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優しいおとな
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優しいおとなの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 1~20 1/2ページ
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桐野夏生の小説は、心に不満や闇をかかえた女性が多いイメージだが、少年とは新鮮。しかも少年の心の複雑な描写を表現しており、丁寧に取材したのだろうか? したとしたら、このようなホームレス少年に話を聞けたのだろうか。 また、本当に悪者は一人しかおらず、みなどことなく「やさしい」面を持っている。唯一の悪者の結末も知りたかったです。 | ||||
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桐野夏生好きなら物足りなさを感じるような気がします。 前はもっと切れ味が鋭かったような。 | ||||
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男の事が分かってるようで分かってないですね、 作品中に出て来る年頃の子はいくら栄養失調でも性欲だけは盛んです、抑えても抑えても溢れて来る性欲に誘導されて異性を望み同性と戦う、そこから人間関係が生まれてやがて社会となります。 この作品にはオナニーも出て来なければゲイもレズビアンもない。 そんな近未来小説などただのレディスコミックみたいなもの。 これが篠田節子なら全然違っていただろう。 | ||||
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桐野夏生は3F小説の代名詞と言われた時があったが今では日本を代表する作家の一人。この人の男主人公の作品が珍しいので新鮮な気持ちで読めました。いつもの桐野夏生らしい陰鬱とした感情描写は抑えられて後半に行くにつれて主人公の成長が丁寧に描かれていると思いました。背景描写も非常に細かく引き込まれました。100年後の渋谷はこんなんになってるかも? ただ個人的には多少なりともハッピーエンドを期待してしまいました。最後に“死”が最も優しいものと捉えられるような終わり方になっているためイオンは最後まで不幸だったなと思いました。フランダースの犬でレンブラントの絵画を見た後に息絶えるパターンの終わり方と一緒で最悪の中の最善を示されても、本当にこれでよかったのかなと思う所があります。自分のために残す銃弾1発が自分の死に直結したことを考えると何とも皮肉を感じます。ハッピーエンドにしないのは桐野夏生らしさですね。柔らかな頬のモヤモヤ感をまた味わいました。 | ||||
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商品の状態が良く、とにかく装丁が気に入っていたので安価で購入できてラッキーでした。内容は既に読んで知っていましたが、部屋のオブジェとして買いました。 | ||||
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高校生のころ新聞に載っていたスカイエマさんの挿し絵に惹かれ、少し読んですぐに引き込まれました。全部読んでみたくて当時の自分では珍しく本を買ったことを覚えています。 スカイエマさんの絵もあいまって、主人公イオンが渋谷の街や地下を生きる情景がアニメーションのように鮮明に脳裏に浮かび、一緒に冒険しているような気持ちになりました。 また、イオンをはじめモガミや錫など、作中に出てくる登場人物も魅力のひとつだと思います。おとなや子供、様々な人と交わり変化していくイオンから目が離せなくなります。 高校生だった当時も今も、読後には渋谷で生活しているイオンがとても懐かしくなるような感覚が残り、きっとまた読み返したくなるんだろうなと思える一冊でした。 | ||||
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福祉制度が崩壊した架空の日本に生きる少年イオン. “兄弟”を求めて,ホームレス村から転々と移動していくが・・・. 福祉制度が崩壊したあとの社会像を,社会的弱者である子供の視点のみから描いている. 満足な教育を受けず,情報も道徳観念もなく,育った主人公の視野の狭い,短絡的な思考が 一人称で,うまく表現されており,いつもながら感心させられる. ただ,闇人のあたりからはやや雲行きが怪しくなった印象は否めない. このような人間集団がイデオロギーで行動するとは考えにくいからである. また,終盤以降で,意外に医療体制が維持されていることがうかがえるが, このような社会体制になってしまったら,真っ先に来られるのは医療のはずである. 病人・怪我人を治療するより,そうさせないようにするほうが合理的だし, 費用対効果が高いからである. このあたりが引っかかり,前半に比べると,後半はあまりのめり込めなかったが, 荒廃した社会で育った子供というテーマに関してはよく描けていると思われる. | ||||
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お気に入りの作者です、女性かな?と思うほど。。あくまでも冷徹な目でみた作品ですね 人間の性善説を否定してるかのようです。 | ||||
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未来系、未来形な世界の小説だけど、 かすかな記憶の仲間、○○兄弟だったりそれが実は一人だったりの、 昔の記憶をある意味美化する、これは少年的発想だと思うし、 女性である桐野さんが描く事も私的にもすごいな・・・と。 スカイ・エマさんのデザインも好き。 | ||||
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とても物悲しいストーリー。描写が細かく状況がとてもよくイメージ出来る。いつまで経っても頭を離れないくらい衝撃的な物語でした。 | ||||
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近未来の少年ホームレスのサバイバル小説。渋谷で懸命に行きながらも、兄弟のことが忘れられずアンダーグラウンドという闇へ落ちていく。自分の過去を探す旅の中で、愛という感情に目覚めていく。 主人公のあまりに過酷で孤独な生き方に寂しさを感じながらも、おもしろくて一気に読んだ。 個人的には、序盤からバトルフィールドまでは物語がぐんぐん加速していう感じがあったが、アンダーグラウンドに入ってからは少し失速してしまったような感じがしたが、それでも最後はうまくまとまっていて、読後感もよかった。 著者の「東京島」が好きな人にはオススメできると思う。 | ||||
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少年ホームレスが主人公の作品です。 どうにも彼の行動、思考に共感できる部分がどこにもなく、 読んでいて何か違うと感じてしまいます。 そしてなんとも悲しい結末を迎えます。 それよりも解説に思うところがありました。 今の日本に確かに存在している、ある現実。 それにあらためて気付かせてくれた事が一番の収穫でしょうか。 | ||||
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若者ホームレスの支援活動で有名な「雨宮処凛さん」のオススメといううことで読んでみました。 率直な感想としましては、面白いというよりも「怖い」と感じました。なぜならば、ここに書かれている物語は、すぐに現実となってもおかしくないからです。いや、、、もうすでに一部は現実となっていると思います。 過去の経済大国、20年以上続く緩やかな不況、借金900兆円、貧困層の拡大、打開策を打ち出せない政治家・官僚、、、、今の日本の残酷な状況を、社会からはじき出された若者の視点で捉えている作品でした。決してニュースが取り上げることのない、日本の裏の一面を反映していると感じました。 何よりも怖いと感じたことは、現状ではまだこの作品の中の世界は現実と乖離している部分も多くありますが、しかし、5年後10年後には、この世界が現実のものになっているのではないかと感じられることです。 これを読んでいると、何かの書籍でよんだ雨宮処凛さんの「生きさせろ!」というメッセージが、痛烈に心臓を打ち抜いてくる感覚になります。 「怖い」ですが、これから来るであろう現実と向き合うためにも、これは読んでおくべき作品だと思います。もちろん、物語といても面白いので、一気読みしてしまいました。オススメです。 | ||||
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いつかおもしろくなるのだろうと思って、がまんして読んだのですが、まったくでした。ごめんさない分かりません。 | ||||
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経済が崩壊し、街に大量のホームレスが溢れるようになった近未来の日本の 渋谷のストリートチルドレン・イオンの物語。 最初は荒廃した社会でのサバイバル物語なのかと思いながら読み進むうち、 親と子の、兄弟の間の純粋な愛情物語へと進展していった。 最後の方できょうだいの「鉄」がイオンを献身的に助けようとする辺りは、 典型的な、白痴的であるがゆえの聖なる愛情であり、感動させられた。 桐野さんの最近5〜10年の作品は当たり外れが激しいが(例えば『ポリティコン』は 評者の考えでは外れである)、本作は大当たりと言ってよいのではないだろうか。 | ||||
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意外とみんな気がついていないと思いますが、桐野さんが男を主役にすると小説はあまり面白くならない。作者自身が自分がつくりだしたその男に魅力を感じていないせいもある。私は愚かな男が罪をつぐなうのは大賛成である。イオンが最後に罪を償われたときは、少しだけカタルシスを得ることができた。舞台設定に関しては最高です。「リアルワールド」を彷彿とさせる。未来うんぬんよりも、作者の狙いは、無秩序の空間を作り出したかったのだと思う。それはカオスである。特に地下描写はわくわくする。イオンが久しぶりに地上に出てきたとき、太陽の光で、ラピュタのムスカのように「目が、目が〜」みたいなシーンがあったが、あれはよく考えると怖い。むかし、イギリスの映画でディセントというB級ホラーを観たことがあるが、それを思い出した。ああいう地下に長くいたら、モンスターのように本気で目はつぶれてしまうだろう。人間が地底に慣れすぎたらきっと地底人になってしまう。そんなコワおもしろい描写、さすが桐野さんだ。 | ||||
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社会が荒廃し、街ににホームレスがあふれる近未来の東京で、施設を脱走した後、自分の出自につながる『鉄』と『銅』の双子を捜しながらさまよう15歳の少年、イオンを描いた作品。 ホームレスは公園村、アンダーグラウンド、川人と様々なコミュニティを構成して生きている。イオンはそのどれも経験することになるが、それぞれの社会や人物造形にリアリティがあるのがさすが。 以下、ネタバレ注意 イオンの施設での体験がどのようなものであったのかの謎解きが縦糸になっているのだが、それに関連して、大きなテーマとして、コミューンの実現可能性というものも扱っている。 「人間の究極の平等を考え」、真っ暗な地下が一番平等だからという理由で地下に住む、「環境ですらも不平等を生んでいる社会に対して抗議する、真の正しい人間たち」闇人や、 先鋭的なフェミニストが主宰する、子供の差別の温床を撤廃するために、大人と子供が、親子関係の有無と関係なく共同生活する施設「照葉」、 両方とも、「原理的な平等主義」を標榜し、コミューンの実現を目指している。 それらが本当に成功し、関わった人間を幸福にしているのか、という重く大きなテーマを、せっかく扱っているのに、今ひとつ掘り下げられていないのが残念だ。 スカイエマのカラーの挿画が多用され、少年の目線から物語を紡ぐことを強く前面に押し出している。 ただ、スカイエマのカラーの挿画が多用され、少年の目線から物語を紡ぐことを強く前面に押し出しているなど、新境地を開拓しようとしている点は、ファンなら必読。 | ||||
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15歳のホームレス少年 イオン。大人を信じず、一人で自由に生きていく事を信条としていたが、ある事件を境に、人とのつながりへの飢えを感じ、光の届かないアンダーグラウンドの世界へ。孤独に生きてきた人間が、人と接する事で成長していく過程を描いた作品。路上生活者の生活、地下での生活など、普通に恵まれて生きてしまっている自分にはほど遠い話ばかりだったのですが、現実にありえるかもしれない、いや、起こっているであろう話に、フィクションながらも作品の世界に魅入られてしまいました。最後のオチは、急展開すぎた気もしますが、全体を通してよく出来た構成です。 | ||||
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桐野夏生の小説の主人公はサバイバルを生きる女が多い。文字通り無人島でのサバイバルだけでなく、サバイバルの舞台は深夜の弁当工場だったり、有名女子高だったり、変態男のアパートだったりするのだが…。これはある意味安心して読めるサバイバル小説だった。もちろん近未来の東京の荒廃は恐ろしいほどだし、ただ単に親に捨てられた子供でなく、ヤマ○シ会を連想させるカルト的実験集団で育った過去を持たせる辺り、一筋縄ではいかないのだが。それでも15才の少年イオンはじめ、出てくる少年たちが「グロテスク」の少女たちとは全く違う描かれ方をしている(ように感じる)。イオン、錫、鉄はもちろん、地下のボス、ポンズでさえ別れた妻子が忘れられない純粋さを持つ。悪意をえぐるような桐野作品の中で、これは異色の、最も純粋な愛にあふれた作品ではないだろうか?子どもにも安心して読ませられる、と言ったら問題だろうか?でもそう言いたくなるほど、人間の悪意も醜さも情け容赦なく見据えるいつもの作者とはどこか違う、優しさに溢れた作品。挿絵の雰囲気から吉田秋生の「カリフォルニア物語」を思い出して懐かしかった。思えばあれも親に捨てられた少年たちの都会のサバイバル物語だったっけ。 | ||||
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親の愛情を知らない15歳のイオンが、未来の荒廃した渋谷を、東京の地下世界をさまよう。きゃしゃで孤独で愛らしいイオンが、もうかわいそうでかわいそうで、どっぷりのめりこみ共感してしまいました。スカイエマさんの絵も素敵です! 一見世界は違うけれど、「ナニカアル」とか「グロテスク」とか愛の怖さみたいなものを書いているのは桐野夏生のほかの本と同じだと思う。 | ||||
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