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暁の死線



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暁の死線の評価: 7.00/10点 レビュー 3件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全3件 1~3 1/1ページ
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

暁の死線の感想

タイムリミットサスペンスの古典的名作であり、著者の代表作。都会で偶然出会った若い男女は、更に偶然同じ町の出身だと分かる。都会を引き上げ故郷へ帰るきっかけを探していた二人は、早朝の長距離バスへ乗る事を決めるが、なんとそれまでに殺人事件の犯人を捕まえなければならない事に。残された時間は3時間。と言う訳で、無理に決まってます。犯人が特定出来ていても難しいのに、誰だか全く分からないのですから。簡単では無いこの状況をどう打開して行くのか、私は十分楽しんで読めました。無理を通すのですから、野暮な事は言わないでね。

なおひろ
R1UV05YV
No.2:
(7pt)

作者の代表作の1つだが…

場末のダンスクラブで舞台ダンサーを夢見ながらも、挫折感に打ちのめされる毎日を送るブリッキー。いつもの仕事を終えたある夜、彼女の後を追う奇妙な男性に逢う。彼の名はクィン。彼はある富豪の家の現金を盗んだというのだ。
最初は心を開かなかった彼女は彼が同じ街の出身でしかも隣り同士だった事を知り、二人で故郷に帰ってやり直すよう促す。それをするにはまず盗んだ現金を返して身を綺麗にしてからだという事になり、富豪の家に戻る事になる。その富豪の家で遭遇したのは屋敷の主人の遺体だった。このままでは帰れない!このままでは殺人の容疑まで受けてしまう!なんとしても二人が旅立つ6:00までには犯人を捜し出し、身の潔白を証明するのだ。かくして二人の夜の捜索行が始まった。残された時間はわずか5時間…。

上の梗概を読んでいると筋が通っているように思うが、別に殺人の容疑を晴らすのはクィンの指紋を消せばいいのであって、犯人を捜す必要はないと思うのだがどうだろう?つまりはこの設定に無理を感じ、どうもノレなかった。
今までのアイリッシュのタイムリミット・サスペンスと違い、この探索行に至るまでの前置きが非常に長く、それに至るまでにニューヨークという大都会に呑まれた若い男女のウジウジとした心境が語られ、なんとも陰鬱なムードが延々と続くのが疎ましい。この話はタイムリミット・サスペンスの意匠を纏った若い二人の挫折からの再生物語であるわけだが、もっと説得力のある設定が欲しかった。あまりに観念的だ。やはり自分が好きなのは『幻の女』や『喪服のランデヴー』に見られるアイリッシュ・パターンとも云うべき容疑者・被害者一人一人を描くエピソードの短編小説的畳みかけであり、この作品も犯人の探索行における複数の容疑者を追い詰めるエピソードがもっとも面白かった。

最後に怒涛の如く真相を話すクィンの姿が冒頭の優柔不断さと180°変わっているのに違和感を覚えたし、この物語の締め方の性急さも気になる。世評ほどでは…というのが正直な気持ちだ。

Tetchy
WHOKS60S
No.1:
(7pt)

タイムリミット・ミステリーの古典

「幻の女」と並び称される、1944年発表のウィリアム・アイリッシュの代表作。1940年代の青春のドラマをわずか5時間25分の間に凝縮した、タイムリミットものの傑作である。
NYでの成功を夢見ながら孤独な生活を送るブリッキーは、ある夜、務めていたダンスホールで客のクィンと出会う。挙動不審なクィンをグリッキーが問いつめると、彼は失業して自暴自棄になり、泥棒を働いてきたと告白した。さらに、クィンが同じ街の出身であることを聞いたブリッキーは、再出発のために、盗んだ金を返して二人で故郷に帰ることを提案する。バスが出発する朝までに間に合うように、すぐに窃盗の現場に戻った二人だが、そこには男の死体が転がっていた。クィンの潔白を証明するために、二人は残された時間で犯人探しをすることになった・・・。
とにかく、わずか5時間ほどの間に二人の出会いから犯罪の解明までが一気に進行するスピードが効果をあげている。まさにタイムリミット・ミステリーのお手本である。また、本物の犯人にたどり着くまでのプロセスに、内容のあるサブストーリーが挿入されていて、話が広がっているのも読み応えがある。さらに、都会で挫折した若い男女の再出発ストーリーが、犯人探しと同等の重みを持っているのも、古典的な魅力と言える。
タイムリミットものには不可欠なサスペンスが不足しているものの、読みやすくて分かりやすいミステリーとして多くの人にオススメできる名作である。

iisan
927253Y1

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