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回帰者
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回帰者の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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アティカス・シリーズの最終章。 静かに隠遁生活を送っていたアティカスとアリーナだが、突然の隣人襲撃で渦中に身を投じることに。 国際的人身売買組織を追いつめていく緊迫感は最高、満身創痍のアティカスだ。 これで最後とはあまりにももったいない。 寡作で結構だから、ぜひシリーズ続編を熱望する。 | ||||
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第七作になる本書でコディアックシリーズが完結した。 終わってしまった、でもすごくよかった、また出会いたい、が正直な感想である。第一作のボディーガードとしてのハードボイルド小説から、暗殺者でのドラマとの運命的な出会いを経て、いつしか冒険小説へと変遷したが、全七作を通して読者を離さないリーダビリティーは他に類をみないレベルであり、稀代のシリーズが終わってしまった。 本作では世界的な人身売買ネットワークとアティカスの奮闘が繰り広げられるが、相変わらずのボーイスカウトぶりを発揮して、正義のために容赦なく突き進んでいく姿に取り込まれた。 | ||||
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グレッグ・ルッカの、“世界最強のハードボイルド”という惹句が付けられた、プロのボディーガード(パーソナル・セキュリティ・エージェント)、<アティカス・コディアック>シリーズの後期三部作の3作目、シリーズを通しては第7弾となる完結編。 ’10年、「このミステリーがすごい!」海外編で第20位にランクインしている。 前作『哀国者』からおよそ5年。‘わたし’ことアティカスは、旧ソ連の黒海に面したグルジア共和国コブレチの町の一軒家に、パートナーとその愛犬と共にひっそりと、しかし警戒にも抜かりなく暮らしていた。アティカス・コディアック、36才、夏。事件は起こった。親しくしていた隣人一家が惨殺され、14才の少女が連れ去られたのだ。‘わたし’は少女を取り戻すべく立ち上がるが、そこに国際的な人身売買組織のネットワークの影が浮かび上がってくる。 グルジアからトルコへ、ドバイへ、アムステルダムへ、そしてラスヴェガスへ、‘わたし’は何かに取り憑かれたように“世界の裏路地”を奔走する。‘敵’との激しいアクションの末、今回も全身傷だらけになる。彼女を見つけ出すことは、すなわちおぞましい悪に鉄槌を下す闘いであり、‘わたし’にとっては、かつての自分といまの自分に折り合いをつけようとする自己との和解であった。 第1作からの愛読者である私は、完結編である本書を、まるで慈しむようにじっくり読もうと思っていたが、ルッカの筆はそんな悠長にはさせてくれなかった。‘わたし’の次から次に転回するハイテンポな緊張感ある追跡行。後半には私立探偵ブリジットとその妹も登場し、このシリーズ全作に言える、最後の1ページまで息を抜けない緊迫のストーリーが読む者を没頭させて離さないのだ。 ’96年の『守護者−キーパー−』から、人を守ることを生業としていた男が、ある女に出会って激変する、その生き様を描いてきた“稀代のハードボイルド”シリーズは、現代ミステリー史に燦然と輝く足跡を残して’09年の本書で波乱の幕を閉じた。 | ||||
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遂にアティカスシリーズが完結してしまう(泣)。ファンとしては哀しいけどいつの日かまた会えると信じてます。あまりにも多くの悲劇を乗り越えて今のアティカスがあるけど、最後やから昔の仲間の事などがもっと書かれてたら良かったのに・・・・。まぁ〜一番好きなキャラのブリジットだけが最後まで変わらず登場するのは嬉しかったなぁ〜。ボディーガードから暗殺者の恋人へと変化していったアティカスやけど、その根底にあるものは初期のアティカスのままでした。アリーナとお幸せに。 | ||||
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グレックルッカのアティカス最終作、「えー本当といった印象と、何でこんなに早くといった消化不良」を率直感じた。現代ハードボイルドのシリーズ作としては、国内発売物ではコナリーのボッシュシリーズと双璧をなす傑作物として、個人的には評価していたし、出版不況の昨今、国内翻訳物しかり、サブプライムローン問題以降のアメリカでもかなりの消費不況から、あえて当代第一の人気シリーズを閉館してしまう必要を疑ってしまう。プロ野球でいえば、名選手、名投手でありながら、かなりの余力を残しての第一線からの引退とでもいえようか、ルッカ自体、さらなる飛躍の期待ができる作品があるのか分からないけれど、読書好きには、毎年、季節柄の楽しみの一冊が無くなってしまうことが、本当に残念です。作品的には、ブリジット姉妹が本作の重要な舞台に絡み、シリーズのエンディングを飾る一作に色を添えています。初めて読む方には、第一作から読んでほしいし、単発での読書は、本シリーズを読む上で、上策ではない。 | ||||
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グレックルッカのアティカス最終作、「えー本当といった印象と、何でこんなに早くといった消化不良」を率直感じた。現代ハードボイルドのシリーズ作としては、国内発売物ではコナリーのボッシュシリーズと双璧をなす傑作物として、個人的には評価していたし、出版不況の昨今、国内翻訳物しかり、サブプライムローン問題以降のアメリカでもかなりの消費不況から、あえて当代第一の人気シリーズを閉館してしまう必要を疑ってしまう。プロ野球でいえば、 名選手、名投手でありながら、かなりの余力を残しての第一線からの引退とでもいえようか、ルッカ自体、さらなる飛躍の期待ができる作品があるのか 分からないけれど、読書好きには、毎年、季節柄の楽しみの一冊が無くなってしまうことが、本当に残念です。 作品的には、ブリジット姉妹が本作の重要な舞台に絡み、シリーズのエンディングを飾る一作に色を添えています。初めて読む方には、第一作から読んでほしいし、単発での読書は、本シリーズを読む上で、上策ではない。 | ||||
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いや〜、この3部作は本当に面白かった。前作「哀国者」もよかったが、今回は東欧-西欧-米国を結ぶ闇の少女人身売買組織の徹底壊滅を、僅か数人で成し遂げると言う超弩級の物語。切られても、撃たれても、これでもかと壊滅に向けて前進を止めぬアティカス、そして久々のローガンも登場、猛犬ミアタも獅子奮迅の活躍、ラストに相応しい快作。何も考えず、物語に没入してしまい、電車の中だけで4時間程度で読了。この夏一番の面白本でした。 | ||||
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警察でもFBIでもなく、ボディーガードという特殊な職業の若者のストーリーで、お気に入りのシリーズも、今回で完結。他の作家のシリーズ物は、主人公がいて、その主人公を取り巻くサブキャラがいて、事件に巻き込まれたり、捜査したり…ですが、捜査する人ではなく、守る人で、しかもサブキャラが容赦なく死んでいきました。ブリジットが猛烈に怒る気持ち、分かる〜〜〜。なんで暗殺者と一緒に暮らしてるんだ!?って。まさかこんな方向に話が進むとは思わず、依頼を受けて人を守るのではなく、自ら進んで少女を救出に行く、まさにヒーローそのもの。とにかく終わってしまったのが、本当にショックです。一人称の物語なので、主人公(アティカス)以外の人が、同時にどんな行動を取ったのかが分かりづらいものなんですけど、他の人の話を聞いたことを、回想のように組み込む手法(上手に表現できないのですが)は、スピード感を落とすことなく、まさに秀作だと思います。ヨーロッパ方面には疎いので(そもそもグルジアってどこ?)、できれば、簡単な地図でもあれば…と思い、★マイナス1ってことで。 | ||||
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今までのアティカスシリーズは、いわゆる「巻き込まれ型」のストーリー展開でしたが、今回の話は完全に能動的に動いているのが従来作との最大の違いでしょう。「回帰者」では追われる場面はありません。救出するべき少女を探し、ただひたすらに敵を追い詰めていきます。ルッカがこの作品にどのような意味を与えたのかはわかりませんが、今までのシリーズでは生き延びることを最大の目的としており、ある意味では「善悪の彼岸」で展開していたのに対し、回帰者でのアティカスの足はしっかりと「善」の側にあります。そうは言っても今までの話との違和感がないのは、アティカスは状況としては善悪の彼岸で動いていたとはいえ、個としては頑ななまでに己の価値観、倫理観に忠実であったからでしょう。何作目かは忘れましたが、ドラマがアティカスに警護を頼む時に、アティカスは「依頼人の安全が確保されさえすれば、その後で独り危地に向かうことは警護者として納得でき、フェアだと思う」人間だからというくだりがありますが、ルッカとしてはシリーズの最後に、アティカスの個としての思いを存分に発揮させるための舞台を用意したということでしょう。現代のように複雑な社会においては万人が「善」であるとみなす状況は多くありません。ここであえて「人身売買」というテーマを持ってきたのは、これをせん滅することはまず全ての人が善である看做すからかもしれません。ルッカのアティカス、レヘインのケンジー、ヴァクスのバーク、いずれも斜に構えて己の正義を貫く人々ですが、一昔前のマーロウよりも屈折していて複雑です。今まで「生き延びるために」戦ってきたアティカスとアリーナが、己の信念に従ってこちらから戦いに出る物語です。ようやく平穏な生活を実現したアリーナには抵抗があった(他にも理由がある)わけですが、それを乗り越えたことで、この二人は本当の意味での伴侶となることを予感させます。今回はシリーズ最終作にふさわしくブリジット姉妹が重要な役割を果たします。これがシリーズ最後の作品とは、本当に惜しいですね。最高潮でのシリーズ終了を、あえて実現するルッカに「本物」を感じます。 | ||||
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