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長い長い殺人



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長い長い殺人の評価: 7.14/10点 レビュー 7件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.14pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全4件 1~4 1/1ページ
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

長い長い殺人の感想

全編通して語り手が財布たち…という設定が興味深い作品でした。しかもそれぞれの財布たちがちゃんと人格?物格?(適した言葉ありますか?)を持ち、持主への情を踏まえた第三者の視点を持って、その財布しか知り得ない事実を語っていくという流れです。派手などんでん返しはなくとも、財布たちが慮る持主たちの背景や心情の描写は小説として満足できるものでした。
殺人事件、しかも4人もが惨殺されているお話しなのに何故か読後にほっこり感が味わえました。同作者の「我らが隣人の殺人」に通じるものを感じます。
オススメの一冊です。

はつえ
L7BVQMDY
No.3:
(7pt)

長い長い殺人、感想&備忘録


▼以下、ネタバレ感想

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ナタ
9AJ0TZ5W
No.2:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

財布視点の劇場型犯罪小説。アイデアが秀逸!

1989〜92年に書かれた10編の連作小説。テーマはいわゆる「劇場型犯罪」だが、ストーリーを進めるのが「各編の主役が持っている財布!」という設定で読者を驚かせる。そして、その奇抜なアイデアが素晴らしい効果を上げている。
事件は、轢き逃げされた会社員に巨額の保険金が掛けられていたことからスタートする。受取人になる妻が疑われるのだが、彼女には完璧なアリバイがあった。捜査を担当する老刑事はやがて、彼女の不倫相手を探り出し、その男の周辺で奇妙な事故が起きているのに遭遇する。保険金目当ての相互殺人ではないかという疑惑が深まり、メディアの報道が過熱していく一方で、捜査陣は決定的な証拠を発見することが出来ず、メディアを利用して冤罪を訴える二人に振り回されることになる。
という、まあ、どこかで見たようなお話なのだが、10のエピソードを10個の財布が一人称で語るうちに全体のストーリーが展開し、完結するという構成が秀逸。財布の視点からの語りでありながら、それぞれの財布の持ち主の性格や行動が見事に描き出されており、その上手さには舌を巻く。アイデア、テクニックともに、「さすがは、宮部みゆき」と脱帽させられた。

iisan
927253Y1
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

長い長い殺人の感想

各章が擬人化された財布の視点で語られており、それが10編集まって長編となる手法のミステリーです。完全な神の視点では無いので、一部の情報が見聞き出来無かったり、中々凝っています。面白かったのですが、10個の視点から語られるので展開が遅く、全貌が見えるまで時間がかかるのが欠点ですね。
ストーリーは保険金殺人で、特に複雑に絡み合ったと言う話ではありません。それぞれの登場人物は、犯人、被害者、その身内、捜査する側の人間などですが、この10人それぞれの人間ドラマを読ませるのが宮部作品の特長でしょう。必ず誰かに感情移入して、グッと入り込めると思います。
初期の作品ですので既読の方も多いでしょうが、未読の方には是非オススメします。余韻が素晴らしい。

なおひろ
R1UV05YV

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