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夏を殺す少女



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【この小説が収録されている参考書籍】
夏を殺す少女 (創元推理文庫)

夏を殺す少女の評価: 7.00/10点 レビュー 5件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全3件 1~3 1/1ページ
No.3:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

夏を殺す少女の感想

マンホールに落ちて死んだ医者の事故に関わる事になった弁護士のエヴェリーンと、もう一方精神病院で自殺した若い女性の捜査に赴く捜査官のヴァルター。オーストリアとドイツ、遠く離れた別々の国で起った出来事だったのが、その死に違和感を感じ他殺ではないかと疑問を感じそれぞれが真相をさぐるべく個々に突っ走っていきます。やがて二人が交差し忌まわしい過去が浮かび上がってくるのですが、非常にスピード感のある展開で最後まで一気に読みました。

殺された少女たちと似たような辛い経験を持つエヴェリーンが何かにつき動かされるように事件にのめりこんでいくのはちょっと痛々しいですが、ヴァルターの方は今は閑職ではあり捜査からはずされたものの、刑事らしい正義感で同じように自殺にみせかけて殺された少女が他にもいることをつきとめていきます。

それにしてもヨーロッパは文化も経済も違う国々が隣接する地続きの地域なのだと改めて感じました。
真相はおぞましいのですが、最後は明るいエピソードで終わり読後感はとてもよかったです。


たこやき
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No.2:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

夏を殺す少女の感想

ヴァルター・プラスキーは妻に先立たれ、娘と過ごす時間を優先した為に州刑事局からライブッイヒ刑事警察の機動捜査官になった。
エヴェリーン・マイヤースは、中小企業を相手にしない法律事務所の弁護士だが、暗い過去の出来事を引きずっている。人間的な魅力のある二人がそれぞれの案件を追っていくうちに、バラバラだつたピースが一つになり事件の全容が見えてくる。発端となる舞台での出来事も事件を追う二人が出会う手法も目新しさは無いが、展開がスピーディで訳も良いためにサクサクと読み進める。ただ、情報を得て先に進む過程で都合のよい協力者が現れるのには苦笑する。もう少しもたついた方が先の展開への興味が増すと思うが・・・。例えば先に読んだ「連続殺人鬼カエル男」の場合、猟奇的な殺人事件の被害者を結ぶ線は中々見つからず、犯人の真の狙いが捜査当局には解らずに通り魔的な犯行と考えられていたが・・・。と云った展開で読者を飽きさせなかった。でも、この二人の行動力ある活躍と、自分を信じ周りの意見に妥協せずに突き進む姿は共感を呼ぶものだ。喘息持ちの警部と家族を失った金髪の美人弁護士にはラストでの微笑ましいエピソードが用意されていて読後感も気分が良かった。点と線、事件はこれを解明することにある。そんなオーソドックスなスタイルのストーリーだけれど読ませる実力を持った作家だ。

ニコラス刑事
25MT9OHA
No.1:6人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

読ませる、サイコミステリー

初めて手に取ったオーストリアのサイコミステリーは、予想以上の面白さだった。近頃人気が高まっている北欧、ドイツのミステリーのテイストに近く、アメリカのサイコものとは少し違う読後感をもたらした。
オーストリアで小児科医がマンホールに落ちて死亡し、市会議員が運転中にエアバッグが作動して事故死した。ドイツの精神病院では若い女性患者が自殺した。どれも単純な事件・事故と思われたが、意外な事実が判明し、隠されていた忌まわしい過去が暴かれていく・・・。
ウィーンの事故を担当した女性弁護士と、ドイツのやもめの機動捜査官(刑事としては閑職の立場)が、それぞれの事情(と正義感)から真相究明に突っ走る。それぞれのストーリーが交互に、スピーディーに記述され、やがて一本の道に合流し、驚くべき結末を迎える。
事態が動き始めてからわずか一週間ほどで解決に至る物語の展開の速さがスリリングで、犯行動機、登場人物の背景描写も深みがあり、実に読み応え十分の作品だ。

iisan
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