■スポンサードリンク
バトル・ロワイアル
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
バトル・ロワイアルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全131件 1~20 1/7ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
坂持金発のいる分校教室で惨劇を見せられ、自分が恐ろしいゲームの一員にされたとする。私だったら分校を出て、物陰から出口を見つめて仲のいい、あるいは冷静で的確な判断力を持つ人物(それこそ三村のような)を選んで合流を図る。出て来たクラスメイトに殺されるかもしれないが。もちろんデイパックの中身も重要だ。銃なら頼もしく感じるだろうな。 このクラスに限って言えば桐山グループに入っていたら月岡みたいな真似でもしないと初期を生き残れない。と言ってカップルで崖に飛び込むのも避けたいし。 さあ、どうする。時間はないし敵もやって来る。絶望しかない状況で己の判断が文字通り生死を分ける。運が自分に味方するか、それともツキに見放されて地獄に落ちるか。究極の選択だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この映画が放映されていた頃の私は まだ15歳ではなかったので観れず終い 代わりにお小遣いで こちらの小説を買い 読みふけった作品 映画より描写や登場人物の息遣いが 明確なのでグロ苦手な方にはと思いますm(_ _)m | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
20年前近く前に読んだ時は衝撃を受けましたよ! なぜ電子書籍にならないのか不思議です。 歴史的な問題作品ですよ! それぞれの登場人物に感情移入して一気に夢中で読んでしまいました。 この構想を創作したのは凄いです! 確かに文章も稚拙で、残酷で荒唐無稽な物語なのですが、島の地図なども掲載されていてハラハラして夢中で読んでしまった記憶があります。 映画化やコミックにもなっていますが、原作は登場人物の心理描写が一番理解出来ます。 バトルロワイアル以前と以降と言われるほど歴史的な小説ですが、なぜ電子書籍にならないのか不思議です。 最初のカバンに何が入っているか…運命が分かれますね。読者ならどう行動するか問題提議されているように思いました。 レビューを読んで頂きありがとうございました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
若い頃に読み、衝撃を受けました。また読みたくなって購入。歳をとってスマホやPCが普及した現代に読んでもとても面白かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
10年以上ぶりの再読です 一度読んだことがあるけれど、文句なしに面白いです 残忍・残酷な描写も多いのですが、最後まで一気に読みました また最初に読んだ当時は中3に妹がいたので、この理不尽なプログラム設定に 恐怖を感じたのを懐かしく思いました 映画も合わせて再度見てみようと思います | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今まで読んだ小説の中で一番印象に残った作品。それぞれの登場人物がしっかりと魅力を持っており、その人物が死ぬ度に心を動かされる。ストーリーも文句なしに面白い❗これまでたくさん小説を読んできたが、今でもこの作品が一番だと言える。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
元祖デスゲーム小説の走り キャラの心理描写やそれぞれの関係が描かれていて今でも楽しめます 設定の細かいところは気にしたら負け | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2000年当時の話題・問題作であり、510Pにも及ぶ厚めの文庫本(上編)です。 地図や生徒の名前リストが載っていて、イメージしやすかったです。 私はこの作品は映画から入りました。感想としては。。。 映画と比べて、各キャラのドラマがメインかなと感じました。 映画は限られた時間ということもあってダイジェスト感が強いです。設定もかなり変わっています。 その分、映画・原作どちらも楽しめました。 映画で各キャラが息絶える瞬間、文字のみのシーンがありますが、原作でも心の声が描かれています。 その心の描写が合う、合わないがあると思います。海外小説の翻訳本みたいな感じです。 私の場合、映画が社会派なだけに原作はパロディ・ドラマ色が強いので拍子抜けでした。 文学的な作品と期待して読んではダメでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
Knives outの原点がここにあります。 古い小説ではありますが、近未来っぽい話の様子。 R15指定? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
初めは、デスゲームとかサバイバルとか理不尽な状況による殺しあいという作品を否定したくて読み始めました。 もちろん、残酷な描写はあるし、不快に感じる場面もあったけれど、読後の感想は「面白かった」でした。 たくさんの人が死にます。 けれど、1人1人の死が決して「ただの死」ではなくて「意味ある死」として描かれていることがこの作品の魅力だと思います。 40人を超える人が死ぬわけなので、分量の差はいくらかはあります。 けれど、読み終わった後に不思議なくらいきちんと、1人1人の性格や死にざまが思い出されるのです。 ただ残酷で無慈悲な物語なのではなくて、死という永遠の終わりに際しているからこそ高まる友情や愛情、命の大切さを感じずにはいられませんでした。 ついつい肩入れしてしまったり、愛着をもってしまうほど登場人物の描写が細かいことがその理由になっているかと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
流行る前だよ。 最初は本がぶっといからダルく思えたが 読んでくうちにハマった。 次は誰が死ぬのか、ドキドキして気になって寝れなかった。 俺の生き残ってもらいたかった人物が死ぬ時は とても悲しかったことを覚えている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『バトル・ロワイアル』とはそういう作品であると思う。 実際、本作は日本ホラー小説大賞を受賞出来なかった事で当時有名になった作品である。ある選考委員からは徹底的に否定された問題作ともいえるだろう。 だが、結果としてその事が本作の知名度を上げることにつながった。本作は後に別の出版社から出版され、映画化及び漫画化もされた。 確かに本作が扱っているテーマは物議を醸すものではあるが、だからといって「臭いものにはふた」といった対応をするのは如何なものだろうか。毒にも薬にもならないような作品を読んでも感受性などは育まれない。寧ろ、本作のような劇薬のような作品こそが大きく人の感受性に訴えかける力がある。 本作についても表面だけをみれば、同じクラスの中学生同士が殺しあうという凄惨なものであるがその裏にはしっかりとした生命に対してのメッセージが存在している。 本作は劇薬であり、人を選ぶかもしれないが青少年にこそ読んでほしい作品ではないだろうか。 わたし自身、リアルタイムで本作が物議を醸している最中に作品を購入して一日で読んだクチだ。読んだからこそわかる感動とダイナミズムが本作にはある。 食わず嫌いで本作を敬遠している方は間違いなく損をしている。万人受けする作品ではないが、あえて劇薬と知った上で「読んでみたい」という強者にこそお薦めしたい傑作! (2017.10.8記) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
坂持金発は、3年B組金八先生のパクりです。あの武田鉄矢扮する、金八先生のしゃべり方で小説を読むと、映画化も北野武より、武田鉄矢の方が小説に近い人物像になったしょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今更説明不要な名作。 「クラスメイトで殺し合いをさせる。」なんて設定を思いついただけでも 面白さは約束されているようなモンだが それだけではなく、生徒一人一人のバックボーンから プロットまで、設定ありきでない魅力が詰まっていて 大袈裟じゃなく「価値観が変わる」ってこんな作品だな、と今更ながら思います。 初めてこの作品に触れた時は まだ学生で、解りやすく利己的に生きる人間を目の当たりにしたことがなく 性善説を本能的に信じていたと思うが 「こんな状況になったら一般的な現代人でも人を殺すわな」と 如何に世の中が欺瞞と綺麗事で溢れているかに気付かされた。 今はバトロワの影響で媒体、国内外問わず「デスゲーム系」と言われる作品が ちまたに溢れ、設定の衝撃度は薄まっているが 考え方を改めさせられた、当時はそんな人が沢山いたと思う。 自分は「映画」「漫画」そして「原作」の順番で見ていきました。 見てきた順番による主観は多分に入るとは思うが 自分なりに3つの媒体の違いを挙げたい。 「映画」は描写が比較的ではあるが常識の範囲内で一番共感できた。 原作には見受けられない「大人対子供」の構図があって 教師を「キタノ」とし、生徒と面識のある人物にしたことは良い改変だし 賛否ある様だが逆に桐山を謎の転校生、志願者とし 暴れっぷりや不気味さにも現実味が出ています。 ただ生徒の大半のドラマがガッツリ削られているので物足りなさはある。 そして「漫画」は兎に角「エログロ」で煽情的。 「杉村VS桐山」の格闘描写はやり過ぎで流石に萎えたし 女性(特に相馬光子)のクドい性描写も バトロワの持つ他の魅力をかすませている。 実際、原作の良さであり女性読者にも支持された理由の一つは 世界観の割に意外とエロくならないことだと思います。 出処が不確定であるし、それでも女生徒が襲われないことに現実性を欠いてはいても そこは作者も懸念したらしく設定を高校生ではなく 本格的に性に目覚める前の中学生にしたのもそこが理由だそうな。 尤も田口氏の画力のおかげで迫力と言う点では漫画が一番際立っていて 自分は読後の半日間、体調を崩しました(笑。 そして原作である「小説」。 やっぱり心の機微を表すと言う点で小説は適しているなと。 映画は時間の都合上、ダイジェスト感は否めない。 漫画は記号的かつ受動的すぎて作者の意図を見落としがち。 その点、小説では人物の感情を「文字」と言う制限の中で丁寧に描写して また読者も少ない情報でそれを読み取ろうとする為か 人物が何を考えて、何を思うかが一番頭に入ってきます。 特に印象が変わったのは 「日下友美子」と「北野雪子」の二人で 映画で見た時は「平和ボケしてるなぁ、そんな事をして解決できるわけないじゃん」 なんて二人に良い感情は持っていなかったし 漫画でも印象は変わらなかった。 だけど原作を読んで彼女らが自分達の行動の意味、結末が判った上で 信念をもって行動したんだと知って印象がまるで変わった。 寧ろカッコ良い二人だったんだ、と初めて理解できた。 あと個人的には「桐山和雄」「相馬光子」「川田章吾」「三村信史」の 4人のいないバトロワも読みたい。 バトロワの娯楽性は彼らのおかげであり 彼らの様な生徒がいない場合、みんな逃げ回って「時間切れ」 なんてこともよくありそうだが 普通の人達の陰湿な騙し合い、殺し合いの極限状態を読んでみたいと思う。 あとはこのプログラムの肝って それこそ綺麗事を振り翳す「七原秋也」や 虫も殺せないような「中川典子」の様なタイプがルールに則って 豹変し、化けの皮が剥がれることにあると思うんだけど 少年漫画の主人公、ヒロインよろしく 2人の人格は最後まで日常のままだったのが振り切れてない感じがします。 そりゃあ本当に現実的にするならば 本当に後味悪くて救いようのない話になってしまうんでしょうけど。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
軍事政権下の日本で政府の機関が中学一クラスを離島に強制連行、ランダムにアイテムを渡し生き残りをかけて戦わせる。 プロットだけ見れば単純。ちょっと前に流行したライトノベルと呼ばれるジャンルを想像する人も多いかもしれませんが、バトルロワイヤルはそれらとは一線を画します。 ⚪︎⚪︎中学校⚪︎年⚪︎組。学校生活を送る生徒は、大抵このくくりで十把一絡げにされるところですが、その括りを取っ払って生徒一人一人に焦点を当ててページを割いています。文字数ページ数ともに膨大であり、その分よく練られています。この点がライトノベルと呼ばれるものとの違いと感じます。 各生徒の人物像のプロットがしっかりと設定されているほか話の運び方がうまいため、登場人物が多くいるにもかかわらず混乱せずに読みやすい。丁寧につくられているので、普段本を読まないという人でもとっつきやすいと感じます。 頭の良し悪し、身体能力の優劣、信頼か不信か。それら数値化できる部分に影響を与える不確定要素の運と武器。 スーパーハッカー、銃の名手など「おいおい…中学生」という部分もありますが、誰がどのように生き残りを目指すのか?そして生き残るのは誰なのか?先の読めない展開でラストまで一気に読んでしまう面白さがあります。 感動系ではありません。スリリングな作品を求めている人にオススメ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
高校生の時に読みました。 6時間くらいかかったんですけど読み終わったらクラス全員の名前を覚えてました。 それくらい一人一人にストーリーがあって面白かったです。 映画は2時間しかないので仕方なかったと思いますが、本当は連続ドラマにして3クールくらい作ってくれればいいのに、と思ったくらい泣けて笑えました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
普段あまり小説を読まないのですが、これは面白かったです。 先に映画のほうを観て 「子供を恐れた大人たちがBR法を作った」という設定だったので 「なんだそりゃ」と思ったのですが、小説版を読んだら、意味が分かりました。 旧ソ連の実験みたいなものだったんですね。 映画では単なる悪役にしか見えなかったキャラクターたちの背景が分かって楽しめました。 個人的に一番心を打たれたのは相馬光子の死の描写です。 映画との相乗効果かな・・・G線上のアリアがBGMですごくキレイなシーンに見えましたから。 スティーブン・キングの「死のロングウォーク」が元ネタだと言われているようですが あまり似てないように思います。 ただ「城岩町」という名前が「キャッスルロック」に由来すると知って「おおっ!」と感動しました。 こういう小ネタで楽しませてくれたのもよかったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『蝿の王』(ウィリアム・ゴールディング著、平井正穂訳、新潮文庫)は、かなり以前から読まねばと思いながら、果たせずにきた本である。 ジュール・ヴェルヌの『十五少年漂流記』の系譜に連なる作品ということを知ったら急に読みたくなり、一気に読んでしまったが、これは少年のための物語なのか、大人のための文学なのか、未だに判然としない。著者のゴールディングが1983年にノーベル文学賞を受けたことは、はっきりしているが。 近未来に起こった世界大戦のさなか、英国から疎開する少年たちを乗せた飛行機が敵の攻撃を受け、南太平洋の孤島に不時着する。大人のいない環境の中で、6〜12歳の少年たちは選挙で隊長を選び、狩猟隊や、救助を求める烽火(のろし)の番をする係など、それぞれの役割を決め、生活のルールを定めていく。 豊富な食料に恵まれ、野生の豚が棲息する楽園のような島で、島内の探検に精を出すなど、当初は秩序ある平穏な生活を送るが、次第に、激しい内部対立が生じ、殺伐とした陰惨な殺戮へと駆り立てられていく。 海からやってきたのか、空からやってきたのか、闇に潜む得体の知れない「獣」の存在。少年たちは恐怖心に襲われ、狂気に囚われていく。 そして、「蝿の王」とは、いったい何者なのか。 やがて、少年たちの内面にも「獣」が巣くっていたことが明らかになる。 この作品は、人間の内なる暗黒をえぐり出すことによって、人間のあり方を問おうとしているのかもしれない。 映像で楽しむなら、DVD『蝿の王』(ピーター・ブルック監督、ジェームズ・オーブリー、ヒュー・エドワード出演、IVC)を薦めたい。 『蝿の王』の影響を受けていると思われる『バトル・ロワイアル』(''見広春著、幻冬舎文庫、上・下巻)を、『蝿の王』と読み比べてみるのも一興だろう。 映画化された『バトル・ロワイアル』のDVD『バトル・ロワイアル 特別篇』(深作欣二監督、藤原竜也、前田亜季出演、東映ビデオ)は、劇場版では削除された部分が復活している。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『蝿の王』(ウィリアム・ゴールディング著、平井正穂訳、新潮文庫)は、かなり以前から読まねばと思いながら、果たせずにきた本である。 ジュール・ヴェルヌの『十五少年漂流記』の系譜に連なる作品ということを知ったら急に読みたくなり、一気に読んでしまったが、これは少年のための物語なのか、大人のための文学なのか、未だに判然としない。著者のゴールディングが1983年にノーベル文学賞を受けたことは、はっきりしているが。 近未来に起こった世界大戦のさなか、英国から疎開する少年たちを乗せた飛行機が敵の攻撃を受け、南太平洋の孤島に不時着する。大人のいない環境の中で、6〜12歳の少年たちは選挙で隊長を選び、狩猟隊や、救助を求める烽火(のろし)の番をする係など、それぞれの役割を決め、生活のルールを定めていく。 豊富な食料に恵まれ、野生の豚が棲息する楽園のような島で、島内の探検に精を出すなど、当初は秩序ある平穏な生活を送るが、次第に、激しい内部対立が生じ、殺伐とした陰惨な殺戮へと駆り立てられていく。 海からやってきたのか、空からやってきたのか、闇に潜む得体の知れない「獣」の存在。少年たちは恐怖心に襲われ、狂気に囚われていく。 そして、「蝿の王」とは、いったい何者なのか。 やがて、少年たちの内面にも「獣」が巣くっていたことが明らかになる。 この作品は、人間の内なる暗黒をえぐり出すことによって、人間のあり方を問おうとしているのかもしれない。 映像で楽しむなら、DVD『蝿の王』(ピーター・ブルック監督、ジェームズ・オーブリー、ヒュー・エドワード出演、IVC)を薦めたい。 『蝿の王』の影響を受けていると思われる『バトル・ロワイアル』(''見広春著、幻冬舎文庫、上・下巻)を『蝿の王』と読み比べてみるのも一興だろう。 映画化された『バトル・ロワイアル』のDVD『バトル・ロワイアル 特別篇』(深作欣二監督、藤原竜也、前田亜季出演、東映ビデオ)は、劇場版では削除された部分が復活している。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『蝿の王』(ウィリアム・ゴールディング著、平井正穂訳、新潮文庫)は、かなり以前から読まねばと思いながら、果たせずにきた本である。 ジュール・ヴェルヌの『十五少年漂流記』の系譜に連なる作品ということを知ったら急に読みたくなり、一気に読んでしまったが、これは少年のための物語なのか、大人のための文学なのか、未だに判然としない。著者のゴールディングが1983年にノーベル文学賞を受けたことは、はっきりしているが。 近未来に起こった世界大戦のさなか、英国から疎開する少年たちを乗せた飛行機が敵の攻撃を受け、南太平洋の孤島に不時着する。大人のいない環境の中で、6〜12歳の少年たちは選挙で隊長を選び、狩猟隊や、救助を求める烽火(のろし)の番をする係など、それぞれの役割を決め、生活のルールを定めていく。 豊富な食料に恵まれ、野生の豚が棲息する楽園のような島で、島内の探検に精を出すなど、当初は秩序ある平穏な生活を送るが、次第に、激しい内部対立が生じ、殺伐とした陰惨な殺戮へと駆り立てられていく。 海からやってきたのか、空からやってきたのか、闇に潜む得体の知れない「獣」の存在。少年たちは恐怖心に襲われ、狂気に囚われていく。 そして、「蝿の王」とは、いったい何者なのか。 やがて、少年たちの内面にも「獣」が巣くっていたことが明らかになる。 この作品は、人間の内なる暗黒をえぐり出すことによって、人間のあり方を問おうとしているのかもしれない。 映像で楽しむなら、DVD『蝿の王』(ピーター・ブルック監督、ジェームズ・オーブリー、ヒュー・エドワード出演、IVC)を薦めたい。 『蝿の王』の影響を受けていると思われる『バトル・ロワイアル』(''見広春著、幻冬舎文庫、上・下巻)を、『蝿の王』と読み比べてみるのも一興だろう。 映画化された『バトル・ロワイアル』のDVD『バトル・ロワイアル 特別篇』(深作欣二監督、藤原竜也、前田亜季出演、東映ビデオ)は、劇場版では削除された部分が復活している。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!