屍蝶の沼



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初公開日(参考)1998年05月
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長編小説

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屍蝶の沼 (光文社文庫)

2001年02月01日 屍蝶の沼 (光文社文庫)

中国地方の山間の町で起きた美少女惨殺事件。死体には犯人の猟奇的な刻印が残されていた。「羽室新報」の稲葉菜月は、かつての恋人でフリーライターの高野舜と事件を追うが、町に残る因習に阻まれる。やがて、新たな惨殺死体の発見を契機に、二十年前に隠蔽された“謎”に絡む驚愕の真実が浮上してきた。本格派の著者が、ホラーと社会推理を融合させた意欲作。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

屍蝶の沼の総合評価:6.25/10点レビュー 4件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

知られざるベストの司作品

今まで読んだ司作品の中で、ベストの1冊。なぜ今までこのような書き方をしなかったのかと首を傾げたくなるぐらいの出来。
今回採用しているのは三人称叙述で、一尺屋シリーズの一人称叙述と違い、文体が格段に進歩していた。同じ三人称叙述の『首切り人魚~』と比べてもその違いは雲泥の差。
今まではストーリーを語るというよりもプロットを語る、つまりパズルを解いているプロセスを説明しているかのような味気ない文章だったが、この作品では、いわゆる「じらし」の手法に磨きがかかり、その抑制した文章には張り詰めた緊張感が一様にあった。

そして物語を彩る登場人物たちも、今までの諸作品には見られなかった個性があった。主人公を務めるしがないルポライターの高野舜と元恋人で「羽室新報」の社員、稲葉菜月の二人と、ほとんどサブキャラクターでしかないが、印象深い上司の松岡を始めとして、一部記憶が無くなるという症状を持つ能面師三村、梨花の担任のサラリーマン教師米沢、幻覚を見るという同級生の間宮弓子、家庭内確執を隠す仮面家族、原嶋一家とその家に勤める家政婦や用務員ともども。今までの作品では単に推理ゲームの駒の1つのようにしか語られなかった登場人物がそれぞれの過去にエピソードを孕ませることで深みを増したように思う。
そして1人の少女の死が、戦後の毒ガス実験に繋がっていくという物語の展開も事件の背後に隠された驚愕の事実という事ではなかなか秀逸だ。

いやあ、とにかくガラッと変わったというのが第一印象だ。
おまけに今回作者目指したホラーと推理の融合という目標は達成していると思う。実際、色が黒ずみ、痙攣を起こし、人相が変形する奇病は恐ろしかったし、羽室町という町が大きなお化け屋敷のように変わっていくのも読みながら手に汗握った。

しかし、しかしである。後半は急ぎ過ぎた。じわじわと雰囲気を盛り上げていった割には最後の真相が駆け足になってしまったようで、なんとも呆気ない。最後もぶつっと切れてしまったような終わり方で、エピローグが欲しかった。
今までの司作品では島田作品ばりのエピローグが特徴的で、時にはお涙頂戴的なそのエピローグが蛇足に感じていたのに、今回は逆にそれがないがために消化不良の感がある。

前にも書いたように今回の文章は別人が書いたかのような出来映えである。が、しかしこれはようやく作品として読むに耐える文章を得たという事に過ぎなく、今からが実質的なスタートラインだろう。次回もレベルを維持している事を期待する。


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No.3:
(3pt)

気楽に読める

この人の書いた本は疲れない。とても楽に読むことができる。
社会派と宣言されると読みたくなかったり、読んでも納得の
いかないことがあるのだが、高校生くらいの人たちには丁度よい内容
ではないだろうか。日本で国家や企業の陰謀ものを小難しく書いても
現実ではバレバレ過ぎるし、行える機関が少なすぎて小説で
読んでもスリルが出ない。要するに犯人になりえる対象が少ない。

ドラマチックな部分や急展開もないので、あっさりしすぎている
感はあるものの、ホラーというのはそういうものだ。
結末で現実に引き戻されるのは少々残念だが、ホラー的な終わり方も
パターンが出尽くしており、これまた難しい。
屍蝶の沼 (カッパ・ノベルス)Amazon書評・レビュー:屍蝶の沼 (カッパ・ノベルス)より
4334072917
No.2:
(3pt)

屍蝶の沼

「幽霊沼」で赤いレインコートを着た少女の全裸死体が発見される。その体は黒く焼け爛れしかも左の薬指は切り取られてあった。町のミニコミ誌の編集長岡江はかつての恋人、フリーライターの高野に連絡し取材を依頼する。閉鎖された町の過去の悲惨な出来事により起こってしまった事件。「社会派ミステリー」と言えるのでしょうが、どうも私は「一尺屋シリーズ」のようなおどろおどろしいのが好きなので厳しい評価となってしましました。もちろんストーリーの展開は司さんらしい面白いものではあるんですが...。
屍蝶の沼 (カッパ・ノベルス)Amazon書評・レビュー:屍蝶の沼 (カッパ・ノベルス)より
4334072917
No.1:
(3pt)

屍蝶の沼

「幽霊沼」で赤いレインコートを着た少女の全裸死体が発見される。その体は黒く焼け爛れしかも左の薬指は切り取られてあった。町のミニコミ誌の編集長岡江はかつての恋人、フリーライターの高野に連絡し取材を依頼する。閉鎖された町の過去の悲惨な出来事により起こってしまった事件。「社会派ミステリー」と言えるのでしょうが、どうも私は「一尺屋シリーズ」のようなおどろおどろしいのが好きなので厳しい評価となってしましました。もちろんストーリーの展開は司さんらしい面白いものではあるんですが...。
屍蝶の沼 (カッパ・ノベルス)Amazon書評・レビュー:屍蝶の沼 (カッパ・ノベルス)より
4334072917



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