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軋み



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【この小説が収録されている参考書籍】
軋み (小学館文庫 あ 7-1)

軋みの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

寒村の人間関係が絡む粘ついたミステリー、北欧の湊かなえ?

英国推理作家協会新人賞を受賞した、北欧の新星のデビュー作。アイスランドの小さな漁港の町の女性刑事が古くからの人間関係と因縁が絡む殺人事件に挑む、警察ミステリーである。
長年の恋人との別れを機にレイキャヴィーク警察を辞職して故郷・アークラネスに戻り、警察に職を得たエルマ。誰もが顔見知りで事件・事故といえば酔っ払いか交通事故しかないような田舎のはずが、町外れの海岸で身元不明の女性の死体が発見され、エルマは首都警察でのキャリアの真価を問われることになった。被害者は子供時代をアークラネスで過ごし、今は近郊に住む主婦のエリーサベトと判明するのだが、夫によると「妻はあの町に行くのを嫌がっていた。憎んでいたと言ってもいい」という。エリーサベトはなぜ、30年も近寄らなかった町に来たのか、殺されなければならなかったのか? エルマは田舎町の濃密な人間関係の闇に分け入り、埋もれていた事件の真相を解き明かそうとする。
一つの殺人事件の真相を明かしていく、正統派の犯人探しミステリー。事件の背景や動機も目新しくはないのだが、ポイントとなる人間関係の組み立てが複雑かつ巧妙で読ませる。欲を言えば、エルマのキャラがやや平凡なのが惜しいが、すでに2作目、3作目が発売され好評を得ているというので今後の展開に期待したい。
北欧ミステリーファンには間違いなくオススメ作である。

iisan
927253Y1

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