繁華街のカラオケボックスに集う四人の男。めいめいに殺意を抱えた彼らの、今日は結団式だった。

目撃された殺人と消えた犯人、そして目の前を落下する女、鍵を飲み込んだ被害者に雪の足跡…いつの間にか現れた「彼」の前に開かない「扉」はない。

季節外れの吹雪で孤立した館、奇面館。主人影山逸史に招かれた六人の客はそれぞれの仮面を被らされた。

十三歳で遊女となるべく売られた少女。“緋桜”と名付けられ、身を置いた世界は苦痛悲哀余りある生き地獄だった。

放課後の旧体育館で、放送部部長が何者かに刺殺された。

英都大学に入学したばかりの一九八八年四月、ある人とぶつかって落ちた一冊――中井英夫『虚無への供物』――が、僕、有栖川有栖の英都大学推理小説研究会(EMC)への入部のきっかけだった。

20代の女性社長・北条紫苑が率いる「北条葬儀社」。

一九三九年十一月二日、ワシントンDCの森で、娼婦の死体が発見された。

毎朝配達される幻灯新聞が食卓に話題を提供し、港にはエーテル推進機を備えた空中船が着水・停泊。

花々が咲き乱れる廃園となった遊園地。そこには、謎めいた青年が守る秘密の動物霊園があるという。

カラマーゾフ事件から十三年後。

津上有騎、水瀬鮎子、長岡茉歩、そして葉原美雲―四人の女子高生の不安定な対立感情が極限に達したとき、ひとつの悲劇が起きた。

終戦前夜。秘能『長柄橋』の上演を巡り、交錯する過去と現在。

江戸の下屋敷におわす藩主の愛妾和泉ノ方。閉ざされた書物蔵で御広敷番が絶命した。

都筑台高校2年生にして弱小映研部長の遊佐渉は、気鋭の映像作家・真壁梓が夏休みに企画した撮影合宿に参加することに。

生まれついての聴き屋体質の大学生・柏木君が遭遇した四つの難事件。

王女サロメが、FBI女性捜査官が、平凡なサラリーマンが、ドッペルゲンガーを見た男が出会った、恐るべき謎!傑作保証付き新時代の異色作家短篇集。

大学の探偵助手学部に通う君橋と月々は、志望のゼミに落ち、悪ふざけで出した第3希望の猫柳ゼミ行きが決定してしまう。

洋楽専門誌にビートルズの評論を書くことだけが、社会との繋がりだった鈴木誠。

別居している妻の潜伏先を察知した男が、応対に出た姉のほうを撲殺―一一〇番通報の時点では単純な事件と思われた。

血塗られた赤い舟を、鎧武者が漕いでいる。これは幻なのか?服部は思わず駆け出していた…。

元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官・三上義信。

クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した14歳。彼の死を悼む声は小さかった。

若くして引退し、その後は一度も姿を見せず山形県に隠棲していた往年の名女優、美里織絵が死去。

大日本帝国陸軍内にスパイ養成組織“D機関”を作り上げ、異能の精鋭たちを統べる元締め、結城中佐。

スーパーマリオ、ぷよぷよ、スト2、ゼビウス、そしてドラクエ、ビデオゲーム史に燦然と輝く巨大タイトルを、さんざん遊び倒したプレーヤーの視点から描く、まっとうなゲーム小説って、ほんと...

自分の容姿に自信がもてないミラ、クラスの人気者カオリ、「わたし」というしがらみに悩む秋穂、そして誰とも交わろうとしないシズ。

城林大ミステリ研究会で、年末恒例の犯人当てイベントが開催され、サークル一の美人・赤江静流が、長身の彼氏を部室へ連れてきた当日、部室の本の上には、あるものが置かれていた。

鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに似合わず様々な客が訪れる。

“わたしは、彼女に勝ったはずだ。それなのに、なぜ…”中条夏子は、かつての同僚で親友だった黒羽姫乃を刺殺した。