明治三十九年、帝都東京。

ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。

直木賞作家の珠玉にして衝撃のデビュー作! 旗本の息子だが、ゆえあって家を出て町に暮らし、歌舞伎・森田座の笛方見習いをしている遠山金四郎は、朝帰りの日本堤田んぼで、女の骸を見つけた。

筆という卵が生み出すのは、武者か美女か、それとも鬼か。東海一の文化人と、松平定信の交流が心を揺さぶる。

200年の間、固く閉ざされていた扉。

天性の色彩感覚を持ち、色のことになると寝食忘れてしまう江戸っ子・お彩。

ときは文政、ところは江戸。ある夜、中村座の座元と狂言作者、６人の役者が次の芝居の前読みに集まった。

直木賞作家が描く、珠玉の短編集。 清水寺の稚児としてたくましく生きる花月。

江戸に名探偵、参上! 石見国で藩を揺るがす陰謀に巻き込まれてしまった永見功兵衛。

最低亭主から逃げた女房は江戸の離縁請負人のもとで働くことに。

政略結婚から少女を救うのは、姫様人形! 両国の見世物小屋で真実を見抜くと評判の姫様人形・お華と、人形遣いの月草。

湯治旅の帰途、若夫婦が雨で足止めになった老女との相部屋を引き受けた。

万両店の末弟、鷺之介が齢十一にして悩みがつきない原因とは――。 時代小説の名手が描く、ホロリと泣かせる大江戸謎解き物語。

真心を学び、患者と向き合う少女の感動の成長物語! 「お父つぁん、おっ母さん、もうすぐ私もいくからね」 流行り病で両親を亡くし、奉公先のいじめに耐えきれず、川に身を投げたお葉。

明治三十九年の東京。

金貸の鉞ばばあお絹から金を借りた商家の主が首を括って死んだ。孫娘のお鈴は、残された妻子のため、真相を……。

優雅な余生を送るはずの隠居家は、今日も子供たちで大にぎわい。

8歳の清少納言は、帝の后である17歳の中宮定子様に仕え始めた。

大坂の町で飴売りをしているみくは15歳の元気な女の子。

還暦を前に大店下り酒屋の主・里右衛門が病に倒れた。

江戸は両国の見世物小屋では、“まことの華姫”が真実を語る―ともっぱらの噂。

風変わりな天才巫術師の少女と許婚が謎を解く、中華退魔ファンタジー! 霄(しょう)の京師(みやこ)には、稀代の巫術師(ふじゅつし)がいる。

さちの友だち、おとみが母親に捨てられた!? 境遇が移り変わっていく幼い少女たち。 物語を彩るのは、初夏の上菓子三品。

江戸国からの阿片流出事件について、日本から査察が入った。団長は大御所議員の印西茂樹。

おいちは十六歳。江戸深川の菖蒲長屋で、医者である父の仕事を手伝っている。

小間物問屋『遠野屋』の主清之介は、生国嵯波の紅花産業に莫大な金を注ぎ込んできた。その紅餅を積んだ船が突然消えた。

江戸の華〈祭り〉をテーマに人気時代小説作家が競作! 宮部みゆき「三島屋変調百物語」の最新作など、読み応え十分のアンソロジー。

牢屋敷の首打役を務める別所龍玄二十二歳。 介錯人・別所一門の名を背負い、切腹する侍の介錯を頼まれることもある。

御用人である萩原敏益のもとを訪れたのは、子どもの姿をした神様・久久紀若室葛根神。

自分を苦しめた相手を癒すーー。お葉が挑む、医療の険しい道。

直木賞作家の真骨頂! ほっこり笑えてじーんと泣ける江戸人情物語 巣鴨で六代続く糸問屋の主人を務めた徳兵衛。

葉室麟が遺した幻の作品が蘇る――。

悪夢を見た夜に必ず近所で起きる通り魔事件。

一人の武士の遺骸が河岸で見つかった。男は村塾の教師・梶与五郎。

「傭兵代理店」と対をなす国際謀略アクション 2022年2月23日、ロシア軍ウクライナ侵攻前夜。

幕府御徒組頭の寺西封元は、突然、老中首座の松平定信に呼び出された。

本屋の私が行商に出向いたのは、孫ほどの娘を後添えに迎えた名主宅。

ある髪結いの死体が見つかった。 その骸はお照が同業であると告げ口した女らしかった。

深川蛤町で飯屋〈川野〉を営むお純と一帯を駆け回る岡っ引きの弥助。 この夫婦、誰もが羨むほど仲が良い。

1934年上海。「魔都」と呼ばれるほど繁栄と悪徳を誇ったこの地に成功を夢見て渡ってきた日本人の青年・吾郷次郎。

妻のお和歌が子を宿した麻之助。

世界の南の端にある「花勒」「花陀」「雨果」「沙文」の四つの島は海神のものだという。

「我慢しなくていいんですよ」　 天才的揉み師のお梅が、 あなたの身体と心の闇まで ほぐします。

始めは深川、次に神田の床屋で身元不明の首無し遺体が発見された。

江戸で相次ぐ無差別の人殺し。手口は様々で、骸の傍には必ず一輪の白椿が置かれていた。

近江の玉池藩に潜入した幕府御算用者だが、そ こには罠が張りめぐらされていた。

無宿者と寂れた旅籠。

町医者が遙かに及ばぬ医術とめっぽう強い喧嘩技を持つ仁平のもとに難題がふりかかる。

江戸は神田の袋物屋・三島屋は風変わりな百物語で知られている。語り手一人に聞き手も一人。

直木賞作家の真骨頂! 笑って泣ける人間讃歌。

荒れ狂う海と未知の島、そして異国の民。

御留守居役を勤める五千石の旗本・坂東の側室綾乃は、坂東に酷い仕打ちを受けていたが、雪の降るある夜、意を決して家を飛び出した。

一俵でも禄高が減れば旗本に格下げになる、ぎりぎり一万石の大名、下総高岡藩井上家に婿入りすることになった竹腰正紀はまだ十七歳の若者だ。

千吉親分の文庫屋が火事だ！現場に駆け付けた北一が見たものとは。

武士から菓子職人に転身した変わり種の主、治兵衛。父を助ける出戻り娘、お永。

長年仕えていた油屋をいわれのない疑いによって去ることになった喜助。