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(短編集)
夢みる宝石
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夢みる宝石の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.58pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
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夢をみることで生命を生み出してしまう不思議な水晶を巡る幻想的な物語。 全編にわたって要所に暗喩的表現が散りばめられ、文学的な価値も高く…何よりも美しい。 葛藤を孕んだ切なくも趣深い人間ドラマを背景に、奇想天外な物語が展開する。 「人間以上」と並ぶ、スタージョン一流の最高傑作...長く読み継がれるべき宝石のような文学作品。 | ||||
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優しく思いやりのある子に育ってほしい。と作者が願って書いた本だと思います。 人の優しさ、思いやり、悲しみと願い、ホントの嬉しさ、色々な思いが子供の心にスーっと入っていくお話です。 | ||||
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優しさと詩情にあふれた手紙で締めくくられる最後の、最後の1行。 もうダメ。 号泣です。 38年前から幾度も、幾度も読み返していて、 諳んじれるくらい分かっているのに、 最後の1行が本当にダメ。 大号泣です。 | ||||
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読み始める前は、ブラッドベリィの作品が思い浮かびましたが、読み始めるとブラッドベリィはかき消えました。(もちろんブラッドベリィはブラッドベリィですきですが) スタージョンの世界です。美しいばかりの作品ではないのですが、うつくしいのです。予備知識はいりません。読み始めたら、途中で本をとじることができません。スタージョンを存分に味わってください。 | ||||
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あらすじは48年前から知っていたのに 縁がなくて 68歳になって初めて読んだ。 案の定、ヒール役のピエール・モネトールの悪役ぶりは匂いまで感じられそうで一気に読んでしまった( もっとゆっくり読めば良かった ) ヒールが魅力的なストーリーは面白いという命題の典型 | ||||
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「宇宙のどこからかこの地球にやってきて地中に埋もれている水晶のような形をした生き物がおり、それが何かモデルにして夢をみるとき、人間の姿をした水晶人(クリスタライン)が生まれる、夢の産物は超能力をそなえた完全な人間の形をとることもあれば、不完全な夢が小人や異常者や人間とも動物ともつかない奇形を生むこともある、この水晶に意志を伝達して地球上に害毒を撒き散らそうする邪悪な意思と、本物の人間以上に人間的な水晶人(クリスタライン)との戦いを太糸として展開する」と本書の内容を訳者の永井淳氏は書かれておりますが、私は白状するとここまで深く読み解けませんでした。主人公の少年が家から追い出されて、カーニヴァルに拾われ、奇怪な出来事に遭遇するらしいくらいの表面的事象のみ理解できました。しかし、上記の解説を読んでから本書の細部を思い出すとたしかにそういう話だったとも思いました。 私見でいうと完全に善悪二項対立していない不条理な社会で「良いこと」と「悪いこと」の対立をSF/ファンタジーの文脈やレトリックを使って象徴的に描いた現実を舞台にしたファンタジー小説と思いましたが暴論でしょうか。同じ永井氏の解説にある通り、スタージョンという人がかなり特異な人格の人だったらしいので一筋縄ではいかない、安易な感想を寄せ付けない凄まじい作家だったので多分私の解釈も全然違うかもしれませんが、他の読者も読解する自信のない方が多いのではと憶測します。 なので、浅学菲才な私としてはここは他の方のレビューをよく読んで参考にしたいと思います。私のレビューもあまり参考にしないでください、単なる試論なので。 蛇足ですが、ディーン・クーンツがこの小説に感化されたらしく、この小説の主人公を自分のある作品に登場させています。そういう意味ではクーンツを理解する上でも重要な小説かもしれないですね。 | ||||
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よかった、よかった、よかった! 最後の途轍もなく美しいシーン、それから姉から弟への詩情あふれる優しい手紙に涙が止まらなくなりました。蟻が最後の最後にこんな大どんでん返しをもたらすとは! 彼の作品の中でももっとも叙情的で痛切な美に満ちた傑作です。 幾重にも錯綜する人間関係と、それを一環して俯瞰する作者の筆のなんと自在なことでしょう。カーニヴァルというある意味非現実な世界を舞台に、「夢見る宝石」=水晶を生涯かけて探索し続けた人間への憎悪で凝り固まった男と、その水晶の夢の結晶である青年との心の力を傾けた凄まじい対決に手に汗を握ります。謎の美女ジーナの優しさと深い「人間性」、醜い外見から痛罵され続けた緑の男の「知性」など、一見すると矛盾して相反するように見える特性を幾重にも付加された魅力あふれるキャラクターたち。 水晶、という人ならざるものの生体を通して逆照射される「人間」とは何か、何者であるかを強く考えさせられる、美と夢想にあふれた作品です。 | ||||
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水晶たちが夢をみるというアイデアから、さらに人や動物や植物が生まれる という発想がすごいですね。 もっとも後半からその盛り上がりをみせる訳ですが、そこに至るまでの人間 ドラマも読ませます。 腹黒い父から逃げ出して拾われた先のカーニバル団が、非常に妖しい雰囲気。 この独特の妖しい世界こそが作品の肝だと思います。 ややクセのある作風だけに読みづらい面もありますが、その特異な世界観と 感性だけでも手に取る価値がありそうです。 | ||||
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ちゃんとわかったのかどうかは別として、面白かった。作者の意図するところがくみ取れたかどうかは甚だ心許ないが、自分の解釈、というのはあってもいいよね。そういう読み方ができる方には、かなりお勧め。限りなく妄想が広がる世界だ。何ともわからない原石を著者独特のやり方で研磨しているので、美しいと思う人とそうでない人に分かれるのかも。ついでに、長野まゆみの「鉱石倶楽部」なんかの読者にもいいかもしれない。 こんなことを連想するのは私だけかもしれないが、佐藤史生氏の「夢見る惑星」の中でイリスが花炎石のことを「夢見る宝石さ」と表現する場面があるが、ひょっとしてこの作品からの引用だろうか。 | ||||
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『人間以上』と並ぶ、スタージョンの最高傑作。ただし、『人間以上』はあまりにも傑作すぎて、解りにくいところがあるので、初心者には、解りやすく親しみやすい本書の方がオススメです。幻想的な美しさと、グロテスクなリアリティが、渾然一体と溶け合った、この不思議な味わいは、スタージョンにしか表現できない、全くオリジナルな世界です。気に入った方は、是非、『人間以上』や短篇集にも挑戦してみてください。 | ||||
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いつもスタージョンを読むと、脳味噌を引きずり出されて、グーと伸ばされて、知恵の輪みたいにこんがらかされた気持ちになる。たまに嘔吐感を感じることも。でも、それがたまらん。スタージョンでしか味わえない。この作品も、スタージョンの奇想天外さはほとばしっています。 | ||||
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つまり、物語を語ることにより、 外面から見せるのではなく、 読者自身の内面にある憧憬、不思議、そんなものを 湧き出させる、そんなことが出来る数少ない 文学です。 虐待された孤児。 養父の家から家出する途中で会った同級生の女の子と会話。 信号で偶々停止した旅芸人一座のトラック。 天性の声の良さが幸いして旅芸人一座に拾われる。 一見、現実的な筋書きですが、言い表せない部分に 題名通りの夢幻的なものが込められています。 この本を読み終えた人は例外なく 孤児ホーティ君を通して、 物語から離れがたい何かを感じるはずです。 | ||||
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子供ってなんてせつなくてわびしくてはかなげなんでしょうか。 この小説は子供につきまとう感傷とせつなさにあふれていて、読み終わってもしんみりした感慨にひたりっぱなしになってしまいます。 スタージョンは一般にSFに分類されているけれど、この作品は広範な読者に読まれるべきだと思います。かつて子供だった人、つまりすべての人におすすめです。 | ||||
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タイトルはちょっと手にとるのが気恥ずかしいイメージですが、この作品には大人になりきれなかったスタージョン自身が夢見る世界が描かれています。 蟻を食べる少年、緑色の顔の鰐男や小人など不気味な登場人物たち。それらのグロテスクな嗜好と、相反する夢見る水晶という純粋なものへの憧れのような美しいイメージの同居。 それこそ、少年の心の世界。 カーニバルという怪しげな舞台で、いっそう際立つ幻想の物語。 まさしく暗闇の中で光る宝石のような神秘的な輝きを感じる作品です。 | ||||
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シオドア・スタージョンの『夢みる宝石』は、なかなか良い。あるいは、それ程でもない。では無く、良く分からない。あるいは、好き。かに、その評価が分かれる作品のような気がします。そして、好きな人にとってのその評価はほとんど最大級となり得る大きな可能性を秘めているような気がします。10人に1人の確立なのか、100人に1人なのか、それは分かりませんが、好きになった人にとって、『夢みる宝石』は、確実に、ずぅーと探していたものがようやく見つかったかのような喜びを与えてくれるでしょうし、同時に、その人にとっての、無人島に持って行くべき本を確実に一冊増やしてくれる。そういう作品だと思います。そして、それは、そのまま、シオドア・スタージョンのもうひとつの傑作『人間以上』にも当て嵌ります。未読の方は、この両作品、試されてみる価値は十二分にあるのではないでしょうか。 | ||||
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J.G.バラードの「結晶世界」、稲垣足穂、ますむらひろしの初期、宮沢賢治と並ぶ鉱物小説。 ファンタジーかと思って読み始めると結構ダーク。でも、妙にロマンチックだったりして・・。水晶って触るとひんやり、時計にも使われてるのって不思議ですよね。 | ||||
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他の人と僕の評価はちょっと違います。 この作品て他の作品と構造そのものがちょっと違うと思うのです。 あらゆる登場する事物がそれそのものを表していないというか、 ほとんどすべてが暗喩で構成されているかのように読めます。 職人が何ヶ月も何年も息を詰めて作ったような 精密で幻想に満ちた作品です。物語の多くの要素が影でリンクしあって、音楽のように協調します。 僕の中では20世紀ベスト10に入っている小説です。 | ||||
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カーニヴァルに現れた不思議な少年の謎をめぐり,驚くべき展開を見 せる奇想に満ちた作品。ブラットベリの「何かが道をやってくる」等の 諸作品を思わせる題材だが,本作はひと味違う,意表をつく展開で,驚 嘆すべき結末を迎える。著者の作品としては,『人間以上』のほうが完 成度が高いと言われているようだが,本作の歪んだ宝石を思わせる美しさも捨てがたい。 | ||||
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とても不思議な小説だ。特に人間描写が独特で、はまれない人は嵌れないかも知れない。 全編に今の煩い団体がクレームつけそうなくらい差別用語を連発しているので、そういうのが嫌いな人はちょっと驚いてしまうだろう。 ラストになってこの不思議な人間描写を納得するので、終りまで読んでみるといいだろう。とにかく雰囲気が変わっています。 | ||||
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