私だけのわんこが欲しかった。世界でただ一匹の、私のことが一番好きなわんこと出会いたかった――。

表紙に惹かれて手にした『ななつのこ』にぞっこん惚れ込んだ駒子は、ファンレターを書こうと思い立つ。

ご存じだろうか。“魔が差す”という瞬間は、たぶんどんな人にも一度や二度は訪れるものなのだ。

妙な振る舞いをする女の子、噂の幽霊を実地検証した顛末、受付嬢に売り子に奮闘した学園祭、クリスマス・イブの大事件……文章修業を始めた駒子が近況報告のように綴る物語は、謎めいた雰囲気に満ちている。

最後にもう一つ、呪いをかけるね。

小学生のぼくは、ねこの首輪に挟んだ手紙で「タカキ」と文通をする。

少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇。

かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを問いかける短編集。

編集者としてバリバリ仕事をこなす山田陽子。

親の夜逃げのため、ひとり「佐々良」という町を訪れた中学生の照代。

就活に挫折して以来ずっと、実家でオンラインゲーム三昧の日々を送る“俺”に転がり込んだ伯父さんの遺産は、離島に建てられた館を丸々一棟。

長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家。

僕は人形に恋をした。その人形は今、生きて動いて僕の目の前にいるーー。

息子の中学吹奏楽部の活動に巻き込まれたワーキングマザー・陽子だったが……。

『きみの長靴でいいです』 天才ファッションデザイナー・灰羽妃楽姫は、二八歳の誕生日プレゼントに、ガラスの靴を受け取った。

5階建ての新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。

舞台は中国、清。

本屋大賞ノミネート作、待望の文庫化！ 宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。

京都が生んだ、やさしい奇跡。

17歳の女子高生、安藤麻衣子が通り魔に刺殺された。

ここ“エッグ・スタンド”はカクテルリストの充実した小粋な店。

高校二年の春、群馬県の前崎市の高校に転入してきた安井良。

一般職OL兼名探偵・陶子さんの周りで起こる、不思議な“事件”の数々。月曜から日曜まで、丸の内の一週間は謎だらけ。

猛毒の栞をめぐる、幾重もの嘘。 高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。

美味しい1杯のお茶が、あなたの悩みを癒します。 仕事もプライベートも崖っぷち。

今、注目の女性作家が贈る、七人七色の青春模様。

亜紗は茨城県立砂浦第三高校の二年生。顧問の綿引先生のもと、天文部で活動している。

和子が住む世界と、沙羅が住む世界。二つの異なる世界が交錯する時、何かが起こる──。

東北地方の書店に勤めるものの、うまくいかず、仕事を辞めようかと思っていた樋口乙葉は、ＳＮＳで知った、東京の郊外にある「夜の図書館」で働くことになる。

中学一年生の海月は幼なじみの樹絵里に誘われて、「飛行クラブ」に入部する。

――ほんの数回会った彼女が、人生の全部だった―― 古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。

軽やかなエナメルの靴音がミステリの幕をあげる

ちょっぴりつらい今日の向こうは、光と音があふれてる。

南天の木の植わった坪庭がある、京都の小さなゲストハウス「風待荘」。

事故で夫を失ったサヤは赤ん坊のユウ坊と佐佐良の街へ移住する。そこでは不思議な事件が次々に起こる。

「お探し物は、本ですか？仕事ですか？人生ですか？」。仕事や人生に行き詰まりを感じている５人が訪れた、町の小さな図書室。

江戸で噂の、「持つ者は子宝に恵まれる」という宝船の絵。

東京の片隅、小さな二階建ての一軒家。

神社に詩集を置かせてくれと頼んできた女子高生の佑紀奈には、玲斗だけが知る重大な秘密があった。

あの頃のわたしに伝えたい。明日を、未来をあきらめないでくれて、ありがとう。

雪深き森で、燦然と輝く、硝子の塔。 地上11階、地下1階、唯一無二の美しく巨大な尖塔だ。

引っ越しのために部屋を片付けていた千波 は、読んだ覚えのない一冊の本を見つける。

ビーバーイーツ配達員として日銭を稼ぐ大学生の「僕」は、注文を受けて向かった怪しげなレストランで、オーナーシェフと出会う。

「明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日からだよ」 今でもふと思う。あの数年はなんだったのだろうかと。

クリスマス直前、居酒屋で〝サンタクロース消失事件〟について議論していた楓たちは、紳士然とした男性・我妻に声をかけられた。

9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か? 大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。

メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画」。日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく。

デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めた梅本杏子(通称アンちゃん)は、ちょっぴり(?)太めの十八歳。

はやてがあやめさんと出会ったみたいに、人と本だってとってもすてきで、すごく大切な出会いをすることがあるの。

他人のものばかり欲しがるあの子。いるはずのない住人の気配。

小学六年生のユウたちは、先生から厳守するよう言われたルールを体育館裏でこっそり破る――。

化け猫、河童、そして山姥―― 狂気に塗れた苦界を生き抜く女と、化生の者どもが織りなす怪奇譚。

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」中２の夏休み、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出したー。

「金がないことがこんなに心細く、息苦しいとは思わなかった」。

『ジェノサイド』の著者、11年ぶりの新作! マスコミには決して書けないことがある―― 都会の片隅にある踏切で撮影された、一枚の心霊写真。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。