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殺しの双曲線
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【この小説が収録されている参考書籍】
殺しの双曲線の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全37件 21~37 2/2ページ
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「事件の終幕」と題される、残り数十ページの楽しさといったらない。 そこに至る過程も勿論だけれど、あの場面の盛り上がりのためにあれだけの舞台と設定を整えた手腕に舌を巻く。 犯人との対決の会話劇は非常に楽しく読めた。傑作だと思う。 | ||||
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双曲線は,決して交わることがない2つの曲線で,なおかつ対称的である。 双子が出て来るという話しが有った時に,2つの双子の話しだろうと思った。 2つの話しが交互に出て来るので,どこかで焦点が合うのではないかと。 最後の最後に収束したので双曲線ではないが,みごとに作者に騙された。 推理小説としては,アガサクリスティの「そして誰もいなくなった」と,2つの双子の話しと,並列な話しの展開と,本格推理小説の醍醐味を味わえた。 | ||||
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岡嶋二人の傑作『そして扉は閉ざされた』のレビューを書いている途中で、「そうだ、あんな面白作もあったっけ」と思い出したのが本作。トラベルミステリーの大家、或いはテレビの二時間サスペンスの原作キングとして、推理小説読者ならずとも知れ渡った西村京太郎。「何だ、十津川警部が電車に乗って、所轄も担当も関係なしに日本中どこの事件でも首を突っ込んでゆく、超マンネリドラマ原作なんかいらんよ」と、早くも途中下車しようと腰をあげたくなった方も、この作品には乗車してみても良いと思います。 本作はトラベルミステリーではなく、『そして誰もいなくなった』などに代表される、閉ざされた密室空間での推理劇。冒頭に「この作品のメイントリックは双生児であることを利用したものです」と、大胆にもトリックを明かした作者の注意書きが提示されている。これでグッと読者の興味を引きつけたうえで、双生児の兄弟による奇妙な強盗事件と、前述の雪に閉ざされた山荘での連続殺人劇が、交互に同時進行してゆく。この二つの事件が平行して描かれるという手法のために、舞台と登場人物が限られている『山荘もの』にありがちな退屈感から逃れ、二つのストーリーがどう結びついてゆくのかという期待感で、ラストまで読者を飽きさせず引っ張ってゆくという趣向だ。 正直、重箱の隅を突こうとすれば、突っ込みどころは幾らもある。元来、西村作品は全般にわたって、文章も構成も論理も荒削りだ。だが、それが裏腹に、読みやすさとスピーディなサスペンスを約束してもいる。トラベルミステリーを大量生産しはじめた後の作品は、この荒削りがすぎて、内容スカスカの惨状にまで至っているが、初期作品である本書は、スリリングに一気読みを楽しめる快作となっている。二時間ドラマの先入観を捨てて、一度ページを開いてみていい作品だと思う。他に『消えたタンカー』や『名探偵なんか怖くない』などが、西村気質の荒削りが、作品を面白くするいい方向に現れたオススメ作である。 | ||||
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西村京太郎氏も赤川次郎氏も、デビュー当初は本格派ミステリ作家として評価されていました。 その後、時が経つに連れて『売れる作品』を量産していくのですが… 本書は、その『本格派』としての西村氏の力量が余す所なく発揮されています。 日本ミステリ史として、社会派後の、まだ新本格派の作家が登場してくる遥か以前に著されており、『ミステリ評論』のターゲットからは漏れていると思いますが、現在となっては、正しく『日本ミステリの古典の一つ』として扱って良いと思います。 PCゲーム『ひぐらしのなく頃に』『うみねこのなく頃に』をプレイされている方には、『火刑法廷』と並んで、是非お勧めいたします。 | ||||
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西村京太郎氏も赤川次郎氏も、デビュー当初は本格派ミステリ作家として評価されていました。 その後、時が経つに連れて『売れる作品』を量産していくのですが… 本書は、その『本格派』としての西村氏の力量が余す所なく発揮されています。 日本ミステリ史として、社会派後の、まだ新本格派の作家が登場してくる遥か以前に著されており、『ミステリ評論』のターゲットからは漏れていると思いますが、現在となっては、正しく『日本ミステリの古典の一つ』として扱って良いと思います。 PCゲーム『ひぐらしのなく頃に』『うみねこのなく頃に』をプレイされている方には、『火刑法廷』と並んで、是非お勧めいたします。 | ||||
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「そして誰もいなくなった」を意識して書いた大意欲作です。 普通に「そして誰も〜」をただなぞるだけでは、「”作者の挑戦”としてとらえてみてどう思うか?」、「読者が読み進めていて面白いか?」、という二つの疑問の両方に「つまらない」としか言えません。しかしこの作品はそこをちゃんと理解して書かれているのがスゴい。 まず最初に作者の言葉として「この作品のメイントリックには双生児が関わります」ということをはっきり明示。これで否が応にも読者は”双子”に注目せざるをえません。 次にAパートとして、双子の起こす一風変わった強盗事件の話が、Bパートとして、豪雪地帯の旅館に招待された人々の間に巻き起こる連続殺人事件の話が、A、B、A、Bというように、交互に語られます。 これによって、「AとB、二つの事件はどこで交わるのか?」という小説的な興味をそそる効果を挙げる一方、二つの事件をテンポよく交互に語ることで、だらだらとした展開になることを抑える効果も挙げています。 閉鎖環境下での連続殺人事件、などというのは今までにも相当な作品数が書かれてきましたからどうしても退屈になりがちだと思いますが、それを強盗事件のパートを挟むことで読者の興味をうまく繋げているのですから流石です。 オチもかなり意外だったので、読んでいて非常に楽しめました。 「西村京太郎=中高年齢層のサラリーマン相手に荒稼ぎしているマンネリ作家」という認識で、読まず嫌いをしていた自分が恥ずかしいぐらいです。 | ||||
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「そして誰もいなくなった」を意識して書いた大意欲作です。 普通に「そして誰も〜」をただなぞるだけでは、「”作者の挑戦”としてとらえてみてどう思うか?」、「読者が読み進めていて面白いか?」、という二つの疑問の両方に「つまらない」としか言えません。しかしこの作品はそこをちゃんと理解して書かれているのがスゴい。 まず最初に作者の言葉として「この作品のメイントリックには双生児が関わります」ということをはっきり明示。これで否が応にも読者は”双子”に注目せざるをえません。 次にAパートとして、双子の起こす一風変わった強盗事件の話が、Bパートとして、豪雪地帯の旅館に招待された人々の間に巻き起こる連続殺人事件の話が、A、B、A、Bというように、交互に語られます。 これによって、「AとB、二つの事件はどこで交わるのか?」という小説的な興味をそそる効果を挙げる一方、二つの事件をテンポよく交互に語ることで、だらだらとした展開になることを抑える効果も挙げています。 閉鎖環境下での連続殺人事件、などというのは今までにも相当な作品数が書かれてきましたからどうしても退屈になりがちだと思いますが、それを強盗事件のパートを挟むことで読者の興味をうまく繋げているのですから流石です。 オチもかなり意外だったので、読んでいて非常に楽しめました。 「西村京太郎=中高年齢層のサラリーマン相手に荒稼ぎしているマンネリ作家」という認識で、読まず嫌いをしていた自分が恥ずかしいぐらいです。 | ||||
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本書は大胆にも、本編が始まる前に作者自らがメイントリックは双生児で形成されていると記 している何ともフェアで何ともストレートな作品です。双生児が巻き起こす銀行強盗と雪山で 起きる連続殺人事件が平行して進む中、当たり前にそれがどう絡み合うのかと考える内、全然 絡み合わないことに慄いたりするけど、でも核は双生児と宣言されちゃってるもんだから必死 に考えるんですよね(笑)。それにしても巧い、実際読後にこれほど欺かれた感がある作品は そうそうないです。クリスティの『そして誰もいなくなった』に対する親愛の情もいい。 西村京太郎らしさとか、西村京太郎じゃなきゃできない魅力と云うならば他に該当する作品は 沢山ありますが、あくまで普遍的な本格物に挑戦しても、やはり他とは一線を画するほど別の 次元へ到達してしまう稀有な才能をまざまざと感じれる一冊ですね。 | ||||
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本書は大胆にも、本編が始まる前に作者自らがメイントリックは双生児で形成されていると記 している何ともフェアで何ともストレートな作品です。双生児が巻き起こす銀行強盗と雪山で 起きる連続殺人事件が平行して進む中、当たり前にそれがどう絡み合うのかと考える内、全然 絡み合わないことに慄いたりするけど、でも核は双生児と宣言されちゃってるもんだから必死 に考えるんですよね(笑)。それにしても巧い、実際読後にこれほど欺かれた感がある作品は そうそうないです。クリスティの『そして誰もいなくなった』に対する親愛の情もいい。 西村京太郎らしさとか、西村京太郎じゃなきゃできない魅力と云うならば他に該当する作品は 沢山ありますが、あくまで普遍的な本格物に挑戦しても、やはり他とは一線を画するほど別の 次元へ到達してしまう稀有な才能をまざまざと感じれる一冊ですね。 | ||||
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他のレビューにもある通り、本書はトラベルミステリーではありません。最近の十津川警部シリーズを読み慣れた方からすると、「本書は、 良くも悪くも西村京太郎らしくないミステリー」といえるのではないでしょうか? 全体的にトーンが暗く、ミステリアスな写実の奥に、事件 の奥底に眠る闇を感じてしまうからです。 一方で、上記のような内容であるが故に、殺人事件の背後にある人間の罪深さを垣間見ることになります。「双子」を使ったトリックの巧妙さ もさることながら、一歩間違えば、善良な市民が加害者になり、被害者と呼ばれる人が罪を犯してしまう現実の儚さを実感させられる、人間 の心の奥底に迫るミステリー小説だと思います。 | ||||
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他のレビューにもある通り、本書はトラベルミステリーではありません。最近の十津川警部シリーズを読み慣れた方からすると、「本書は、 良くも悪くも西村京太郎らしくないミステリー」といえるのではないでしょうか? 全体的にトーンが暗く、ミステリアスな写実の奥に、事件 の奥底に眠る闇を感じてしまうからです。 一方で、上記のような内容であるが故に、殺人事件の背後にある人間の罪深さを垣間見ることになります。「双子」を使ったトリックの巧妙さ もさることながら、一歩間違えば、善良な市民が加害者になり、被害者と呼ばれる人が罪を犯してしまう現実の儚さを実感させられる、人間 の心の奥底に迫るミステリー小説だと思います。 | ||||
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西村京太郎がトラベル物を書き始める前の頃の作品。 巻頭で双子を利用したトリックを使っている、と宣言しているのがミソでこれがミスディレクションになっている。トリックそのものは驚天動地といった類のものではないが、巧みという印象。マンネリの代名詞のようなトラベル物のせいであまり評価は高くないが、この作家にはまだまだ埋もれた傑作がありそう。 | ||||
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西村京太郎がトラベル物を書き始める前の頃の作品。 巻頭で双子を利用したトリックを使っている、と宣言しているのがミソでこれがミスディレクションになっている。トリックそのものは驚天動地といった類のものではないが、巧みという印象。マンネリの代名詞のようなトラベル物のせいであまり評価は高くないが、この作家にはまだまだ埋もれた傑作がありそう。 | ||||
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西村京太郎といえばトラベルミステリが有名ですが、彼がトラベルミステリを書くようになったのはデビューから14年も経ってからのことです。デビュー7年目に書かれたこの作品には、その片鱗は微塵もありません。本作は、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』に挑戦した本格推理です。『そして誰もいなくなった』に挑戦した作品とは結構あるようですが、綾辻行人の『十角館の殺人』と共に単なるオマージュを超えた傑作と言っていいでしょう。基本的には謎解き主体のトリッキーな作品ですが、犯人の動機には社会派推理的な要素が導入されているところが、この時期の西村らしいところです。動機が明らかにされた時、私は「自分もまた殺されるほど恨まれることがあるかも知れない」と気づき、慄然とせずにはいられませんでした。 | ||||
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西村京太郎といえばトラベルミステリが有名ですが、彼がトラベルミステリを書くようになったのはデビューから14年も経ってからのことです。デビュー7年目に書かれたこの作品には、その片鱗は微塵もありません。 本作は、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』に挑戦した本格推理です。『そして誰もいなくなった』に挑戦した作品とは結構あるようですが、綾辻行人の『十角館の殺人』と共に単なるオマージュを超えた傑作と言っていいでしょう。 基本的には謎解き主体のトリッキーな作品ですが、犯人の動機には社会派推理的な要素が導入されているところが、この時期の西村らしいところです。動機が明らかにされた時、私は「自分もまた殺されるほど恨まれることがあるかも知れない」と気づき、慄然とせずにはいられませんでした。 | ||||
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西村京太郎さんといえばトラベルミステリなんでしょうが、 この作品は本格ミステリ。トラベルものを書く西村さんしか 知らない人は、一読をオススメします。 勿論、本格ミステリファンの人にもオススメ。 双子の泥棒の犯行を描きつつ、 それと並行して雪のホテルで連続殺人が描かれます。 2つの事件がどのように絡まっていくのか・・。 また作品の冒頭で、西村さんからこの作品のメイントリックが 読者に提示されます。最初にトリックを明かすという行為が、 西村さんの自信を表しているとも言えるでしょう。 1971年の作品ですが、古さは全く感じません。 | ||||
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西村京太郎さんといえばトラベルミステリなんでしょうが、この作品は本格ミステリ。トラベルものを書く西村さんしか知らない人は、一読をオススメします。勿論、本格ミステリファンの人にもオススメ。双子の泥棒の犯行を描きつつ、それと並行して雪のホテルで連続殺人が描かれます。2つの事件がどのように絡まっていくのか・・。また作品の冒頭で、西村さんからこの作品のメイントリックが読者に提示されます。最初にトリックを明かすという行為が、西村さんの自信を表しているとも言えるでしょう。1971年の作品ですが、古さは全く感じません。 | ||||
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