藤原氏が設立した施薬院の仕事に、嫌気が差していた若き官人・蜂田名代だったが、高熱が続いた後、突如熱が下がる不思議な病が次々と発生。

師走も半ば、京都鷹ヶ峰にある藤林御薬園の懸人、元岡真葛のもとを亡母の実家、棚倉家の家令が訪れた。

右大臣だった菅原道真が大宰府へ左遷された。悲憤慷慨する彼にお相手役の保積もお手上げ。

七世紀終わり。国は強大化する唐と新羅の脅威にさらされていた。

時は藤原道長が権勢を誇る平安時代。若き仏師・定朝はその才能を早くも発揮していた。

わしと共に、京の者たちを呪い殺そうとは思わぬか――。

緻密な構図や大胆な題材、新たな手法で京画壇を席巻した天才・伊藤若冲は、なぜ奇妙な絵を生涯描き続けたのか――。

時は天平宝宇年間。藤原清河の家に仕える高向斐麻呂は14歳で大学寮に入寮した。

奈良時代―国家の威信をかけた大事業、東大寺大仏建立。そこで働く名も残さぬ多くの若者たち。

東海道の要所、箱根山。

聖武天皇の御世、後宮で働くべく阿波国から上京してきた若子。

平安期、紀伊から流れ着いて京に住む綾児(あやこ)は、表向きは巫女を名乗りつつ、内実は色を売って暮らしていた。

すべてに裏切られても、己を信じて生きる 江戸から明治へ。人々の哀歓を描く本格時代小説 ご一新から五年。

第165回直木賞受賞作！ 巨星・河鍋暁斎の娘として、 明治大正の動乱を真っ直ぐに生き抜いた 女絵師・暁翠の一生。

紫式部が生きた平安中期を描く、豪華絢爛宮中絵巻。

平安時代中期。天皇の従兄である仁和寺僧・寛朝は、己の楽音を究めるため、幻の師を追って京から東国へ下った。

大宰府が朝廷に贋物を献上!? 都から配流中の道真は、疑惑を晴らす秘策を……。 左遷暮らしをユーモラスに描く歴史小説。

直木賞作家が描く、珠玉の短編集。 清水寺の稚児としてたくましく生きる花月。

時は7世紀。

あの山は命の輝きを永遠に宿し続けるいのちの山―― 江戸後期、弘化年間。

気鋭の歴史作家が描き出す、聖武天皇の真実! '756年、大仏建立など熱心に仏教政策を推進した首(聖武)太上天皇が崩御する。

延暦十九年。駿河国司の家人・鷹取は、軍馬を養う官牧で己の境遇を嘆く日々を送っている。

『京都はんなり暮し』から15年ぶり、 作家デビュー後は初となる澤田瞳子氏のエッセイ集。 生まれ育ち、今も暮らす京都。

働く女性たちはいつの時代も美しい。

必死に足掻いて生き続けるのさ。この国の政がどうあろうともーー。

「源氏物語」に隠された、或る夜の出来事。

京都東町奉行所同心組頭の家に長男として生まれながら、訳あって公事宿(訴訟人専用旅籠)「鯉屋」に居候する田村菊太郎。

命懸けで千石船造りに挑む船大工の父子!が、海は凄まじい力でその挑戦を打ち砕く!!男たちの船は海に勝てるのか!?感動必至―魂を込めた渾身の長編時代小説。

恩人の命令は、思いがけないものだった。 不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。

江戸は神田の袋物屋・三島屋は風変わりな百物語で知られている。語り手一人に聞き手も一人。

宮沢賢治は祖父の代から続く富裕な質屋に生まれた。

かつて一刀流道場の四天王と謳われた勘定方の瓜生新兵衛は、上役の不正を訴え藩を追われた。

警察のあきれた怠慢のせいでストーカー被害者は殺された!? 警察不祥事のスクープ記事。

1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。

優雅な余生を送るはずの隠居家は、今日も子供たちで大にぎわい。

一人の武士の遺骸が河岸で見つかった。男は村塾の教師・梶与五郎。

筑前の小藩・秋月藩で、専横を極める家老・宮崎織部への不満が高まっていた。

最低亭主から逃げた女房は江戸の離縁請負人のもとで働くことに。

小舞藩が大火に見舞われた。執政たちの対応が遅く、苛立ちを募らせた樫井透馬は、側近の新里正近らと人々の救済に奔走する。

弘化三年(1846)日本海に浮かぶ隠岐「島後」に、はるばる大坂から流された一人の少年がいた。西村常太郎、十五歳。

武家の庶子でありながら、家族に疎まれ寒村の寺に預けられた久斎は、兄僧たちからも辛く当たられていた。

嘘も真実も善きも悪しきも、すべてが詰まった江戸怪談の新骨頂! 江戸は神田の三島屋で行われている変わり百物語。

その男は決して屈しなかった。人が一生に一度出会えるかどうかの大傑作。

いまだ人を斬ったことがない貧乏御家人が刀を抜くとき、なにかが起こる。第18回松本清張賞受賞作。

５２ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。

超大型台風接近中の日本。国際空港の入管で突如11人が別室に連行された。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

シリーズ累計35万部突破！ うまいものには“謎”がある!? みたらし団子、猪鍋、菜の花飯……旬の女性時代作家による江戸の料理×人情アンソロジー 「福袋」（朝井まかて） 妻と離縁をしたいが、持参金を使い切ったために別れられずにいる乾物屋の旦那。

京で暮らす5歳の貴和は黒笠の法師に追いかけられていたところを、神社で遭遇した少年に助けられる。