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パラサイト・イヴ
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パラサイト・イヴの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全38件 21~38 2/2ページ
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車を運転中に突然、意識を失い電柱にぶつかり脳死してしまった妻・聖美。大学で薬学の研究をしている利明は妻の肝を譲り受け、観察をすることを決意する。当時の近代医学の最高峰を描いた臓器移植と壮大なSF染みたテーマが渾然一体と融和した傑作ホラー作品。 筆力に脱帽した。薬学と医療の専門用語をふんだんに取り入れたにも関わらず、状況を喚起させ、前へ前へと読ませる。私は文系人間で、本来こういった小説は毛嫌いする人間であるにも関わらず、である。これで処女作なのだから、天才と呼ばざるを得ない。 ただ、ラストはSF定番のオチで、謎は謎のまま終わってる点はどうなのだろう。 | ||||
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理系作家によるSFホラーとして話題になったベストセラー作品にして、著者のデビュー作長編です。 今読み返してみても、専門知識に裏打ちされた世界観と、緻密に練り上げられたプロットのバランスがうまく取れているいい作品だと思います。 その一方で、人物造形や心理描写といった語り部としての力量は今一つとも感じられる点がありますが、次々に提示される知識(うんちく)やどんどん積み重ねられていく論理による圧倒的なスピード感の前に、難なく最後まで読みきってしまいます。 デビュー以降の瀬名氏の作家としての変遷を俯瞰してみると、デビュー当時の長編作品(パラサイト・イブ及びブレイン・ヴァレー)では先端科学技術を前面に押し出した壮大な構想に基づくSFホラー、その後の短編作品(ハルや第9の日)や長編作品(デカルトの密室)では人間の心をテーマにした哲学的SF、というように明らかな主要テーマの移行が見られるように思います。 あくまでも私見ですが、瀬名氏の場合、長い取材・準備期間を使って知識とロジックで組み上げたような、いわば理系のレポート系の長編作品(すなわちパラサイト・イブ及びブレイン・ヴァレー)の方が、断然出来が良いように思います。 最近のロボットものの短編作品を読んでいると、どうしても肝心なところでモノガタリの迫力が足りず、悩める主人公に感情移入できないまま終わってしまうのです。 他の作品についての所感はそれぞれの作品の書評にコメントしましたので、興味のある方はぜひそちらもご一読ください。 | ||||
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読了後の感想は,「素晴らしい」のひと言に尽きる.何がそんなに素晴らしいかというと,本書の執筆当時,著者が理系の大学院生だったことが信じられないぐらい,情景,人物,心理が緻密に描写されている点である.またホラー小説としての完成度も非常に高く,読者を恐怖のどん底に引きずり込んでいく.その当時,著者は生化学の研究を行っている大学院生であり,その状況から事故で亡くなった愛妻の肝細胞を培養するというストーリー展開を着想したのであろう.本書では,生化学の難解な専門用語が多用されているが,それは些事に過ぎず,ストーリーの理解を妨げることはない.メディカルミステリーの分野を確立した海堂尊氏と比較すると,描写力の点では,著者(瀬名秀明氏)の方が1枚も2枚も上手ではなかろうか.ただ,海堂氏は医療業界の持つ問題点を読者に提示し,世論を盛り上げ,問題を解決していこうという姿勢であり,その点は非常に尊敬している.兎にも角にも,未読の方は,ぜひミトコンドリアの恐怖を味わっていただきたい. | ||||
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脳死をした妻の肝臓の細胞をひそかに培養。 ところがその細胞が爆発的に増殖、分化し意思を持って動き始める。 彼女の目的は? 交通事故で脳死となった妻の死を受け入れられない永島。 腎移植を成功させたいと願う吉住。 腎臓の移植を拒む中学生の麻里子と、かつて自分の腎臓を提供することに躊躇した麻里子の父。 永島の下について実験に打ち込んでいる大学院生の浅倉。 登場人物一人一人の心の動きや行動が丁寧に描かれていて、場面展開もスムーズなので厚い本なのに最後まであきません。 夜更けの実験室の奇妙な感覚と、化け物がひそかに生まれて我が身を増殖させている恐怖。 とても面白かったです。 | ||||
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原核細胞が真核細胞へ進化するとき、ミトコンドリアという別の生命体が取り込まれます。それによって真核生物は莫大なエネルギーを得ることが、可能になり、大型化が可能になりました。ミトコンドリアはヒトとはまったく個別のDNAをもち、卵子の細胞質で遺伝してゆく母系遺伝を行います。個体の中に全く別の生命体が共存し、助け合っていることは、珍しくありませんが、ミトコンドリアのように生物の根幹に入り込んでいる例は珍しいといえます。また、ミトコンドリアはアポトーシス(自然死)の重要な鍵を握っており、生かすも殺すもミトコンドリア次第なのです。そんなふしぎなミトコンドリアと生物の関係を、大切な人との死別、なんとしてもその人の部分、細胞だけでも生かし続けたいという人の情念を結びつけた快作だとおもいます。ラストがややトーンダウンしてしまい残念ですが、作者のデビュー作にして代表作といえる作品です。 | ||||
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細胞内でエネルギーを生産するミトコンドリアが人間に反乱を起こすという筋書きのSFホラー作品。作者が東北大薬学部出身の理系の作家なので、専門用語が非常に多く、文章が多少難解なきらいはあるが、その分、生々しい描写のリアルさは圧倒的。後半ストーリーが急展開を迎え、一気にハリウッド映画のような展開に移行していく。以降、ストーリーの流れが多少駆け足過ぎた感じはするが、全体を見るとホラーとしての仕上がりは一級品。現在はブックオフ等で安く廉価版を入手できる。是非お勧めの一冊。 | ||||
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日本では作家は文系というイメージが強いかもしれないが、著者は東北大学薬学部を卒業した理系作家。従来の作家では考えつかないような「ミトコンドリア」を背景に物語が展開していく。文章はとても整理されており、個人的には読みやすかった(専門語が難解ということを除いて)。物語はゆっくりと進んでいくが、ラストは少し唐突な印象を受けたのでもう少しスローペースでもよかったかも。1995年に発表された当時はハードカバーだったが、文庫化され電車の中などでも気軽に読むことができるようになった。1996年には角川文庫でも取り扱っているので、古本屋などで安く発見できる可能性は大。(もしハードカバーが好きという方であれば、「ブックオフ」などでも安い値段で見つけることができる)大学の博士課程まで進んだ著者の文章は、とても洗練されており今でもその文体を参考にさせていただいている。文章を書くのが苦手という方には、一度、瀬名氏の文章を読んでみることをおすすめしたい。書くということについてとても多くのことを学べ、尚且つストーリーも面白い。 | ||||
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作者は作家に転進する前、東北大学の研究室で「ミトコンドリア」の研究をしていた。共著で「ミトコンドリアと生きる」という初心者向け学究本も出している。本書はその経歴を活かし、ミトコンドリアによる人間支配というテーマを扱っている。当然遺伝子、DNA等の用語・解説が出てくるが、こうした分野に興味のない方はストーリーを楽しむという所までは行かないであろう。ホラー大賞受賞作だが、前述のような事情と話の組み立て方がロジカルなので、ホラーを読んでいるという感じはしない。ミトコンドリア遺伝子が女性を通じてのみ遺伝するというのも、話のテーマとマッチしている。最先端遺伝子工学とホラー味を融合させた佳作。 | ||||
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移植、手術、遺伝子のこと等々、普段私たちが触れることが出来ないことが書かれていました。正直、小難しい言葉で書かれているので、読みにくいというか、読むのに少し疲れる、という感じでしょうか。読み終えた後は、少し達成感も。さすがホラーという所で、描写がかなりリアルです。リアル過ぎて、グロさが結構多いかも知れません。得たいの知らない物が近づいてくる恐怖。謎のミトコンドリア。と、どんどん謎が謎を呼ぶって形なんでしょうか。確かに全ての謎は解けませんが、話のキー的部分はしっかりと答えが出ているので、全ての謎を出さない所もまた宜しいかと。また性描写も結構激しく、グロさもあるので、ある程度慣れていないと吐き気がするかも??実際私も少し吐き気が・・・。まぁ、そのくらいリアルってことです。ホラーを色々な角度から見たい方にはお勧めかもです。 | ||||
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いつも思うんですけど、こういう作品って、映像化するとかえって面白くないということがしばしばあるんですね。実際、映像化された方は考えていたほど面白くなかったし。 SFホラーとしてはなかなかの出来で、ミトコンドリアという、誰でも内包しているものが自我を持ち、人類に反逆を仕掛けるという点は確かに素晴らしいです。恐怖感もまた十分伝わってくるし。なにせ自分も持っているわけですから。でも、どうして映像化してしまうと面白くないんだろう?不思議だ…。 医学用語とか多くて、確かに読みづらい点はありますが、映像作品よりもならばこちらの方がお勧めです。 | ||||
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瀬名秀明氏の小説を読んでいつも思うことは、主人公が“非常に格好良い”ということである。正直、物語の中には最近のホラーの傾向からかグロい部分もあるし、その他未成年には正直勧めにくい描写もあるが、こういった部分に主人公が荷担しないことで、主人公の清廉さが際立っているのだろうか。『パラサイト・イヴ』はそうではない。 大学の薬学部に勤務する主人公=永島利明は、交通事故死した妻の肝細胞を培養する、という偏愛というか狂気にとりつかれてしまう。人知を超えた存在の所為……でもあるが、他の瀬名小説にある“主人公の格好良さ”を、私は感じられなかった。初期の作品であるが故か?しかし、最近の著作とまた違ったカラーとして、新鮮で楽しめる(その分、結末近くの成り行きはちょっと趣味が悪い感が否めなくもある)。 文章も近著ほどに洗練されてはいない気がするが、それもこの作品のカラー。その分(?)視点の切り替えが少ないので、読みやすいかもしれない。文章の緩急の付け方もさすがで、怒涛のように流れる展開においては、文字を追う目のスピードも自然と速くなるから不思議だ。 他の瀬名小説と共通するのは、やはり専門用語が多く出るところ。苦手な方は、雰囲気を楽しみつつ流し読みしても問題ないかと思うが、これは知的欲求を満たすだけでなく、物語に深みを与えるエッセンスでもある。細胞の中のミトコンドリアが意思を持ち、宿主たる細胞、人間をも内側から操っていく……という話の合間に様々な知識が挿入されることによって、よりストーリーに矛盾を感じず読み進めることが出来るように思う。 目から入るのは文字情報のみだが、五感で読める小説だ。 | ||||
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医学用語が多くて読みづらいところが多いですが,全体的に楽しめました.ミトコンドリアの反乱というテーマで,適度に気持ちの悪さがあります.ミトコンドリアは誰にでもあるものだし.大胆な発想だなぁと思いました.また,移植の話も興味をひきました.自分というものがわからなくなる不安感や,提供者への後ろめたさのようなものが感じられました.先がきになって一気に読みました.最後はあっけなく終わった感がありますが,楽しめると思います. | ||||
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人間の細胞60兆 さらに DNA全ての情報を使っていない状態の人間その中のミトコンドリアの可能性に 引き込まれました。100年もしたら 人間は不老不死になるそうですが そこまで生きてないだろうしなぁ(ToT) | ||||
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途中で止めて眠るときになると、なにごとか説明できない、柄も云わぬ不安感を誘いました。すべての生き物の身体に存在して共存する、薄気味の悪いミトコンドリアと、イヴ。人間の隠れたおぞましい部分が、細胞増殖・実験という形を借りて描写されている。妻への偏執的ともとれる愛情の末に、つくりだされた恐怖……。何処で人間が動作の機能をおこなうか目に見えて面白い。なにもかも科学的に書いてある説明も比較的理解しやすいと感じたが、とにかくわかればそんなことどうでもよいように読めてしまうストーリーは心理的にわかりやすいもので、比較的良い展開だと思う。全体にどこかすべてわかりきった感が漂っていた。イヴはおそろしき"女性"である。 | ||||
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読んでいて「ジュラシックパーク」を読んだときに感じた恐さが蘇ってきた。完璧な文系人間にはこういった最先端の理系小説はどこまでがホントでどこからがウソなのかいまひとつわからないところが恐さを増幅させているように思うのですが・・・ともあれ意志を持ったミトコンドリアが暴走するというストーリーはとても新鮮で面白かった。この作者、女性経験が少ないんじゃないか?と思わせるところがちょっと残念。 | ||||
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生命誕生間もない頃に、単細胞生物に寄生したミトコンドリアが、今頃になって反乱を起こすというアイデアは非常にすばらしいと思う。そこに、死んだ妻への未練や、臓器移植者の苦悩などと言った、人間の感情が絡んで展開していくストーリーも見事である。ただ、ミトコンドリアが結局何を成し遂げようとしたのか、良くわからなかったし、人体自然発火の説明がいい加減である所など、不満点もある。 | ||||
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人間の細胞の中に共存しているミトコンドリア。そのミトコンドリアが人間を利用し、遥かなときを経て侵略を始める。細部に渡ってまで、科学的に書かれている。そんな中に小説の娯楽性を加えたということにおいて、とても興味深い作品に仕上がっている。実際に起こらないとは決して言えない恐怖が何とも言えない。 | ||||
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この本は人間のDNAとは別にミトコンドリアも別にDNAを持っているというところに着目した本です。ミトコンドリアは人間にとってエネルギーを造る場所であってミトコンドリアなしでは生きられません。もしそのミトコンドリアが意思を持ち人間を攻撃したらどうなるだろう?ということを書いた本です。ミトコンドリアってなに?って思う人もいるかも知れませんが、読めばその説明も書いてあるので安心です。別に「パラサイト・イブ」というこの本を題材にした映画やゲームもあるのでこの本を読んで興味がわいた方はどうぞ。 | ||||
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