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優しいおとな



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【この小説が収録されている参考書籍】
優しいおとな

優しいおとなの評価: 3.50/5点 レビュー 24件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(4pt)

さすが桐野夏生(一部ネタバレあり)

桐野夏生は3F小説の代名詞と言われた時があったが今では日本を代表する作家の一人。この人の男主人公の作品が珍しいので新鮮な気持ちで読めました。いつもの桐野夏生らしい陰鬱とした感情描写は抑えられて後半に行くにつれて主人公の成長が丁寧に描かれていると思いました。背景描写も非常に細かく引き込まれました。100年後の渋谷はこんなんになってるかも?

ただ個人的には多少なりともハッピーエンドを期待してしまいました。最後に“死”が最も優しいものと捉えられるような終わり方になっているためイオンは最後まで不幸だったなと思いました。フランダースの犬でレンブラントの絵画を見た後に息絶えるパターンの終わり方と一緒で最悪の中の最善を示されても、本当にこれでよかったのかなと思う所があります。自分のために残す銃弾1発が自分の死に直結したことを考えると何とも皮肉を感じます。ハッピーエンドにしないのは桐野夏生らしさですね。柔らかな頬のモヤモヤ感をまた味わいました。
優しいおとなAmazon書評・レビュー:優しいおとなより
4120041506
No.11:
(5pt)

中古?

商品の状態が良く、とにかく装丁が気に入っていたので安価で購入できてラッキーでした。内容は既に読んで知っていましたが、部屋のオブジェとして買いました。
優しいおとなAmazon書評・レビュー:優しいおとなより
4120041506
No.10:
(4pt)

懐かしさが残る一冊

高校生のころ新聞に載っていたスカイエマさんの挿し絵に惹かれ、少し読んですぐに引き込まれました。全部読んでみたくて当時の自分では珍しく本を買ったことを覚えています。
スカイエマさんの絵もあいまって、主人公イオンが渋谷の街や地下を生きる情景がアニメーションのように鮮明に脳裏に浮かび、一緒に冒険しているような気持ちになりました。
また、イオンをはじめモガミや錫など、作中に出てくる登場人物も魅力のひとつだと思います。おとなや子供、様々な人と交わり変化していくイオンから目が離せなくなります。
高校生だった当時も今も、読後には渋谷で生活しているイオンがとても懐かしくなるような感覚が残り、きっとまた読み返したくなるんだろうなと思える一冊でした。
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4120041506
No.9:
(5pt)

作者独特の目線

お気に入りの作者です、女性かな?と思うほど。。あくまでも冷徹な目でみた作品ですね
 人間の性善説を否定してるかのようです。
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4120041506
No.8:
(5pt)

考えさせられる

とても物悲しいストーリー。描写が細かく状況がとてもよくイメージ出来る。いつまで経っても頭を離れないくらい衝撃的な物語でした。
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4120041506
No.7:
(4pt)

著者の「東京島」が好きな人にはオススメできる

近未来の少年ホームレスのサバイバル小説。渋谷で懸命に行きながらも、兄弟のことが忘れられずアンダーグラウンドという闇へ落ちていく。自分の過去を探す旅の中で、愛という感情に目覚めていく。

主人公のあまりに過酷で孤独な生き方に寂しさを感じながらも、おもしろくて一気に読んだ。

個人的には、序盤からバトルフィールドまでは物語がぐんぐん加速していう感じがあったが、アンダーグラウンドに入ってからは少し失速してしまったような感じがしたが、それでも最後はうまくまとまっていて、読後感もよかった。

著者の「東京島」が好きな人にはオススメできると思う。
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4120041506
No.6:
(4pt)

この世界観が、すでに現実になっているという現実

若者ホームレスの支援活動で有名な「雨宮処凛さん」のオススメといううことで読んでみました。
 率直な感想としましては、面白いというよりも「怖い」と感じました。なぜならば、ここに書かれている物語は、すぐに現実となってもおかしくないからです。いや、、、もうすでに一部は現実となっていると思います。
 過去の経済大国、20年以上続く緩やかな不況、借金900兆円、貧困層の拡大、打開策を打ち出せない政治家・官僚、、、、今の日本の残酷な状況を、社会からはじき出された若者の視点で捉えている作品でした。決してニュースが取り上げることのない、日本の裏の一面を反映していると感じました。
 何よりも怖いと感じたことは、現状ではまだこの作品の中の世界は現実と乖離している部分も多くありますが、しかし、5年後10年後には、この世界が現実のものになっているのではないかと感じられることです。
 これを読んでいると、何かの書籍でよんだ雨宮処凛さんの「生きさせろ!」というメッセージが、痛烈に心臓を打ち抜いてくる感覚になります。
 「怖い」ですが、これから来るであろう現実と向き合うためにも、これは読んでおくべき作品だと思います。もちろん、物語といても面白いので、一気読みしてしまいました。オススメです。
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4120041506
No.5:
(5pt)

桐野さん、近年のヒット

経済が崩壊し、街に大量のホームレスが溢れるようになった近未来の日本の
渋谷のストリートチルドレン・イオンの物語。
最初は荒廃した社会でのサバイバル物語なのかと思いながら読み進むうち、
親と子の、兄弟の間の純粋な愛情物語へと進展していった。
最後の方できょうだいの「鉄」がイオンを献身的に助けようとする辺りは、
典型的な、白痴的であるがゆえの聖なる愛情であり、感動させられた。

桐野さんの最近5〜10年の作品は当たり外れが激しいが(例えば『ポリティコン』は
評者の考えでは外れである)、本作は大当たりと言ってよいのではないだろうか。
優しいおとなAmazon書評・レビュー:優しいおとなより
4120041506
No.4:
(4pt)

テーマをもう少し掘り下げるべきでは

社会が荒廃し、街ににホームレスがあふれる近未来の東京で、施設を脱走した後、自分の出自につながる『鉄』と『銅』の双子を捜しながらさまよう15歳の少年、イオンを描いた作品。

ホームレスは公園村、アンダーグラウンド、川人と様々なコミュニティを構成して生きている。イオンはそのどれも経験することになるが、それぞれの社会や人物造形にリアリティがあるのがさすが。

以下、ネタバレ注意

イオンの施設での体験がどのようなものであったのかの謎解きが縦糸になっているのだが、それに関連して、大きなテーマとして、コミューンの実現可能性というものも扱っている。

「人間の究極の平等を考え」、真っ暗な地下が一番平等だからという理由で地下に住む、「環境ですらも不平等を生んでいる社会に対して抗議する、真の正しい人間たち」闇人や、

先鋭的なフェミニストが主宰する、子供の差別の温床を撤廃するために、大人と子供が、親子関係の有無と関係なく共同生活する施設「照葉」、

両方とも、「原理的な平等主義」を標榜し、コミューンの実現を目指している。

それらが本当に成功し、関わった人間を幸福にしているのか、という重く大きなテーマを、せっかく扱っているのに、今ひとつ掘り下げられていないのが残念だ。

スカイエマのカラーの挿画が多用され、少年の目線から物語を紡ぐことを強く前面に押し出している。

ただ、スカイエマのカラーの挿画が多用され、少年の目線から物語を紡ぐことを強く前面に押し出しているなど、新境地を開拓しようとしている点は、ファンなら必読。


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4120041506
No.3:
(4pt)

過酷な設定ながら、少年たちを見る眼差しが優しい作品

桐野夏生の小説の主人公はサバイバルを生きる女が多い。文字通り無人島でのサバイバルだけでなく、サバイバルの舞台は深夜の弁当工場だったり、有名女子高だったり、変態男のアパートだったりするのだが…。これはある意味安心して読めるサバイバル小説だった。もちろん近未来の東京の荒廃は恐ろしいほどだし、ただ単に親に捨てられた子供でなく、ヤマ○シ会を連想させるカルト的実験集団で育った過去を持たせる辺り、一筋縄ではいかないのだが。それでも15才の少年イオンはじめ、出てくる少年たちが「グロテスク」の少女たちとは全く違う描かれ方をしている(ように感じる)。イオン、錫、鉄はもちろん、地下のボス、ポンズでさえ別れた妻子が忘れられない純粋さを持つ。悪意をえぐるような桐野作品の中で、これは異色の、最も純粋な愛にあふれた作品ではないだろうか?子どもにも安心して読ませられる、と言ったら問題だろうか?でもそう言いたくなるほど、人間の悪意も醜さも情け容赦なく見据えるいつもの作者とはどこか違う、優しさに溢れた作品。挿絵の雰囲気から吉田秋生の「カリフォルニア物語」を思い出して懐かしかった。思えばあれも親に捨てられた少年たちの都会のサバイバル物語だったっけ。
優しいおとなAmazon書評・レビュー:優しいおとなより
4120041506
No.2:
(5pt)

イオンに夢中

親の愛情を知らない15歳のイオンが、未来の荒廃した渋谷を、東京の地下世界をさまよう。きゃしゃで孤独で愛らしいイオンが、もうかわいそうでかわいそうで、どっぷりのめりこみ共感してしまいました。スカイエマさんの絵も素敵です! 一見世界は違うけれど、「ナニカアル」とか「グロテスク」とか愛の怖さみたいなものを書いているのは桐野夏生のほかの本と同じだと思う。
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4120041506
No.1:
(4pt)

アイチャクケイセイ

近未来の渋谷。15歳の孤独な少年があるとき自分の感情に目覚め、ルーツを辿ろうとする物語。
桐野さんの作品によくある底辺を生きる人たちの諦観と、それでも生物としてサバイバルしようとする本能の姿は相変わらずドラマチックでした。 
中心にあったのは、子どもが生きるために必要な保護者とはどうでなければいけないのか、という問いかけだったと思いますが、小説の中での答えは、一般的な親と子のみが正解というわけではない、人が自分で育つ力を侮りすぎてはいけないというようにも語られていたけれど、でも結局そういう子どもたちに起きている事象は悲惨。 
愛護してくれる大人のいない子どもは弱い。どんなに強がっていても、弱い存在なのだということが切ないストーリーでした。
 
優しいおとなAmazon書評・レビュー:優しいおとなより
4120041506

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