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数字を一つ思い浮かべろ



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【この小説が収録されている参考書籍】
数字を一つ思い浮かべろ (文春文庫)

数字を一つ思い浮かべろの評価: 8.50/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.50pt

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(9pt)

深く思索する、アメリカ生まれのニューヒーロー登場。

2010年に68歳で作家デビューしたという、アメリカの新人作家のデビュー作。すでに6作目まで続いている退職刑事デイヴ・ガーニーシリーズの第一作で、アメリカの刑事が主人公ながら古典的な謎解きに重点を置いた犯人探しミステリーである。
ニューヨーク市警の花形刑事と評価されながら早期引退し、キャッツキル山地の農場で暮らしているガーニーのもとに、大学時代の友人でスチリチュアル施設を運営しているメレリーが訪ねてきた。メレリーは「1から1000のうちから1つの数字を思い浮かべろ」という手紙を受け取り、658という数字を重い浮かべたのだが、同封されていた小さな封筒を開くとそこには「おまえが選ぶ数字はわかっていた。658だ」と書かれていた。さらに「なぜ分かったか知りたければ金を送れ」と書かれており、小切手を送金したメレリーの元に次々に犯行を予告するような脅迫状が届いたため、メレリーはガーニーに助けを求めたのだった。ガーニーが調査に乗り出したのだが、脅迫犯から第二の数字当てトリックを仕掛けられ、その謎を解けないでいるうちに、メレリーが残虐な殺され方をしてしまった。しかも、事件はそれだけにとどまらず、同じような手口の事件が報告されるのだった・・・。
数字当てのトリック、殺害現場の謎解き、犯行動機の不明さなど、不可解なことだらけの事件を、退職刑事ガーニーが丁寧に謎解きしていくのが、本作の読みどころ。アメリカの警察にしては珍しく行動より思索を重視する、やや複雑な性格のガーニーのキャラクター設定が秀逸。さらに事件が次々に発生し、その度に謎が深くなるというストーリー展開も素晴らしい。
警察ミステリーの枠を超え、本格派、古典派の謎解きミステリーのファンも十分に満足できる傑作である。

iisan
927253Y1

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