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リライト



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リライトの評価: 8.17/10点 レビュー 6件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.17pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

面白いけど、ややこしや

法条遥という作家の作品を読むのはこれが2冊目です。「忘却のレーテ」という本を以前読んだことがあり、それは非常に面白いものでした。そこでこの作品を選んでみましたがいわゆるタイムトリップものまた別の言い方をすればタイムリープもの、 まあいわゆる時間を移動するということですね。こういう作品の特徴としては時系列が非常に複雑になって理解しづらいというのがあります。 この作品も発想がいいんですが、やはり一回読んだだけでこの内容を全部理解するというのはほぼ不可能。おそらく作者は手元に図を描いてその図を見ながら全体の構図を頭の中で描いたんだと思いますけども、やはり読者がこれを読んですぐに理解するというのは無理だと思います。とにかく突っ込みどころがたくさんあります。しかしそのツッコミどころを言っていたのでは完全にネタバレになってしまうので、ここでは書けません。そこが歯がゆいところではあります。とりあえず私のレビューの基本としてはネタバレはしないというのが信条としてありそこはもう我慢するしかないということでしょう。一応物語の発端だけ書いておきますと、1992年の夏に主人公である美雪のクラスに園田保彦というイケメンの少年が転校してきました。この少年は実は未来人だったのです。彼は300年後の世界からやってきた未来人で、その目的はちょうどこの時代に書かれたある本を探すためにタイムリープしてきたのです。彼は300年後の世界ではある研究をしている研究員でした。天才的な研究員で自らタイムリープする薬を発明しその薬によって1992年にタイムリープしてきたわけです。主人公の美雪はこの園田という少年に恋心を抱きます。この事は後になって重要な要素の一つともなるわけですが、ある日校舎が崩れて園田が生き埋めになるという事件が起こります。美雪は彼を助けるために彼からあらかじめもらっていたタイムリープの薬を飲み10年後の自分の部屋にタイムリープします。そこにあった携帯を手に元の現場に戻りその携帯を適当にいじっていると、生き埋めになった園田少年の持っていた機械が反応し園田少年は救出されます。この辺りにもかなり突っ込み所はあるのですがもうそこはいちいち気にはしていられないでしょう。
1992年の世界から10年後の2002年の世界に飛び携帯を持ち帰ったこのことによって、歴史の因果がある意味変わってしまったわけです。それを正すにはどうしたらいいか。それは2002年になるまで待ってその携帯を元の場所に置くということです。彼女は携帯を大事に保管して10年経つの待ちました。10年前の自分がその携帯を取りに来るのを。ところが10年前の自分は一向に現れません。携帯はそのままです。これはおかしい、もしかすると歴史がその後変わってしまっていたのかもしれない。 一体何が起こったのでしょうか。発端はこういう感じです。そしてその後彼女の周りには奇妙で不可思議な様々な事件が起こります。園田少年が未来の世界から探しに来たという本も、非常に重要なこの物語の要素となっていると思います。細かいことは言えませんが、とにかく時間が行ったり来たりしてなかなか理解できないです。全体的な印象としたら面白かったと思いますが、タイムリープものは非常に頭を使わされるので疲れます。白河三兎という作家の「もしもし還る」という作品もそうでした。あれもこんがらがってよくわけのわからない作品でした。お読みになっていない方がいらっしゃれば読んでみてもらいたいと思います。未だに私は理解できていません。このリライトという作品には後になって続編がいくつか書かれているようですが、今のところ私は全く読んでいませんもちろん。機会があれば読みたいと思います。全部読むことによってもしかするとこの最初のリライトという作品の内容をより理解できるかもしれない、そのような期待があるからです。

作品に関してはこれ以上語れないのですが、タイムリープというものに関して私はちょっと昔から疑問を持っております。というのはタイムリープ自体はもちろんまずありえないものだという風に思いますが、仮にあったと仮定してもなぜタイムリープをする人間は時空から切り離されているのでしょうか。これがよく分からないんですよね。タイムリープをして昔に帰れば自分も歳が若くなって生まれる前に戻って自分は消えてしまわないのか。そこが不思議でならないんですよ。タイムマシーンでスイッチを入れて過去に戻ったらスイッチを入れる前に戻らないんでしょうか。タイムマシーンの内部だけは時空から切り離されてしまっているのでしょうか。タイムスリップをする時にはなぜ裸ではないんでしょうか。着ている衣服まで一緒にタイムリープしてしまうのは一体どういうわけなのか、不思議でしょうがありません。衣服は身体に接触しているからということでしょうか。であるならば、靴の下にある地面も体に接触していますから土の塊も一緒にリープしてしまうのか、よく分かりませんね。この辺のところを分かっている方がいれば聞いてみたいものだと思っております。

もう一つ付け加えるとタイムリープをした場合リープをした先の状況がどうなのかということですよね。もしリープをしたその先が海底だったらどうなんでしょうか。あるいは地面の中だったらどうなんでしょうか。リープをした瞬間にその人は死んでしまいますよね。それを防ぐにはどうしたらいいのかと言うと例えばロボットを先に行かせるとか、そういうのがあるでしょう。非常にめんどくさいなという感じはします。タイムリープ先がどんなところかそれを事前に確かめないと生命の安全は保障されないと思います。例えば10年後の同じ場所に何か別の建物が建っていたとしてその壁の中に現れたとしたらその壁に押しつぶされてすぐ死んでしまいますよね。その辺の疑問を分かっている方に解説していただきたいなという気がします。

タイムリープというのはパラドックスというものを非常にはらんでいるものですから、いくらでも小説が書けてしまいます。ただそれには相当な実力というものが必要になると思います。これまでも、数多くのタイムリープものが書かれてまいりましたが、初期のものは非常に単純でわかりやすかったのでそれなりに面白かったのですが、今書かれているようなタイムリープものは複雑さが増しており、なかなか理解しづらい楽しみづらいものになっています。そこをもっとわかりやすく説明することがこれからのタイムリープものの作者に求められることではないでしょうか。書いてる本人が分かっているだけではだめです。読者が簡単に理解できるようなものを期待したいと思います。

いわし雲
78XRDN1A

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