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マジックミラー



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マジックミラーの評価: 6.67/10点 レビュー 6件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.67pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全5件 1~5 1/1ページ
No.5:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

本格推理小説は面白すぎる

『学生アリスシリーズ』や『作家アリスシリーズ』のようにシリーズ化はされていない、有栖川有栖氏の初期作品。
ロジック重視で、大掛かりなトリックを弄した作品はあまり書かない印象の作家ですが、今作は鉄道ダイヤトリック、双子入れ替わりトリックなど本格ミステリの王道とも言える複数のトリックが仕掛けられた一冊です。

時刻ダイヤトリックを扱った作品は正直「なんとかしてなんとかしたんでしょ」って感じで、真剣に考える気もおきないしあまり好きではないのですが、この作品はそれ以外の部分にも仕掛けられたトリックが面白く、出来も良いと感じました。
作中のアリバイ講義も面白かったです(私は基本はこういう単に作者が自分の趣味を語りたいだけのパートは嫌いなんですけどね)

極めて王道な本格推理小説であると同時に、この作品そのものが「本格推理小説」というものをそのままテーマにした作品というか、「本格推理小説」というもののテーゼであるかのように感じました。
作中に出てきた「トリックというもの自体が面白すぎる」「本格推理小説というジャンルが面白すぎる」という言葉。
私のような人間にとってはまさにその通りだと思います

▼以下、ネタバレ感想

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マリオネットK
UIU36MHZ
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

マジックミラーの感想


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カミーテル
MCFS6K6O
No.3:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

新本格ミステリには珍しい情緒がある。

私の有栖川作品初体験はデビュー作の江神・有栖川コンビの『月光ゲーム』ではなく、火村・有栖川コンビの第1作の『46番目の密室』でもなく、このノンシリーズの作品だ。
文庫派である私は単行本、ノベルスで刊行された作品が文庫落ちしてから読むのを習慣としている。この文庫落ちのスパンというのは3~4年が通例なのだが、東京創元社は概ねこの文庫化になるスパンが長く、しかもまちまち。『月光ゲーム』は単行本刊行後5年後で比較的早くはあった。

余呉湖畔の別荘である女性が殺される。それは作家空知がずっと慕っていた女性だった。容疑者と思われた夫は事件当時福岡におり、またその双子の弟は新潟にいてそれぞれのアリバイは完璧だった。空知は亡くなった女性のため、その妹と一緒に独自に事件を調べる。
やがて双子の片割れが頭と手首を切断された死体として発見される。

時刻表トリックに双子の登場、そしてその片割れが頭と手首を切断された死体になるという、まさに本格ミステリ王道を行く設定だ。
新本格組では法月綸太郎氏がクイーンの後継者としてデビューしたが、有栖川氏も熱心なクイーン信奉者であり、さらに自身国名シリーズまで出しているくらいだ。法月氏は早々に後期クイーン問題に直面し、悩める探偵となり、寡作家になってしまったが有栖川氏はデビュー以来着実に作品を刊行し、いまや現代本格ミステリの第一人者になっている。
そんな彼の最初期の作品である本書にはなんと登場人物を介してのアリバイ講義が盛り込まれており、自らの知見の広さを披露するという度胸振りだ。基本的に私はアリバイトリック物のミステリはほとんど読んだことが無かったため、挙げられている作者は私の守備範囲ではないが、それでも興味が湧いた。
そんなガチガチの本格ミステリを展開しながらも、お話としてもほんのりとしたペーソスが施されており、単なるパズル小説・トリック小説に終っていない。一番最初に「おっ」と思ったのはコーヒーか紅茶だったか、喫茶店で角砂糖を入れるところの何気ない描写。ここに他の新本格作家にはない情緒を感じた。

そして最後の緊張感溢れるサプライズは映像的でドラマ化されても十分映えるシーンだ。いやむしろミステリドラマを意識したかのような演出だ。単純に関係者を集めて長々と推理を披露した上で犯人を名指しするというオーソドックスな本格ミステリが多い中、こういう演出は新鮮だった。そしてさらに仕掛けた作者の企み。これをフェアと取るかアンフェアと取るかはその人のミステリ嗜好によるだろうが、私は有りだと思った。
最近になって新装版が刊行されたがそれもまた納得。時刻表ミステリは廃線や廃車となった車種もあるのですぐに時代の流れに風化されやすいが、現代本格ミステリの第一人者の初々しい頃に触れる意味でも、本書を手に取ってみてはいかがだろうか。

Tetchy
WHOKS60S
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

マジックミラーの感想

この作品には事件以外にもう一つの見どころがあって、登場人物の一人である推理作家により「アリバイ講義」が作中で展開されているんですね。
「やりたかったのかなー」って想像してしまう。
まぁ、江神は学生だし、火村にしても犯罪心理学者な訳で、彼らの口を借りて「アリバイ講義」を始めるのはおかしな話ですからね。
良かったんじゃないでしょうか。

で、事件の話。
序盤はアリバイ崩しに終始、しかもそれが「時刻表トリック」
この作者がこのような作品を描いていたんだという驚きがありました。
双子を上手く使って単なるアリバイ崩しで終わらせていないところはさすがだとは思いましたが、やっぱり受け身にならざるを得ない「時刻表トリック」は苦手で、読中は「つまんねーなー」でした。
で、第二の殺人が起きる事で物語は急転直下、加速度的に面白くなっていくのですが・・・


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梁山泊
MTNH2G0O
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

マジックミラーの感想


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Ariroba78
5M53WTS6

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