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偽りの眼



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【この小説が収録されている参考書籍】
偽りの眼 下 (ハーパーBOOKS)
偽りの眼 上 (ハーパーBOOKS)

偽りの眼の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
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No.1:
(8pt)

暴力に立ち向かえるのは暴力だけなのか

壊れたアメリカの暴力を描き続けてる人気作家・スローター、久々のノン・シリーズ作品。23年前のトラウマにとらわた姉妹が過去に決着をつけるために壮絶な暴力で自分を守ろうとする、バイオレンス・サスペンスである。
幸福な家庭生活を送っている弁護士・リーに突然、陰惨なレイプ事件の弁護が命じられる。容疑が濃厚だが無罪を主張する被告が、公判の直前になってリーの弁護を依頼してきたという。なぜ自分が指名されたのかいぶかりながら被告に会った途端にリーは、23年前の悪夢が蘇り、激しい衝撃に打ちのめされる。被告・アンドルーは、リーが生涯隠し通すはずだった、あの秘密を握っているようだったのだ…。
弁護士としては被告・アンドルーを無罪にする責務があるのだが、ひとりの女性としてはレイプ魔を許せず、刑務所に送り込みたいという、究極のジレンマに苛まれるリー。その理由が順々に明らかにされ、再生への歩みを追うのがメイン・ストーリーで、事件の舞台として未知のウィルスによるパンデミックに怯えるアメリカ社会の動揺が置かれている。ただし、コロナ禍の部分は、言ってみればどうでもいい背景で、主題は子供や女性への性暴力との戦いという、スローターが追求してやまないテーマである。また、精神的・肉体的な暴力の凄惨なシーンが続出するのも、いつものスローターの世界である。
スローター・ファン、現代の社会病理が絡むサスペンスのファンにオススメする。

iisan
927253Y1

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