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贖いのリミット



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【この小説が収録されている参考書籍】
贖いのリミット (ハーパーBOOKS)

贖いのリミットの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

妻としては悪女、母としては聖女

ジョージア州捜査局特別捜査官ウィル・トレント・シリーズの第8作(訳者あとがき)。これまでウィルの人間性に大きな影響を与えながら影の存在だったアンジーが主役として登場する、サスペンス・ミステリーの傑作である。
プロバスケットのスター選手リッピーが所有するビル建設現場で元警官の惨殺死体が発見された。実はリッピーは数ヶ月前に強姦で訴えられ、ウィルが捜査したのだが強力な弁護団によって不起訴に持ち込まれていた。被害者は悪徳警官として知られ、退職後はリッピーのマネージャーに雇われ汚い仕事をしていたことから、リッピーの尻尾をつかめるのではないかと期待したウィルだったが、現場に残された銃が別居中のウィルの妻アンジーのものだったことで激しく動揺する。しかも、現場を血の海にした多量の出血は被害者ではなく、現場から逃げた女性のものだと判明。さらに、その血液型はアンジーと同じで、数時間以内に死に至る可能性があるという。アンジーが殺害犯なのか、どこに隠れているのか、正常な判断力を失ったような状態で必死に走り回るウィルに対し、恋人であるサラ、相棒のフェイス、上司のアマンダたちは複雑な感情を抱くのだった。
凄惨な殺人と複雑な犯行態様、底知れぬ闇をかかえた事件の背景など、サスペンス・ミステリーを盛り上げる要素が満載で一級品のミステリーである。さらに、今回主役のアンジーが複雑怪奇かつ直情的な、極めて存在感が強いキャラクターでヒューマン・ドラマとしても読み応えがある。アンジーは聖女なのか、悪女なのか、あるいはそうした判断を許さない超越的な存在なのか?
シリーズでも屈指の傑作として、シリーズ愛読者はもちろん、本作が初めての方にも自信を持ってオススメする。

iisan
927253Y1

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