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刺青の殺人者



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【この小説が収録されている参考書籍】
刺青の殺人者 (創元推理文庫)

刺青の殺人者の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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No.1:
(8pt)

自らの血を流す復讐者たち

オーストリアを代表するミステリ作家の「夏を殺す少女」の続編。ライプツィヒの警部ヴァルターとウィーンの女性弁護士エヴェリーンが登場するシリーズ第二弾である。
ウィーンで学費を援助してくれる男性を出会い系サイトで探しているカルラは、裕福そうな医者の誘いに乗り、彼の家に同行するのだが、そこで待ち受けていたのは・・・。その一年後、ライプツィヒで全身の骨が折られ、血が抜かれた若い女性の死体が発見され、ヴァルターが捜査を担当することになった。遺体の確認にやって来た母親ミカエラは、殺された娘の妹で一緒に家出したダーナが行方不明であることを知り、何としても探し出すと決心する。警察が頼りにならないと判断したミカエラは、単身で犯人探しに突っ走る。頑固で一途なミカエラの暴走に手を焼きながらも、ヴァルターは事件捜査を進めるうちに連続猟奇殺人事件を疑い始めた。
一方、ウィーンでは、女性殺害の疑いをかけられた裕福な医師が、エヴェリーンに弁護を依頼して来た。信頼できないクライアントだと思いながらも依頼を受けたエヴェリーンは、弁護を引受けたことを後悔するハメに陥ってしまうことになった。
前作同様、二つのストーリーが交互に進展し、やがては一つの物語につながって行く構成が見事である。また、犯人のおぞましさ、狂気が際立っていて、レクター博士シリーズを彷彿させるサイコミステリーに仕上がっている。
しかし、本作の本当の主人公は復讐の鬼と化すミカエラで、その無鉄砲な行動に読者はハラハラさせられ通しで最後まで目が離せない。
「夏を殺す少女」に高ポイントを付けた方はもちろん、サイコミステリー好きには絶対にオススメの傑作である。

iisan
927253Y1

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