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十二人の死にたい子どもたち



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十二人の死にたい子どもたちの評価: 7.33/10点 レビュー 3件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.33pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全3件 1~3 1/1ページ
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

迫力のあるのタイトル

「十二人の死にたい子どもたち」、このタイトルを知った時には是非とも読んでみたいと思った。
あらすじとしては以下の通りだ。1番の少年サトシが主催する集団安楽死に賛同する2〜12番の番号を振られてた少年少女がその会場に集合するのだが、既に1人がベッドの上に横たわっていて動かない。彼は一体誰なのか、それがわかるまではスッキリと自殺できないということで犯人探しをしようとする。12人全員の視点を章ごとに描きながら誰が犯人だかわからないようにさせているのもなかなか容易なことではないと思う。
全体の雰囲気としては、ダークで重々しい雰囲気が漂っていながらも決して重くなりすぎない絶妙な空気感によってストーリーに引き込まれていった。

▼以下、ネタバレ感想

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陰気な私は地球を回さない
L1K3MG03
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

十二人の死にたい子どもたちの感想

安楽死という共通の目的で集まった10代の12人が死にたい理由を告白しあいます。
やっぱ、殻にこもらず人に話してみるって大事なんですね。
自殺する状況では他人を介在させる余裕すらないとは思いますが、孤立させなければこの不幸は防げるかもって考えさせられた作品でした。
自殺させてしまうってのは周りの人間の責任も大きいんだなって思いました。

梁山泊
MTNH2G0O
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

十二人の死にたい子どもたちの感想

自殺サイトを介して集団自殺を目的に廃病院に集まった12人の少年少女。自殺を実行しようと思う矢先、予定外となる13人目の少年の死体が発見される。
彼は何者?何故死んでいるの?自殺なの?殺されたの?このまま集団自殺してよいのか?...と議論していく流れ。
最初の印象は映画『十二人の怒れる男』ですね。そのパロディで日本では『12人の優しい日本人』という作品があります。本書もこの流れを汲んでいる1作となります。これらの作品が好きな人は全体像や結末を感じながらの読書となります。予想や流れを知っている事については良し悪しありますが、それ系の作品です。

本書の難点を先に述べると、12人の登場人物および舞台の把握がし辛い事。序盤は誰が誰で何処に何があってというのが頭に入らなくて大変でした。
映画では人物と舞台が視覚的に認識できるので12人ものの把握がし易いのですが、それが小説となると著者の力量や苦労を感じますね。近々映画化されるという事なのでそれは良い流れで面白そうだと思います。

本書はミステリ的な推論・議論が展開されますが、そこがメインというわけではなく、集まった少年少女の葛藤やドラマを感じる青春小説の印象を受けました。自殺をしたくなる程追い詰められた少年少女。学校という閉鎖空間で相談や頼れる人物が得られず、独り悩み苦しんでいる者達の集いです。予期せぬ死体の発見を切っ掛けに、想いを少しづつ吐出し、どうせこの後死ぬんだからと悩みもぶちまける。それぞれの死にたい悩みを聞いた反応は12人もいるので、同情する人、そんなことで?と呆気にとらえる人物も出てくる。隣の芝を青く感じたり、客観的に見えたり、価値観の違いを感じさせてくれます。12人の多人数設定が活かされる巧い作りだと思いました。同年代付近の学生の読者には、悩みの捉え方、考え方、こういう例もあるんだよと感じさせられるでしょう。ミステリ的な死体の議論と共に、少年少女の苦悩の議論を重ね合わせた構成がなかなかでした。

読後感は良かったのですが、中盤までしっくりこず。もっとドロッとした深みや感情むき出しの展開が欲しかったかな。少年少女の若い世代ゆえか素直な展開でした。

egut
T4OQ1KM0

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