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(短編集)

魔法飛行



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【この小説が収録されている参考書籍】
魔法飛行 (Golden thirteen)
魔法飛行 (創元推理文庫)

魔法飛行の評価: 7.50/10点 レビュー 4件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

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(10pt)

魔法飛行の感想

前作「ななつのこ」の待望の続編第二弾。
前作で主人公・入江駒子は作家・佐伯綾乃に人生初のファンレターを送る。
ついで、自身の身の回りで起きたミステリについても綴ったところ、まさかの返事と解答が。
そして紆余曲折を経て、駒子は瀬尾さんと出会い交流を持つ。
今作では、駒子は日常のミステリを自分なりに物語にして瀬尾さんに送ることに。
瀬尾さんから物語の感想とミステリに対する解答の手紙をもらい、また駒子の物語を送り―・・・そんな二人だけのやり取りのはずだった。
ところが第一作を瀬尾さんに送った後、名無しの第三者から手紙が来た。
彼(彼女)は駒子の物語だけではなく、駒子自身についてもよく知っている様子。
一体全体どういうことなのか―・・・

前作「ななつのこ」は駒子と綾乃さんによる手紙のやりとりという形式でした。
駒子の日常ミステリと作中の「ななつのこ」のミステリ、綾乃さんからの返事兼解答。
そして前六話の伏線が最終話でまとまるといった展開でした。
今作「魔法飛行」は駒子と瀬尾さんの手紙のやりとりですが、前作との違いがあります。
駒子の日常ミステリを、彼女自身が彼女の言葉で物語として書いています。
その物語を瀬尾さんに送り、瀬尾さんが物語の感想とミステリの解答を駒子に送るという形式です。
しかし、名無しの第三者から駒子に手紙が届きます。
三通届くのですが、段々と送り主が追いつめられている様子が見て取れ、さすがの駒子も楽観視できなくなってしまいます。
全四話ですが、前三話の伏線や手紙の謎が、最終話でまとまるといった展開です。

前作が好きな方は、今作も好きだと思います。
前作同様の駒子ワールドです。
駒子独特の感性や比喩表現で物語は綴られています。
物語から、どこか不器用で図太くて、でも繊細で可愛らしさがうかがえます。
十九歳のこどもと大人の境目にいる女の子の、ふとした悩みや不安、傷ついたことは、年が違うにもかかわらず、自分にも思い当たることがあります。
駒子の悩みに思い当たる人、懐かしい人はいると思います。
なぜこんなに心に響くのか、愛おしい気持ちになるのか。
駒子というか、加納朋子氏の言葉はすんなりと心に入って共感してしまいます。

今作も前作同様、駒子の友達の魅力的な女の子たちが出てきます。
みんな欠点も、小生意気なところもありますが、一方で少女らしい繊細さもうかがえ、可愛らしいです。

前作同様、誰かが亡くなるといったことはありません。
人によっては歯牙にもかけない、駒子の日常で起きたささやかな事件が主体です。
しかし、いつだって、どこだって、謎はすぐ近くにある。
本当に大切な謎はいくらでも日常にあふれていて、答えを待ってる。
あまりミステリらしくないようで、しっかりミステリの要素は備えています。
とても穏やかで、ロマンティックな気持ちになれるミステリです。

▼以下、ネタバレ感想

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あんみつ
QVSFG7MB

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