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白の祝宴
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白の祝宴の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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出産のため、中宮が土御門邸に里下がりしているときに、手傷を負った賊が侵入。匿った女房は誰か? 紫式部は推理する。 そして、意外すぎる「共犯者」! 「紫式部日記をめぐる人々」を見たときは、わあ大丈夫かな、と思ったけれど、読み始めてみたら、人間関係を理解するのはそんなに難しくありませんでした。 面白かったです。 | ||||
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「千年の黙」に続けて読みました。紫式部とその女房阿手木が中心となり、彰子中宮の出産の際の事件や定子皇后の遺児にまつわる謎などを解き明かしていきます。虚実取り混ぜての人物模様や貴族の生活の一端なども興味深く楽しみました。 早く筋を追いたくて1回、2回目は隅々まで味わいたくじっくりと読みました。 次の「望月のあと」も読むつもりです。 | ||||
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時代背景は、中関白家(道隆・定子が死亡)にかわって、藤原道長の天下に。彰子中宮が、土御門邸で男子を出産する。 藤原香子さま(紫式部)・阿手木・義清の周辺で、事件が起こる。 520ページという長編で、話の中にさまざまな謎・疑問がでてくる。ずっと、モヤモヤした気分のまま、話がどんどん進んでしまう。最後のほうで、全て謎解きがなされ、ようやく読者の心がすっきり。 おこった事件を、推理力で解決する物語であると同時に、紫日記(御産日記)が書かれた経緯。どんな意図で書かれたものなのか。彰子さま・女房たちの想いが込められた大切な草子。彰子サロンに集った女房たちにとって、自分の名前が後世に残る。あの時代を生きた華やかな形見として、子や孫に・・・・ | ||||
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「千年の黙 異本源氏物語」に続く作品です。 主人公は、紫式部(薫子)で前作から少したって、彰子のもとに出仕することになったところから物語は始まります。 そこで登場する盗賊消失と呪符の二つ謎をめぐり、薫子の推理が冴えます。 この物語の魅力は、何といっても煌びやかな平安王朝の時代と、そこに展開するある意味現代的な謎解きです。 平安朝の非常に窮屈な女性の世界において、「謎」を追及してゆく訳ですから、機動力がありません。 従って、半分アームチェアー・ディテクティブの様な様相を持ちながら、女房や童を使って調べてゆくというもどかしさがあります。 そのあたりを非常に上手く捌いているように見えます。 それと、何といっても「紫式部日記」という名前だけは知っているが、余り読んだことのある人がいない作品を、このストーリーの中で全文読んだ気にさせてくれる紹介文にもなっています。 そして、登場人物の華やかさです。 清少納言、赤染衛門、和泉式部など、王朝文学を支えた女性たちが勢ぞろいの感があって、それだけでも楽しい作品になっています。 三部作の最後の作品「望月のあと 覚書源氏物語「若菜」」が楽しみです。 | ||||
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楽しめました。 しかし、前作での道長との因縁が 本作のラストでの中宮彰子(道長の娘)の言葉で 読んでる自分まで え〜⁉︎そうか、再出仕して道長を 意識してたのは こういう理由もあったのだと。 でも 悲しい出来事です。式部や 式部の家族にとっては。道長は 知るよしもない事ですが。 本作では かなりミステリ要素と 女ならではの哀しさが強く出てるなと感じました。 式部も 再度 中宮に仕えながらも 夫婦となっても その時代では普通ですが 阿手木の元に通う義清(幼少名は岩丸)も 式部のワトソン役で活躍します。 楽しめました。 | ||||
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どうせならやっぱり「源氏物語」の方をテーマにしてくれた方が嬉しかったかな…。 「日記」の方は「つまらなくて途中で挫折」し、そのまま読んでないんでw 本書だけで充分推察は出来るし、内容が「日記」を読んでなくては分からないって訳ではないのですが、「源氏」テーマで「実は…」を期待したんで、ちょっとあてを外された読後感です。 | ||||
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紫式部日記は、つまらない。 では、なぜつまらないのか? その疑問から今回の物語は生まれたのです。 前作では成長して小少将となっていたあてきですが、千年の黙 異本源氏物語 (創元推理文庫)からは阿手木と修正されています。 この件に関しては、あとがきを読んでみて下さい。 お話は面白かったです。 紫式部日記はなぜつまらないかもちゃんと結末をつけてるあたりは流石です。 ただ、今回は左大臣が比較的おとなしかったかな?と思いました。 | ||||
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『紫式部日記』自体の謎を追究する物語といえるかもしれません。 一貫性がなく、書簡がまぎれこんでいたり、中宮彰子のお産にまつわる女房たちの服装や行動などだらだらと些事がつづられていて、『源氏物語』の作者と思えないほど、おもしろくない。 そう思った著者が、その謎を解き明かそうとしたのが、この作品を書いた発端ということです。 読み終えると、その謎解きがみごとに、その時代を生きた多くの女房たちのせつない、秘められた思いを浮き彫りにしていることに驚きました。 表向きのミステリとしては、お産で宿下がりしている彰子中宮の土御門邸に、中納言家に押し入った盗賊一味のひとりが逃げこんだらしい、その者はどこに? という謎を式部が追ってゆきます。お産のときには、女房たちの装束も調度もすべて雪白でなければならない。作者は、当時のそのしきたりを目に浮かぶようにあざやかにつづってゆきます。ふたたびこの王朝のみやびで頽廃した世界にひきこまれてしまいます。作者が自家薬籠中のものとした世界です。 成長した阿手木、その夫となった義清、糸丸や小仲という童たちもいきいきと動き回り、華麗な世界のすぐ水面下で行われている呪詛や火付け、民の暮らし、そんなものも立ち上がってきます。前作にひきつづいて、童がよく活躍するのは、もっとも行動が自由で、いろいろなお屋敷に出入りでき、また見とがめられず、罪にも問われない、そういう存在だったからなのだと、このシリーズを読んで初めて知りました。 謎は最後の五十ページほどでばたばたと解けてゆきます。それまでたしかにひっぱられる辛さはないわけではないのですが、絵巻のような平安貴族の生活が語られるのに耳を傾けている充実感が深いので、気にはなりませんでした。またあたかも『源氏物語』そのものを読むかのように、中宮やまわりの女房の性格を描きだす作者の腕の冴えに、ぐいぐいひきこまれました。 謎解きは今度も、単発的な犯罪ではなく、この時代のひとの抱える辛さや願いを、時間というパースペクティブのなかに広げてみせてくれるものでした。犯人はだれか、の意外な真相もですが、それにまつわって起きたべつの事件の裏にあった、高貴の方のいたましい運命、彼女に寄せる女房や童たちの思い、そしてそれらたくさんのひとびとの思いを編集して、祈りのように日記にまとめようとする式部。式部にも、じつは中宮にしか明かせなかった、哀しい事件があり・・・ 「あなたの名前は千年のこる」 作者が今回出した答えはひとつの仮説ですが、その説得力は大きく、式部の言葉とともに現代に伝えられた思いの重さをしみじみと感じます。 ミステリをまとった王朝文学パスティーシュとして何度も読み返したい作品です。 | ||||
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『千年の黙』でホームズばりの活躍を見せてくれた、平安才媛・紫式部が帰ってきた! 今度の題材は、かの有名な『紫式部日記』。 舞台は、中宮彰子が出産を間近にひかえた土御門邸。 若宮誕生という慶事の陰で暗躍する不穏な動き。 赤染衛門、和泉式部、藤原道綱母の孫娘、名だたる才女を相手に持ち前の頭脳を活かし、 女探偵・紫式部が宮中に潜む闇を暴きだす…!! ――と書くと、まるで一大スペクタクルロマンみたいに聞こえるが、 前作同様、優雅でいながら女達の歪な空気を描いた王朝推理絵巻。 結末にあまりカタルシスが感じられないのが難点だが、 それでも安定した面白さで、5時間ぐらいで読破できてしまった。 主人公は紫式部だが、ヒロイン的ポジションにいるのは、式部に仕える女房の阿手木(あてき)ちゃん。 かつては猫好きの子供だった彼女もすっかり大人びてしまったが、物怖じしない勇ましさはいまも健在。 前作では、成人した後の岩丸(義清)との恋愛模様がさらりと流されてしまっていたのが残念だったが、 今作ではきっちりと描いてくれて嬉しい限り。 森谷氏の作品は、苦み走った大人の恋よりも、 ティーンエイジャーの甘酸っぱい恋模様の方が面白いと思う。 | ||||
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前作(千年の黙 異本源氏物語 (創元推理文庫))に続いて読んでみました。物語の展開や形式は前作と同じです。プロットの込み入り方とわかりにくさも前作と似ています。もっともこの題名と副題が2重の謎を暗示しているといっていいでしょう。 時代は前作に含まれた二つの作品の間にはさまれた時代です。つまり紫式部日記の時期を舞台としています。そして紫式部日記の成立並びに作品自体に含まれている謎の作者による創造的な解読です。ミステリーに伴う事件の謎は込み入っており、たどっていくのが一筋縄ではいきません。でも事件を超えた大きな謎の解読は見事な仮説と解釈です。そんなことより、作者のスタイルで気に入っているのは、序章と終章で呈示される広い歴史的なパースペクティヴです。ここでは、紫式部日記という作品が作者の手を離れて持った運命が見事に位置づけられています。ところで、紫式部を舞台した次の作品は出るのかな。 | ||||
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