大資産家の妻を目指して、知性と打算の見事な結晶の手紙を送ったドイツ人女性ヒルデガルト。

美しい社長秘書との結婚を目前に控えたモードデザイナーのポールは、ささやかな幸福にひたっていた。

破産寸前の夫、その若く美しい妻、彼女に恋する中年の資産家とオールドミスの姉、この四人の男女の頭の中には、それぞれ思惑がひそみ、それが運命の糸のようにからみあって、破局へと突き進んで行く……。

アメリカからの電報を読んで、キャシーは愕然とした。ノエルが結婚!なんて馬鹿な。

「最後のバラ色の三日間。あとはみなさん、さようなら！」　イリスが車に乗せた青年は、こう言うと笑った。

大富豪の一人娘ステラは父の難病を治療した青年医師にひかれ、結婚することになった。

わたし、ミは、火事で大火傷を負い、顔を焼かれ皮膚移植をし一命をとりとめたが、一緒にいたドは焼死。

二人は学生同士の恋人だった。女は妊娠しており、男は結婚を迫られていた。

実直そうな青年アレックスは、茫然自失の状態だった。新婚旅行の初日に新妻のドリーが失踪したというのだ。

山中で交通手段を無くした青年クインは、〈塔〉と呼ばれる新興宗教の施設に助けを求めた。

妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。

十年前に起きた二重殺人事件は、きわめて単純な事件だったと誰もが信じていました。

ダレハムの海岸で男の溺死体が発見された。その六週間前、自殺すると言って姿を消した一人の旅芸人がいた。

事故で死んだ夫、未亡人は義理の息子に有利に条件づけられている遺産相続に不満だった。

雇い主の車で初めての南仏を目指した女が巻き込まれた事件。

伯母と犯罪学と切手蒐集から成る人生に安住していたチタウィック氏が、たまさか訪れた午後のホテルで毒殺の現場に遭遇する。

ロジャー・シェリンガムが創設した「犯罪研究会」の面面は、迷宮入り寸前の難事件に挑むことになった。

スコットランドの地方都市で、帰宅途中の女性教師が何者かに襲われ、殺されかけた。

ロサンゼルスからハワイに向かう747ジャンボ旅客機が無線で驚くべき通告を受けた。

ニューヨークで夢破れたダンサーのブリッキー。孤独な生活を送る彼女は、ある夜、挙動不審な青年クィンと出会う。

反米デモの夜、ストックホルムの市バスで八人が銃殺された。大量殺人事件。

英国史上最も悪名高い王、リチャード三世——彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか？　退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。

魔術師リュウがやってのけた一世一代の大奇術。

メアリは白血病患者のために骨髄を提供した。だが、それが恋人の男の怒りをかう。

社会的地位も財産も美しい妻も手に入れ、満ち足りた生活を送っていた男が、それだけでは飽きたらず、途方もない計画を立てた。

はじめは、愛人との駆落ちぐらいに考えていたものの、ウェクスフォード警部はいまや男の死を確信していた―失踪したのは、警部の隣人で会社員のロドニー・ウィリアムズ。

前妻、現夫人、フィアンセ、それに愛人――人気絶頂のコラムニストをとりまく四人の女性。

犯罪組織の中枢にまで潜り込んだスウェーデン警察の潜入捜査員パウラ。

郊外の町で、幼稚園児の遺体が発見された。被害者は死後に性的暴行を加えられていた。

鮎川哲也の戦後本格の出発点となった里程標的名作。綿密な校訂と著者の加筆訂正による決定版。

小さな町の菓子店で、何者かが商品に毒入りチョコレート・ボンボンを混入させ、死者が出るという惨事が発生した。

ワインの銘柄を当てる大博打の結末は? 夫殺しの凶器の行方は? ラスト一行に襲いかかるショックとは? 常軌を逸した賭けの行方や常識人に突然忍び寄る非常識な出来事など、短篇の名手が残酷かつ繊細に描く11篇を、すべて新訳で収録! 出版社からのコメント 名作

六月半ばの日暮れどき、ダートムアの採石場で、スコットランド・ヤードの敏腕刑事ブレンドンは、絶世の美女とすれ違った。

<おまえは殺されるのだ>素人演劇の公演を前に、三人の出演者に不気味な死の予告状が届く。これは単なる嫌がらせか。

私立探偵のリュウ・アーチャーは怪しげな人物からの依頼で、失踪した女を捜し始めた。

匿名の電話の警告を無視してフリーダは婚約者の実家へ向かうが、その夜のパーティで殺人事件が起こる。

ブレアトン女子学院に勤めて五週間の女性教師フォスティーナは、突然理由も告げられずに解雇される。

「しばらくの間でいい。

飛び降り自殺に偽装された女性の死。その背後にはさまざまな事件と、二重三重に塗りかためられた嘘があった。

異常な寒波のなか、私は少女の家へと車を走らせた。地球規模の気候変動により、氷が全世界を覆いつくそうとしていた。

大学生のジョーは、授業で身の回りの誰かの伝記を書くことになった。

これぞミステリ!と膝を打ついかにも“らしい”52人。

ショックを受けたタウンゼントは記憶喪失症から回復した。しかし、三年の歳月が彼の頭の中で空白になっていた。

アガサ・クリスティと並び称される、英国ミステリ界の女王アリンガム。その名作・傑作を日本オリジナル編集で贈る短編集第二弾。

議員の娘だが周囲から軽んじられるタイピストのルース・エルダーは、職場で拾った奇妙なメモのことを警察に話すと同僚たちに吹聴した。

キャロラス・ディーンはゴリンジャー校長 から直々に事件捜査の依頼を受ける。