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優しいおとな



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【この小説が収録されている参考書籍】
優しいおとな

優しいおとなの評価: 3.50/5点 レビュー 24件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全8件 1~8 1/1ページ
No.8:
(3pt)

ホームレス少年に取材したのか?

桐野夏生の小説は、心に不満や闇をかかえた女性が多いイメージだが、少年とは新鮮。しかも少年の心の複雑な描写を表現しており、丁寧に取材したのだろうか? したとしたら、このようなホームレス少年に話を聞けたのだろうか。

また、本当に悪者は一人しかおらず、みなどことなく「やさしい」面を持っている。唯一の悪者の結末も知りたかったです。
優しいおとなAmazon書評・レビュー:優しいおとなより
4120041506
No.7:
(3pt)

最悪のディストピアのシミュレーション

福祉制度が崩壊した架空の日本に生きる少年イオン.
“兄弟”を求めて,ホームレス村から転々と移動していくが・・・.

福祉制度が崩壊したあとの社会像を,社会的弱者である子供の視点のみから描いている.
満足な教育を受けず,情報も道徳観念もなく,育った主人公の視野の狭い,短絡的な思考が
一人称で,うまく表現されており,いつもながら感心させられる.

ただ,闇人のあたりからはやや雲行きが怪しくなった印象は否めない.
このような人間集団がイデオロギーで行動するとは考えにくいからである.

また,終盤以降で,意外に医療体制が維持されていることがうかがえるが,
このような社会体制になってしまったら,真っ先に来られるのは医療のはずである.
病人・怪我人を治療するより,そうさせないようにするほうが合理的だし,
費用対効果が高いからである.

このあたりが引っかかり,前半に比べると,後半はあまりのめり込めなかったが,
荒廃した社会で育った子供というテーマに関してはよく描けていると思われる.
優しいおとなAmazon書評・レビュー:優しいおとなより
4120041506
No.6:
(3pt)

ノスタルジア

未来系、未来形な世界の小説だけど、
かすかな記憶の仲間、○○兄弟だったりそれが実は一人だったりの、
昔の記憶をある意味美化する、これは少年的発想だと思うし、
女性である桐野さんが描く事も私的にもすごいな・・・と。

スカイ・エマさんのデザインも好き。
優しいおとなAmazon書評・レビュー:優しいおとなより
4120041506
No.5:
(3pt)

桐野さんが男を主役にするとあまり面白くならない

意外とみんな気がついていないと思いますが、桐野さんが男を主役にすると小説はあまり面白くならない。作者自身が自分がつくりだしたその男に魅力を感じていないせいもある。私は愚かな男が罪をつぐなうのは大賛成である。イオンが最後に罪を償われたときは、少しだけカタルシスを得ることができた。舞台設定に関しては最高です。「リアルワールド」を彷彿とさせる。未来うんぬんよりも、作者の狙いは、無秩序の空間を作り出したかったのだと思う。それはカオスである。特に地下描写はわくわくする。イオンが久しぶりに地上に出てきたとき、太陽の光で、ラピュタのムスカのように「目が、目が〜」みたいなシーンがあったが、あれはよく考えると怖い。むかし、イギリスの映画でディセントというB級ホラーを観たことがあるが、それを思い出した。ああいう地下に長くいたら、モンスターのように本気で目はつぶれてしまうだろう。人間が地底に慣れすぎたらきっと地底人になってしまう。そんなコワおもしろい描写、さすが桐野さんだ。

優しいおとなAmazon書評・レビュー:優しいおとなより
4120041506
No.4:
(3pt)

おもしろい。けど、哀しくなる。

15歳のホームレス少年 イオン。大人を信じず、一人で自由に生きていく事を信条としていたが、ある事件を境に、人とのつながりへの飢えを感じ、光の届かないアンダーグラウンドの世界へ。孤独に生きてきた人間が、人と接する事で成長していく過程を描いた作品。路上生活者の生活、地下での生活など、普通に恵まれて生きてしまっている自分にはほど遠い話ばかりだったのですが、現実にありえるかもしれない、いや、起こっているであろう話に、フィクションながらも作品の世界に魅入られてしまいました。最後のオチは、急展開すぎた気もしますが、全体を通してよく出来た構成です。
優しいおとなAmazon書評・レビュー:優しいおとなより
4120041506
No.3:
(3pt)

桐野作品の新分野

新刊が出ると欠かさず読んでいる桐野夏生さんの作品です。
「IN」や「東京島」辺りから少しづつ作風が変化して来たかなと感じつつ、そして今回の新刊でもそれは感じました。
装丁や各章の間に出て来るイラストも(え?これが桐野さんの本?」と思える様な劇画チックな物。
近未来の小説なので挿画・挿絵にスカイエマさんを選択したであろう事はわかりましたが、
今までの作品とはあまりにも違うので驚きでした。
内容は近未来の渋谷でしたたかに生き抜くホームレスの少年・イオンを中心に話が進みます。
地下のシーンが多いので脳内映像だけで息苦しくなる様な展開です。
それでも文章も丁寧で想定もわかりやすいので飽きる事無く読み進める事が出来ました。
本著は好き嫌いに分かれるかと思いますが桐野さんの新たな一面を発見出来る作品となっています。
結構若い世代の方に受け入れられる様なお話です。
優しいおとなAmazon書評・レビュー:優しいおとなより
4120041506
No.2:
(3pt)

渋谷を舞台にした近未来小説。

内容といい表紙や装丁裏のイラストといい、
多くの人は『AKIRA』(大友克彦)を喚起するのではないだろうか。
「もしかしたら近い将来渋谷もこんな街になるかもね」と思わせる程度の現実味は描かれている。
前半は比較的リアリティを背景に読み進めるものの、後半はかなりドリーミーな世界に行ってしまい、
結局何を描きたいのか、よくわからない作品になってしまった。
この手の空想作品は、先駆者として村上龍が確固たるポジションを築き上げており、
捨てられた子どもという設定では、同氏の『コインロッカー・ベイビーズ』は、
既に20年以上前から快作として知られている。
先日映画化された「東京島」といい、最近の著者はサバイバル路線に傾倒しているのだろうか?
著者はリアルタイムの現実社会を描くことに極めて長けた作家だと思うので、
このあたりでこれまでの路線に戻ってほしいと切に願う。
優しいおとなAmazon書評・レビュー:優しいおとなより
4120041506
No.1:
(3pt)

普通の出来

読売新聞に毎週土曜日に連載されていた小説。家族を持たず、大人に敵意を抱く主人公の少年が、児童相談所の世話になることを良しとせず、アンダーグラウンドで生活している少年達とかかわりあいになり、かつての兄貴分だった少年を捜すストーリー。
所謂ストリートチルドレンが主人公であるため、過酷な生活を強いられている描写が多い。ジャンルはミステリとはいえず、犯罪小説に近い印象。当然終盤にどんでん返しなどはない。
地上で生活することをやめて地下で生活している少年達が後半多く登場し、主人公の少年が彼らとどう関わっていき成長していくのかが読みどころ。
作品の出来は可もなく不可もなくといった感じで普通。少年が過酷な状況を乗り越えていく話が好きならば読んでみるのも良いかもしれないが、特にお勧めする作品かといえばそうでもない。著者の傑作である「OUT」と比べてしまうと格段に劣る作品。
優しいおとなAmazon書評・レビュー:優しいおとなより
4120041506

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