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(短編集)

あぶない叔父さん



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【この小説が収録されている参考書籍】
あぶない叔父さん
あぶない叔父さん (新潮文庫)

あぶない叔父さんの評価: 5.20/10点 レビュー 5件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.20pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(4pt)

あぶない叔父さんの感想

これはなかなかの問題作ですね。
ちゃんとミステリ作品ではあるんですけど、はたしてこれを「本格」ミステリと呼んでもいいものかどうか。

主人公の高校生優斗の持ち込む事件の謎を、便利屋を営む叔父さんが解き明かすという連作集なのですが・・・

もともと麻耶氏の作品の魅力は、非常に精緻な「ロジック」に軸足をのせることで本格ミステリの形を保ちつつ、本格ミステリの概念を破壊する挑戦的な「プロット」を見せるところにあると思います。
ところが本作では、謎の解明において表面上ロジックをほぼ放棄しているように見えるため、健在の挑戦的なプロットも不発気味に感じてしまいました。



▼以下、ネタバレ感想

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AliceinAbyss
RG0JBP5M
No.3:
(5pt)
【ネタバレかも!?】 (3件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

あぶない叔父さんの感想

タイトルからして普通の作品じゃないだろうなと思っていましたが・・・。
「さよなら神様」でクセになっちゃったのかなぁ・・・
「さよなら神様」「化石少女」と同様の、一風変わった連作短編集になります。

寺の次男坊である高校生の優斗と、寺の離れに住んでいる「なんでも屋」を営む(?)叔父さんの物語です。
「事件の真相を明らかにする、本来探偵役が担う役どころ」と「犯人」が同一人物であるというのが、この作品に施されている趣向ですかね。
要するに、叔父さんが犯人で、叔父さん自身が優斗にネタバラシをするという展開。
叔父さんの話の信憑性はさておき、毎度毎度、「叔父さんは優しいなぁ」「叔父さんは運が悪かったね」と、優斗には「いい話」として腹落ちするというオチ。
そして、事件の真相といえば、到底トリックと呼べる代物ではなく、偶然の産物がもたらした結果として明らかにされるので、正直脱力。
最初は「麻耶らしいな」とか思っていても、これが続くと、さすがに失笑。
麻耶雄嵩をよく知らない人には、はっきり壁本じゃないかな。

梁山泊
MTNH2G0O
No.2:
(5pt)

あぶない叔父さんの感想

メルカトル鮎とは対照的に善良すぎる名探偵。麻耶作品の中では地味な印象はあるものの、作者のやりたい事はわかる上に、良い話風に締めてる分余計タチの悪い後味になっている(笑)。青春小説としては尻切れとんぼなのは続編の予定があるからなのかは不明。短編単体では「失くした御守」と「旧友」が個人的ベストです。

水生
89I2I7TQ
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)
【ネタバレかも!?】 (2件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

「あぶない叔父さん」の感想

六編の連作短編ミステリです。
高校生の俺・斯峨優斗(しが ゆうと)の視点で全話語られるという形式です。
三話目の「最後の海」を除き、「何でも屋」をしている優斗の叔父さんが、事件に深く関わって来る・・・と言う流れになっています。

一話と二話を読んだところでは、このシリーズでは、こういうパターン(どんなパターンかは、読めばすぐにわかりますので、ここでは省略です)で話が推移していくんだなと思っていたところ、第三話の「最後の海」では、優斗の叔父さんが、名推理を披露し、事件の犯人や犯行の方法を指摘してしまいます。
この後の第四話からの流れに、何か変化でもあるのかと思っていましたが、四話目以降はまた、最初のパターンに戻ってしまいました。

一話から五話にかけて、優斗の周辺の出来事でいろいろと気になることがあったので、書き下ろしの最終話・「藁をも掴む」で、一気に収束してしまうんだろうと、密かに期待しながら読み進めていきました。

ところが・・・です。
最後の最後に、何か大きな仕掛けでもあるのでは・・・と期待をしていた最終話ですが、それまでの五話と同じように、あっさり終わってしまったのには驚きました。
途中で、思ったような展開になりかけましたが、肩すかしを食らわされたような感じで読み終えました。
となると、第三話の解釈を、再度し直さなければいけなくなりそうですね・・・。

この作品で麻耶雄嵩に初めて出会った読者の方々は、ちょっと面食らってしまうだろうと思いますし、これまで慣れ親しんだ読者にとっても、賛否が大きく分かれそうな作品ですね。

トラ
WFY887SY

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