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ブラックランズ
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ブラックランズの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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作者はこのシリーズで3作品出していますが、最初の2作品は書店においてないので、助かりました。 | ||||
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思わず感情移入してしまいハラハラドキドキの大満足の一冊でした。 この勢いでダークサイドも読破します!!! | ||||
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ミステリーというより、少年の成長と犯罪に見舞われた家族の再生の物語でしょうか。 字も大きく長編とはいえないと思うが、実話を取材したのではと思えるほど登場人物たちの姿がリアルであり、連続殺人犯も含めその微妙な心理の動きも実に鮮やかに描写している。 翻訳も非常に丁寧に行われた感があり、翻訳にあたられた方もこの物語に愛着があるのではと思った。 最後のシーンも大袈裟なハッピーエンドにせず、これからの予感を読者に期待させるようにさりげない描写で終わっており、スティーブンとこの不幸に見舞われた家族に幸せが来ますようにと真剣に願ってしまった。 心理描写が多いため、会話を含めてポンポンとテンポよく動きのある展開を期待する人には、少しもどかしいと思うし、あまりお薦めすることはできないかも。 でも秀作だと思います。 | ||||
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過去の事件が起こした波紋によって傷ついている少年が取った行動を中心に、新たな事件が起こす波紋によって、家族や関係者にあたえる影響が丁寧な描写によって語られていきます。 鬱屈した物語ですが、主人公となる少年の心がいくつもエピソードを重ねて語られ、読者をひきつけると思います。 決して明るい結末ではないと思いますが、読め終えたとき爽やかで前向きな気持ちになるでしょう。 | ||||
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書評その他では高評価が多かったミステリですので、かなり期待して読んだのですが、自分的には「うーん…」という内容でした。 スリリングな興奮、スピーディな展開を求める人(自分ですけど)には、むきません。 情報小説としてミステリを読む傾向のある人にも、むきません。 しかし、十代の方や、じっくり小説を読みたい方には大変おすすめだろうと想像します。 学校、地域、家の非常に狭い世界で生きている少年の歯を食いしばるような日常と、同じく拘置所の狭い世界にいる殺人犯の狭い人生が、細やかに丁寧に描写されてます。 学校のいじめっ子、分からず屋の親など、書かれているのはだれもが知っている嫌なことばかりです。 大変わかりやすく、これでもかと感情移入を促してきます。 ストーリーも一直線ですので、物語の筋を見失うことはありません。 要は合うか合わないか、という好みの問題です。 自分と好みの似たミステリ読みの参考になるのではないかと思って書きました。 | ||||
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自分の手で過去に決着をつけ、『しあわせ』を手に入れようとあがく少年。 「ラスト・チャイルド」にも通じる、たとえ幼くても「僕が、やってやる!」という「男」の気概が泣かせます。 ラム家の病んだ家庭事情にどっぷりハマリ、幼稚でキケンきわまりない、少年と凶悪犯とのかけひきにハラハラどきどき! 感情移入させますねぇ〜。 なかなかの書き手です。 しかーし!! 「思わせぶり」の度が過ぎます。ちょっと悪趣味。 まったくよけい(としか思えない)なエピソードを入れ込んだり。 凶悪犯の悦に入った回想とか妄想とかがダラダラ続くあたりはたいへん不快でたまりませんでした。 (それが筆者のねらいならしかたありませんが) ラストの、手のひら返したように別人になる人物の変わりようにも私はシラケました。 最後の一行を読み終えた瞬間に思わずうならせてくれるような次回作を期待しています。 | ||||
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英国生まれで南アフリカ共和国育ちのベリンダ・バウアー女史。ジャーナリスト、脚本家としてキャリアを積み、本書で作家デビュー。その本書で、英国におけるミステリーの頂点、「CWA(英国推理作家協会)賞」’10年度ゴールド・ダガー賞(最優秀長編賞)を受賞するという栄誉に輝いた。 舞台はイングランド南西部の、ヒースの茂る荒れ野に囲まれた田舎エクスムーア。主人公の12才の少年スティーヴンはかれこれ3年にも渡ってシャベルで荒れた地面を掘り返している。彼は4人家族で、祖母とシングルマザーの母親、5才の弟デイヴィーと住んでいる。 19年前、彼の叔父つまり母親の弟が連続児童誘拐殺人犯に連れ去られたまま、犯人は捕まったが遺体は発見されていなかった。そのため、被害者の母である彼の祖母は息子の帰りをいつまでも待ち続ける「かわいそうなピーターズさん」となって心を閉ざし、彼の母親もまた鬱屈した感情を抑えることができない。スティーヴンは、こども心にも叔父の遺体が見つかり、事件に決着をつければ、ぎくしゃくとしてバラバラの家族の傷が癒えると信じてどこかに埋められている遺体を捜しているのだ。 やがて彼は遺体発掘の重要ヒントを得ようと、服役中の殺人犯エイヴリーと手紙のやりとりを始める。しかしそれによって18年に及ぶ刑務所暮らしのエイヴリーは、眠っていたサイコパスの本性が甦り、思い切った行動に出る。そして物語は37章から39章のクライマックスを迎える・・・。 とにかく、主人公のスティーヴン、殺人犯のエイヴリーからステーヴンの祖母、母親、親友のルイス、そして脇役・端役に至るまで、登場人物たちの心の動きの描写が秀逸である。さらに短い章立てで映画のカットバックのように進むストーリー展開もあいまって、臨場感抜群で読者は思わず彼らに感情移入して物語にのめりこんでしまうこと間違いない。 本書は、ひたむきに家族の再生を願う少年スティーヴンの、健気で一途な思いが深く胸をうつ秀作である。 | ||||
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家族の再生を願う健気な少年の物語である。家族がいかに大切かを、少年の目から丁寧に書かれている。現代の日本でもなくなりつつある家族の再生が、遠いイギリスの作家が見事に書いている。実に感動的である。翻訳は、最初の部分はよみにくい気もしたが、後半ではとてもよくなっている。いい訳だと思う。「人は誰でも、生きた証を残すべきなのだ。」いいねー。 | ||||
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出だしはゆっくりですが、55ページ辺りからこの小説は動き出します。 そこまでは我慢しましょう。 登場人物の性格や苦悩、それぞれの時間の進み具合が違っていたりなど、生き様が凄く繊細で巧みに描かれているので「実在の人物ではないか」と思う程リアルなのです。 読んでいて自分の感情が目まぐるしく動くのに驚きました。 詳しく書くとネタバレになるのですが、戦慄く内容の中にも主人公の少年、スティーブンの優しさや希望が見え隠れして「最後は願いを叶えて欲しい」と一緒に願いながら読みました。 結末は果たして……。 最近読んだ、ジェームス・ディッキーの「白の海へ」と同じぐらい異色な小説で、とても面白かったです。 オススメです。 | ||||
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新進脚本家としても活躍する英国女流作家バウアーの処女作で2010年度の英ゴールドダガー賞ノミネートの評価も当然と肯けるスリル満点のサイコ・サスペンスの傑作です。本書の眼目は勿論迫真のサイコ・サスペンスドラマにありますが、女流作家らしいきめ細やかな筆致で少年の成長と家族の絆を描いた人間ドラマの方も見事な出来栄えと言えるでしょう。 十二歳の少年スティーヴンは19年前に猟奇連続児童殺人犯の手に掛かって殺されたと見られる母の弟ビリーの遺体を捜して今日もエクスムーアの荒野にシャベルで穴を掘っている。今も息子の帰りを待つ祖母と心楽しめぬシングル・マザーの母と5歳の弟と暮らす彼は伯父の遺体を発見する事で事件に終止符を打って沈んだ家族に元気を取り戻そうと考えたのだ。しかし捜索を開始してから3年目も迎えた今も一向に成果が上がらない現状にうんざりした彼は次の手として今も獄中にいる殺人犯エイヴリーに手紙を送ろうと考える。 序盤では何とか遺体の場所を聞き出そうとする少年と刑期を縮める事に利用しようと考える殺人犯が単純な手紙のメッセージに別の意味を持たせて駆け引きするやり取りに知的興味を惹かれます。中盤に至りエイヴリーがエクスムーアの写真を見た瞬間から先の展開はある程度予想がつきますが、途中のあまりにも殺人犯に都合の良過ぎる幸運な偶然は気になる物の、徐々に加速度を増し不吉な後半まで一気に雪崩れ込むスリルとサスペンスは素晴らしい切れ味だと思います。そして終盤での凶悪な大人の猟奇児童殺人犯と無力な十二歳の少年の対決のリアリティに満ちた迫真の描写には息詰まる興奮に心を鷲掴みにされます。また最後に著者の用意した結末はありえない奇跡の類でなく信じられる余地のある巧みな内容で私には納得出来ました。私が特に心憎いと思ったのは、途中で語られる少年が祖母の為に改良した手押し車が、少年の優しい心温まるエピソードとしてだけでなく意外にも重要な役割を果たす事になるという著者のストーリーテリングの巧さです。最終章では冒頭に書いた人間ドラマの感動が味わえ、家族思いの真面目な少年スティーヴンのこれまでして来た必死の努力が報われて家族の絆が強まり全てが良い方向に向かう事を確信させてくれて思わず目頭が熱くなります。今回本書を読んで英国の新鋭女流作家である著者に大きな手応えと可能性を感じましたので今後の活躍を期待し注目して行きたいと思います。 | ||||
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