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少女には向かない完全犯罪



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少女には向かない完全犯罪

少女には向かない完全犯罪の評価: 5.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.00pt

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(5pt)

少女には向かない完全犯罪の感想

幽霊となった完全犯罪請負人と、両親を殺された小学生・音葉。それぞれ個では無力だが復讐を目的に協力するバディもの。
古典ミステリへのオマージュが随所に散りばめられ、二転三転ではすまない多重解決模様の物語は圧巻でした。読後感も良く、ミステリ要素が満載の一作です。

作品としては素晴らしいのですが、個人的な事情から点数は控えめになりました。
本作品は文章密度が高く、450ページに及ぶ大ボリュームです。このボリュームを楽しめたかというと、前半は良かったのですが後半になるにつれて、内容の把握が難しく読書が少し大変に感じられました。小説の終わりどころを見極める難しさはあると思いますが、本作では「気持ちよく終わった」と思った瞬間にまだページが続いているという感覚を何度も味わいました。大長編作品が好きな方にとってはプラス要素かもしれませんが、個人的には少しマイナスに感じた部分です。
特に多重解決ものは、スピード感とともに一気に読むことで連続的な意外性の爽快感が生まれると思うのですが、本作では残りのページ数の多さからか、今読んでいる推理や結末は後で覆る「ダミー」案の間違えを読まされている感覚になってしまい、爽快感ではなく面倒な気持ちになりました。内容を把握する気持ちが得られず「読みたい」ではなく「読まなくちゃ」と使命感で読書していたような気持ちでした。

他にも、印刷された文章の密度や文字の大きさの影響か、「音葉」が「音楽」に見えてしまうなど、読書中に引っかかることが多く、気持ちが入りづらい読書体験でした。読みやすい講談社文庫化されたら改めて再読したいと思います。また文字サイズを調整でき、残りページ数が見えない電子書籍版で読むのも良さそうです。

本作は要素が盛りだくさんで面白いのですが、個人的にはどこか名作になりきれなかったような勿体なさを感じる作品でした。

egut
T4OQ1KM0

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