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人間の証明
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人間の証明の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.49pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全80件 61~80 4/4ページ
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自分だけ幸せならそれでいいの? 他人の不幸はそんなに面白い? あの時の思いを忘れたの? 堕落していく人間を蘇らせる事は出来るのか。 「言葉の力」を実感することの出来る 悲しみと希望の物語。 「母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?」 (西条八十「西条八十詩集」より) | ||||
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私も竹野内豊さん主演のドラマを見たことがきっかけで、再びこの本を手に取りました。リメイクされたドラマの方は、時代設定とのあいだにずれがあったせいか違和感を拭えませんでしたが、原作の小説は構成や背景のすべてにおいてしっくり来ます。確か二十数年前、林隆三さん主演でドラマ化されたこともあり、そのときに一度読んだこともあったのですが、今回は再読ということもあってか、主人公らのより深い心理に触れることができたように思います。この作品もそうですが、森村誠一さんの小説は切なさと生きる力が並存する不思議な、そしてすばらしい世界を描き出していると思います。 | ||||
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作者の代表作で映画化もされた。高度成長期に書かれたもので、作者としては戦後の総決算の意味を込めて書いたものだろう。比較的長い小説だが、極論を言えば結末近くで担当刑事が犯人に向かって「母さん、僕のあの麦わら帽子、どうしたんでしょうね......」と被害者が残した西条八十の詩を読み上げる箇所のみが焦点となっている。この結果、犯人は"落ちて"、それが「人間の証明」になるという構図だ。この結末の付け方には賛否両論ある所だろう。 ヒューマニティに溢れた感動ドラマだと感じる方もいれば、何だ最後は泣き落としかと感じる方もいるだろう。私は、前者に近いが、できれば「人間の証明」を犯人自らの手で行なって欲しかった。本作のままでは、犯人は刑事に誘導されて「人間の証明」をした事になり、アメリカの意のままになっている日本を連想させて釈然としない。戦中、戦後の暗黒面を背負って生きて来た犯人が自ら「人間の証明」をする事で戦後の総決算が出来たのではないか。全体の構想が良いだけに余計残念に思う。 | ||||
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最初に雑誌連載小説としてスタートしたのが1975年のことらしいから、 初出から既に30年が経過した作品だ。 それでもなお、繰り返し映像化(最近では2004年)されるわけだが、 今回改めて原作を読み直して、とてもよく出来た作品であることを実感した。 私(1966年生まれ)よりも少し上の世代の方々なら、 1977年の映画公開時のキャッチコピー 「母さん、僕のあの帽子・・・」 を覚えておられるのではないか。 当時小学生だった私は、小説はもちろん、映画も見ていないが、 このコピーだけははっきりと覚えている。 私と同様に、キャッチコピー「だけ」が記憶に残っている方も 少なくないだろう。 そんな方は是非ともこの原作を読んでみていただきたい。 ずっと頭の片隅に残っていたあの「母さん・・・」のフレーズの意味を はっきりと掴むことができた。それも相当に印象に強く残る形で。 また、竹野内豊主演のドラマをご覧になった方にも読む価値はある。 ドラマで省かれていた登場人物の背景が詳しく描かれているし、 ストーリー展開のテンポの良さのおかげで、 (結末が判っていたとしても)十分に楽しんで読むことが出来る。 また、1970年代と言う戦争の影が消えていない時代を 背景としていることも、物語の「必然性」を高める要因となっている。 30年来に渡って「名前だけは知っていた」小説を読むのは、 なかなか味わいのあるものであることを今回実感した。 これから古い小説も読んでいこう、と思わせた一作であった。 | ||||
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母に勧められ原作を読み始めてハマった作品です。 人間の弱くて悲しい部分を丁寧に描いていて、胸が締め付けられます。 また2人の刑事が事件を追い、手掛かりを頼りに犯人に近づいていく展開は 素晴らしく、本を読む手が止まりませんでした。 映画も拝見しましたが比較的原作に忠実に作成されているので、 この本を面白く思う方はきっと映画も興味深いと思います。 『人間の証明』というタイトルの意味をちゃんと最後まで読んでからしっかり理解できます。 最後、犯人を追い詰め「人間の証明」を試す部分は何とも言えない気持ちになりました。 こんなにタイトルが結末にずしんとくる本に出会えて嬉しく思います。 1人でも多くの方に興味を持って読んで頂きたい本です。 | ||||
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以前、松田優作主演の映画を見ましたが、先にそちらを見たせいもあってか、映画のほうがよかったと思いました。小説にして読んでみると、改めて推理の飛躍が大きいと思われるところなどがありましたが、人間ドラマとしてはとてもよい作品だと思います。 リメイク版のドラマでは、時代を置き換えてしまったせいもあって、戦争の影が出てこなかったようですが、高度成長時代の話ながら戦争の影は実は見かけほどなくなってはいない、という原作(と映画)の設定が非常に感慨深いです。 戦争の影だけでなく、社会の理不尽さや空しさ、人間の残虐さが色々なところで感じられますが、タイトルどおり最後は一度失われかけた「人間の証明」が成されるので、救われたような気持ちとその「人間」の自己中心的で罪を重ねてしまう弱さや危うさを感じる気持ちとが混ざって切なくなります。 麦藁帽子の詩と共に、心に残るストーリーです。 | ||||
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星は、4.8点!とても良かった。登場人物、場所、さまざまな過去、鍵となる詩、すべてがうまくとけあっています。あの温泉はまだあるのでしょうか。行ってみたい! | ||||
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やっぱり、大人向けの本なんですね。おおまかな内容は分かりましたが、何度も読む義務が自分にはあります。それより、最後まで話が繋がっていたことだけで、感激しました。わぁーすげぇーーって。だからまずこのすばらしい価値のあるこの読み物をもっと理解できるよう、また少し経ったら読もうと思います。読み始めるとすごくはまりました。 | ||||
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はじめて森村誠一を読みましたが、これは傑作だと思いました。人の欲と人の情と悲しさと空しさが籠められています。おすすめの一冊です。 | ||||
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ドラマを見て、この小説を知りました。ドラマでは出し切れていない人間味が表現されていて、ドラマよりも小説のほうが面白いのではないかと思いました。ほかの作品も読んでみたいですね。 | ||||
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最初これを知ったのは母がTVドラマ版『人間の証明』を観ていた頃だった。その時、母が「これ面白いから本でも買ってあげようか?」と言ってくれたので買って貰った。ドラマの方は途中からしか観てなかったのでそれはDVDの方で観るつもりである。買った後に早速読んだが、これは素晴らしい。徐々に読者をストーリーに引き込ませる力がこの本には感じられる。TVドラマは登場人物も増え、見応えがあるのだが、この本でも感動的な部分はたくさんある。どんな人間にも人間の心はあるのだという証明を表しているのだこれは。ドラマも原作をそのまま映像化したような仕上がりだった。森村誠一が書いたように誰でも子供の頃に母親から『麦藁帽子』買って貰い、今では買って貰えなくなってしまっている。今だと呆れられてしまうからだ。昔と同じ母が目の前にいるのだが、昔のように可愛がってはくれないし、好きな物も今では自分の小遣いで買う始末だ。いつまでも甘える訳にはいかないが、もう一度母に可愛がられている時代に戻ってみたいと思った人はいないだろうか…。 | ||||
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角川シリーズと言えば、数十年前に小説と映画をセットにした大掛かりな宣伝作戦を展開し、一世を風靡したものです。中でも「人間の証明」は代表的なものでしたが、当時は小中学生くらいで年齢的にも合わなかったのか?初めて読みました。宣伝先行でエンターテイメント重視の印象が強くて、たいした本ではないだろうなんて先入観を持っていたのですが、今読んでも新鮮さのあるストーリー展開やプロットには感動!映画やドラマはいまだに見ていないのですが、森村さんの力作には素直に面白い!と思いました。青春の証明・野生の証明も続けて読みましたが、なかなかなもので新しい発見にうれしい気分です。 | ||||
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ドラマを見た友人がしきりに進めるので読んでみました。前半は、ひたすら登場人物(多い!)の紹介のような感じでスローペースで物語が展開されます。その後、徐々に加速度的に展開が早くなりストーリーは一気にクライマックスまで突っ走ります。そう思えるほど一気に読めました。無関係に見える各々の登場人物たちがここまでつながってくるのかよ!と突っ込みを入れそうになりましたが・・・私は、ドラマの方は最終回以外見てないんですが、個人的には、本のほうが面白いように思います。コレを読むまで、この本がそこまで名著だとは、知らなかったのが恥ずかしい。 | ||||
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僕は中学生なんですが、この本はすごく感動しました。結構難しい話ですが、読んでみる価値はあるとおもいます。 | ||||
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昔はやったのはつゆ知らず、今回のテレビ化で初めて知り読んでみましたが面白い!ずっと時代が古いと思うのですがそれも感じさせないストーリー、主人公の「怒り」を静かに感じます。 | ||||
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現在、テレビドラマで放映されています。やはり小説とTVはニュアンスが少し異なるように思います。違いを確認したい人は一度お読みになってはいかがでしょう。 | ||||
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過去の作品がテレビドラマ化されることで話題となり原作本を知るという図式で面白い本に何冊か最近出会っている。本書もそうして読む機会を得た。 時は昭和50年代か、黒人の青年が東京で死体となって発見される。異国での死。殺人事件を捜査する棟居刑事を突き動かすものは彼の過去の体験が基となっているようだ。 東京、ニューヨークと小説の中に時々、挿入される大都会の風情は社会的に冷徹に客観的な様子で描かれていてどきりとする。今はそれが加速されてしまったのか、どうか。 殺人事件は棟居刑事が気が付かない場所でその後も起こる。時代の申し子のような裕福な家庭の子息、社会的名声がある人物たち、不倫をしている人なども登場する。 ラストはせつなく、犯罪者が悪人かというと言い切れない。犯罪者が生まれる社会の構造、人間の業(ごう)を想った。また何より小説冒頭で殺された黒人青年ジョニーの足跡をたどるラストの棟居刑事の語り、彼の少年時代のどうにもならない怒り、その鉾先のくだりはせつなさ、苦しさが胸に沸き立つ感があった。 過去にも映画やドラマとなったそうだがそれはよく知らなかった。今回、めぐり合えてよかった1冊だ。 | ||||
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こんなスリルのある、作者の思いが伝わってくる作品はあまり無いかなと思いました。これから色々な本を読んでも、ずっと私の中でのベスト10の一冊にはあると予感しています。半端な推理小説ではなく、人間と人間との関係性を後々まで考えさせられる傑作です。すばらしい!! | ||||
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私は松田優作が好きだったので、彼が出演している映画版の方を先に見ました。映画では、どうしてわざわざ日米を又にかけた事件にしたのか、いまひとつピンと来なかったのですが、小説版を読んで大納得しました。日米の対比こそが、この小説の肝なのです。凶悪犯罪が日常となってしまっているアメリカ。そのアメリカよりは日本の方が暖かみのある国であるはずだという思い。一方で、敗戦以降どんどんアメリカ化していく日本の行く末への不安。そんな社会的な視点をベースにしつつ、崩壊しつつある親と子の絆を描くという手法は見事だと感じました。泣けるミステリが好きな人におすすめです。 | ||||
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この本を初めて読んだのは小学生の頃だ。父の書棚にある本を適当に選びだし貪るように読んでいたとき、手に取った。最近、懐かしさに購入し読んでみた。同じところで涙が出るのが不思議だった。「母さん 僕のあの帽子 どうしたでせうね ええ 夏碓井から霧積へ行くみちで 渓谷へ落としたあの麦稈帽子ですよ」 親子の美しい想い出を描いた詩が、あの小学生の頃から不吉で哀しい響きを持っている。 人は幸福を求めて生きている。それが行き過ぎると―あまりにも自分独りの幸せを求めると何かを犠牲にしてしまう。よくできたものだ。 犯人は現在の幸せに固執した。被害者は犯人の幸福を損なうつもりなどなかった。ただ一つの願い「会いたい」というささやかな幸福を求めただけだった。 犯人の人間臭さもさることながら、追う側の刑事たちもドラマティックである。棟居刑事はある事件で家族を奪われ大きな喪失感を常に抱いている。やり場のない衝動を捜査にかたむける様は痛ましいほどだ。 追う刑事達の汗も犯人の焦燥も被害者の涙も、このような時代だからこそ輝かしい。こんな『人間性』は今となってはノスタルジックに語られるだけでしかないとは寂しい。この物語を読んで泣けるということは『人間の証明』なのではなかろうか。 若い二人の、愛を叫んだ物語は二人の世界の話である。この話は世界の一部、都会の片隅で起こった愛の破綻の物語である。近視眼的一人称的に愛を語るのは容易だが、この世は個人だけで動いていない。それゆえの悲劇が本書の殺人事件なのだと思う。甘く切ない閉ざされた世界から一歩踏み出して本書をおすすめしたい。 それにしても西条八十の詩は「かなりや」といいこの詩といい、柔らかいナイフのように心に突き刺さり、じんわりと溶け込んでくる。切ない。 | ||||
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