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バトル・ロワイアル



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バトル・ロワイアルの評価: 4.14/5点 レビュー 167件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.14pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全167件 61~80 4/9ページ
No.107:
(5pt)

賛否両論…分かる気がする。

特に大人からは批判だらけの作品でしたね。私も読む前は「中学生が殺し合い」といういかにも悪影響的な文句に、自分もきっと反対派だろうなぁと思っていました。でもこの本は、このフレーズを聞いただけで批判するだけのはもったいないです。感動とか正義とかを感じたわけではないですが、生徒42人のひとり一人の危機感、不安や信頼といった心情が伝わってきて、いかに逃げ延びるかという、必死な姿が描かれていました。当時、彼らと同じ中三だった私は「彼らと同じ境遇に立ったら自分ならどうする?」と考えていました。昨日まで普通のクラスメートだった友達が敵になる。考えただけでぞっとします。一種の戦場に立った感覚だと思います。人を殺したくない、だけど死にたくない。そんなギリギリを生きる彼らの三日間。途中で本を閉じるのも惜しくてできません。最後まで飽きずに読める話でした。ただ、いろんな意見が飛び交う本書ですが、それは仕方がないようにも思えます。いろんな捉らえ方ができるので、万人にウケるものではないですね。ただ、殺し合いという点だけで決めてしまうものはいかがなものかと思います。読む気がなかった方も一度手に取ってみてください。
バトル・ロワイアルAmazon書評・レビュー:バトル・ロワイアルより
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No.106:
(5pt)

傑作

高1の時に読みました。中2とは年が近かったせいか、「こんな小さい子が死ぬなんて、可哀相」的発想は皆無でした。ミステリー以外の小説では必ずといって良い程、人の最期は重々しい。特に主人公サイドの人には、感動的な台詞と誰かのために犠牲になるような名誉ある死が用意されている。でもBRは、結構無駄にあっけなく死ぬ人が多い。現実って、どっちかっていうと、そうですよね。でも、あっけなく殺された人も、大切な人の為に格好良く死んだ人も、同じ1人なんだなって思えたんです。42人の内、誰がどんな死に方をしても「1人」とカウントされる。全員人間で、皆生きてて、それぞれ個性があって、でもって命は皆平等に一個なんだ、と思ったんです。当たり前のことなんですが、当時ほとんど実感出来ていなかった事が、BRを読んでスッと受け入れることが出来ました。私は、これは個々人の命の大切さを学べる本だとマジで思っています。ユーモアが随所に溢れていて「さぁ死にますよ、可哀想でしょ?泣いてください」って感じには書いてません。死人の数の割りに読みやすいと思います。所詮紙の上の空想の世界です。でも私は読書が大好きですし、この本は私にとって大切な一作です。
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No.105:
(5pt)

驚嘆の超傑作!

残酷に人を殺す問題作_あたしはこの作品について、そんな偏見を持っていました。しかし、織り成される複雑で哀しい人間模様や、登場人物の溢れんばかりの苦悩……。様々な試練を乗り越えて大人になってゆく主人公の姿も大変魅力的です。迷っているなら、ボタンをクリックしてみて下さい。きっと、大切な何かを与えてくれると思います。
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No.104:
(3pt)

バトル・ロワイアル

わたしはこの本を高校時代に一度読み、人がどんどん亡くなっていくことに嫌悪を感じました。きっとその時は、ただ殺人を楽しんでいる様にしか読みとれなかったのです。実際にクラスメイトと過ごしているわたしにとって、過激過ぎる表現も多くあり、読んだ後は「殺人」の恐ろしさや気持ち悪さが残っただけでした。 大学生になり、心理を少し勉強する中で再びこの本を手に取りました。 初めて読んだときは、誰がどんな風に殺されるのか? という点ばかりに心がいっていましたが、今回は一人一人の描写に目が止まりました。 緊迫した状態でも お互いを大切に思い続けたひとたち。友人や、恋人や、幼なじみとして。「あたし、友美ちゃんと友達で(ほんとうによかった)」「俺をひとりぼっちにしたりしないでくれ」「あんた、いい男になったよ」 人間は、多くの人に囲まれて、嬉しいことや、悲しいこと、理不尽なことや頭に血が上ること、考えることがたくさんあると思います。その中で、自分はどういう人間なのでしょう? また、この本は、読み取り方によって大きく違う物を与えるものだと感じました。 わたしは思ったことを言わない(言えない)ので、貴子のキリッとした言動や行動が良いなと感じました。 ひどいことが書いてある本だ、と思う人もいれば、それぞれのストーリーに気持ち暖まる人、桐山や相馬さんを格好いいと感じる人もいるのではないかと思います。 本は読み手によって、感じ方が違う物です―――あなたは本を閉じたとき、何を感じていますか?
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No.103:
(4pt)

「中学生がクラスメートで殺し合い」という何とも残酷なゲームに強制参加…。だけどその物語には、残酷さだけじゃなくって愛も溢れていると思う。この話は本当に、愛なしでは語れないんじゃないかな。同じクラスの好きな人、恋人、遠くにいる好きな人、友情…嫌だと思う人も、きっとたくさんいるだろうけど、読んでみる価値はあると思う物語。私は、たくさん何かを教わった気がします。
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No.102:
(4pt)

行動すべき大人の視点から

私がこの小説のことを知ったのは、別の記事が目的で買った雑誌だった。角川ホラー大賞の最有力候補と言われながら、選評者の言いがかりに近いような理由で落選させられたというその小説に、俄然興味をそそられた。「これは絶対に買って読まなければ」発売されるやすぐさま書店で買って一気に読んだ。そして、この小説は見事に期待に応えてくれた。「中学生同士が銃で殺し合い」というプロットを聞いて「悪趣味だ」などと眉をひそめる向きもあるだろう。だが、作者自身は決して単に読者をハラハラさせるためだけにそんな小説を書いたのではないはずだ。それは、作中にあるこんな台詞に現れている。「誰かが始めて、誰も止めなかったからだ」なぜ「プログラム」などという非常識なゲームが行われ、そして今も続いているのか?その問いに対する答えは、まさに現実の我々にも突きつけられているのではないか?誰かが声を上げていれば。誰かが行動していれば防げたかもしれない不条理、悲劇に。社会という巨大な壁の前に、一人の力には限界がある。それでも、声を上げ、行動すべきときには行動し、意思を示さなければならない。既にいい年になったおっちゃんは、そんなことを思ったものだった。
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No.101:
(3pt)

稚拙な娯楽作品。

モラルがない、品がない等と酷評され、日本ホラー小説大賞の最終選考に残りつつも落とされたが、口コミで広がり、別の出版社から出版され、皮肉にも大ベストセラーとなった作品。もう周知の作品ですが、内容を一応説明すると、中学生のあるクラスがたった一人の生き残りを賭けて殺し合う、文字通りバトルロイヤルもの。(読みは“バトルロワイアル”ですが)…確かに各章毎に「残り、あと○人」などと面白い表記をしたり、殺し方に工夫が凝らされていたり、それなりには楽しめましたが、日本ホラー小説大賞では受賞出来なかった理由は一目瞭然。この賞は内容もさることながら、筆力も一定以上でないと受賞出来ません。この作品のあまりにも稚拙な文章構成や、怖さに焦点を絞り過ぎた為のモラルのない表現方法、語彙の貧弱さなど未熟な点が目立ち、読んでいてイライラさせられました。(あくまでも個人的意見なので、御了承下さい。)どちらかというと映画の方が、ただ殺すだけでなくビートたけしを使って人間ドラマを組み込んであって、以外に面白かったです。娯楽性として見れば星5つ、文章力は星1つ、くらいですね。中間取って星3つ、です。
バトル・ロワイアルAmazon書評・レビュー:バトル・ロワイアルより
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No.100:
(5pt)

本当の敵

修学旅行だときいて乗ったバスの向かった沖木島。殺戮椅子取りゲームに乗る者や歯向かう者。敵は確かにクラスメイトだ。しかし、本当に敵であるのは仲間であった人達を信じきれない自分ではないのか。この暗い日本の犠牲になる3Bの生徒を見ていて、戦いに最期まで反対する者、他人が怖くて殺人鬼になってしまう者。仲間を信じ、自身を持ち続ける者が様々いたからこそ人間の本当の心理状況が改めて思い知らされました。この本では信じることのできない者こそ本当の加害者であるということが分かります。殺害シーンもリアルに書かれていますが、人としての大切な何かを教えられました。
バトル・ロワイアル 上  幻冬舎文庫 た 18-1Amazon書評・レビュー:バトル・ロワイアル 上 幻冬舎文庫 た 18-1より
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No.99:
(5pt)

よくできたエンタテインメント

中学生同士が殺しあうという悪趣味極まりない話を、よくここまでエンタメ的に昇華できたものだと素直に感心する。この作品がここまでの支持を得ることができたのは、もちろん命の大切さや文学がどーたらこーたらではなく(笑)、ランダムに選ばれる武器・進入禁止区域・カウントされる生存者等の描写からも分かるとおり、徹底したゲーム性の追求にあると思われる。残酷な場面に強引に割り込んでくるユーモアや登場人物ごとに設定された独特の文体は、読者に特有の酩酊感を与える。話の運び方も秀逸。確かにページをめくる手が止まらない。ひたすら感覚のみに訴えかけてくるこの手の作品ってのもたまには良い。
バトル・ロワイアルAmazon書評・レビュー:バトル・ロワイアルより
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No.98:
(5pt)

時代の文学

その時代を映す作品というのがある。それは出来の良し悪しとか、単純にテーマとかストーリーとか、そういうレベルではなくて、その時代の人間がその時代に書かなければならなかったという必然性を感じさせる作品のことだ。この作品はまさにそれだ。『蝿の王』とか『死のロングウォーク』とか、様ざまな外国文学の影響が見てとれるが、そういったパーツのレベルでは捉えられない面白さがある。これを倫理的な理由で受賞させなかった日本ホラー小説大賞は、ホラーを名乗る資格がないだろう。子供同士に限らず、人が人を殺す、というのは文学にとって重要な主題の一つであるはずだし、ただ「鳥肌が立つ」とか「ゾクっとする」とか「夜も眠れない」とか、そういった感覚的な部分に拘っているから日本のホラー小説のほとんどは駄目なんだ。はっきり言って荒俣宏と高橋克彦と林真理子の全ての小説を足しても、これほどのものにはならないだろう。この路線でなくても良いが、この作者には期待している。が、次作の話は聞かない。是非また読者を圧倒してほしい。
バトル・ロワイアルAmazon書評・レビュー:バトル・ロワイアルより
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No.97:
(5pt)

楽しめたと思う。

この作品は国会などで色々取り上げられたり、暴力的な描写のみが浮き彫りになってたりしますが、そのようなことはないと思う。
この小説の裏側に隠されているのは、読み取れるものにしか読み取れない物ではないのだろうか。突然無人島に放り込まれ、極限の精神状態の中大人にもならない15歳の少年、少女達が殺し合いをさせられる。確かに残酷かもしれない。しかし内容は「殺し合い」という一転に絞るものではなくもっと深いものだった。
このゲームに乗って自らの意思で殺戮を始めるもの、政府に対する復讐、そして脱出を試みるもの、仲間を最後まで信じようとするもの。
まだ大人にもならぬ少年達の心情が細かく、そして深く描かれていると思う。その点でいってはとても感動した。
青春小説としては最高の出来だと思う。
バトル・ロワイアル 下   幻冬舎文庫 た 18-2Amazon書評・レビュー:バトル・ロワイアル 下 幻冬舎文庫 た 18-2より
4344402715
No.96:
(5pt)

私はライ麦畑を思い出す。

~映画は見たけれど原作は未読、あるいは有名すぎる「少年少女の殺し合い」というスジに引いてしまってスルーしている、そんな方はたくさんいるんじゃないかと思う。もしもそんな方々の目にこのレビューが止まったら、とにかく「そんなことは忘れて一度読んでみてくれ」と言わせていただきたい。これは鮮烈な青春小説だ。余りにも非現実的な事態に直面したと~~きにはっきりと浮き彫りにされる中学生の日常と、死に近づくことでようやく輝きだす生。「殺し合う」42人ではなく、「必死に生きのびようとする」42人のギリギリの生がと死が執拗なまでに描かれている。そして物語の凄惨さこそが、その裏にある祈り(愛と平和・生命の尊さ・青春の眩しさ…言葉にすると陳腐になってしまうものまで)を際立たせている。~~映画化とか作者を変えての続編とか、わけのわからない展開を見せている本作だが、シリーズとしての「バトロワ」とは別に、文芸としてのこの一冊、ぜひ手に取っていただきたいと思う。読了後、きっと何かが変わっているから。~
バトル・ロワイアルAmazon書評・レビュー:バトル・ロワイアルより
4872334523
No.95:
(5pt)

戦時下とはこういうものなのかもなと思った

逃げ場の無い場所で逆らえば簡単に殺される。生き残りたければクラスメートを殺すしかない。「何故そんなことをしなけらばいけないのか」・・・国の決定(バトルロワイヤル法)だからだ。「殺し合いなんてやめよう」平時には当たり前の呼びかけも黙殺される。国家権力(自衛隊)は打倒するには圧倒的すぎ、この状況から降りたければ自殺するしか選択肢は無い。友情・愛情・親子関係・教育問題・・・この映画には色々なテーマがあると思うが、国家権力が持つ暴力や不気味さもテーマの一つではないかと思った。
バトル・ロワイアルAmazon書評・レビュー:バトル・ロワイアルより
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No.94:
(5pt)

戦闘実験第六十八番プログラム

東洋にある大東亜共和国。アメリカ(=米帝)を含め世界各国と対立中。軍事国家で総統制度、近代化による少年少女の凶悪犯罪悪化。そんな時に、国防上必要な戦闘実験と称する「戦闘実験第六十八番プログラム」という法案が可決された。全国の中学3年生を対象に任意の50クラスを選び、殺し合わせる。架空の国ですが、地名とかは日本です。それに、映画のBR2との国の設定があまりにも違うので驚きました。詳しい事はネタバレしてしまうので、あまり言いませんが、大切な“何か”が欠け始めている、今の日本人に読んでもらいたいです。
バトル・ロワイアルAmazon書評・レビュー:バトル・ロワイアルより
4872334523
No.93:
(5pt)

現代社会だから

私は現在、小学六年生でこの本を手にしました。多少親に嫌な目で見られ、「私も読んでいいのか」と思ったのですが、話の内容の突飛さ、そして何よりも、昨日まで友だった者を殺し合う事。誰だって失うのは嫌です。けれど自分は死にたくない、という思いが銃の引き金を引いてしまいます。現代ではほぼ絶対的に有り得ない事ですが、思わずその内容に心が感情移入してしまいます仲間を信じて、共にメガホンを持って参加者に呼びかける者もいましたね。彼女達の死は、七原に決定的な「生きる」と言う事を教えてくれたはずです映画と共に合わせてみると、貴方にとって日々の生活、友達、そして生きる事がどんなに儚くてどんなに美しいかわかるはずですそんな人達に、是非読んでもらいたい作品だと私は思います
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4872334523
No.92:
(3pt)

考えるんやない、感じるんや。とりあえず…。

あくまでも「娯楽小説」やな。それ以下でもそれ以上でもない。 「中学生同士に殺し合いをさせる」、はっきり言って、このアイデアを思いついた時点で、勝ちや。これ一本でラストまで突っ切れる。そう割り切って読めば、失礼かもしれんけど、これほど痛快な読み物は無い。要するにおもろいんや。登場人物はキャラ立っとるし、ストーリー展開もスパパパッとまわってくし、基本的に勧善懲悪やしな。 だけどな、この小説に深い意味なんて考え出すと、とたんにつまらなくなるんやな。大体、現実的に考えて辻褄が合わない箇所がいくらでも出てくる(こんな変人ぞろいのクラスないやろ!とか、何で銃声がしてから5分もたたずに桐山や相馬光子は現場に来れるんや!空でも飛べるんか!とか、いくらなんでもひとりくらい川田の事チェックしとるやろ!とかとか)んやから。 とにかく、考えずに感じたまま、一気に読み終えるんや。プロレスと同じや。「台本があるのか?」とか考えずに試合観戦に集中するようにな。そう考えると、冒頭にプロレス観戦の描写があるのは、もしかしたらメッチャ深い意味があるのかもしれんな。
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No.91:
(5pt)

これがデビュー作とは思えない。

デビュー作とは思えないほど丁寧で、かつ力強い描写が気に入った。2段に分かれていて文字も小さく分厚いが、それでも物語に引きずり込まれていく。あまりにリアル。人間の極限状態。さっきまで仲のよかった友達を難なく殺してしまう人間の乏しさ。奪う側に回ろうと思っただけよ、という光子の気持ちと過去。それから、最後までハラハラさせられるアクションと展開。まぁ、友情とか愛とか生とか死とか深く考えずサッパリスカッと読めばいいと思う。
バトル・ロワイアルAmazon書評・レビュー:バトル・ロワイアルより
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No.90:
(5pt)

原民喜「水ヲクダサイ」やレフ・トルストイ「戦争と平和」と共通のテーマ

否両論ある作品であるが肯定的に受け止めている。これは一種の反戦小説である、と思える。その理由を以下に挙げてみる。A世界観 本書の世界観を確認しよう。1.国の名前は「大東亜共和国」2.政治体制はファシズム3.アメリカの文化が裏ルートでしか手に入らない。4.この計画が軍指導の下、動いている。 以上の点から私はもし日本が太平洋戦争に勝っていたら、という世界観であることが容易に窺える。このことを頭に入れて、この書評をご覧頂きたい。B「殺し合い」が示すものは何なのか さて読者のうちどのくらいがこのような状況を好むだろうか?恐らく誰もいないだろう。では果たして著者はこの状況を肯定しているのだろうか? クラスメイトがこのプログラムを強制的に受けさせられていることから著者は否定的な立場に立っていることが解る。また突然性、ということにも着目したい。昨日まで仲間だと思っていた人間が政府(=軍)の手によって突然、敵に変わるのである。 この構図は何かに似ていないか?Aで述べたことも考慮に入れると「戦争」という答えに行き着く。このことから本書、バトル・ロワイヤルは反戦メッセージが込められているのではないか。 ルワンダやパレスチナの子供にとっては、まさに「バトル・ロワイヤル」そのものだということを忘れてはならない。 つまり反戦という点では原民喜の「水ヲクダサイ」にも共通するテーマがあるのである。
バトル・ロワイアルAmazon書評・レビュー:バトル・ロワイアルより
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No.89:
(5pt)

愛と友情に満ちた主張?

ブームに二周期遅れてから読んでみました(笑) まあ内容については、今さら私ごときが言うまでもありません。今までの小説にだって、ポコチン突き立てて障子紙を破る話とかがあるんですから、エエんと違いますか。 でも私も小説みたいなもんを書いとる身ですから(プロに言うのは失礼かな)こういう話を書きたくなる気持ちは、共感できんが分かる気はします。大量虐殺だとか痛々しいのとか、端から見てると悪趣味やろ?っていうの。 作者さんもファンの人も、この話のテーマは「極限状態における愛と友情」やておっしゃってますけどね。やけどこの話の「愛と友情」“だけ”に惹かれた人なんておらんのと違いますか。ファンの人はともかく、作者さんの方は間違いないでしょう。だって「愛と友情」が書きたい!ってだけであんな沢山の殺しを書き切れたら、それこそエラい変態やないですか。 つまり作者さんが書きたかったのは愛と友情でなく、まず「極限状態」やったという事です。まさか愛と友情のネタの次に、極限状態を思いついたって事はあり得んでしょう。なのに「愛と友情」とか取り繕うからよけい悪趣味やと思われるんです。快楽殺人者だったサカキバラが「社会に復讐する」と書いてたのと変わらんやないですか。正直に「俺は殺しが書けて大満足だ」と言ってたら、高見はトンデモねえ、と皆も畏れたかもしれない。 だからこの作品を真剣に批評したり、愛と友情だと信じたりするのはやめた方がエエんです。キワモノのエロビデオを見て、「これは芸術だ」とか「あのAV嬢は清純だ!」とか「何だこれは、公序良俗に反する」って本気で言ってるようなもの。どれも結局バランスを欠いてる点では同じです。 指差して「何が愛と友情だ、殺しが書きたいだけなのに気取るな」とか「バカじゃねえの」ってゲラゲラ笑っておけばエエんです。そういうことが出来へん人の中から、ホンマの殺しが出たりしてるんですよ。
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4872334523
No.88:
(4pt)

プロットの勝利

閉鎖された空間での殺し合いサバイバル。作者は、この興味を引くプロットを見事に料理しきったといえる。中学校のクラスメイト同士が武器を支給され殺し合いを強要される。逃げ場の無い孤島で殺したくないというが、殺されたくない。この葛藤の中で支給された武器は、彼らを殺人へと導いてしまう。逃げ隠れる者、やられる前にやる者、策を練る者、そして死んでゆく者...残りX人。単純にエンターテイメントとしておもしろい。倫理的に問題ありと話題になった中学生が殺し合うという設定。しかし、この設定がないとストーリーが盛り上がらなかったかもしれない。なぜなら、ストーリーに現実感が薄く荒唐無稽な印象を受けたからだ。
バトル・ロワイアルAmazon書評・レビュー:バトル・ロワイアルより
4872334523

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