■スポンサードリンク


さかさ髑髏は三度唄う



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

さかさ髑髏は三度唄うの評価: 5.50/10点 レビュー 2件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.50pt

■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(4pt)

純粋謎解き物として読めば…

唄う髑髏、白秋の詩に秘められた暗号といったガジェット。衆人環視の中での毒殺事件という不可能犯罪。そして惨劇の舞台は北九州の田舎にある民窯の村で、しかも祖父が愛人を囲い、妻は舌を切られ、原因不明の病に臥せり、腹違いの兄妹たちは遺産相続でいがみ合っている。
つまり扱っている題材は本格ど真ん中であり、舞台設定、トリック共々、申し分ないはずなのだが、やはり物足りない。
小説を読んだというより、長いパズルを解かされたという感慨しか残らないのだ。ここまで来ると呆れるのを通り越して、これこそがこの作者の特徴かと割り切ってしまう。

確かにそれぞれの登場人物には、欲深さとか派手な生活が好きだとか、厭世観を常に抱いているといった性格付けは基より、狭い田舎で繰り広げられる人間関係の罪深い業も設定され、しかもそれにはワトソン役まで一役担わされるのだが、一通りの素材というのは揃っている。しかし、なぜかそれらがストーリーに深みを与えるのではなく、プロットの段階でお披露目しているようにしか思えないのだ。
これほどまでに無個性だと、むしろこの作者は全てが謎解きに寄与する純粋本格推理小説を書くことを目指しているのかもしれない。

前作までは冒頭の幻想的な謎と論理的解決、図解を交えたトリックの種明しといったモチーフから、島田作品の影響をもろに受けていると述べたが、今回は山奥の山村といった閉じられた社会での陰惨な事件、一族の中の確執、唄う髑髏と横溝正史氏の影響が色濃く出ていると思った。
しかしこれら先達と大いに違うのは、物語としての面白さに欠けることだろう。島田氏には島田氏の、横溝氏には横溝氏のテイストという物が確かにあり、それが読書の食指を動かすのである。
司作品は文章にそのテイストという物が無い。心を動かす物語の振り幅が0に等しいのだ。

物語よりもトリックを!といった純粋推理を楽しみたい方には最適の作品だろう。しかし私はといえば、あいにくそれだけでは腹が太らないのである。


Tetchy
WHOKS60S
No.1:
(7pt)

さかさ髑髏は三度唄うの感想

司凍季2作品目は一尺屋シリーズ。竜崎幸シリーズのサスペンスミステリーとは大分違った雰囲気。横溝テイストのどんよりした雰囲気と、一尺屋の無神経なまでの陽気さが好対照で面白かった。

水生
89I2I7TQ

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!