハズ。たぶん。 ところがどういうわけか、ふたりを遠ざけようと思えば思うほど、 タイタニック号と氷山みたいに お調子者のテレンスと脳みそお花畑のトシーは近づいてしまい、 ボクは真珠湾のオパナ基地のレーダー技師みたいに 二人が距離を縮めてゆくのを放置することにした。 ヴェリティみたいなカワイイ生きものも登場して、 いったいお話はどこに着地するんだろう。 ナポレオンが痔を患ってさえいなければ、 今頃ボクらはコヴェントリーの庭先でフレンチクルーラーを頬張っていたかもしれないし、 セント・トゥールーズさんとペディック教授の姪が出会わないと、 テムズ河辺で日光浴しながらザワークラウトを頬張る羽目になる。 1980年代のダグラス・クープランドぽいポップで軽妙な語り口が楽しい。 それでいて古今東西の歴史から文学娯楽作品からまで、 古代ギリシャやハンニバルの遠征、ナポレオン、真珠湾、シェイクスピア、トラファルガー、 ベルリン大空襲、コナン・ドイル、ルイス・キャロル、トールキン、テニスン、ギボン、エニグマ暗号機。 引用や言及がどっさりあって、読者の文系的知識に挑戦状を突きつけてくるようなんだけど、 どれひとつ知らなくったってどうということはないだろう。 | ||||
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無駄なまでに長いですが、それに見合うだけの潤沢なパロや比喩はあります。 ただ、私が日本人のせいか、 海外の様々な有名歴史イベントを、せっかく(多分)当意即妙な比喩で引用、かつそれを作中の現状に照らし合わせて皮肉ってくださっても、 すみません、タイタニック号の事件以外ほぼほぼわかりません(「日本と絡まないのは!」)。 ただ、作者が凄く歴史に詳しく、それをブラックジョークに絡める事に長けてるのはわかりました。 作者は世界歴史に対等に、皮肉屋ですね。 へへっ。 リア充くさい男女(この表現が気にくわんなら女男でも可)カップルが何組かできやがりますのが鼻につきますが、 まあ笑いというオブラアトに包みつつなんで、 ギリ許容。 SFドタバタラブコメ喜劇として、ガチ系の力作では。 間違っても必要以上に高尚な物語でもなんでもなく、本質的にはいい意味で超ベッタベタ(真相は、伏線の親切さと、ある種の力技とベタさで、知性論理と王道エンタメを両立系でいい感じ。ある女性キャラの嫉妬描写が、個人的には超フェアなヒントで好印象。ありゃ露骨なまでに怪しかったわ)、 なSFなんで、 実は万人にお勧めかもです。 あ、真相に絡んだ純情哀愁パートは、誠実系。 ここぞの部分は、ちゃんと基本の深みがあります。 一応補足。 余談ですが、SF小説として有名な、あの 「夏への扉」は正直、自分は内容浅いと感じたんですが、(猫の描写は別) これはいい意味で王道を感じました。 (※ド嬢コミックスきっかけに読みました) | ||||
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タイムトラベルもの。発生した矛盾をどう解決するのか?自律的なのか他律的なのか?軽妙な文章はとてもよいですね。 | ||||
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こんなにスットコドッコイなSFは見たことありません。 ええ、時を移動するのでまかり間違いなくSF作品です。 しっかりとね。 でも主人公がまあまあスットコドッコイすぎます。 周りの面々もね。 ある種の事象が起こしてしまった 時のゆがみに再三翻弄されるのです。 そして近づけたか、と思ったら 全然違うところからアプローチしていた!! という何とも泣けない展開になっていたりと ちょっとかわいそうな感じとなっています。 面白いけれども、 読者は置いて行かれがちかも… | ||||
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「ドゥームズデイ・ブック」とはうって変わって、人も動物も誰も死にません。とてもユーモラスで、犬と猫がとてもいい味を出していますし、ハッピーエンドです。この本から入ってもいいですが、やはり他の方のレビューにもあるとおり、「ドゥームズデイ・ブック」を読んでから読んだほうが楽しめます。そして、これを読んだら、次作の「ブラックアウト」と「オールクリア」に。SFだけど歴史小説。よく調べたなと感心させられます。 | ||||
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ついに主教の鳥株が見つかる。トシーと結婚する予定と記されているミスターCの正体も明かされる。下巻はミステリ仕立てで、読者を意外な結末に導いてくれる。タイムトラベルしながら時間連続体の齟齬をなくすために奔走するネッドとヴェリティ。彼と彼女の行動を応援しながら読みつつ、なんか梯子を外されたかのような展開に頭が混乱した。再読すればさらに本作品を楽しめるかもしれない。 さて、本作品のジャンルはSFなのだろうけど、ミステリ作品としても楽しく読める。ユーモア小説の一面もある。航時部シリーズとしては異色の作品であるが、このようなものも面白い。作者の筆力に脱帽する。 | ||||
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航時部シリーズ。過去にタイムトラベルして歴史上の出来事を調査などしている。今回はコベントリー大聖堂の主教の鳥株を探すというミッション。今回は(少なくとも上巻では)何かパニックになるのではなく、ビクトリア朝のイギリスに降下して、テムズ川を下って歴史の齟齬をなくすミッションだ。その他光景が、ジェローム・K・ジェロームの著作「ボートの三人男 犬は勘定に入れません」につながる。本書を読むのなら、こちらを先に読んだ方がより楽しめる。クスクス笑いながら読めるだろう。なお、航時部シリーズは浮き足だった感じで物語が進行するのが多い。ただし、本作も基本的にはそうなのだが、「ボートの三人男」のようにゆったりとした感じもある。そこが異色かな。 | ||||
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数年ぶりに読み返しました。実はウィリスはこれが初めてだったのですが、初回は設定がよく掴めずあまり印象が良くなかった。 しかしその後、ドゥームズデイ・ブックを読んで泣き、オール・クリアを読んで号泣し、改めてもう一度読んでみるとスルスル頭に入ってくる。こんな魅力的な小説だったっけ?と心底驚きました。 できるならばドゥームズデイは先に読んでおいた方がいい。航時法の仕組みがよくわかった上で読むと設定が掴みやすいです。 | ||||
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主人公の学生が19世紀のイギリスにタイムトラベルする話。19世紀の人々がとても生き生きと描かれている。ストーリーもミステリーから恋愛とあって長いがさくさく読める。タイトルからして動物は犬だけが出てくるものかと思ったら猫も出てきて、重要な役割を果たす事になる。ナポレオンの話などもあるので世界史を知っているとさらに面白く読めるかもしれない。 | ||||
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外国の人のジョークに対する意気込みはすごいですね。主人公なんか、2セリフにひとつはなにか洒落た言い回しをする。それが本当に気が利いていて面白いです。洋画などを観て、「外国の人ってマジでこんな洒落た会話するのかな?」と思っていましたが、この本を読むと本当にしそうだ、とおののきました。ずいぶんたくさんの本を読んできましたが、日本の作品でこのノリの本は一冊もないです。真似できない…。代わりに、日本ならではのユーモアも好きです。どっちが優れているとかではなく。 宇宙を救うために奔走する主人公とヒロイン。脇を固めるイカす仲間達。タイムトラベルを繰り返し、過去を修正するため必死に動き回り、そして見つけた真実…。ミステリは大好きですが、SFは4冊くらいしか読んだことがなかったので、やはり知らないだけで、とんでもなく面白い本はいっぱいあるんだ、と嬉しくなりました。この作品のミステリ談義も味がありました。そうそう、昔の海外ミステリってそうだよな-、と頷くのも幸せです。「アクロイド殺し」のネタバレしないで、と怒る婦人がいて、ホントそうだよ、と頷くのも幸せです。 ロマンス要素も満載で、ヴィクトリア朝の時代の人々はこんなに高らかに愛を語っていたのか…と涙。性情報に厳しく、猫の妊娠すらも話題にできない、という箇所も涙。 ベインのセリフが一番好きです。なんかもう感動しました。 ただ、解説で、ラストのラストの一番いいところをネタばらししていて憤りました。だから私は5年くらい前からミステリの解説は絶対本編を読み終わってから読むようにしているのです。ネタバレ風潮をどうにかしてください。 最高の読書体験でした。面白かった! | ||||
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10年ぐらい前にハード・カバーを読んだ記憶がありますが、文庫版で再読して再び引き込まれてしまいました。 SFなんて bug eye monster が登場するスペース・オペラだと軽蔑している人たちにぜひ読んでもらいたいですね。 時間旅行テーマですが、本質はラブ・ストーリーでもある推理小説で、アガサ・クリスティ(ネタバレ=執事に気をつけろ!)も引用されています。 イギリス文学やビクトリア朝についての知識があると大変に楽しめます。 そのあたりもすっかり自家薬籠中のものにした訳者もすばらしいですね。 | ||||
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2回目だったからなのか、さらに面白さが増していました。 あっちへ行ったり、こっちに来たり。あれがああなって、これがこうなって。それに歴史が重なります。 書いているときによく混乱しないものだと感心しました。 後半は続きが読みたくてうずうずします。 ビクトリア朝のことを理解し、ワーテルローの戦いも熟知し、シェークスピアまで読めばさらに面白くなるんではないでしょうか。 犬も猫も勘定にいれましょう。重要な登場キャラクターです。 | ||||
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タイムトラベルで過去の壺を探しにいった主人公が様々な危難に巻き込まれ・・・というお話。 上記の主筋にラブロマンス、ミステリ、冒険小説、ユーモア小説の要素を絡ませてお見事としか言いようのない唯一無二のSFに仕上げた著者の力量に脱帽してしまう小説。これだけ贅沢で密度の濃い小説でありながらあまり複雑にならず読みやすく、かと言ってあまり通俗に流れないという筆力にも感服してしまいます。 タイムトラベルもそれを体験すると時差ボケが発生したり、過去の既成事実との整合性が問題になったりと、ホーキング博士によるとタイムトラベルはあり得ないそうですが、実際に出来たらこういう風になるであろうというリアリティがあって面白かったです。本書を読んで面白かった人は元ネタだというジェロームの「ボートの三人男」もお勧め。今読んでも面白いユーモア小説です。 あと、蛇足ですが、コリンズの「月長石」のネタを思いっきり割っているので、まだ読んでないのでムカつきました。他社の本だからといって、全く配慮しない訳者や編集者の見識や人格を疑います。 と、多少問題もありますが、総じて面白いSF歴史小説でした。是非ご一読を。 | ||||
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自分の中ではコニーウィリスの著書の中では1番好きな本ですね。 | ||||
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中古品初めて購入。上下違うお店で注文しましたが、どちらも綺麗でお店の誠意が感じられました。また中古品 注文しようとおもいます。 | ||||
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原著で読みましたが、正直、厄介でした。 話自体は面白いです。読み出したらとまらない感じです。 タイムスリップが可能になった近未来、第二次大戦中のロンドンはコヴェントリー大寺院から失われた花瓶を探して過去と現在を行き来し、タイムスリップのしすぎでふらふら(タイムラグ)になった研究員ネッド。 ヴィクトリア朝時代へ派遣され、溺れた猫を助けたことで歴史を変えてしまったヴェリティ。 この二人が歴史の歯車を元に戻すめにヴィクトリア朝時代に戻り、件の猫がきっかけで知り合った一組の上流階級カップルの恋路を邪魔する話が中心です。 したがって、SF作品なのに主に描かれるのはオースチンの「高慢と偏見」に描かれたような世界です。 「歴史は互いに干渉しあう」というテーゼに従い、作中いたるところに仕掛けがあって、それが複雑に絡み合い、意外なオチがいくつもあります。 しかしこの物語を十分に楽しむには、自分には作中で使われた数々のネタに関する知識が不十分だと痛感することしきりです。 ジェローム・K・ジェローム「ボートの三人の男」。ロンドン大空襲。ワーテルロー・・・といったあたりは何となくフォローできましたが、実際はいったいいくつの仕掛けを取りこぼしたことやら・・。 ヨーロッパ史に明るい方でなければ、この本を十分楽しむには、注釈のついた翻訳のほうがよいと思います。 | ||||
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この作品はSFミステリであり、ドタバタのラブコメであり、イギリスの古典娯楽小説がもりだくさんであり、さらに犬&猫好きにはよだれが出そうな小説である。 誰も死なないのでその点は安心して愉快な登場人物たちに突っ込もう。 オポッサムは乗合馬車にのせてもらえない…どういうことだよ! 本当に爽やかで微笑ましい小説です。 ちょっとでも表紙に惹かれた人は購入確定。 | ||||
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タイムトラベルものの最高傑作です。 タイムトラベルが確立している未来の話ですが、「物を持ち帰ることができない」という前提で話が展開します。 歴史の齟齬(そご)を修復するために奮闘する主人公。話は裏目裏目と流れます。 ブルドッグが話の節々に出てくるのですが、とても良く書けていて、笑えます。 話そのものはストレートですが、文体が独特なので、なれるのに時間がかかるかもしれません。 タイムトラベル小説が好きな人は、必ず読んでほしい一冊です。 | ||||
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ウィリスの作品は、ずっと以前に「我が愛しき娘たちよ」を読んだことがあるので、ストーリーテリングの力があることは知っていましたが、これほどとは! 普段SFを読み慣れない方には、冒頭のタイムトラベルの仕組みの部分が取っつきにくいかもしれませんが、そこをクリアできれば舞台はヴィクトリア朝。セイヤーズのウィムジー卿の世界です。 解説文にあるように、ミステリあり、タイムパラドックスあり、冒険に恋にユーモアありの歴史SF。 更に「ボートの三人男」やセイヤーズ作品全般のオマージュでもあり…これだけ盛りだくさんな内容を無理なく纏めあげる筆力に感嘆しました。 訳者の方もテンポのいい訳文で、この作品に対する思い入れをかんじますね。電車の中で本を読んでいて、吹き出したのは久しぶりです。 登場人物のキャラクター設定もバラエティーに富んでいますが、特にジーブスになぞらえるほどの執事の奮闘ぶりは特に楽しめます。物語のキィとなる猫のプリンセス・アージェマンドの愛らしさ。この刊の表紙になっているブルドッグのシリルのひょうきんさ。猫好きも犬好きも楽しめると思います。(金魚好きの方にも?) 猫とタイムトラベルと言えばハインラインの「夏への扉」を思い出します。内容は全く違いますが、最終章の大団円と読み終えたときの、じんわり暖かい気分は同じ。 かなり本を読みますが、お気に入りの本ベスト3に楽々入りました。もっとたくさんの方に読んで欲しくて、普段は書かないレビューまで書いてしまいました。力一杯おすすめです。 | ||||
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