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【法月綸太郎】
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一の悲劇の評価:
6.71/10点 レビュー 7件。 B ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点6.71pt
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
シリアス路線で密室がそぐわない。
“意外な犯人”というものにどうやら私は免疫が出来てしまったらしい。というよりも誰が犯人でもおかしくないなと思っていると、衝撃の結末も自分の中ではトーン・ダウンしてしまう。あと、全体的に何だかアンバランスだ。やはり第二の殺人は密室殺人にする必要性はなかったのではないか?叙述を緊迫したムードで、いわばロス・マク風悲劇を語っているのに、時代錯誤な密室殺人はどうしても宙に浮いてしまうのだ。カタルシスまではもう少し届かなかった。
一の悲劇の感想
人間関係が複雑で読書中に頭の中で整理するのが大変でした。その上で動機から考えて犯人を推理したのですが・・・まんまと騙されました。☆8クラスの作品ですがラストが好みでないので減点1で。 ▼以下、ネタバレ感想
ある家庭に起きた悲劇の話。驚くようなトリックはないが謎解きとしても十分に楽しめる(あらすじにを読むとアリバイ崩しの話かと思うがそうではない)。読んだ後は悲しい気持ちになる。法月綸太郎シリーズではあるが、本作の主人公は山倉史郎。山倉史郎の視点で物語が進められる。もちろん謎解き役として法月綸太郎は登場するが、名探偵法月綸太郎が事件を解明していくという形ではない。名探偵が謎をとくというシンプルなミステリーではなく、人間ドラマも描いた作品となっている。 ▼以下、ネタバレ感想
再読だと思いますが、20年以上経って何にも覚えて無かったです。犯人はかなり早い段階で何となく分かりましたが、トリックが分からず犯行は不可能に思え、自信が無くなりましたね。一人称の為、限定された視点による緊張感や、他の人物の心情が分からない事がサスペンスを盛り上げます。ただ、子供が被害者の話は好きじゃ無い所、ラストの唐突な呆気なさを考えると、総合的な評価としては、あまり良いとは言えないです。
相変わらず複雑なプロットだが、他の作品のような「こねくり回しすぎだろ」という印象はないです。この作品の主人公は、探偵法月綸太郎というよりも、被害者の父親である山倉史朗という人物であると言っていいでしょう。タイトルにある「一」は、一人称叙述形式の「一」であり、山倉史朗の一人称視点で語られます。単なる誘拐事件ではなく、その裏には山倉史朗を中心とした複雑な人間模様が背景としてあります。その複雑な人間関係、少なくとも山倉史朗本人には初めっから全て分かっています。読者には物語の進行に従い徐々に明らかになっていきますが、それにより何故山倉史朗がこれ程までに必死なのかも分かってきます。登場人物は多くはないのですが、その殆どの人物を一度は容疑者へと浮かび上がらせるプロット、そして殆どの登場人物が不幸になるという悲劇、そして最終的に山倉史朗にとっては最も悲惨であろうと思われる結末が待ち構えてちます。これぞ「悲劇」その山倉史朗の視点で語られる物語は全編緊迫感に満ちています。引き込まれます。いつものような、綸太郎の悶々とした苦悩、二転三転の推理に付き合わされイライラする事がありません。テンポもいいです。山倉史朗以外の視点で語られたなら、こんな緊迫感は絶対に生まれていませんからね。というか、この作品は法月綸太郎シリーズですが、倫太郎がいなくても十分良質の誘拐モノとして成り立っています。寧ろ邪魔かも。でも皮肉な事に、個人的にこの作者の作品では一番かな。
“意外な犯人”というものにどうやら私は免疫が出来てしまったらしい。というよりも誰が犯人でもおかしくないなと思っていると、衝撃の結末も自分の中ではトーン・ダウンしてしまう。
あと、全体的に何だかアンバランスだ。やはり第二の殺人は密室殺人にする必要性はなかったのではないか?
叙述を緊迫したムードで、いわばロス・マク風悲劇を語っているのに、時代錯誤な密室殺人はどうしても宙に浮いてしまうのだ。
カタルシスまではもう少し届かなかった。