大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。

脅迫電話に呼び出された医師とその娘婿が、白衣を着せられ、首に針金を巻きつけられた奇妙な姿で遺体となって発見された。

大胆な仕掛けと叙情あふれる筆致を融合させ、ふたつとない作家性を確立した連城三紀彦。

浜名湖畔の料亭「花ずみ」。ある日、名女将の後を継いだ旬平から、妻の通子に奇妙な電話が入る。

マニキュアで窓ガラスに描いた花吹雪を残し、夜明けに下駄音を響かせアイツは部屋を出ていった。

ドイツが東西に分断された冷戦のさなか、画家・青木優二の前に現れたベルリンからの来訪者。

大胆な仕掛けと巧みに巡らされた伏線、叙情あふれる筆致を融合させて、ふたつとない作家性を確立した名匠・連城三紀彦。

東京の夜空に珍しく一羽の鶴が舞った夜、一人の落語家・伊呂八亭破鶴が殺された。

もう一人の自分を目撃したという人妻。"消失狂"の画家。

北陸本線で知り合った女は、夫に逃げられたまま新婚旅行中の花嫁だった…。

自由に愛して、不自由に愛して、落とし穴にはまる―。ひやりと研ぎすまされた男と女10の物語。

大事件に遭遇したカメラマンが感じた違和感を描く「加速していく」、全面ガラス張りの特異な屋敷での不可能殺人の顛末「噤ヶ森の硝子屋敷」、人気コミックのノベライズ「前髪は空を向いている」、どんでん返しの切れ味鋭い「your name」、百合小説として評判となった

ミステリーに殉じた作家を敬愛する4人による驚嘆のアンソロジー。巧緻に練られた万華鏡のごとき謎、また謎。

終戦から間もない降誕祭前夜、まだ焼け跡の残る横浜・中華街の安宿で死体となって見付かった隻腕の男。

ごく普通のありきたりな家庭。夫がいて娘がいて、いたって平凡な日常―のはずだった。

石室敬三の元へ一年以上前に失踪した妻から突然電話がかかってきた。

上司の妻に誘われながら一度のキスだけで遠ざかる青年(「組歌」)、結婚をとりやめたのに形だけの新婚旅行に出た2人(「淡味の蜜」)、転勤してゆく隣室の主人を見送る人妻(「空き部屋」)、老いたるお手伝いさんとの再婚を決意する作家(「捨て石」)…。

時は明治末期。政府重鎮の妻君・但馬夕とその家の書生・御萩慎之介との情死事件は起きた。

死後に注目された萩生仙太郎の絵画が、30年ぶりにオークションへ出品されることになった。

戦後生まれの荻葉史郎の中にある東京大空襲の記憶。

相ついで起った五つの難事件に立ち向う田沢軍平クンは、どんぐりまなこに分厚いめがね、早くも薄くなりかけた髪とたまりにたまったアパート代を気にしながらモッサリと登場!?しかしこの軍平クン、モデル・女医・人妻から薄幸のホステス・不良少女にまでなぜかモテモテで―人

傲岸不遜な大スター「花ジン」こと花村陣四郎のパワハラに苦しむマネージャーの北上梁一は、ある夜、一組の男女と出会う。

造花の蜜はどんな妖しい香りを放つのだろうか…その二月末日に発生した誘拐事件で、香奈子が一番大きな恐怖に駆られたのは、それより数十分前、八王子に向かう車の中で事件を察知した瞬間でもなければ、二時間後犯人からの最初の連絡を家の電話で受けとった時でもなく、幼稚園

2組の夫婦に秘められた背徳の過去。東京とスイスを結ぶ往復書簡が織りなすレターロマネスク。

記録的な大雪にあらゆる都市機能が麻痺するなか、汚職疑惑の渦中にある大物政治家の孫娘が誘拐された。

15年前、わずか一年で結婚生活に失敗して以来、ずっと独り身を続けてきた47歳の女性弁護士撩子。

ひとりの平凡な男が突然消えた。

給料は安いし、貯金も少ない。

戸根市で対立する暴力団・北浦組と大門組は、事あるごとにいがみ合っていた。そんなある日、北浦組の組長が殺害された。

久茲里枝の喪服の裏にひそんでいた模様と同じ紫の文字で―紫の傷。二十八年前の罪の傷。

教祖V.S.マジシャン!? カルト宗教に消えた娘を救うため、 信者たちに「本当の奇跡」を見せろ！ 保険営業員として働きながら高校生の娘・あすかと二人で楽しく暮らしていた好美。

妻と別れる方法は離婚だけではない。情事を仕向け、妻を追いつめ自殺へ導く男の心理(「夜のない窓」)。

髪の艶と柔らかさが自慢の津加子。6歳年上の夫は4度目の浮気が進行中だ。

「お父さん、浮気してるわよ」中学三年の水絵の言葉に知子はギョッとした。

高名な彫刻家の杉原完三が、自宅兼アトリエから姿を消した。一ヶ月後、完三は武蔵野の林から遺体で発見された。

逆転に次ぐ逆転、超絶トリック、鮮烈な美しさ。

失踪した夫を待った女の決着を描く「忘れ草」。

見知らぬ男の後妻となるホステス(「日曜日」)、20年前の恋人と再会するやくざ(「裏町」)、腹違いの子を育てる玩具店の女房(「棚の隅」)…。

第二次大戦の残影色濃い1954年。フィリップは、考古学者の兄がアムステルダムの運河で身を投げたとの報を受ける。

余計なことは喋らない。上司から疎まれる。

密室のスペシャリストの前に立ちはだかる７つの密室。

本格ミステリーの巨匠がライフワークとした安楽椅子探偵ものの傑作「三番館」シリーズ。

外科医の夫と訪れたロワールのホテル。奈緒子は、美しい目をし危険な魅力に充ちた悠二と出会った。

1997年―国境が消えたとき、甦る愛と憎しみ…揺れ動く国際都市・香港。

ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー作家、サンドラ・ブラウン作品 湖に沈められた驚愕の真実が今浮かび上がる── 予測できない衝撃のラスト! 20年前に起きた窃盗事件。

売春宿で殺されたサミット関係者の男。テロを警戒する政府はポーに捜査を命じる。

一枚の巨額なルノワールの贋作。男と男の愛、女と男の死、美の真贋の境界線をさまよう大型国際ラブサスペンス。

1934年上海。「魔都」と呼ばれるほど繁栄と悪徳を誇ったこの地に成功を夢見て渡ってきた日本人の青年・吾郷次郎。

大学入学直前のピップに、不審な出来事がいくつも起きていた。無言電話に匿名のメール。

誰もが彼女を狙っている――。 大学祭の当日、英文学ゼミの教室で発生した陵辱事件。

石木律子は何事にも人並の商社員響介と一年前に結婚、姑の文枝と三人で暮していた。

ミステリー専門書店の店主マルコムのもとに、FBI捜査官が訪れる。

14歳の誕生日の夜に"それ"に両親を奪われた少年、陳。

イングランドから越してきた家族が住むシェトランド本島の家の納屋で、相次いでふたつの死体がみつかる。

「ストレートで高純度の本格ミステリ。 よくぞ掘り出してくれました。

“花の落ちる地へ参ります”という書き置きを残し、作曲家・高津文彦の妻・紫津子が家を出てから三日目の朝、高津のもとに空箱のように軽い、奇妙な小包が届いた。