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(短編集)

砂時計



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【この小説が収録されている参考書籍】
砂時計―推理傑作集 (カッパ・ノベルス)
砂時計 (光文社文庫)

砂時計の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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No.1:
(7pt)

泡坂氏が見出した死の美学

恐らく今までの例に漏れず不定期に小説誌に発表された短編を寄せ集めた作品集であろう、内容も怪奇小説、人情小説、はたまたエッセイめいた私小説などヴァラエティに富んでいる。
それらの作品に通暁しているのは透明な視線で描かれた抑揚のない文章。ただこれはけなし言葉ではなく、そういった文章であるのにも関わらず登場人物達の彩りが鮮やかであること。特に紋章上絵師を主人公にした一連の作品群はもう縦横無尽ぶりの独壇場である。それ故、それらが最も印象に残ったことは云うまでもない。
ただ、不思議なのはいやに「死」を結末にすること。特に美しい女性に対し、その色が濃い。これは、使い古された言葉だが、「滅びの美学」を泡坂が老境に入った今、如実に意識しているのではないだろうか。紋章上絵師として、奇術師として、そして作家として去り際は粋で美しくありたい、そういう願望が見え隠れしているように私は思えるのである。

Tetchy
WHOKS60S

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