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Tetchy さんのレビュー一覧

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レビュー数142

全142件 81~100 5/8ページ

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No.62: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(1pt)

島田コレクター用です。

もはや本作については島田ファンのコレクターズ・アイテムに過ぎないと断言しよう。作者自身、息抜きで書いた様に述べているし。
ただ息抜きとは云え、トリックを備えた本格物であるところが島田らしい。ただコメディを目指した本作におけるギャグの数々は御寒い限りで、センスの無さを暴露する羽目になってしまった(ただ飛行機の「性別」欄のギャグはタモリが先か、こちらが本家かどちらかは解らないのだが)。
ま、金返せとまでは云いませんがね。
嘘でもいいから殺人事件
島田荘司嘘でもいいから殺人事件 についてのレビュー
No.61:
(1pt)

もはや堕ちるのみ。

う~ん、とうとう来るべきものが来たという感じ。

今回に関しては各短編全てにおいて興趣を欠いていた。有名な短編としては「瀕死の探偵」が挙げられるが、この話もホームズの馬鹿さ振りを髣髴させるエピソードとして色んな作家の作品中で語られるものなので実は大したことはない(実際、この短編におけるホームズはアホである。それにまんまと引っかかるワトスンもまた斯くや)。

短編集の題名になっている「最後の挨拶」はもはや本格ですらない。これこそドイルがホームズ譚を執筆するのにうんざりしていた証拠になる。

「亢龍やがて堕つべし」というがホームズもまた同様である。まあ『恐怖の谷』が読めただけでもホームズ譚を読む事の収穫は大いにあった。
シャーロック・ホームズ最後の挨拶  新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)
No.60:
(1pt)

色々重なりました。

苦しい読書だった。上下2冊で1,150ページ余り、34編もの短編が集められたアンソロジー。しかも全てが’30年代の黄金時代物だから文体が堅苦しいこと!
半ばうつつの状態で読み進んだ時もあり、今収録作を目次で見返しても覚えていないものが多い。

下巻の最後の方に若干読みやすく、興味を覚えた作品があったが、果たしてこれらが本格黄金期を代表する諸作なのか疑問が残る。特にシリーズものの短編などは読者に予備知識があるものとして語りかける構成のものもあり、戸惑った。
私にもう少し読書のスキルが必要なのか、それとももはや時代の奥底に葬られるべき凡作群なのかは判らないが、十分愉しめなかったのは事実として残った次第である。
探偵小説の世紀 (下) (創元推理文庫 (110‐11))
G・K・チェスタトン探偵小説の世紀 についてのレビュー
No.59:
(3pt)

勿体ぶってばかりです。

今回もサイキック物で、主人公はこれから起きる殺人事件が予見できる能力をもった女性。これが同時に事件を解決出来るような知力と腕っぷしを持ち合わせていないのがミソ。
だが今回はあまりに売れる小説を書くことに専念したクーンツのあざとさがいやに目立った。特に犯人が早々と判っているのにも拘らず、じれったく引っ張っていく嫌らしさ。マックスを犯人にも仕向けるあからさまなミスリードの数々。
それに冒頭の犯人が主人公を名指しするエピソード、あれは一体何だったの!?
悪魔は夜はばたく (創元推理文庫)
ディーン・R・クーンツ悪魔は夜はばたく についてのレビュー
No.58:
(3pt)

何もかもが強引すぎて。

いきなり前世(作品内では「過去世」だが)で愛し合ったであろう者同士が何の疑いもなく前世探しの旅に同行するという設定に抵抗を感じたせいか、最後までのれなかった。前世と肯定して物語はぐんぐん進むのだが、それも何だか腑に落ちなかった。
そうして読み進むうちに内面に不安がよぎり、最後にやはり現実となった。前世をテーマにした幻想小説と見せかけて実はまっとうなミステリだったと手法は良いがやはりその解決は強引だった。
妖女のねむり (創元推理文庫)
泡坂妻夫妖女のねむり についてのレビュー
No.57:
(1pt)

残念な作品だ。

結局、この物語で語りたかった事は何だろう?
不可能状況、不可解状況を作り出すためにわざわざ登場人物達を歪曲したような感が強く、興醒めした。
物語を語るのなら、例え登場人物に通常考えられないような奇癖、性格を持たせても、納得できるような描写、説明が必要である。現実にありえない事でもそれを思いつき、理論立てた作者の力量に感嘆するのだが、本作にはそれが皆無である。だから真相を明かされても、ご都合的だと思われ、カタルシスがないのだ。
あ~、とても残念だ。
囁く影 (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-8)
ジョン・ディクスン・カー囁く影 についてのレビュー
No.56:
(3pt)

なぜ高評価なの?

書評家諸氏の方々が云う「驚嘆の結末」とは一体何なのだろう?

何故この作品はそれほど評価が高いのか?

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弓形の月 (双葉文庫)
泡坂妻夫弓形の月 についてのレビュー
No.55:
(3pt)

作者自身、途中で背負い投げ?

柔道をテーマにミステリが書けるかを主題にしたかどうかは判らないが、恐らくは織口哲という一人の武士を主役に所謂立身伝みたいなものを書いてみたかったのではないだろうか?
しかしプロットは上滑りしているような感じで、特に登場人物の相関が何ともまあ、少女漫画的である。織口哲のストイックさ、実直さは今の我々にないものであり、ある意味ハードボイルドかもしれない。
だが、作者は最終的に本作が失敗作だと自覚したのではあるまいか?結末を読むとどうもそう思えてならない。
旋風 (集英社文庫)
泡坂妻夫旋風 についてのレビュー
No.54: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(1pt)

合わないんだよなぁ、やっぱり。

いやいや、フランスのミステリ(文学?)というのはリアリティを持たすためにそれが実際の出来事であったかのように作者本人まで登場する。そういった趣向と物語の性質がやはり自分の好みに合わない。何度も新訳出版されている歴史的価値の高い本書もまたそうである。
ただ、後に『13日の金曜日』シリーズの“ジェイソン”や『エルム街の悪夢』シリーズの“フレディ”に代表される怪人物の源流を作った功績はやはり意義あることだと思う。特に怪人エリックがその醜さゆえに愛されなかった苦悩を吐露する所など、怪人であることの哀しさを含ませてその造詣に膨らみを持たせていることは「ルルー、只者でなし!」の感もあった。
が、やはり自分には合わなかった。
オペラ座の怪人 (角川文庫)
ガストン・ルルーオペラ座の怪人 についてのレビュー
No.53:
(1pt)

もう付き合えません。

疲れた…。
古典ミステリ独特のもったいぶった云い回しと隣人の奏でる雑音とで、もう何が何だか解んなかった。

「フレデリック・ラルサン」という人物が云うほど、快人物に思えなかったのが欠点か。

しかしルルーの作品は前作、前々作に関わった人物、込められたエピソードが次作、次々作へと持ち越されるのが特徴のようだ。推理小説という1作完結型の様式に人物又は挿話を以って一大相関図を描こうという狙いらしいのだが…。
私としてはご容赦願いたい。

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黒衣婦人の香り (創元推理文庫 108-2)
ガストン・ルルー黒衣婦人の香り についてのレビュー
No.52: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(3pt)

歴史的名作?

フランス人は「悪の英雄」というのがどうも好きらしい。その最たる代表はルパンであるが、本作も希代の詐欺師パルメイエなる者を設定している。

果たして本作の歴史的地位というのは一体何に起因するのだろうか?誰か教えてくれ!

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黄色い部屋の謎 (創元推理文庫)
ガストン・ルルー黄色い部屋の謎 についてのレビュー
No.51:
(3pt)

名作は何を語る?

意外にも“顔”の見えない小説だった。
ニックとコーラ、そして主人公のフランクの3人で暮らし始める冒頭からニック殺害までは、実に際立っていたのだが、その後の裁判において弁護士や検事が出てくる辺りから、全体像がぼやけて非常に散漫な印象を受けた。主題が見えないのだ。


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郵便配達は二度ベルを鳴らす (光文社古典新訳文庫)
No.50:
(2pt)

旅行中に読んではいけない。

この短編集を読んだ限りでは、ロスマクは短編を書けない作家であると云える。意外性を無理矢理でも持たせようとする強引さが目に余る。プロット重視の作家と云われている、又は自分でも云っている、にしては何ともお粗末である。
書かれた年代が現時点では不明だが、このラフさは恐らくアーチャー初期のものに類すると思われる。
あと外的要因として、大阪への旅行を間に挟んだのも大きな原因だろう。その点は自分が甘かったと云わざるを得ない。
教訓:旅先の読書はやるだけムダ。
ミッドナイト・ブルー―ロス・マクドナルド傑作集 (創元推理文庫 (132-7))
No.49:
(2pt)

読みやすいがこれでいいのかと。

ハードボイルドのプロトタイプの型にかっちり嵌め込んで作られた印象が強く、従って妙に何も残らなかった。文章は今までの一連のロス・マク作品の中では最も読みやすく、あれよあれよという間に事が進んでいった。事件の手掛かりが容易に手に入るのも気になったし、登場人物各々があまりに類型的過ぎた(トニー・トーレスは若干異なっていたが)。
思うに、ハードボイルドは読みやすくてはいけない文学ではなかろうか。癖のある文書の裏側に潜む作者の主張を一字一字丹念に読み上げることで理解してこそ、探偵の生き様に味わいが増すのではなかろうか。
兇悪の浜 (創元推理文庫 132-6)
ロス・マクドナルド兇悪の浜 についてのレビュー
No.48:
(3pt)

本当に長い夜だった。

レンデルが、ヴァインとして描く作品はハッピーエンドが多い(まだ2作しか読んでないが)。しかし、今回は重厚かつ陰鬱で北方の凍てつく寒さのイメージが物語全体を覆っていて、なかなかノレなかった。
正味560ページの長い物語の中で、延々謎として設定されていた諸々の事象が最後に何とも呆気なく明かされる辺り、結局今までの物語は何だったの?と呆れてしまった。
『アスタの日記』の、最後のこの上なく温かみのあるシーンに匹敵するものを本作でも盛り込んで欲しかった。
長い夜の果てに (扶桑社ミステリー)
バーバラ・ヴァイン長い夜の果てに についてのレビュー
No.47:
(3pt)

作者の都合に振りくり回されます。

少年漫画のような、とにかくこういう風になっているんだから全て受け入れてくれぃとでも云っているぐらいのとんでもなく御都合主義な小説だった。
発端からして、祖母には予知能力があるのだから、島に行けと云うのなら行こうという展開には参った!
その後も殺人事件が4つ起きても警察が介入するのは最初に発覚した1件のみ!しかも主人公はなぜかやたらとモテる!
あまりに現実からかけ離れている。
唯一現実的だったのは最後の美波の独白。これは名探偵のパラドックスとしても面白かった。
闇かがやく島へ―長編ミステリー
岩崎正吾闇かがやく島へ についてのレビュー
No.46:
(3pt)

どうした、レンデル!?

レンデルにしては珍しく整然さを欠いている。
ストーリー展開は確かに従来の作品群同様、全く読めないのだが、今回はそれが読書の牽引力になっていない。
昔から失語症など些細なハンディキャップを素材にして普段到底あり得ないような事態を丹念に心理描写を重ねることで絶大な説得力を持って読書を引っ張ってきたのだが、今回はあまりに魔術や心霊に寄りかかってしまったため、今一歩説得力に欠け、ノレなかった。


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殺す人形 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ルース・レンデル殺す人形 についてのレビュー
No.45:
(3pt)

期待に応えてくれませんでした。

期待していたのだが、十分応えてはくれなかった。
探偵リュウ・アーチャー初登場ということで、「質問者」という位置付けはある程度規定されているものの、どうも三文役者に成り下がっている印象が濃い。人の間の渡り方がどうにも不器用で、未熟である。
もしかしたら作者は今後のシリーズを見込んでそんな設定にしたのかもしれないが。またプロットが平板で落ち着くであろう場所に落ち着いたという感じ。
う~ん、残念。
動く標的【新訳版】 (創元推理文庫)
ロス・マクドナルド動く標的 についてのレビュー
No.44:
(1pt)

なぜこの題名?

あまりにも題名から想起される内容とはかけ離れていて呆気に取られてしまった。未だにこんな題名をつけたのか判らない。
時代ミステリであるがため、当時の世俗背景を甦らすのに腐心しているようだが、前に読んだ『死の館の謎』同様、登場人物が全く活写されていない。『ビロードの悪魔』、『火刑法廷』以外、結局カーはノンシリーズを物に出来なかったようだ。

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血に飢えた悪鬼 (創元推理文庫)
No.43:
(1pt)

もう出涸らし状態です。

大味だ、あまりにも大味だ。作品の構築したトリックが単なる研究成果の発表会と化し、全くの自己満足となっている。
“老いてなお、最新の知識を導入し、斬新な試みに挑む”とでも云いたかったのだろうか?


▼以下、ネタバレ感想
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死の館の謎 (創元推理文庫)
ジョン・ディクスン・カー死の館の謎 についてのレビュー